田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

魔闘学園

2008-10-03 15:37:45 | Weblog
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「おい、だれか聞いているか。久我で吸血鬼の集団があばれている。たすけにきてくれ」
武は本署に携帯を打った。
それにも応答はもどってこない。
三津夫とケイコが闘っている。
タカコとそのガールズ。
番場と鹿陵高ボーイズ。
学校での成績はできが悪いグループだ。
先生のゆうことなどきかない。
教室からはフケル。
校庭をご巡幸としょうして、群れをなして授業中に歩き回る。
時にはバイクの轟音がともなう。
OBが校庭にバイクで入りこんてくる。
巡幸中の彼らにくわわる。
どうしょうもないゴロンボだ。
ゴロンボじやないぞ。
そのれんちゅうが命を賭して戦っている。
故郷鹿沼を守るために。
メグミの危機を救うために。
マブだちを助けだすために。
生命を賭して戦っている。
戦いは数時間にも及んでいる。
この街を救うのだ。
この街の平和のために死ぬ。
そんなことをマジで考えている。
いいのかよ。
そんなことして。
人のために人は死ぬことができるのか。
武は泣いていた。
だれか助けにきてくれ。
おれたちだけては歯がたたない。
あいつらの牙はおれたの首筋にくいこむというのに。
「タスケテクレ。キュウエンヲタノム」

「SOS。SOS。SOS」

塾の教室で、修了をまえにしてアサヤのオッチャンがいっていた。「みんなが通塾してくれて、なんとかわたしも暮らしてこられた。ありがとう。こんどはわたしが、みんなになにかあったら助けてやる」

そうだ。番号を暗記させられた。
いまでも、覚えている。
これはどこにつうじる電話なのだ。
これはどこにかかる電話なのだ。
もうこれまでだ。
どうしょうもない。
救援をたのむ。
そんなことがあったら……。
武の指は……。
無意識に、その記憶の底に封じられていた数字を。
打ちこんでいた。
武が携帯に打ち込む指の動きもにぶくなっていく。
もうどれくらいたたかっているのだ。
敵を倒した合間に携帯を打つ。
だれか。
だれか気付いてくれ。   



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