そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





2023年のナンバーワン韓国ドラマとの呼び声が高い「ムービング」。
釜山国際映画祭では6冠受賞(あのウ・ヨンウでさえ2冠しか取れなかったのに)。
今のところDisney+の配信でしか見られないのだが、その感想。

これは文句なしに面白い。
星は4つ。★★★★
一応、大きなストーリーのベースは「超能力もの」なのだが、様々なジャンルが混在し、先が読めない脚本演出、そして伏線回収の凄さがとにかく圧巻。
最初は学園ラブコメディから始まるが、家族愛ものに変わり、さらに世代を超えた親子の話、サスペンス、スリラー、アクション、SF、スーパーヒーローものと多岐に渡った上、南北朝鮮のスパイものの要素まで出てくる。
良くここまで全部盛りにして、破綻しないように仕上げたもんだと感心するほかない。
それもそのはず、全20話で、歴代韓国ドラマ史上でも最高の制作費65億円を投じているらしいのだ。
1話あたり3億円ってことだ。
日本だったら映画が5本撮れる予算で1話を作ってるんだから、そりゃあ凄いに決まっている。
Disney+が威信を賭けたこの1作、その投資に見合った出来映えになっている(個人的には最後の数話が消化不良だったが、それでも十分余りある高クオリティ)。
なにより、ただのエンタメSF超能力ものかと思いきや、「人」や「その人生」「家族愛」を徹底的に描いているので、見ている方としては感情移入がすさまじい。
泣かせるし、笑わせるし、興奮させるし、ハラハラさせるし、とんでもないエンタメ超大作ドラマなのだ。

最初の7話ぐらいでストーリーの中心になる高校生男女の物語が特に良い。
なんだか若いころのさとう珠緒に似ている主演女優コ・ユンジョンはとても魅力的で(高校生を演じているが実は27歳。信じられん)、そのパートナーになる男の子役の俳優はとても愛嬌があって可愛らしい。
そしてその後は彼らの両親のストーリーに物語は移っていくのだが、この親世代の役者たちもすごく良い。
調べたら、どの役者も韓国の一線級のスターらしく、そりゃあ演技上手なのもうなずける。

世界的な大ヒットにより、シーズン2の製作がすでに決定。
またひとつシーズン2の配信が待ちきれない作品が出来てしまった。

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