田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

風鈴のかそけき音色、きいて、きいて。麻屋与志夫

2022-09-20 11:51:19 | 俳句
9月20日 火曜日
●短冊をつけてと舌のすり泣き
風鈴の中にさがってるのは舌という。糸を通して短冊をさげると涼しい音がする。

●短冊をつけて風鈴なりやまず

●風鈴に俳句したため風を待つ

●風鈴に俳句つるして風を待つ

●舌だけを残し風鈴沈黙す
軒下の風鈴が風雨にさらされ短冊が落ちてしまっていた。

●秋深し隣は風鈴はずす人
夏。夜店で買った風鈴。優雅に風に揺れ、涼しげな音色で暑さを和らげてくれた。秋になったから涼しさを呼ぶひつようはなくなった。それは常識。日常的な感覚にとらわれないところに、詩が生まれる。俳句が口をついてでる。舌頭にうかびでることになる。

●秋風や風鈴はずす老婆あり
五月雨で家の前の用水堀の川音がうるさいとなげいていた老婆だ。拙作あり。かわいそうに、風雅を解さぬままさらに年老いていくだろう。

●木枯らしに風鈴の音の鳴りやまず

●木枯らしや風鈴ならせ夜もすがら

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