ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『昭和教育史の証言』

2021-01-04 07:32:03 | 徒然の記

 令和3年が、始まりました。昨年11月4日に本棚にある、未読の教育関係の書名を11冊並べました。6冊を読み終え、ただ今、5.の『昭和教育史の証言』を読んでいます。162ページです。

   1. 『教育への告発』       2. 『いま教育を問う』

   3. 『いじめと不登校』     4. 『教師』

   5. 『昭和教育史の証言』    6. 『学校は変われるか』

   7. 『教なき国民は滅ぶ』     8. 『いじめ・不登校』

   9. 『教育問答』          10. 『ジャカルタ日本人学校の日々』

     11. 『日本の教師に伝えたいこと』

 『昭和教育史の証言』は、昭和51年に「教育証言の会」が編纂し、出版したものです。「九条を守る会」、「憲法を考える市民の会」など、「〇〇会」と称する政治団体にはたいてい共産党が絡み碌なものがありません。

 本を読んだおかげで、世間にある団体が最もらしい名前をつけていても、頭から信じてはならないと学習いたしました。

 知りたかった戦前、戦中、戦後の具体的な教育について、39名の執筆者が経験談を綴っている本を、何気なく図書館からもらってきましたが、予想以上に貴重な本でした。

 執筆者たちは共産党員か又はその親派で、反日左翼の立場から意見を述べています。著名な大学教授や無名の小学校教師などが経験談を語っていて、出版当時は多くの人に読まれたのだろうと思います。

 警察に逮捕され残酷な取り調べを受け、信念を曲げなかった人間や、少しだけ曲げた者や、曲げたふりをして生き延びた者など、当時のマルクス主義者たちの姿が赤裸に語られています。

 敬意を表したくなる真剣さですが、それでも彼らが「獅子身中の虫」であり、「駆除すべき害虫」であることに変わりはありません。

 観念の中で夢想している彼らは、革命がどれだけの人間をむごたらしく殺すのか、どれほどの殺戮と裏切りが横行するか、内乱が何時収束するかについて何も考えていません。

 革命後には一党独裁国家となり、軍事力を増強し、国民を弾圧する中国や北朝鮮のような国しか作れないと知っていても、彼らには方向転換ができません。

 執筆者たちは日本の軍国主義を憎み、頂点にある天皇を否定し、人間平等の社会を願い革命を夢見ています。富裕層の贅沢と貧乏人の惨めな暮らしを比較して嘆き、社会の矛盾を、マルクスの思想が解決すると本気で信じています。

 社会主義国の本山であるソ連が崩壊し、北朝鮮と中国などがわずかに生き残り、「20世紀最大の失敗は、マルクス主義だった。」と言われる時代になりました。この書の著者たちはあまりに純粋で、その勘違いの大きさに同情したくなります。

 しかしまた一方で、このひたむきな純粋さが、どれだけの日本人、特に若者の心を蝕んだかを批判せずにおれません。

 例えば、執筆者の一人である久野収 ( くのおさむ ) 氏は、平成11年に89才で亡くなっていますが、著名な哲学者で、評論家でした。多くの評論や対談などを通じて、戦後日本の政治思想や社会思想に大きな影響を与えました。60年の安保反対闘争、ベ平連などの思想的指導者としても活躍し、学習院大学の教授にもなっています。

 学習院大学が左傾化し、皇室の方々が行けなくなったのは、氏のせいでないかと考えたりします。それでもソ連が崩壊する以前には、氏の意見が反日左翼のマスコミに重用され、現実を見ない「お花畑の住民」を育てました。

 ・国民が、自主的に自分を組織した防衛運動こそ、最大の反撃力であり、その気概と方法が、国民のあらゆる部分にみなぎっている時、非武装的反撃力は、武装的攻撃力のはたしえない、抑止効果を発揮するのである。

 軍備放棄をした日本は、国民が組織する防衛運動で生き抜くべしと、これが氏の理論でした。終わりの見えないゲリラ戦で外国の軍隊と戦えという、残酷な学者の意見です。

 ・たとえしぶしぶであっても我々の国をあけわたし、奴隷になっても、生命、財産、国土を温存するのが、いちばん被害が少くてすむ方法であることは、いうまでもありません。

 ・防衛力をもたずに丸裸でいる方が、屈辱や強制や占領を度外視すれば、マイナスやロスが少いのは、明らかである。

 以前別の本で氏の意見を読み、以来、とんでもない教授と軽蔑しています。氏の影響なのでしょうか、敵が攻めてきたら戦わずに殺されるというバカな話を、他の左翼学者も言います。自分の妻や子が目の前でなぶり殺しにされても、黙って見ている様な人間に私はなれませんし、なれるわけがありません。

 「平和憲法を守れ」「軍隊はいらない。」「教え子を戦場に送るな」と、彼らが主張し、支持する人間がまだいますが、反日左翼の行き着く先は、「奴隷になっても命があれば良い」という日本です。

  反日左翼の思想と、今年こそ決別する年にしましょう。

 読まない先から、結論を述べていることになりますが、この本の執筆者たちは、戦前の日本の一部分を見て針小棒大に語り、日本の全てを否定するという過ちに陥っています。自分の信じるマルクス主義に都合の良い事実だけを集め、日本の歴史を否定をしています。悪意からでなく、本気でマルクス主義を信じ殉教者になっています。

 「宗教は麻薬と同じだ」とマルキストたちは宗教を否定し、神道も非科学的だと蔑視しましたが、今になってみれば「マルクス主義こそが宗教だった」ということになります。

 こうしたことを頭に入れながら、次回からの「ねこ庭」へ足をお運びください。

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2 コメント

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明けましておめでとうございます (続強子の部屋)
2021-01-04 10:02:56
onecat01さま
今年もよろしくお願いいたします。

平和憲法を守れ。
軍隊はいらない。
教え子を戦場に送るな。
軍靴の音がする。 どっちから聞こえますかね。

使い古された言葉です。
まだそれを使っている学者、作家たちがいます。
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その先にあるもの (onecat01)
2021-01-04 11:49:13
 続強子の部屋さま。

 彼らのスローガンの先にあるものが、なんであるか。今年はシッカリ心に刻む年です。

 久野教授の言う、「国民が、自主的に自分を組織した防衛運動」つまり、「非武装的反撃力」とは、国民全員がゲリラ兵となれと言う意味です。

 戦車や軍艦や戦闘機を使わない代わりに、ナイフや拳銃や紐を使い、いつでもどこでも平気で敵を殺せる人間になれという話です。

 このためにどれだけの過酷な訓練がいるのか、軍隊とどこが違うのか、女性も子供も、国民全員がゲリラ兵であるという日本は、一体どんな社会なのか。

 久野教授は、本気で考えていたのでしょうか。結局氏のスローガンは、目の前の政権を倒すための、宣伝文句にすぎず、勇ましい割に中身のない空論だったことが、今は分かります。

 60年安保や、ベ平連の平和活動に参加した若者たちは、氏のスローガンに飛びつき、大騒ぎし、興奮し、人殺しもしました。

 「使い古された言葉です。
まだそれを使っている学者、作家たちがいます。」

 貴方の言葉通り、今年こそ、こんな学者や作家たちを駆除しなければなりません。息子や孫たちがまだ理解できないとしましても、親として、祖父母として、頑張ろうと思います。

 コメントに感謝いたします。
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