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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

池袋ショーに行ってきました 3 入手した化石 上

2023年12月21日 | 化石

 今回はほとんど化石を買わなかった。目新しいものがなかったため。大したものはないが、順に記す。
1 モロッコのモササウルス類 歯

11 Globidens aegyptiacus, 歯 モロッコ 白亜紀

 モロッコの特異な形の歯を持つモササウルス類Globidensの歯を入手した。販売しているのをしばしば見ているから、稀なものではない。これが上顎か下顎の歯かは不明
 属の命名は次のもの。
⚪︎ Gilmore, Charles Whitney, 1912. A new mosasauroid reptile from the Cretaceous of Alabama. Proceedings of the United States National Museum. Vol. 41: 479-484, plates 39-40.(Alabama州の白亜系からの新種モササウルス類爬虫類)

12 Gilmore, 1912. Plate 40. Globidens alabamaensis Gilmore 上顎腹側 白亜紀

 モロッコの種類については次の論文に出てくる。
⚪︎ Arambourg, Camille, 1952. Les Vertébrés Fossiles des Gisements de Phosphates (Maroc - Algérie - Tunisie). Notes et Mémoires No. 92. 372 pp. Planche 1-44.(燐酸塩鉱床からの脊椎動物化石(モロッコ・アルジェリア・チュニジア))

13 Arambourg, 1952. Planche 40. (一部)Globidens aegyptiacus Arambougr. Koceir, エジプト。白亜紀後期

 尖っていない歯を持っているから、貝類などの殻のある生物を食べていたのだろう。

2 シルル紀のウミユリ(茎部断片)

14 シルル紀のウミユリ茎部 アトラス山脈、モロッコ

 普通は、茎板(columnal)同士の噛み合わせが浅いからそこで外れることが多いが、なぜか強く噛み合っているようだ。茎部を構成する茎板が、同一の形のものの繰り返しの場合もあるが、間に1枚ずつやや小さい円盤を挟むこともあり、また、その二種類の間に第3の板が挟まることもある。写真の標本では、中央と右のものでは、やや直径の大きな茎板の間に3本の筋が見える。左の標本ではもう1ランク細かい円盤が挟まっているようだ。茎部のみから種類を知ることは困難。

3 玉髄化したアンモナイト

15 モロッコ産アンモナイト Barroisiceras と Hemitissotia

 これについては、2022年9月17日と21日の当ブログで記した。そこに戻るのは煩雑なので、簡単に再録する。
⚪︎ Algouti, Ahmed, Abdellah Algouti, Fatiha Hadach, Abdelouhed Farah and Ali Aydda, 2022. Upper Cretaceous deposits on the Northern side of the High Atlas Range of Marrakesh (Morocco): tectonics, sequence stratigraphy and paleogeographic evolution. Boletín de la Sociedad Geológica Mexicana / 74 (1):1-19.(Marrakesh (Morocco) のHigh Atlas山脈の北側にある上部白亜系の堆積物: テクトニクス、シーケンス層序、および古地理的進化)
 この論文にHemitissotia dullaiとHemitissotia dullai (Karrenberg, 1935) などが出てくるが、それらに近い種類と考えた。
 標本は玉髄化していて(前の記事ではカルサイトとしたが、誤り)光を通す。

16 裏から光を当てたモロッコ産アンモナイト Barroisiceras Hemitissotia

 標本の表面に白い点があるが、何だろう? 透過光では他よりも光を通さない。白点の大きさがほぼ均一なのはなぜだろうか。

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