田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

夕日の中の理沙子  19  麻屋与志夫

2008-12-02 07:12:00 | Weblog
       

笑顔が、もうベッカムにそっくり。

そのときのかれが、高見広司。    

わたしの想い人だ。

「神沼、東中。ぼくの後輩ですね」

体育系のはずなのに。        
ぼく……だなんて。
神沼商業のトレーナだった。

ぼく。
だなんて。
モウ。
カツコツケチヤッテ。

……もう……もう。   
いがいや。
いがいソフトな声。
「あのぅ……おわびに……お茶しませんか」
「いい……ですよ」
わたしは、あわてて、キヨミの肘をひいた。
はしたないわよ。
はじめての男のこと。
恥ずかしいわ……なんて。
尋常なフツーの中学生みたいに。
おもったわけではない。

ヤッターてなかんじ。

体が、ぽっとあたたかになる。
きっと、ほほをあからめている。

快感指数がビンビン急上昇。  

つまりーわたしたちときたらーNOマネーだったのだ。

わずか100メエートルのアーケード街。
オリオン通りをいったりきたりしていた。 

なにも、おもしろいものは見かけなかった。 
くらいつきたいような餌もなく、くらいついてくるお魚ちゃんもいなかった。

もう、美女が三人もそろっているのに。

だいいち、お金が。
帰りの神沼まで。
JRの260えん。
しか三人とももっていなかったのだ。

お金は、三人でプリクラになだれこんで、ホッペくつっけて300えん。
それでおわり。 

PHSのうらにさっそくはりつけた。
それでおわり。

もうなんにもできない。
わびしく、さびしい。
キヨミ、タエコとわたしの三人だった。

そして、モウレツな食欲とたたかっていたのだ。

キヨミはみてきたばかりの映画のモノマネーをした。

「うわあ、かんげき。予想もしなかった、展開ですわ」     

キヨミが暗記したセリフをいう。




one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
         ↓
    にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説

ああ、快感。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夕日の中の理沙子  18 ... | トップ | 歯がうずく/犬歯がにょろにょろ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事