名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

老舗鳥料理店「鳥久」の解体に河村市長が待った!!

2014-10-27 17:18:12 | Weblog
2014.10.27(月)
 名古屋の中心地、堀川にかかる納屋橋から少し南に下った右岸に老舗鳥料理店「鳥久」がある。建物は古く江戸末期にさかのぼるが、現在の姿は明治の初めに改築されたものといわれている。
 「鳥久」は、名古屋コーチンなど鶏専門の料理店として長い間賑わいを見せてきたが、ここ数年客が減ってついに今年の3月に閉店してしまっていた。そこで鳥久のオーナーは建物を解体して10階建てのマンションを建設する計画を立て、隣接する市有地(約30平方メートル)の払い下げを名古屋市に申請していた。
 ところが(報道によると)河村名古屋市長は歴史的な建造物を壊してしまうのは忍びないからオーナーを説得すると言い出し、かつ隣接する名古屋市有地の払い下げもまかりならないとして拒否しているというのである。
 オーナーは私有地を買収して10階建てのマンションを建設する計画であったが、市有地取得の目途が立たないとして9階建てに変更したという。
 これで建築許可を降ろせばとりたてて大きな話題にはならないであろう。ところが市長は、建物の取り壊しそのものに「待った」をかけたから話が大きくなってしまった。
 新聞の記事では、市長は取り壊さないように説得すると言っているので、一方的に建築許可をしないということではないらしい。100年を超える古い建物であり、それを安易に壊してほしくないという市長の気持は分からないではない。だから、所有者が応じてくれれば何の問題もない。
 しかし、市有地の売却は拒否できても、建築の許可をいたずらに長引かせればいずれ法的な問題が生ずることは明らかである。
 「鳥久」は鳥料理が専門の店だから庶民的な料理店として人気があった。筆者もしばしば利用させてもらったことがある。建物は100年以上経っているから古いことは間違いない。しかし、歴史的建造物として保存しなければならないとまでは思えないというのが率直な感想である。河村市長の個人的なセンチメンタリズムでごり押しすると、市民に大きな損害を与えることにもなりかねない。説得することは良いが、見切りをつけることも大切だ。