田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

冬がくれば、思いだす、ブラッキーとの出会い。 麻屋与志夫

2018-09-16 02:14:09 | ブログ
9月16日 Sun.

●隣りの空き地で雑草を刈り取った。キンキンと草刈り機の音が朝からひびいていた。1メートルほどに伸びた草がきれいに横倒しになった。見晴らしがきくようになったと思っていたら黒猫がぽつんと座っているではないか。猫も背の高い雑草のジャングルをきらって寄りつかなかったのに――。

●黒猫だ。カミサンは興奮して「ブラッキ―。ブラッキ―」といまは亡き愛猫の名で呼びかけた。カミサンの澄んだ声が土曜の午後の冷気をおびた、爽やかな大気のなかにひろがっていく。

●これでまた猫レストランにお客がもどってくるだろう。ベニマルに寄るまえに、さっそく外猫ちゃんの餌をVIVAで買った。

●「猫飼いたい。ショートヘアがいいかな」
わたしはまたあわれな街猫が迷いこんでくるだろうから、その猫を――と思っている。ブラッキ―がそうだった。真冬の寒さの中、ミュの缶詰めを勝手口にだして置いた。もちろん、ニオイはすれども肉の一片だに無し、といつた空き缶を、ナメテいる音が、零度を下回る深夜の寒気のなかでしていた。

●それが、ブラッキ―との出会いだった。そっとすくい上げ、抱きかかえて2階の書斎にもどった。まだ温もりのある寝床にもぐりこんだ。子猫だったブラッキ―は寒かったからなのか、初めて人間にだきかかえられ、寝床に同衾することになって怖かったのか、小さなからだかを震わせていた。

●むくむくした子猫のおののきを腕の中に感じながら、わたしはうとうとした。それから、わたしとブラッキ―の同棲は20年におよんだ。

●やはり猫のいない生活には耐えられないだろう。カミサンが言うようにショートヘアを買うか、街猫が迷いこんできたら、猫レストランは廃業して、――家に招き入れるか。どういう経路をとるかわらないが、やはり猫を飼うことになるのだろうな。

●猫ちゃんが、ニャンコがほしい。




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