栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

日曜のレース回顧~芝でもCozzeneの斬れで

2013-12-15 17:10:37 | 血統予想

中山11R 朝日杯FS
◎3.アトム
○13.プレイアンドリアル
▲10.グリサージュ
△11.ショウナンアチーヴ
×6.アジアエクスプレス
◎の母はゲイムリーBCS(米G1・芝1800m)勝ち馬で、ディープ産駒としてはヴィルシーナやフレールジャックと似た配合パターンで、母母父リシウスはトーセンラーの母父でもある。ヘイローのニアリークロス3・5×4・4だから機動力抜群の自在脚質で、ちょっと爆発力に欠けるのが弱点だが、それだけに中山マイルのここは決めたいところ。▲はプリンセスメモリーの半妹でデュランダルの甥、母母のところにハイペリオン血脈が強く、こういう配合のクロフネ牝駒はホエールキャプチャにクロフネサプライズと2歳G1で一発あるので、穴ならこれか。ベルカントはバクシンオー産駒で母も芝1200mで3勝をあげたスプリンター。体型もスプリンターで1400mがギリギリだろう。

中山9R チバテレ杯
◎2.シャドウパーティー
○8.ミエノワンダー
▲6.ライズトゥフェイム
◎は独仏のアウトサイダー血脈を巧みに取り込んだ好配合で、オープンまでいく素材だと書いてきたしずっと◎を打ってきた。前走は休み明けで追っての反応が一息だったが、叩き良化で差しもきく中山なら言い訳はできない。上がり目のある3歳2頭が相手で、どちらも中山2000mは合っている。

--------

朝日杯は想定の段階で1勝馬にとってかなり狭き門なのは知ってたんですが、でも出られればミッキーアイルが◎だと決めていて、となると除外になったら◎アトムでいくのがいろんな意味で筋は通るかな…と(^ ^;)

でもやっぱりこの馬はHaloのニアリークロスが多すぎて、そこが爆発力を阻害しているという面はあって、だからヴィルシーナのヴィクトリアマイルや秋華賞のように最高のタイミングで抜け出さないとなかなか勝ちきれないんじゃないかというイメージもあったんですが、それでも好位差しで手堅く2着3着にはくると思ってましたけどね~

たださっきGCで流れてたパトロールを見てみると直線満足に追えたとは言いがたく、斬れ味一番の牝馬で差し切れず、機動力一番の牡馬で捌ききれず、まあどちらも同情の余地はあるんですが、マークされるのは1人気馬の宿命、川田にとっては2週つづけて厳しい結果になってしまいました…

ショウナンアチーヴはずっと配合をほめてきたので頑張ってくれたのは嬉しいんですが、マイルのHペース想定となると1400mがベストかなあ~という頭はあって、やっぱり◎にするのは勇気が要りました

配合については下記エントリを参照していただきたいですが、「父ショウナンカンプと母母バブルウイングスがNorthern Dancerクロスを幹とする相似配合で、しかし母父サンデーサイレンスだけはNorthern Dancerと無縁」という、この配合形がまず良いのです

ウインフルブルームは母ハナノメガミに似た馬で、ハナノメガミは1800mベストで実に手堅い先行馬でしたが、この馬もベストは1800mで今日のペースだとちょっと息が入らなかったぶん苦しかったですが、それでもバテずに踏ん張ったのはえらい

サンデーサイレンス、マルゼンスキー、サクラユタカオー、ノーザンテースト、パーソロン、真っ当な血ばかりを受けた真っ当な中距離血統です

ムーアはしかしすっかり日本の競馬に馴染んで、3角までインベタでそこから一列外に出して4角を回り、勢いよく捲ったアチーヴの動きに呼応して外に出して追うという、今日の流れではまさにパーフェクトな騎乗

アジアエクスプレスについては新馬を勝ったときに「Storm Cat系×Cozzene系でナスキロ柔さがあって東京ダート向き、Henny Hughes産駒にしては体型に伸びもあって距離延長プラス」と書いたし、だから小回りの川崎に行くよりは芝を使ってみるのも悪くないんじゃないかとは思ったし、そしてだいたい想像したぐらいの脚で斬れたんですが、それで全部差し切ってしまうとは(^ ^;)

父ヘニーヒューズHenny HughesはヴォスバーグS(米G1・ダ6F)の勝ち馬で、ヘネシー×Meadowlakeですからいかにもパワーで短距離を突進するタイプ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011110091/

パワーが凄いのでケイアイレオーネのようなダート巧者やヘニーハウンドのようなスプリンターをよく出すのですが、この馬の場合はSecretariatとCozzeneのナスキロ柔さもONになったということで、これは芝1800~2200mで[1.3.0.0]という戦績のまま休養中のゴドリーの血統表をみると少し納得できるものもあるかと
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010110050/

