のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

小満も病は樹から芳志散る気分も枝葉も萎縮するばかり

2012年06月03日 | 梨の病気
ナシの開花からひと月半

幼果の生育も「今のところは順調だ、よかった」とちょっと満足する
小満の時節を迎えているはずですが
今年はちょっと頭が痛い

             

まず花の交配作業中から発芽したばかりの葉が茶変し目立っていました
ナシ疫病と呼ばれる病気で枝が枯れて行く病気です
県の研究機関から先日多発注意報が出されました

             

「ナシ疫病菌」は土壌中に生息していて
強い降雨で跳ね上げられたり風で舞い上げられて
ナシ枝葉にたどり着くと考えられています

わが家は草生栽培をし緑肥としてライムギを導入していて
4月中旬には刈り倒し全面にムギワラが敷かれるような状態にして
泥が跳ねあがらないようにしているのですが
それでも例年よりも多発しています
             
             

もうひとつは「黒星病」
これもだらだらとなかなか止まりません
昔は難防除病でした
ここ10数年は新薬剤の登場でうまく抑えられていましたが
最近またよく見かけるようになりました
薬剤の抵抗性が着いているのかもしれません
近くの仲間の畑では爆発的に発生してしまったと嘆いていました

これも5月に雷雨が多かったということの影響でしょうねえ

さらにタイトル下の写真のような症状もあちこちに見られます
「ナシ萎縮病」と呼ばれる症状です
春先の展葉が遅れ展葉しても葉は波打っています
ひどくなると実の収穫量だけでなく樹勢も弱まってしまいます

             

しばらく萎縮病の原因がわからなかったのですが
昨年秋に千葉県の研究機関がその病原菌を特定しました
そしてその病原菌の子実体がナシの幹にへばりついた白っぽいキノコ
ここから胞子が飛散し次々伝染していくという厄介者です

雨が多いと次から次へと問題がわき上がってきます
悩むのは生きてる証拠ということで折り合い付けましょうかね