読まずに貯めていた本を読む。
まずはこの『ジェノサイド』
昨年の『このミス』ナンバーワンに選ばれた長編だ。
一歩引いて見るとずいぶん荒唐無稽な話なのだが、それをそうは思わせない緻密な描写でグイグイ引き込まれる。
作品のテーマというかオチそのものが『人類進化』なのだが、21世紀に入って10年あまり、昨今の人類の閉塞感もあって『実際にこんな事が起きていてくれたら逆にいいんじゃないか』とすら思った。
つまり自分自身の中の『救世主待望論』みたいなものに気付けたという感じ。
オススメです。
続いて直木賞受賞作『下町ロケット』
読んだ感想は『こういう企業ものがそもそも苦手なんだなぁ、オレ』
たしかに面白いんだけど、そこに書かれている『ビジネスの裏側のドロドロ』とか『駆け引き』とか『酒の席で』とか『根回しが』とかいった世界がとにかく嫌いなので(だからこんな一匹狼的な仕事をしているのかもしれないが)、どこか心に染み入ってこない小説だった。
染み入ってこないから、どうしても心の底からは共感出来ない。
そういう感じ。
僕はやはりこういった日本の大人の現実世界の話よりは、海外の少々子供じみたファンタジックな話が好きなのだ。
| Trackback ( )
|
|
|