そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 2枚組ブルーレイ&DVD (初回生産限定) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


アカデミー作品賞にもノミネートされていた「トラと漂流した227日」
アン・リー監督はこの映画で監督賞を獲っている。
Blu-rayソフトが手に入れて以来長らく放置されていたのだが、ようやく観たのでその感想。

この映画、相当すごいのではないだろうか?
ちょっとヤバイぐらい打ちのめされた。
決して感動大作でもないし、分かりやすい話でもない。
別に泣けはしないのだが、見終わったあとになにかが固まりのように心に残る。
「フォレスト・ガンプ」に近い感覚。
相当すごい傑作だと思われる。
星4つ。★★★★
「アルゴ」なんかより、こっちが作品賞でよかった気がする。

そもそも原作小説が相当すごいのだろう。
それを素晴らしいクオリティで映像化しているのだ。

以下ネタバレを含むので観ていない人は読まないで欲しいのだが、この話、すべて作り話なのだと最後に明かされる。
あまりにもむごたらしい遭難事故の現実を覆い隠すため、16歳の少年が脳内で作り上げた仮想ストーリーなのだ。
つまり実際にはトラと227日も漂流なんてしていないのだが、ここで面白いのは、真実がどうだったかなんてどうでもよく、大事なのは物語の本質のみであるというメッセージ。
絶望の末に「生」の意味を感じ取り、絶望の末に「神」を知る。
そんな主人公の心の動きを、リアルな事故の中に描かずに、空想で作り上げたトラとの漂流話で描くという、この原作小説は相当すごい。
あまりにもものすごくて、見終わったあと、なんだか打ちのめされた。

まだまだ描くことは世の中にたくさんあるんだろうなぁ。

トラ、死ななくてよかった。

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