ウツボグサ属のタテヤマウツボグサ、八方池山荘の上、標高約1850m付近です。
近隣で見られるウツボグサ属の見分け方のポイントです。
ジャコウソウ属のジャコウソウは見ていませんが参考に加えました。
ウツボグサ属のウツボグサ(靫草)、ごく普通に見られます。
名の由来のウツボは、円筒形の花穂の形が靫(うつぼ)に似ることからとか。
靫とは、武士などが弓矢を入れて背中に背負った道具のことです。
ウツボグサは草丈が10-30cm、葉柄の長さが1-3cmです。
走出枝をたくさん出して、地表を這うように広がります。
ウツボグサによく似るミヤマウツボグサは走出枝がないとのことです。
花穂の長さは3-6cm、花冠の長さは1.5-2cmです。
画像は、三方ヶ峰に通ずる標高2040m付近の歩道沿いです。
5年ほど前に気が付いた白花の植物、シロバナウツボクサとしていました。
シロバナウツボグサはウツボグサの白花品で、花色以外の特徴は同じです。
横のオオバコと同様に運ばれてきたのか、あるいは在来か、来歴はなぞでした。
株全体が小さかったのですが、標高が高いための矮化かな、と思っていました。
最近になって、園芸種のセイヨウウツボグサにも白花があると知りました。
園芸種には小型のセイヨウウツボグサと大型のタイリンウツボグサがあります。
草丈、葉柄、穂、花冠を計測してみたところ、セイヨウウツボグサの特徴です。
本種は暑さ寒さに強く、靴底についた種子がこの地に根を下ろしたものでしょか。
ウツボグサとセイヨウウツボグサの萼に生える毛の様子が気になっています。
ウツボグサは短めで密生、セイヨウウツボグサは長めでやや疎生のようです。
この株だけかもしれませんので、今年は花屋さんを廻って毛の様子を見てみます。
ウツボグサ属のタテヤマウツボグサですが、この辺りでは見られません。
葉は幅が広く、葉柄はないか、あってもごく短く、見分けは容易です。
私の人差指の指先は約3cm、タテヤマウツボグサの花冠は長さ2.5-3.2cmです。
ウツボグサに比べ、花が大きく花序全体がぼったとした感じで花色も濃いです。