久しぶりに、青山繁晴氏の【僕らの国会・第261】を見ました。昨年の12月27日付けの動画で、皇位継承策を検討する有識者会議の『報告書』に関する説明です。
関係する記事を、スクラップにしていますが、眞子さまのご結婚問題が出てからは、しばらく途絶えていました。経過が分かるように、一部を紹介します。
・R3.7.10 「子供の継承資格 結論見送り」「結婚後の女性皇族、養子も」
・R3.7.27 「皇族数確保へ2案議論」「政府の有識者会議」
・R3.7.28 「消えた〈女性宮家〉」「保守派に配慮、養子併記」
・R3.8. 8 「配偶者 非皇族の方向」「内親王と婚姻後、子供も」
・R3.9. 3 「有識者会議の再開模索」「世論注視 反発警戒」「政府、眞子さまの結婚巡り」
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・R3.12.7 「有識者会議報告書骨子」「皇族確保で2案」「女性皇籍維持、養子縁組」
・R3.12.23 「皇位継承策先送り」「有識者会議 女性・女系・女性天皇に触れず」
青山氏が動画で取り上げているのは、青字で表示した最後の報道(記事)です。
「これは12月22日に出された、『有識者会議報告書』の現物です。」「これに基づいて、ご説明します。」「結論から先に言いますと、『報告書』の結論は、〈護る会〉が提言してきた内容と同じです。」
新聞の記事を読んでいるだけで、そのようなことは分かりませんが、驚かされたのは次の説明でした。
「小泉内閣時代に、女系天皇にしてしまおうとし、日本の天皇家を終わりにするとしたことが、全部覆されたに等しい内容です。」
そんなすごい『報告書』だったのかと、スクラップ記事を再度見ますが、「皇位継承策」が、先送りにされたという意味にしか読めません。政府と有識者会議は、相変わらず大事な問題を先送りし、責任逃れをしていると、そんな読み方もできる内容です。
これ以後は文章をやめ、箇条書きにします。
・テレビの報道を見て驚いたのは、会議の結論が 2つだったと伝えていること。
・結論は3つであり、但し書きがついている3番目のものを、故意に省略している。
・テレビでされているのは、父系による皇位継承を続けたくないという報道ばかりである。
・正式な政府の書類であるにもかかわらず、テレビ報道が、3番目の結論を無かったことにしている。
こういう報道は、テレビも新聞も同じパターンですから、スクラップしている千葉日報の記事を紹介します。言うまでもありませんが、これは共同通信社が全国配信した記事です。「皇位継承策先送り」「有識者会議 女性・女系天皇触れず」と言う見出しで、6段組の大きな扱いです。
肝心のところだけ読みますと、青山氏の言う通り、2つの結論だけが書かれています。
「『報告書』は、〈皇族の数確保が喫緊の課題〉とし、皇族数確保策として、」「2案を提起した。」
「 ① 女性皇族が婚姻後も、皇族の身分を確保することとする。」
「 ② 皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする。」
この部分だけを読みますと、確かに氏の言う通り2つの案しか報道していません。テレビと新聞が、同一の姿勢であることが、これで分かります。
「『報告書』は、ネットで誰にでも確認できますから、ぜひ読んでみてください。」「平易な文章で、分かりやすく書かれています。」
氏の説明によりますと、テレビと新聞が省略した3つ目の提案は、「護る会」が提言し続けた「旧宮家の皇籍復帰」の部分だそうです。
「GHQが勝手にしたので、旧宮家の方々を、」「養子縁組に関係なく、皇籍に復帰していただくと言う案です。」「法改正したらできますので、『報告書』では、このことについても書かれています。」
「GHQが勝手にしたので、旧宮家の方々を、」と言う氏の説明に、私は同意します。11宮家の皇室離脱を可能にしたのは、敗戦直後の「皇室典範」の改正でした。GHQの実力者ホイットニー准将に支持され、総理大臣になった片山哲氏が、法の改正をする皇室会議の議長を務めました。
社会主義者と言われていたホイットニー准将に支援された片山氏は、社会党の党首でした。昭和22年10月13日の皇室会議で議長を務め、その時の氏の説明記録がありますので、紹介します。
「今次戦争が終結しました直後より、皇族のうちから、」「終戦後の国内国外の情勢に鑑み、皇籍を離脱し、」「一国民として、国家の再建に努めたいという御意思を表明せら れる向があり、」「宮内省におきましても、事情やむを得ないところとして、」「その御意思の実現をはかることとなり、旧皇室典範その他関係法令について、」「必要な改訂を加え 準備を致しましたが、種々の事情により、実現を見るに至らなかったのであります。」
「そうしてこの問題は、新憲法公布後に制定せられました新皇室典範により、」「新憲法施行後に、実現せられることとなり、」「これに必要な準備が整いましたので、本日、皇室会議の議に付することとなった次第であります。」
今は亡き寛仁親王が平成18年に、「皇籍離脱は、GHQによる皇族弱体化のための措置であった。」、という見解を示されています。片山氏の証言と異なり、皇籍離脱に強く反発した皇族も少なくなかった、とも言われています。
高潔な人格者でしたが片山氏は、別名「グズ哲」と呼ばれるほど優柔不断な人物でしたから、絶大な権力を持つGHQに逆らえませんでした。こうした経緯を知っていれば、「GHQが勝手にした」と言う青山氏の言葉の正しさが、分かります。
氏の言葉を借りれば、大手のテレビも新聞も「オールドメディア」ですが、相変わらず反日ぶりは健在です。次回は、もう少し、青山氏の説明を紹介しますのでお付き合いください。