Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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読書案内(医学生,レジデント篇)

2018年01月02日 | 医学と医療
新年,明けましておめでとうございます.
岐阜大学医学部生協から依頼されて,お勧めの本の紹介文を書きました.丹羽宇一郎さんによる新書「死ぬほど読書 (幻冬舎新書)(幻冬舎)」のなかには,本の好みは人によって違うため「あなたが面白いと思う本を選びなさい」とあり,自分の好きな本を紹介することは野暮な気もするのですが,そうお返事するわけにもいかず,医学生,レジデントに読んでほしい本を選んでみました.

■ 平静の心―オスラー博士講演集
■ 医学するこころ――オスラー博士の生涯 (岩波現代文庫)
いずれも臨床医・研究者・教育者として生きたオスラー博士に関する本です.医師として目指すべき姿を学ぶのに最適です.岐阜大での病棟実習の前に,オスラー先生の次の言葉を紹介しています.「本を読まずして医学を学ぶことは海図を持たずして航海に出るに等しく,患者を診ずして医学を学ぼうとするは全く航海に出ないに等しい」

■ 生き方―人間として一番大切なこと(稲盛和夫)(サンマーク出版)
著者は京セラ・KDDIを創業し,日本航空では会社更生法の適用から2年でV字回復をやってのけた稀代の実業家です.心の持ち方や求めるものが,そのまま,その人の人生を形づくっていくことを教えてもらいました.

■ 精神と物質―分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか (文春文庫)(立花隆,利根川進)
若き日の利根川博士が免疫学の新天地を切り開いていく様子は爽やかで魅力的ですし,研究とはどういうものか学ぶことができます.

■ 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 スタンフォード大学集中講義(ティナ・シーリグ)
起業家精神とイノベーションの考え方はこれからの医師には必要だと思います.最初,読んだときには感激して,たくさんの付箋がつきました.

■ 僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)(瀧本哲史)
20歳台をどのように行きていくべきかを論じた本として,日本人によるものであればこの著者のシリーズがお薦めです.戦略的思考が必要であることが分かります.医学部生向きのものとしては「君たちに伝えたい3つのこと―仕事と人生について 科学者からのメッセージ」(中山敬一)(ダイヤモンド社)が素晴らしいです.

■ たかが英語!(三木谷浩史)(講談社)
2010年,楽天は「社内公用語英語化宣言」をして社会を驚かせましたが,その過程と結果,日本の英語教育の問題点を綴った本です.英会話が得意でない私はこの本に勇気づけられました.過去にブログで紹介しました.

■ ベッドサイドの神経の診かた(南山堂)改訂18版
神経学の基本を教えてくれる本です.

■ Harrison's Principles of Internal Medicine 19/E (Vol.1 & Vol.2)
医学の共通言語は当然,英語です.学生・レジデントの頃から,たとえよく分からなくても「医学英語を学ぶのだ!」という気概が絶対必要です.世界で活躍する準備を始めてください.

■ Beautiful Brain: The Drawings of Santiago Ramon y Cajal
病理学者カハールが描いたゴルジ染色による脳細胞のスケッチ集です.今年出版されました.あまりの美しさに,今年一番,感激した本です.

最後に宣伝です.岐阜大学神経内科・老年学では一緒に勉強するレジデントを募集しています.当科の様子はフェースブックページより,見学の申し込みはホームページよりお願い致します.「教育第一」を掲げ,濃厚な教育を行なっています.ぜひ見学にお越しください.




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