大和高原、京都三重府県境近くにある重文指定の茅葺き民家です。
梅渓の里として知れ旦る奈良県旧月ヶ瀬村の対岸、谷を成して流れる名張川右岸の急傾斜地に建つ桃香野集落。
<付近の古い道筋>
その集落最高部付近に建つ菊屋家住宅は、奈良から柳生街道を経て伊賀上野に至る道筋に当り、元は農家の他に旅籠模兼業し、当時の屋号から菊屋と名付けられたと言う。
脇道より正面に見る菊屋住宅は小振りで覆いかぶさるような、葺き降ろしの茅葺き屋根が小気味良い。
建物はそう広くない屋敷に南面して建ち、十七世紀末から十八世紀始め江戸中期の建築とされ、桁行10.5m、梁間8.3m。
帆立貝を逆さにした様な入母屋茅葺き屋根、深い吹き降ろしの茅葺き屋根はもう僕の知る限りこの地域では見かけ無い。
棟は檜皮を掛けて中央には太い筒竹を旦して居る。
普段此処では生活して居られないようで全くの留守屋で戸締状態ですが、外廻りは自由に見学可能です。
撮影2006.3.5