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『なぜ外務省はダメになったか』 - 6 ( チャイナスクール )

2017-10-20 22:15:57 | 徒然の記

  チャイナスクールという言葉をよく耳にしますが、本日はその正しい意味を、元外務省トップだった村田氏と、他の二人に語ってもらいます。

    〈    3. チャイナスクール   〉

   村 田・・
  
  ・外務省には、チャイナスクールというものがあります。そもそもは、外務省の中で、中国語を第一外国語とする人々のことを指しました。それ以上の意味は、特別になかったのです。
 
  ・チャイナスクールの中には、中国に心情的な思い入れをもつ人もいますし、若くして外交官としてスタートした以上、将来は北京で大使をやりたいというよな、私的な動機をもつ人もいます。
 
  ・外交官である以上、そういう思いは自然なことです。
 
  ・たまたま中国語の場合は、大使ポストが一つしかありません。これはロシアも同様です。
 
  ・地方の総領事館の中で、香港は別格ですが、キャリアでないチャイナスクールの人々の最終ポストは、香港以外の総領事にするという習慣が、いつの間にかできてしまいました。
 
  ・そうすると、キャリアの人が目指すのは北京だけです。
 
  ・だから大使になりたいという私情と、中国は重要だという認識が一つになって、短絡的に中国へのサポートに傾斜してしまった人が、いなかったとは断言できないでしょう。
 
   田久保・・
 
  ・今までの対中ODAで、チャイナスクールが少なからぬ発言力を持っていたところに、問題を孕ませる根元があったのではないでしょうか。
 
  ・理屈としては、「ODA大綱 」を早急に見直す必要があります。
 
  ・チャイナスクールの面々がこれを妨害したり、あるいはメンバーを利用して、中国側が対日工作をしたりすると、また変な問題が出てきます。
  
   古 森・・
 
  ・チャイナスクールの彼らにとっては、中国との折衝がライフワークです。
 
  ・となると中国から嫌われたり、煙たがられたりすると、仕返しを受けるかもしれないという、懸念が生まれます。
 
  ・いつも同じ相手が出てくるのですから、個人レベルで不快感があると、仕事が非常にしにくくなる。
 
  ・更にはキャリアであれば、中国大使や、それに近い中国関連のポストに、就けなくなるかもしれないという懸念が生まれるわけです。
 
  ・今の阿南惟茂大使と、北京政府の相手方である王毅・外務次官という二人の組み合わせは、これまで長年にわたり、様々な局面で同じでした。
 
  ・阿南氏が本省時代、王毅氏は在日中国大使館勤務だったし、阿南氏が北京で公使や参事官だった時、王氏は本省勤務で、同じようなレベルでの対応相手でした。
 
  ・逆から見れば中国側のジャパンスクールは、日本側のチャイナスクールより、さらに専門化され、硬直した人事システムの中を歩んでいます。
 
  ・そのジャパンスクールの親玉が、外相の唐家璇氏です。だから中国外交部は、対日関係のポイントをすべて押さえて、よく把握し、日本の弱点もよく掴んでいると言えます。
 
  我慢して対談の紹介をしてきましたが、ブログを訪問して来られる方々と、息子たちに語りかけたくなりました。
 
 「外務省のチャイナスクールの面々がやっていることと、中国外交部のジャパンスクールの役人がやっていることを、しっかりと比較し、次の事実を肝に銘じて欲しいのです。」
 
 日本の外務省の役人は、中国を第一に考え気遣いをし、遠慮し、相手の機嫌を伺うばかりで、日本のために働いていません。
 
 他方中国の役人は、自国を第一と考え、日本には遠慮せず平気で怒らせることを言い、自国のために働いています。
 
 日本の議員の70% が、親中・媚中派で占められ、現地の外交官がチャイナスクールのメンバーとなれば、日本の対中外交政策は無いに等しいことになります。
 
 王毅外相は学生時代日本に留学し、日本を知っているはずなのに、わが国を悪しざまに言います。日中国交正常化45周年の時、記者の質問に対し次のように語っていました。
 
  「今年はたしかに、中日国交正常化45周年記念だが、同時に " 盧溝橋事件 " 80周年の年でもある。」
 
 「一つは平和への道であり、もう一つは戦争と対抗への道だ。」「80年前、日本は中国を侵略し、中国やアジア各国の人民に甚大な災難をもたらし、最終的に日本自身が、失敗の深淵への道をたどることとなった。」
 
 「45年前に日本の指導者は日中国交正常化をして、歴史を反省したはずだが、しかし今日に至るもなお、日本には歴史の逆行をもくろむ者がいる。」
 
 「われわれは日本との関係を改善したいが、そのためには日本がまず " 心の病 " を、治さなければならない。」
 
 「そして中国が絶え間なく発展振興している事実を、理性的に受け入れなければならない。」

 なんという傲慢さかと思いますが、これが日本のチャイナスクールの外交官たちが作った外交実績です。無礼な王毅外相と長年の親交があったという阿南大使は、これまで何をしていたと言うのでしょう。王毅氏と中国政府に、忠誠を尽くしてきた姿が見えるだけです。

 駐日大使館のトップにいる阿南氏がこれですから、配下の外交官は推して知るべしです。瀋陽の総領事館の外交官が、中国の武装警官に迎合して何の不思議もありません。

 チャイナスクールの者たちが中国第一と勤務し、日本の国益が損なわれました。これでは、国民から害務省と呼ばれて当然です。田久保氏と古森氏が、中国在中のチャイナスクールの外交官の不勉強と、見当違いの歴史観を指摘しています。

 古森氏の意見を紹介します。

 「私が驚いたのは、チャイナスクールのリーダーである官僚の一人の言葉でした。」

 「中国への侵略について、日本は反省していない。十分に謝っていない、というのです。その理由として、彼があげたのは、

   1. 天皇制が続き、天皇の戦争責任が問われないままになっている。 

   2. 冷戦終結後米国の政策が変わり、日本の戦争中の悪業を追求しなくなった。 

 「これは、朝日新聞の主張そのものです。こういうことを、外務省の局長クラスがいうんです。」「これにはびっくりしました。つい数ヶ月前の話ですが。」

 反日左翼の文科省の前川氏と同様、外務省の幹部も、見事なまで反日左翼思想に汚染されています。事実を知るほどに、安倍総理の孤独な戦いを実感します。議員も官僚もマスコミも経済界も、中国一辺倒の中で、「70年談話」を出しました。

 当時は、率直さが足りないと不満でしたが、こうした事情を知りますと同情が深まります。配慮の足りない昭恵夫人を大事にしていますが、橋本元総理のことを知れば、問題が小さくなります。橋本氏は、女性が中国の諜報員だったと知らず、愛人関係を続けていたのですから、国家機密が漏れた可能性があります。

 二日後の選挙では自民党に投票し、安倍総理を応援します。不毛の選択であっても、今の日本ではこれ以外の選択はありません。

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