Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

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回復期リハビリテーションのバイブル:医療者から患者さん・家族まで

2020年08月28日 | 医学と医療
マニュアル人間(思考)というと,指示通りに従い,自分で考えることができないネガティブな意味を持ちますが,逆にマニュアルを作るないし遵守するというと,ポジティブな意味を持ちます.つまり深く考えて突き詰め,初学者に教えられるよう標準化・体系化するマニュアルの作成は極めてレベルの高い行為であり,またそれを遵守することも,質の保証やさらなる発展につながります.

ご紹介したい書籍は角田亘先生(国際医療福祉大学医学部リハビリテーション医学主任教授)が編集した「回復期リハビリテーションマニュアル(医学書院)」です.一読して,角田先生を中心とする回復期リハビリ・チームの結束の固さ,レベルの高さを感じました.リハビリ病棟に関わるさまざまな立場の総勢48名の執筆者が,他書で目にしたことのない「プライスレスな診療のコツ」を惜しげもなく披露されています.各項目が「・・・のキホン」「・・・の実際」「ここをオサえる!」の3つの視点から述べられ(図),わかりやすいため,医療者はもちろんリハビリを要する患者さん,家族も読むことができます.

項目は回復期リハビリテーション病棟の現状やチーム医療の意味から始まり,入院時評価,リハ処方とカンファレンスの進め方,リハ訓練の実際,看護とケア,栄養や薬剤,合併症の管理,そして退院準備と実例紹介まで,回復期リハビリテーション病棟のすべてが凝縮されています.例えば「リハビリテーションの処方」や「自動車運転再開のための訓練」などは早く知っていれば良かったと思いました.ぜひ手にとっていただければと思います.

回復期リハビリテーションマニュアル(医学書院)
 


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