栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2019-2020」

「2歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新&年末の挨拶など

2014-12-31 12:00:32 | POG

先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新しました~

リアルスティールはラングレーのような緩さが感じられないのが好感で、Kingmambo的な頑強さがONになっていて、デニムアンドルビーとかピクシープリンセスのような頑強さがある、と言えばいいのかな

ミッキークイーンとアンドリエッテが次走強い勝ち方をしたことでジルダの新馬戦はハイレベルだったといえるかもですが、この2頭はともに外回り向きのディープなので、内1400m→外1600mでパフォーマンスがけっこう上がったという見方も一方では必要かと

東京芝では[1.2.4.20]と低調だったハービンジャー産駒ですが、土曜にマッサビエルが新馬勝ちして、これで中山芝では[4.1.1.8]
エリカのベルーフの力強いイン捲りをみても、けっきょくハービンジャーの本領は急坂内回りのパワー捲りなのだ…ということが見えてきました
もちろんロカのように母方からしなやかさを受け継いだ斬れタイプも出るでしょうが、どんな種牡馬でもまずスタンダードを押さえておかないと、そこからどういう方向に寄ってるのか…という話もできないですから

マッサビエルはスタート後に不利があって勝浦が手綱を引っ張るシーン、いったん下がってしまい、そこから外に持ち出して長くいい脚を使って差し切り
ただし母母メジロドーベルでその父メジロライアンですからAureole≒ハイハットの継続クロスになり、もしAureole魂を受けているとすれば外々を回れたのは結果オーライだったかも

2着タマモボレロは8枠13番から枠ナリに外の好位を進んで抜け出したところを勝ち馬に差し切られましたが、これも母父アフリートだけに馬群に入らないほうが力を出せるタイプではないかという疑惑はあり、このアフリート魂疑惑は半兄タマモマズルカの力走で更に深まることに
日曜のダ1800m戦で13-14-1-1の大捲りで2勝目をあげたタマモマズルカはタマモボレロの半兄で、この馬3月の中山でも鞍上蛯名でダ1800mを13-13-1-2という同じ手口で未勝利を勝っとります
「マクるような形が合うタイプなので、適性を活かすには中山コースしかないからね」とはレース後の蛯名のコメント

今日は一昨日のMahmoudさんとの対談(サラブレ2月号に掲載)を形にして送って、あと某馬主さんオーダーの某リーディングサイアーの種付け相手を考えて、それで仕事納めの予定

今年も一年間お世話になりましたm(_ _)m 全てのコメントにはなかなか返事できませんが、皆様のコメントが励みにも参考にも勉強にもなりますので、来年もよろしくお願いいたします

元旦ぐらいは正月気分を味わいたいと思いますが、まあ4日には金杯があるし、明後日から通常営業みたいな感覚です(^ ^;)では皆様良いお年を

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東京大賞典予想とハービンジャーとフルーキー

2014-12-29 15:00:47 | 配合論

今日は朝からホープフルの回顧を書いて、これからNETKEIBA「重賞の見どころ」の原稿を書いて、夜はMahmoudさんとのチャット対談が控えているのでその準備、しかし合間に何とか大賞典の予想をして馬券も買いまっせ~(・∀・)
ということであんまり予想に時間は割けませんが、botの中の人の現地からの生情報「前有利でイン有利な馬場」を鵜呑みにして、前走は競馬にならなかった◎コパノリッキーの先行押し切りに期待します
ゴールドアリュール×ミスプロ×Roberto×War Relicの砂黄金配合、Fall AspenにトニービンにNureyevにVaguely Nobleですからハイインロー的スタミナもシッカリしていて、エスポワールシチーやスマートファルコンの後釜を任せられる血統
○ローマン▲タルマエ△ワンダーで

フルーキーの血統表を見ると、はて最近あちこちでよく目にするような景色やなあ…と思われる方も多いでしょうが、そう、走るハービンジャー産駒の配合パターンがだいたいこんなんですね(・∀・)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104134/
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104084/
デインヒルとサンデーサイレンスってのは体型や体質や走法のベクトルがかなり異なっていて、だから父×母父の組み合わせだとやや噛み合いにくいきらいもあったんですが、ハービンジャー(Shareef Dancer)もRedoute's Choice(Dancing Show)も母系に「Northern Dancer+Sir Ivor+Tom Fool(≒Flaring Top)」の組み合わせを取り込むことで、Sir Ivor≒Haloのニアリークロスを媒介とすることで、サンデーサイレンス系との配合に親和性をもたせることに成功している…というような見方はできるかと

デインヒル「男は筋肉や!パワーや!掻き込んでナンボや!なあグラスワンダーはん」
サンデーサイレンス「やれやれ…ここは日本ですよ、高速馬場を掻き込んで、掘り返して走ってどうするんですか」
Shareef Dancer「まあまあ、パワーもしなやかさも両方必要ですから、何事もバランスが大事ですから、みなさん仲よくやりましょう」
Dancing Show(いつかShareef Dancerさんとニアリークロスしたい…)

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ホープフルS回顧~またも高野のディープ×フレンチ、しかしこちらは大きなお尻

2014-12-29 11:21:14 | 血統予想

中山9R ホープフルS
◎5.マイネルシュバリエ
○3.ソールインパクト
▲10.シャイニングレイ
△7.ブラックバゴ
△14.タイセイアプローズ
×6.コメート
×9.ダノンメジャー
注2.レトロロック
注16.ナンヨーテンプル
シャイニングレイはディープ産駒ながら512キロの大型馬で、しかし決して力馬タイプでなくしなやかな体質でストライドも伸びるので、同じ配合のステファノスやポルトドートウィユ同様、本質的には東京や外回りに向いたストレッチランナーではないかと思われる。ここは◎マイネルシュバリエ。マイネグレヴィルの半弟で、母マイネポリーヌはマルゼンスキー3×2を持つだけに産駒は仕上がりや完成は早いほうだ。スペシャルウィーク譲りの長手の体型だが、バックパサー~トムフールの継続クロスで機動力もソコソコあるし、今の中山芝はこういう力強いストライドで走る馬も狙える。東スポ杯は太目が残っていたし、姉同様パワー型だけにタフな馬場も歓迎、柴田大知の先行押し切りに期待した。ソールインパクトは母がアジュディケーティングのようなパワー血統で、ディープ産駒にしてはパワー体質なので中山のほうがベターだろう。フォワードカフェはまだ馬が緩くて急坂やタフな馬場では厳しいか。トモが非力なティルナノーグにも同様のことがいえる。タンタアレグリアはストライドが大きすぎて中山で追い込める感じがしない。

今年いきなりG2に格上げとなったホープフルSは、シャイニングレイが好位から手応えどおりに抜け出す横綱相撲で、来春のクラシック候補に名乗りを上げましたが、まずはNETKEIBA「重賞の見どころ」の血統解説を再掲

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シャイニングレイ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104638/
オーキッドレイやカアナパリビーチの全弟で、ブラックシェルの甥。母シェルズレイはローズSとチューリップ賞で2着、母母オイスターチケットはファンタジーS3着。ディープインパクト×クロフネはステファノスやポルトドートウィユなどと同じで、出走11頭中9頭が勝ち上がっている高確率な組み合わせ。
デビュー戦はフワッと出していいて番手に控え、直線先頭から軽く気合いをつけただけで3馬身半のぶっちぎり。ディープ産駒ながら512キロの大型馬で、しかし決して力馬タイプでなくしなやかな体質でストライドも伸びるので、ステファノスやポルトドートウィユ同様、本質的には東京や外回りに向いたストレッチランナーではないかと思われる。素質はここでも上位のものがあるので、内回りの多頭数でスムーズな競馬ができるかどうかがカギ。

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新馬戦のパドックは現場でjunnyさんといっしょに観てて、「シェルズレイの仔はマツクニ厩舎じゃなくてもトモがすごいなあ…」と感心してたんですが、GCのゲストの岡田総帥も「ディープの仔にしては馬格があって、お尻も大きくて、しかも柔らかくて全身運動ができる」と仰ってました

再三指摘しているように昨年も今年も冬の中山芝ではディープ産駒はかなり不振で、今開催も6日目にしてこのシャイニングレイがようやく初勝利、その理由の一つとして考えられるのが馬格のなさで、先月号の「UMAJIN」のコラムで書きましたが、ディープ牡駒の出走時平均体重は469キロ、これはたとえばハーツクライ牡駒やダイワメジャー牡駒との比較では10キロ以上少ないのです

そして昨年9月以降の中山芝の勝ち馬における大型馬占有率(480キロ以上の馬が勝った割合)は47%で、他の主要コースは阪神芝41%、京都芝39%、東京芝33%ですから、明らかに大型馬のパワーがモノを言うコース

だから510キロのシャイニングレイがホープフルを勝ち、470キロの牝馬ジェンティルドンナが有馬を勝っても驚きはないのですが、この馬格で、好位抜け出しの正攻法で、今の中山芝2000mを完勝というのは、ディープ産駒の素質馬が皐月賞を狙うにあたっては(特にシャイニングレイの場合はちょっと母方のマイラーっぽさも表現されたタイプに見えるだけに)、かなり大きな意味を持つといえるでしょう

管理する高野師はショウナンパンドラの秋華賞勝ちで名を上げ、現2歳世代にはシャイニングレイとポルトドートウィユを擁する新進気鋭の調教師

この3頭、いずれも「父ディープインパクト×母父フレンチデピュティ系」の組み合わせなのは偶然なのかなんなのか、いずれにしてもトモが非力で急坂が苦手なパンドラについての采配(フラワーC敗戦後は京都新潟東京の適鞍に狙いを定めたローテ)は実に的確だったし、今後のシャイニングレイとポルトドートウィユのローテにも注目したいです

マイネルシュバリエはちょっとスタートで安目を売ったので大知が気合いを付けると馬が行きたがってしまいましたが、レース上がりが11.6-11.8、勝ち馬にこんな脚を使われては、ジリ脚のパワー型だけに折り合って先行でも厳しかったかも

コメートはシャイニーガールと同じブラックタイド×アフリート、こちらはLyphardのクロスなのでより粘着先行脚質に出ていて、中距離で先行したときはオール好走、今日は馬群の中でも我慢して走りつづけられたのが収穫で、望田が勝手に疑っていたアフリート魂疑惑を晴らしました(・∀・)

ブラックバゴはバゴ×ステイゴールドでHaloのクロスですから機動力と粘着力で勝負したい血統で、東京1800m→中山2000mでパフォーマンスが上がるだろうことは容易に予測できましたが、直線前がスムーズに開けば2着はあったかと

ソールインパクトは母がアジュディケーティングのような北米パワー型で、ディープ産駒にしてはパワー体質で斬れ味は並なので、これもむしろ東京より中山向きでしょう

ダノンメジャーは斬れも機動力も両方追い求めた配合で外回りで斬れるし内回りで捲れるし弱点は少ないのですが、それは相手強化とともに器用貧乏でどっちつかずという弱点にもなってくるのではないか…ということは以前から指摘してきました

ティルナノーグとレトロロックは体質は柔らかいのですがまだまだ緩さや非力さが感じられるディープで、ここに出ていた4頭のディープ産駒の肉付きや体質や走り、特に地面を掴んで蹴るときの後駆の頑強さなんかを比較してみると、今の中山で買えるディープ、買えないディープもある程度はジャッジ可能じゃないかと思います

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第59回有馬記念回顧~“スローの女王”3強を封じて花道を飾る

2014-12-28 17:35:15 | 血統予想

中山10R 有馬記念
◎15.ジャスタウェイ
○14.ゴールドシップ
▲13.エピファネイア
ジャスタウェイはワイルドアゲイン(ハイペリオン4×3)とトニービン(ハイペリオン5×3・5)からハイペリオン的な粘着力と持続力と成長力を受け継いだ中距離馬で、古馬になって後駆に力がついて本格化して世界の頂点に駆け上がった。体型やストライドに伸びはないが同じフォームで長く走りつづける実にハイペリオン的な脚質で、ドバイや秋天の圧勝を見てのとおり、Hペースにおける末脚の持続力は世界屈指のものがある。ワイルドアゲインは1984年の第1回BCクラシックを逃げ切って大穴をあけた馬だが、今年のBCクラシックはワイルドアゲインの孫バイエルンがしぶとい二枚腰で逃げ切り。ワイルドラッシュ(父ワイルドアゲイン)×トニービンのトランセンドの先行粘り強い脚質も実にワイルドアゲイン的でハイペリオン的といえる。だからジャスタウェイももう少し前々で運んで持続力を活かすべきではないかと書いてきたし、横山典が気合いを付けて出していって先行し、上がり1位で後続を更に突き放した中山記念こそがベストパフォ―マンスだろう。
エピファネイアの母シーザリオの唯一の敗戦は旧コース(内回り)の桜花賞で、母父スペシャルウィークも東京の大レースは勝ちまくったが有馬や宝塚や皐月は惜敗つづき、スペシャルウィークのもう一頭の代表産駒ブエナビスタも東京の大レースは勝ちまくったが有馬や宝塚や秋華賞は惜敗つづきだった。JCのパフォーマンスは圧倒的だったが、胴長の体型とナスキロ柔い体質で、たとえ川田が気分よく走らせることができたとしても、中山内2500mでは東京2400mと同等のパフォーマンスまでは期待できないのではないか。
おそらく前にいるであろうエピファネイアを、ジャスタウェイと福永祐一が捕まえにいけるかどうか、そこが今年の有馬の最大の見どころだろう。

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こないだ東京でやった「うますぎ」のイベントでは、ディープインパクト代表産駒たちの配合について簡単に解説して、それぞれ血統表中のどういう資質がONになっているのか…というような内容で話をさせてもらいました

ナスキロ的柔さがONになっているのがダノンシャークで、Halo的機動力がONになっているのがヴィルシーナで、ハイインロー的持続力がONになっているのがワールドエースなのですよ、というようなことをレース映像を見ながら説明したのですが、「Nasrullahが柔らかさでストライドで加速するのに対し、Fair Trialはピッチで回転の速さで加速する血である」ということをまず説明した上で、「Lyphard4×4で母父がDanzig系のジェンティルドンナは、ディープ産駒の中では最もFair Trial的な走法体質で、だから本来は小回り向きとも言うべきなのですが、そのピッチの速さ、トップスピードに乗る速さを2400mのスローでいかんなく発揮しているのです」と説明しました

秋華賞の予想では「牝馬三冠のなかでは秋華賞が一番条件としては合っている」とすら書いたほどで、そんな馬がJCを連覇するとはほんとに驚きでしたが、いつも言うようにレースは生き物で、東京2400mをジェンティルドンナのピッチ走法が制し、阪神内2200mをゴールドシップのストライド走法が制すのだから面白い

でも今秋のHペースJCとスロー有馬で、これまでジェンティルについて書いてきたことがそんなに間違いではなかったというか、コースも回りも直線の長さも実はあんまり関係なくて、スローのヨーイドンでピッチで一気に加速して抜け出せるレースでは、いつでもどこでも名牝なのだ…ということを改めて証明して、“スローの女王”はターフを去っていきました

ブログのコメント欄で上手いこという人がいたので拝借すると「ヴィルシーナがスローを演出し、ジェンティルが抜け出す。ジェンティルにとってヴィルシーナは最高のライバルであり、最良のペースメーカーだったわけですなあ」

私はもっとペースが流れると読んだので予想も馬券もダメでしたが、ジェンティルが勝ったのはそれはそれで何だか嬉しいというか、このペースならば勝つべき馬が勝ったと言うべきでしょう

レース上がりが12.4-11.5-11.2-11.9、岩田が動いたのが残り800mからで、ロンスパのゴールドシップでも上がり4Fしか全力疾走してないことになり、そういうレースではトゥザワールドに脚元をすくわれても仕方ないですが、オルフェーヴルが捲りきった超スローの2011年有馬の再現のようなレースになって、あのトゥザグローリーの3着とほんとに瓜二つの2着(・∀・)

キンカメ×トゥザヴィクトリーは内回りの機動力粘着力に本領がある、とはもう何年も前から書いてますが、だからトゥザワールドも皐月とセントライトが渾身の◎で(しかしイスラに返り討ち)、トゥザグローリーの有馬は▲でしたが、ここはスローが読めて川田だったなら印は入れたかな

ジャスタウェイはスタート直後は3番手ぐらいにいたほどいいスタート、しかしそこから馬ナリで下がっていく必殺YFS(YUICHI FUKUNAGA SPECIAL)、あのときのオルフェの上がりが33.3ですから、今の馬場でジャスタの上がり33.4は極限に近いものでしょう

ジェンティルドンナはまぎれもなく“スローの女王”だったと後世に伝えたいですが、ジャスタウェイは実にHyperion的な中距離馬だった、まぎれもなく“Hペースの帝王”だった、先行してHyperionを振り絞ったときは不敗だった…と後世に伝えたい

エピファネイアは逃げ馬とも3番手集団とも離れた番手にポツンとおさまったことで、驚くほど落ち着いて走っていて、それが想像以上のスローペースにつながったわけですが、直線入り口の反応もよく、しかし最後の急坂にさしかかったところでフワッとして脚色が悪くなったのは、あの望田に背中ポンポンされた弥生賞を思い起こさせるもの