こちらは母父Seattle Slewでボルキロのクロス、私のTARGETのメモを開くと「ボルキロ柔い体質で外1800mベスト」と書いてあります

母父Running StagはCozzeneに独仏のアウトサイダー血脈が入る面白い血統で、フランスでデビューしてゴントーロビン賞(仏G3・芝2000m)を勝ち、その後北米に渡ってブルックリンH(米G2・ダ9F)を勝つという多芸なところをみせましたが、こちらの影響も強いのでしょう

ヘニーヒューズは来年から優駿スタリオンステーションで繋養されますが、これまで中央に出走した産駒は11頭中9頭が勝ち上がり、うち重賞勝ち馬が3頭で、勝った重賞が芝1200mと芝1600mとダ1400mとダ2000m、これは人気を集めることでしょう

スタンダードな産駒はダ短距離なんでしょうが、こちらはヨハネスブルグと違って母方にアウトサイダー血脈が強く自身も5代アウトなので、たしかに配合次第で様々なタイプの活躍馬が出ても不思議はないです

シャドウパーティーは抜け出すときに接触したとはいえ、あれでミエノワンダーを差せないとは情けない…本格化はまだ先のようです…

さて来週は忘年会が二つ、今から土曜のリプレイ見て「2歳勝ち馬評価」をやっつけますか…

ショウナンカンプの2頭出し
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/5b67d4035d0a3bbf470d79f1fe97cc9d

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

血統クリニック~朝日杯FS

2013-12-15 15:40:16 | 血統予想

「Netkeiba.com(PC版)」と携帯スマホの「競馬総合チャンネル」では、「血統クリニック」と題してメインレースの出走予定馬の血統解説をしています(毎週木曜18時更新)
朝日杯はこんな感じです

--------

出走馬が確定していない現時点では2勝馬を中心に解説したい。

◆Haloクロスの機動力
アトムの母シャイニングエナジーはゲイムリーBCS(米G1・芝1800m)勝ち馬。ディープ産駒で母系にBlushing GroomとGlorious SongとMr.ProspectorとNureyevが入るのはヴィルシーナと同じで、Blushing GroomとGlorious SongとNureyevが入るのはフレールジャックと同じで、母母父Lyciusはトーセンラーの母父でもある。Halo≒Sir Ivor≒Red God3・5×4・4だからヴィルシーナやフレールジャックのように機動力抜群の自在脚質で、Lyphard4×5にNureyevも入ってFair Trial的な粘りも強い。ちょっと爆発力に欠けるのが弱点だが、それだけに中山マイルのここは決めたいところ。

◆字面の血統よりしなやか
プレイアンドリアルの母はティンバーカントリー×Danzig×Alydarとダート向きのパワー血統だが、そこにデュランダルが配されて、この馬は「サンデー系×ミスプロ系」の組み合わせ特有のしなやかな体質やTom Foolクロス由来の無駄のない脚捌きがオンになっている。これも何でもできる馬で弱点が少なく、スパルタ教育に耐えてきただけあって完成度も高い。ベストは1800mだろうが、中山向きの機動力もあるのでここも好勝負。

ショウナンアチーヴの母ショウナンパントルは阪神JF勝ち馬で、そこへショウナンカンプが配されてNorthern Dancerのクロスを5・5×5・6と重ねたが、母父サンデーのところにだけNorthern Dancerが入らないのがポイントだ。好配合で走る馬だが、わりと父似の体型体質でベストは1400mか。

アジアエクスプレスの父Henny HughesはStorm Cat系のスプリンターでケイアイレオーネやヘニーハウンドの父。本馬は母系の影響も強く距離適性は1600~1800mあたりだろう。全体にMan o'War的なパワーの血が強い配合だが、芝もいけそうな脚捌きなので押さえに。

ツィンクルソードはペールギュントの3/4弟で母ツィンクルブライドは桜花賞2着。母父がLyphardなので、父デュランダルほど弾けないが前で受けて渋い脚質に出た。マイルは守備範囲。

2戦2勝のショウナンワダチはショウナンカンプ産駒でノーザンテースト≒Vice Regent4×5・5。Nijinsky4×5の影響で体型に伸びがあり、中山より東京向きの感はある。

ウインフルブルームは父がサンデー×マルゼンスキー、母がユタカオー×ノーザンテーストという真っ当な中距離血統で、体型や走りは父より母が強いのでベストは1800mか。中山マイルでHペースだと息が入りにくいかも。

エルカミーノレアルの母ショウナンタレントはフラワーC勝ち馬だが、本馬は伯父のショウナンアルバに似た体型体質で短距離向きだろう。マイルは1F長いか。

アポロスターズはMr.Prospector4×5・5の影響が強い体型走法で1400mベスト。

ベルカントはバクシンオー産駒で母も芝1200mで3勝をあげたスプリンター。体型もスプリンターで1400mがギリギリだろう。

1勝馬ではミッキーアイル。ディープ産駒の成功形にズバリはまった配合で、体型は母父ロックオブジブラルタル(G1を7連勝した名マイラー)の影響が強い。デビュー戦では前半引っかかり、直線は内にモタれて何度も手前を替えていたが、あの荒削りな内容でアトムと僅差だから、前走のレコ勝ちを持ちださなくとも抽選を通れば当然本命級の評価。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜のボツ予想~やっぱりちょっと違う馬

