名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

陸自・中澤剛連隊長の発言の波紋

2010-02-15 20:41:41 | Weblog
2010.2.15(月)
 陸上自衛隊の第六師団第44普通科連隊長中澤剛1等陸佐が2月10日、宮城県での陸上自衛隊と在日米軍との日米共同訓練の開始式で、陸上自衛隊を代表して日米同盟の重要性を訓示する中で、次の発言が話題を呼んだ。
 「同盟というものは、外交や政治的な美辞麗句で維持されるのではなく、まして『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」
 この発言を受けて陸上幕僚監部広報室は「鳩山総理を含め、特定の政治家や政治家の発言を引用したり批判したりしようとしたわけでなく、訓練を通じて現場の信頼関係を築くことの重要性を説いたつもりだ」と説明を行った。
 北沢俊美防衛大臣は「文民統制の観点から問題がある」として文書による注意処分とした。これは懲戒処分ではない。
 このことについて、村井嘉浩宮城県知事は「中澤氏の発言はもっともだ。自分だったら処分などしない」と語ったとラジオが報じていた。
 村井知事は大阪府豊中市の出身で、1984年に防衛大学を卒業後、陸上自衛官に任官。東北方面航空隊などを経て1992年に退官。1995年、松下政経熟を卒熟し、同年宮城県会議員に当選、以後3期連続当選、自由民主党宮城県連幹事長などを歴任した後、2005年、宮城県知事に立候補して当選。2009年再選という経歴の持ち主である。
 この経歴を見れば、村井知事がこういう発言をした理由がよく分かる。しかし、村井氏は自衛隊にいながら組織論を全く理解していない。ましてや軍隊で上官の意思や命令を批判したり無視することの重大性が理解できないようでは心もとない知事である。
 村井知事が今の立場で何を言おうと何の問題もない。しかし、中澤連隊長が自分の最高の上官である総理大臣の発言を公式の場で批判することなどありえない。鳩山総理の言葉が正しいとか正しくないとかの問題ではなく、それ以前の問題である。
 制服組の間では、上に向かって批判することは許されないが、文民に対しては何を言おうと問題ないというのであれば、我々市民は不安で仕方がない。
 言い訳をしている防衛省の幹部も村井知事もこの上なく頼りない。