Brain Nerve誌で企画,連載中の「脳神経内科領域における医学教育の展望」の2回目です.岐阜大学医学教育開発研究センターの西城卓也先生と今福輪太郎先生のご執筆です.少し内容をご紹介すると,我々医師は学生や若手医師を教えるための技術や理論を学ぶ機会がほとんどありませんでした.よって頼りは自身の過去の学習体験になりますが,学習者にはさまざまなタイプが存在するため,必ずしもそのまま活かせるとは限りませんでした.つまり指導医は自己流の指導法に依存する状況から抜け出すために,「臨床教育学のエッセンス」を理解することが求められます.今回,そのひとつとして「経験学習」を教えていただきました.経験から学ぶためには,図の「経験→省察→概念化→施行」というステップがあり,指導医は各ステップでいろいろな工夫ができること,またコロナ禍でもオンラインや疑似体験を活かせることを解説してくださいました.ぜひ本文をお読みいただき,教育に活かしていただければと思います.ちなみに「経験学習」は医学教育だけでなく,学び全般に利用できます.詳しくはこの理論の考案者Kolbによる「最強の経験学習(辰巳出版)」で勉強できます.

