そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





アカデミー作品賞を獲った『アーティスト』を観た。
その感想。

完全に納得。
完全に納得の作品賞。
素晴らしすぎて、途中、物語のすじとは関係なく少し泣けた。
僕にとっては『スラムドッグ$ミリオネア』以来となる完全納得のアカデミー作品賞映画。
ちなみに昨年は『英国王のスピーチ』が作品賞を獲ったけど、個人的には『ブラック・スワン』のほうが上。
一昨年は『ハート・ロッカー』が獲ったけど、個人的には『アバター』のほうが上。
なので、3年前の『スラムドッグ$ミリオネア』以来というわけ。
絶対映画館で観たほうがいい。
超オススメ。
星5つ。満点。★★★★★

今の時代にモノクロ無声映画をやるという『盲点を突いた』アイディアが見事にハマッている。
最先端のシネコン映画館でこの無声映画が上映されるだけで、観客たちは90年前の古ぼけた映画館にタイムスリップしたかのような魔法にかかり、館内は異様な空気に。
無声映画は子供のころにチャップリンをテレビで観た程度の僕でも、なんだかもう 無声映画の懐かしさはDNAレベルで心に染みてくる。
ノスタルジーのひとことでは片付けられない、なんともいえない感覚。
無声映画って、こんな感じだったんだ……という郷愁感。
不思議な体験が出来た。
映画のラスト近く、音楽すらないまさに無音の状態がしばらく続く場面があるのだが、そこでは、現代の日本でこここまでの静寂に包まれることはないのではないかとさえ思われる物音ひとつ観客がたてない緊迫感が生まれ、自分の腹が鳴る音やら誰かの鼻をすする音やらがやけに館内に響き渡るおかしな状況に。
まさに、ザ・サイレント。
そしてそのサイレントの時に素晴らしいマジックが起こる。
BANG!

主演の俳優、女優、犬、全てイイ。
脇を固めるジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェルには安心感。
マルコム・マクダウェルまで出ている。
最高。

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