田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

水温む/めからうろこ  麻屋与志夫

2010-01-30 19:15:35 | Weblog
1月30日 土曜日

●プログです。
カミサンと散歩のために外出した。
いつもは、散歩とはいっても、
ヨークベニマル、
マツキヨ、
ヤオハンで買い物をかねている。
ごご、暖かな日差しにさそわれて黒川の河畔にでた。
図書館の脇から河川敷におりた。
水温むといいたいほどの陽気だ。
カミサンは枯れススキの中でカメラを流にむけている。
鴨がスイスイと泳いでいる。
白鷺の立ち姿がいい。
はるか彼方に古賀志山。
そのむこうは日光の山々が雪をかぶっている。
冬はこの街からみる四囲の景色が一番美しい時だ。
さわさわと春をおもわせるような風が川面からふいてくる。
クルクルクルと羽音をたてて鴨がとびたった。
わたしが枯れ草を踏む音におどろいたのだ。
「ああ、一眼レフなら飛びたつ瞬間をとれたのに」
とカミサンが嘆く。

         

         

●昨夜はたいへんだった。
環境依存文字が使われていたので、
ある小説専門のサイトに投稿した原稿が先方にとどかなかった。
パソコン教室の先生のおかげで、再投稿出来た。
ありがたかった。
パソコンはわからないことがおおすぎる。
とわたしは嘆いた。
夜の七時ごろ帰途についた。
暗くなった街を歩くわたしを。
カミサンがなぐさめてくれた。
街にはわたしたちいがいに、歩いている人影はなかった。

●たけた、という漢字だった。
ともかく目からうろこがおちたかんじだった。
これからは環境依存文字ならず、
むずかしい表現と、
むずかしい漢字を使うこは止めることにした。

●『ゴールデン街の水溜りにネオンの光が象嵌されていた。』
象嵌はないでしょう。
ここは映っていた。
そのほうがずっといい。
と編集長に叱られた。
それでもながいこと象嵌という表現を、
漢字をつかいたかったとおもってきた。
物語を無視するような作品を書きつづけてきて、
ついには忘れられた作家になってしまった。
忘れられた作家ほど可哀そうなものはありません。
悲しいものです。

●書きつづけなければならない。
パソコンなんていうこんな便利な筆記具ができたのだから。
カミサンに一眼レフを買ってあげるまで。
いや、そのあとはバラ園だぁ。
日当たりのいいバラ園をカミサンにプレゼントするのがいまのところの生きがいだ。
実現できるかな?
不可能にちかいだろうな。
だからこそ精進のしがいがあるのだ。
希望は現実とかけ離れているほうがいいのだ。
そうなのだ。
とじぶんを納得させる。

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吸血鬼との遭遇  麻屋与志夫

2010-01-30 07:58:14 | Weblog
part3 吸血鬼との遭遇   栃木芙蓉高校文芸部


14

「番長! コイツラ!! Vampireだ!!!」
 余計なことを、いうな! 
 と龍之介は敬介にいいたかったが、もう遅い。
「あらぁん、すてき。わたし噛んでもらおうかしら。
血を吸ってもらえばお肌にいい。痩せるんだって」
 繭がとろんとした表情になっている。
 吸血鬼催眠にかかってしまった。
 ねらった女の首筋に吸血鬼が意識を集中する。
 すると目が光る。
 その光の照射をあびたものは……ズルズルと吸血鬼に引寄せられる。
「よせ! バカか繭!! 吸われれば吸血鬼の子分になるんだぞ!!!」
「子分という表現、古るかっぺ。フルカッペヤナ。
せめて、レンフイルドといってもらいたいな」
「繭。やめてぇ」
 由果が繭の肥満体を両手でだきしめる。
 ふたりそろってズルッズルッと大沢に引寄せられていく。
 おそるべし吸血鬼の眼光。
 憐れむべし肥満女子高生の痩身願望。
「とんでもないヤッラを敵に回していたんだな」
 さすが芙蓉高校の番長。
 龍之介が心配するほどのことはなかった。
 パニックにおちいるとおもい、
 いますこし大沢や下館が吸血鬼だということは伏せておこうおもっていた。
 その配慮はいらなかったようだ。
 大沢は下館と奥の扉のほうに後退する。
 黒田が警察を呼んだとさけんだ。その効果だろう。
 ブラフではなかった。階段を上ってくる足音がひびく。
 それまで情況をだまってみていた文子が叫んだ。
「縛(ばく)」 


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