「ネズミは小さい哺乳類の代表で、ドブネズミのイメージカラ灰色の汚い動物と思われがちですが、例えばこのアカネズミは実にきれいなネズミです。ハタネズミは魔の抜けたような雰囲気で私は好みですが、人により分かれるところかもしれません。小さいのでイメージは違いますが、哺乳類の骨の基本構造はシカでもタヌキでもゾウでも同じです。つまり背骨があって先端に首と頭、前足、肋骨があって後ろ足、腰骨、尻尾という作りです。今日覚えて欲しいのは次の5つです。まず頭の骨はわかりユアスイです。ただしほとんどは後ろ半分は割れていて、鼻先から顔の中央までが出てきます。その下には顎の骨があり、これがこの分析では一番大事で、アカネズミとハタネズミははっきり区別できます。次に前足の下、肘より下の骨でこれをよく見ると人が大きく口を開けているように見えるので「歌うおじさん」というニックネームで呼ぶことにします。次はその上で肘より上で、これには花がついているように見えるので「鼻つき」とします。太ももの骨は先端に球状のものがついているので「先っちょ坊主」と呼びます。膝から下は日本の骨が合体して、ちょうどバイオリンの弓のようなので「バイオリン」と呼びます。太ももがくっつく腰骨は二枚が別れて出てきます。その形がアルファベットのPに似ているので「ピー」と呼びます。そのほかに小骨が出てきますが、それは覚えなくていいです」
と説明してそれぞれのテーブルで皿に入れたサンプルを一人一人がシャーレに取り出して、それを丁寧にみてピンセットや割り箸で摘み出してもらうことにしました。
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