その林を見上げると意外な景色が目に入りました。ひとつひとつの樹冠のあいだに、ほぼ一定の間隔があいていて、それが、見ようによっては水路のように見えます。
高水山は低い山なので登山というよりハイキングという感じです。雪が少ないせいでササの発達が悪く、そのため森林の中がすっきりしています。セイブツタヨウセイに乏しいということになりますが、見た目はなかなかきれいです。ドイツのブナ林を歩いたとき、こういう具合でした。新緑が彼は色の林床によく合っていました。
車の走る道路わきの斜面にニリンソウがたくさん咲いていて、なんというかもったいないというか、大丈夫ですかというか、そんな感じでした。こういっては悪いですが、タンポポやオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウなどならこういうこともあるのですが、なんといってもか弱い感じの野草です。「もっと山あいで秘かに咲いていたら?」という気持ちでした。
家に帰って、セイヨウタンポポの穂をみて、ふと写真をとってみようと思いました。日陰を探してそれをバックにすると穂が浮かび上がります。種子が花台についていて、細長くのびた先に冠毛がついていて、ふわふわと飛ぶ訳です。花火もこれと同じ理屈のはずです。種子を手でとって、1本だけ残したら、おもしろい写真がとれました。
セイヨウタンポポ 2011.4.29 小平市
セイヨウタンポポ 2011.4.29 小平市
少しさかのぼりますが、4月29日に青梅の高水山という山に行きました。地形がけわしく、いたるところに細かい沢がありましたが、水が実にきれいでした。そういう沢に岩がごろごろとあり、その上にキリンソウが咲いていました。
キリンソウ 2011.4.29 青梅市高清水山
キリンソウ 2011.4.29 青梅市高清水山
ヒメコウゾは不思議な花です。雌雄異花でこれはメス。玉状のものにニョロニョロのめしべがたくさんついています。これが赤くみのるとおいしいベリーになります。クワの仲間で果実もよく似ています。
ヒメコウゾ 狭山丘陵
ヒメコウゾ 狭山丘陵
わりあいよくある花ですが、実に味わい深く大のお気に入りです。「稚児」というくらいですから高さも15センチくらいで、花は径が1センチあまり、清楚な白で下向きです。
チゴユリ 狭山丘陵
チゴユリ 狭山丘陵
緑色の花は葉の中にとけ込んでしまって、ついつい見落としてしまいますが、このときは気づきました。果実はけっこう目立つのですが。
サルトリイバラ 狭山丘陵
サルトリイバラ 狭山丘陵