田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

パパラッチを探せ  麻屋与志夫

2010-01-18 22:35:06 | Weblog
part2 パパラッチを探せ    栃木芙蓉高校文芸部

1

芙蓉高校新聞部のカメラマン。
美少女のおっかけ。
きわどいところでストーカーと呼ばれないのは奥本久の性格からきている。
いつも明るく笑顔でいる。
憎めない。
女生徒のなかには学校新聞に載せてもらいたくて自薦で久に近寄るものすらいる。
ソノ人気者が、ふいに行方不明になった。 

龍之介は玉川堂への路地にきていた。
昨夜、番長の植木が下野高校の影番と争っていたところだ。
昼間きてみると路地の路肩から狭いが空き地になっているのがよくわかる。
今日は土曜日なので授業は午前中だけだった。
久を探すための時間はいくらでもある。
まだ、転校してきたばかりなので塾にはかよっていない。

「なんだ。龍もきていたのか!」
番長だった。
「なにかおちてないかとおもって」
「おれは、久がなにも映っていない、といっているのを確かにきいているし」
龍之介は爪が落ちていないかとさがしていた。
つけ爪にネイルペインテングをしていたとはおもえない。
もしそうなら彼がたたきおとした爪がおちているはずだ。
それがさきほどから、いくら探してもみつからないのだ。

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トワイライト/インクの匂い  麻屋与志夫

2010-01-18 09:30:36 | Weblog
part1 トワイライト/インクの匂い 栃木芙蓉高校文芸部

わたしって可愛い。
しかたないわ。
まだ再生したばかりなのだから。

そしてさらに一行かきたした。
 
このインクの匂い好き。これなら義務でなくても、毎日つづけられそう。

文子は分厚い日記帳をとじた。

18

文子は携帯の着メロで起こされた。
「事件よ、文子。パパラッチが帰らなかったらしい」
「パパラッチ? だれのこと」
「奥本くんのことよ。さいごに会ったのがわたしたちらしいの。いまどこ」
「まだ、家」
「ウソっ。はやくでないと遅れるよ」
教室にはいっていくとクラスが騒然としている。
知美のまわりには龍之介もいる。
「連絡とりあわなければいけないから、机くんの番号おしえて」
「いいけど」
「チュウ」
知美はけいたいを合わせている。ああすればいいんだ。
「わたしも」
あわてて携帯をとりだす。
文子も龍之介の携帯にあわせた。
「わたしも、わたしも」
とクラスの女生徒のおもいは同じ。
携帯はひとつ。
龍之介の携帯は彼女たちの総攻撃にあったかんじだ。

         

         
                               pictured by 「猫と亭主とわたし




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