Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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連載開始「医師のバーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐためには?-脳神経内科領域の取り組みから学ぶ」@医学のあゆみ

2019年02月02日 | 医学と医療
「医学のあゆみ」誌の次号(268巻6号)より,標題のタイトルの連載を計11回シリーズでさせていただくことになりました.これまでも当ブログにてご紹介してきた通り,医師における燃え尽き症候群は重大な問題として認識されるようになりました.多くの診療科の医師がこの問題に直面しておりますが,脳神経内科医はこの問題に積極的な取り組みをはじめています.例えば,米国神経学会は2014年ごろから本格的,かつスピーディーにこの問題への取り組みを開始し,学会活動は大きく変貌しました.また私どもは2018年に行われた第59回日本神経学会学術総会(札幌)においてこの問題に取り組むシンポジウムを開催し,多くの学会員や関係者,マスコミの方々の注目を集め,同学会のキャリア形成促進委員会でも議論が開始されました.

本連載はこのシンポジウムの内容を各演者の先生方にさらに発展的にご記載いただくとともに,本邦における燃え尽き症候群研究の第一人者である心理学者,久保真人教授(同志社大学)による概念と医師におけるバーンアウトについての解説,そしてシンポジウムで十分に議論ができなかった燃え尽き症候群に対する個人及び医局・病院としての対策について議論を深めていきます.さらにこれまで世界的にも議論がほとんど行われていない精神医学の立場から見た燃え尽き症候群の本質,そしてバーンアウトしてしまった医師に対する接し方や対応について,塩入俊樹教授(岐阜大学)からご解説をいただきます.

燃え尽き症候群は医師自身とその家族はもちろんのこと,仲間や後輩医師,学生,さらには患者さんに対しとても大きな影響を及ぼします.この問題を正しく認識し,対策を講じる必要があります.本連載が脳神経内科領域における取り組みをご紹介することにより,活発な議論と有効な対策の開始につながることを期待したいと思います.


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