のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

TXに乗って「保安林」を思う

2006年02月04日 | 農のあれこれ
学生時代の友人がつくば市内に家を建てたというので、つくばエクスプレス(TX)に乗って訪ねてきました。

流山おおたかのもり駅(写真)からTXに乗り換え、車窓からの景色を楽しみました。柏の葉キャンパス駅前では「ららぽーと柏」の建設が急ピッチで行われている様子で、クレーンが何本も立っていました。年内オープン?に間に合うのかという感じですが、内部に詳しい人に聞いたら「間に合うか」ではなく「間に合わす」のだそうです。なるほど。

柏たなか、守谷、みらいだいら、万博記念公園。どの駅周辺でも宅地開発が進められています。それだけの宅地需要があるのか心配になります。

終点一つ手前の研究学園駅前に広い林が残されていました。十数年前、開発予定地内の地権者の人たちが、新しくできる駅前に「保安林」を設けて魅力あるまちづくりができないかという話しをしていましたので、もしやこれがと思ったのですが、後で聞いたところ公園予定地のようです。駅前に広い公園があるというだけでも特徴あるまちづくりが期待されます。この事業化も地権者の一部の人たちの運動の成果かもしれません。

「保安林」というのは樹木の伐採等の制約を受けるかわりに税制上の優遇を受ける森林。地権者としては市街地になって地価が値上がっても、固定資産税や相続税を考慮した長期間で見ると収支はかえって赤字になる。それなら「保安林」にすることによって資産としては制限されるが、長期収支がマイナスにならずに財産としても所有し続けることができ、何より地域環境保全形成の上で大きな効果をもたらすという主張でした。この理念に基づき市街地の中に保安林を設けることは他の地区で計画されているそうですが、利便が悪く、まだ事業着手のめども立っていない地区と聞きました。

公園と「保安林」は見た目、樹林地で変わらないかもしれませんが、公園は公有地で「公」が管理しなければならないのに対して「保安林」は民有地の場合もあり、環境づくりへの民間活用の一つではないかと思います。ただし、法的に土地利用制限されますので、土地の評価としては最低限となります。地権者にそれだけの覚悟をというのは酷でしょうか。