名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

国有財産を不当な安値で学校法人「森友学園」へ払い下げ

2017-02-24 22:27:29 | Weblog
2017.2.24(金)
 大阪市淀川区に本部を置き、幼稚園や保育園を運営する「森友学園」という学校法人がある。この学校法人が大阪府豊中市に、この4月に開校予定の小学校用地として、8770㎡の国有地の払い下げを受けたことが大問題となっている。問題はその値段である。
 財務省近畿財務局が依頼した不動産鑑定士による評価額は956百万円だったが、「地下に埋設物がある」との学園側からの連絡があったため、管理していた国土交通省大阪航空局がごみの撤去費用を約8億円と算定し、その分を差し引いた134百万円で払い下げたというのである。
そこで、本当にごみの撤去費用として8億円を要したというなら問題はないが、同学園の籠池泰典理事長は、撤去工事は校舎部分でのみ行い運動場部分では行っていないと述べて、いくらかかったのか具体的金額を明らかにしていない。 
 さらにごみの撤去とは別に、汚染土壌の除去費用として国は学園側に132百万円弱を支払ったという。8770㎡もの国有地を手放して国が得た金額は僅かに約2百万円だったというから驚く。 このことについて麻生副総理兼財務相は「適正な売却でありごみの撤去は相手方の問題で関知しない」などと答弁している。このことについては、大阪府の松井一郎知事ですら記者会見で「ごみがなければ、土地を安くするための森友学園の詐欺行為となる」と指摘している。
 筆者の経験からすれば、国有地をこれほどまで安く叩き売るなどという事はあり得ない。何らかの政治的圧力があったとか、安倍晋三首相夫人の昭惠さんが当該小学校の名誉校長であることへの配慮が働いたと勘ぐられても仕方がない。
 次にこの学園の「立ち位置」である。こ学園の籠池泰典理事長は、あの悪名高き日本最大の右派組織である「日本会議」の大阪支部役員という。配下の幼稚園では、国に尽くすことなどを定めた「教育勅語」を幼い園児に暗唱させることで知られるだけでなく、昨年には「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記した文書を保護者に配布し、差別表現に当たる恐れがあるとして大阪府から事情聴取されている。教育機関としての適格性が問われる学校法人である。
 なお、安倍昭惠首相夫人は、学校を紹介するインターネットのホームページで「籠池先生の教育に対する熱き想いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきました」と同学園を宣伝していたが、なぜか2月23日にはこのメッセージは削除されていた。
 さらに一時、学園は「安倍晋三記念小学校」名目で寄付金を集めていたと伝えられていたことが国会で追及されたが、首相はそのことに遺憾の意を表明し、学園側も謝罪した。しかしながら、この名目で寄付金を集めていたことは事実だったという。国有地が安く払い下げられた<からくり>がこのあたりに隠れてはいないか

 問題のあるこの学校法人に、ほとんど「ただ同然」で売却した土地問題については、ごみと汚染土壌の処分費など事実関係をきちんと調査する必要がある。河戸光彦会計検査院長は23日の衆院予算委員会で「一連の事実関係を確認し、国会の議論も踏まえて正確性、経済性等の多角的な観点から検査を実施したい」と述べた。このことには大いに期待したい。