田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

連載開始 妻の故郷 麻屋与志夫

2008-10-15 06:11:10 | Weblog
盗人が来るのは、盗んだり、殺したり、滅ぼしたりするためにほかならない。わたしがきたのは、羊に命を得させ、豊かに得させるためである。                              ヨハネによる福音書10章10



わたしは……この街にくるときは、いつも独りだ。

妻はすっかり東京での生活が気に入っている。
けっこう楽しそうに遊びまくっている。
いつになっても若やいでる。
そんな妻がわたしは自慢だ。

上京してからのほうが経済的にも楽になっている。
妻の生まれた里なのに。帰ってくるのがイヤらしい。
ともかく何か月も帰省しないこともあるのだ。

だからわたしだけの帰省がつづいている。

さいきんでは、わたしはヨーカドーにお酒のつまみなどを買いにくる。
石裂(おざく )家の当主とはいっても、いくつになっても入り婿らしくふるまっている。

女房に頭があがらないといわれても当然だ。
べつに恥ずかしいとも思っていない。

いまどきめずらしい大家族主義の生活をしている。

わたしが買い物にくることもない。
妻の親族のものが2世帯も同居している。
彼女たちに任せて置けばいいのだが、どうでも確かめたいことがあった。
 
その老人のしていることが無性に気になってしかたがない。

イトーヨーカドーの正面。
駐輪場。
猫に餌をあたえている老人がいた。

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