2013-12-15 09:57:29 | 血統予想

注目は3歳の素質馬が激突する元町でしょう
ヘミングウェイはネオユニヴァース×Machiavellianで、狙いどおりにヴィクトワールピサやロジユニヴァースのようにHalo的脚捌きがONになりました
母母父にDanzigが直撃するので上記2頭と比べても明らかにマイラー体型で、血統屋が血統表と実馬をすり合わせ、ふむふむなるほどと納得できるふつうのオープン級マイラーです
リヤンドファミユが全兄2頭に匹敵する器なのかどうかは現時点では断言できませんが、若駒でインからスルスルッと抜け出してきたときの身のこなし、あの身のこなしを見ただけでも、ああこれは柔らかくて強い馬だ、ちょっとふつうじゃない馬だと溜息が出ます
前売りの単勝オッズは220円と550円ですか、私の感覚では、この2頭が1800mで10回走ったとすると、ヘミングウェイが勝つ可能性は何かアクシデントが起こった1回ぐらいじゃないかと
バッドボーイは輸送減りで後手を踏んだ前走でもよく追い上げて3着、ほんとに外1800mはいつも好走する馬でこれまで③②③③③④⑤①、重賞を除くと③②③③①、人気どおりですが買うならここまででしょう

ベテルギウスはメテオロロジストは前走狙い打ってうまいこといきましたが、A.P.Indy丸出しの体型体質走りで広いコースの軽い馬場がベスト、阪神ならシリウスでサトノプリンシパルを捲りつぶした☆ハートビートソングを上位視
ソロルの母はゴールドアリュールの全妹で、シンボリクリスエスにNureyevが入るのはランフォルセと同じで、このパターンはSeattle Slew的ストライドよりもNashua≒NantallahパワーがONになりやすいのでパワーで捲る脚質になりやすいのだ、とよく書いています
この馬も体型は父似で伸びがあるのですが脚捌きはRoberto的で、前走の勝ち方など“胴長重厚ランフォルセ”というイメージそのものでした

有馬連覇親父「なるほど!NureyevやSadler's WellsをもってくればRoberto掻き込み走法になるわけやな」
マイネルスケルツィ、コスモヘレノス「おっしゃるとおりでございます」

ジョヴァンニはアドマイヤムーン産駒だけにコテコテの力馬ではなく、前走は自分の競馬ができたことに加えて脚抜きのいい馬場も良かったはずで、距離延長はむしろプラスとみています
タイムズアローはダートの長丁場得意なタイムパラドックス産駒で必殺のGraustark≒ライバリュウ4×4、1400mの前走もしぶとく伸びていたのでここは好位ならおもしろい
キラウエアはラトロパワーが強い体質で阪神の良では[2.1.0.1]で押さえたいところ
ヴァンヌーヴォーはHalo≒Red Godとナスキロのクロスで父がCherokee Runだけにホッコータルマエのような機動力もかいま見せますが、1800m>2000mだしこれも軽い馬場がベター
まあそんなわけで、阪神ダ2000mはRoberto的な馬から入りたいです

南総は△シェルビーが人気ですがグランプリボス的な配合で外回りをしなやかに差すマイラー、中山ではノーザンテースト≒Vice Regent≒The MinstrelパワーとHalo≒Red God無駄なさで加速する◎サンライズメジャーがまずは中心
同じバクシンオーなら母父ブライアンズタイムの▲ノーブルディードが中山でスンナリ先行なら頭まであっておかしくないし、☆サンブルエミューズはキョウエイマーチの孫だけに脚を一息に使ってしまうところがあって、そのへんノリがメリハリつけて乗ってくれば芙蓉の鋭さ復活があるかも
フラアンジェリコは機動力だけの血統だけに中山でちょっと時計がかかると安定、ここも突き抜けるまではどうかも好走間違いなし
プランスデトワールも先行に転じて安定してきましたが、ここは外枠だけに遠慮して3,4番手かな

栄は◎ヤマニンプードレ
種牡馬チチカステナンゴの2年目の好調は中山エアレーション馬場だけでなく新中京芝の良績によるところも大で、勝率・連対率・複勝率すべて中山芝に次ぐ高さ、単回値228は中山(173)を凌ぐほど
ようは高速馬場が苦手ということで、ヤマニンも未勝利勝ちがこの中京2000m、負かしたのが土曜の愛知杯で5着のウエスタンレベッカですから、愛知杯のようなドスローにならなければいいところ
ここもトニービン×Nureyev的ナタ斬れ狙いで相手は胴長のジャンポケ産駒○ベルニーニ、あとハーツクライ産駒で母がCaro3×4の▲ベルゲンクライもいかにもストレッチランナーで、しかも母父Balleroyの母父はNureyevなのです

「No.1予想」では朝日杯を、「馬券総合倶楽部」では朝日杯とチバテレ杯を予想していますので、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

コメント (48)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする