のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

この先百年幸せに暮らせるまち

2014年06月23日 | 農のあれこれ
晴耕雨読ではなく晴耕雨W杯の
6月を送っているのですが…
<百年幸せなまちをつくろう>
という帯のコピーに惹かれて手に取りました
(『実践!田舎力 小さくとも経済が回る5つの方法』
金丸弘美2013、NHK出版新書413)

金丸さんは食環境ジャーナリスト として
全国の地域活性化先進事例を取材しつつ
国・自治体の支援事業のアドバイザーとして活躍される中から
持続可能なふるさとづくりのための
5つのアプローチを提案されています

①農産物に付加価値をつけて売る方法
②素人を実業家に育てる事業の仕組みの立て方
③地元を売り出す広報ツールの開発
④観光やコンパクトシティを支える交流・連携の仕組みづくり
⑤持続可能なまちづくりのための環境エネルギー政策

農産物に付加価値をつけるのは<六次産業化>
短絡的な発想で失敗する事業が多い一方
成功事例にはいくつかの共通点があって
そのひとつが日常の生活のなかで
自分たち自身が欲しいと思うものをつくること
きちんとつくったものは
その良さを知っている地元の人たちが買いに来る

④は<着地型観光>
観光客を受け入れる側が
旅行商品やプログラムを企画・運営
都会と田舎が互いの価値を認め合う交流型の観光で
景観づくりや芸能文化、農業、自然環境などの
地域資源を生かすことが重要に

いずれにせよ
地域に暮らす住民自身が地域の価値を理解し
うまく売り出すことができれば
地域の経済は回りだし、雇用も生まれる
生活に根差した地域の価値を見出せることが
“田舎力”だといいます

従来通り同じ作物をたくさん栽培して
青果・加工原料として出荷して
出口の市場が縮小しているのだから売り上げは下がる
スーパーや量販店も生き残るために価格競争を始める
そうなるとさらに農作物価格は低迷するという
構造的な課題を農業・農村は抱えています
政治家や企業家はさらにナンバーワンを目指して
グローバル化へ向かっています
そんなグローバル化に正面から抗うことなく
むしろ都会と連携をすることで
田舎の価値を高めようといっています

小さくとも地に足のついた経済が回っている仕組みこそが
次世代に誇りを持って
引き継げるふるさとをつくるはずです
これから百年の間、幸せに暮らせるまちはできるのか
このぐらいの時間軸でまちづくりを考えたいものです