田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

番長襲名/ガントレット6 麻屋与志夫

2010-03-29 21:12:58 | Weblog
part11 番長襲名/ガントレット6 栃木芙蓉高校文芸部(小説)


55

番長は出血とショックで意識を失ったままだった。
それでよかったのもしれない。
信頼する副番がゾンビーの群れてなって、
襲ってくるのをみたら、どう感じただろうか。

『手術中』の標示燈が消えた。
部屋からでてきた医師に「どうなの」と知美がきく。
「傷はたいしたことはない。
ショックと痛みで意識をうしなったのだ。
麻酔が覚めればすこしくらいなら話してもいい」
「ああ、よかった。お兄さんありがとう」
警察よりはさきに、石原病院に直接はこびこんだ。
知美の家は番長の家と同じ万町にある。

そこへ警察からは亀田刑事がきた。
「大怪我か」
「心配おかけしてすみません」
知美がていねいに謝罪している。
副番の連中も噛み親の大沢と下館が文子に滅ぼされたので、
元に戻った。
番長を襲ったことなど記憶していない。
「番長、もう危ないことしないで」
麻酔からさめた番長の枕元で、
いままで気丈にふるまっていた知美が泣きだした。
「机、番長を襲名してくれるだろうな。
お前だけだ。
あの狭い道で両側から攻撃されて、
抜け出たのは。
それもゾンビーやろうに襲われたのに無傷だ」
「ちょっとまってください。
ぼくはガントレットに参加したのではなくて、
山田のところへはやく着きたいと先を急いだだけです」
「いや、どうしても受けてもらいたい」


 にほんブログ村 小説ブログ ファンタジー小説
one bite please 一噛みして。おねがい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする