そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





映画「SUPER 8」
スティーブン・スピルバーグが製作で、『ロスト』のJ.J.エイブラムスが脚本監督を務める話題作。
最近めったに映画館になんて行かないのだが、この組み合わせで、宣伝文句は「今年度最高傑作」
ついつい観に行ってしまったよ。
その感想。

ひとことでいって、雑。
とにかく雑。
『ロスト』でもそうだったけど、やはりJ.J.エイブラムスというクリエイターは思わせぶりが上手いだけで、結局、雑なのだ。
伏線を張って張って張りまくった挙げ句、いっさい回収しない、いやそもそも回収する気すらない、そんな『ロスト』と同じ雑さが、なんとももったいない子供だまし。
星2つ。★★

冒頭とかは実に上手いのだ。
最初の5分で、僕は傑作を確信した。
微妙に「E.T.」に似せた雰囲気も前半は期待感を増幅させる。
時代は1979年。
意味深な母の死。
ちょうど発生しているスリーマイル島事故。
犬たちの謎の失踪。
なにかが映った8ミリフィルム。
最高にいい子役たち。
人物造形、細かな伏線、とにかく前半は「これはどんな傑作になってしまうのだろう?」という期待感だらけ。
ワクワクドキドキで進む。

ところが、中盤ぐらいから雲行きが怪しくなってくる。
いつまで経っても出て来ない、あっと驚く新展開。
いつまで経っても出て来ない、ああそうだったのかという膝を打つ感。
後半になるとだんだん物語の決着点が透け始め、じわじわと感じる「え、それだけのこと?」感。
せめて「E.T.」のような二転三転のストーリーテリングだけでも考えればいいのに、そんな工夫すらなし。
ひとことでいえば、中途半端な「極悪版E.T.」みたいな話。
もう少しなんとかならなかったのかよスピルバーグ。
製作にタッチしているなら、エイブラムスに忠言しろよ。

とにかく前半に張られる伏線は1つも回収されない、と割り切って観ればまだ楽しめるのか。
二度目を観ればもう少し楽しいのかも。
唯一子供たちのドラマとしてみればやや観られるのだが、とはいえ底は浅い。
やるならもっと徹底的に親との確執や絆の欠損と再生を描ききればいいのに。
中途半端。
というか、あれでは泣けん。

にしてもエイブラムスって人は、ああいう造形のモンスターが好きなんだね。
だって「クローバー・フィールド」とほぼ同じデザインじゃん。
失笑。

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