やっぱり今でも、若いころよりはトモはパンとしてきたとはいえ、胴長の体型でナスキロ柔い体質で前駆の駆動のよさで走っているストライドで、タフな馬場やとよけいに急坂は応えるのだと思います

いつも書くように、オルフェーヴルやディープインパクトやエルコンドルパサーのような、いつでもどこでもチャンピオンというスーパーホースは滅多にいません

“スローの女王”、“Hペースの帝王”、“上がり12秒の王者”、そして“東京外回りの怪物”

それぞれが得意とするカテゴリでベストパフォーマンスを発揮し、我々に感動と驚きを与えてくれて、ジェンティルとジャスタとゴルシとエピファには、心からありがとうと言いたい

各馬の血統については「血統クリニック」再掲を読んでください
ホープフルの回顧はまた日を改めて…さて有馬も終わったし、これから忘年会でがっつり飲むぞ~(・∀・)

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「血統クリニック」有馬記念再掲

2014-12-28 15:24:56 | 血統クリニック

ジャスタウェイ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106461/
スカイノダンの半弟で、母母シャロンはCCAオークス(米G1・ダ10F)勝ち馬。その母Double Wiggleの子孫にトーヨーレインボーやフォーエバーモアがいる。牝祖Blue Burstが持つBlue Gay≒Revoked1×2がこの牝系の活力源だ。Northern Dancer≒Icecapade5×3、Revoked≒Nothirdchance5・6×7、そしてトニービンとBushel-N-Peckを通じるHyperionとNasrullah的な組み合わせのクロスで、ジャスタウェイ自身は緩い父母相似配合になっている。Hyperionベースの配合で母がNorthern Dancerの強いクロスを持たないので、ハーツクライ産駒としても晩成の成長曲線を描いてきた。Wild Again(Hyperion4×3)とトニービン(Hyperion5×3・5)からHyperion的な粘着力と持続力と成長力を受け継いだ中距離馬で、古馬になって後駆に力がついて本格化。体型やストライドに伸びはないが同じフォームで長く走りつづける実にHyperion的な脚質で、一瞬の鋭い脚こそないが長くいい脚を持続できるのが最大の長所。ドバイや秋天の圧勝を見てのとおり、Hペースにおける末脚の持続力勝負は世界でも屈指りのものがある。
Wild Againは1984年の第1回BCクラシックを逃げ切って大穴をあけた馬だが、今年のBCクラシックをWild Againの孫Bayernがしぶとい二枚腰で逃げ切ったのはまだ記憶に新しい。ワイルドラッシュ(父Wild Again)×トニービンのトランセンドやジャングルポケット(父トニービン)×Wild Againのフィロパトールが、先行してずっと同じフォームで走りつづけて粘り強いのも明らかにHyperion的で、だからジャスタウェイももうちょっと前々で運んで持続力を活かすのがベストな戦法ではないだろうかと書いてきたし、ノリが気合いを付けて出していって先行し、上がり1位で後続を更に突き放した中山記念こそがベストパフォだと思っている。JCもレース運びそのものは全くミスはなかったといえるが、鞍上の手はスタート直後は全く動いていなかった。出していったのではなく馬ナリで中団に付けたのだ。JCはフランス帰りで万全の体調とまではいかなかったようだが、あれを叩いて体つきにはメリハリが出てきたように見える。追い切りの動きもこの馬としては最高に近い。あとはおそらく前にいるであろうエピファを、追いかける勇気が福永祐一にあるかどうか。今年の有馬の最大の見どころはそこだろう。

ゴールドシップ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009102739/
ステイゴールド×メジロマックイーンはオルフェーヴルと同じだが、こちらはPrincely Gift5×5の影響で脚長で直飛節で、柔らかく大きく緩慢な全身運動でストライドを伸ばして走る。だから急激な加速ではなく緩やかにスピードに乗っていく形が理想で、今年の宝塚の後半4Fのレースラップが11.8-11.7-11.8-12.1。「メジロマックイーンに似ている」という人もいるが、マックは燃費のいいフォームで長距離を機械のように走るまさにステイヤーだった。本馬は全身運動で走るのでそのあたりはちょっと違う。Princely Gift的な体質を活かした持続的ストライドという意味では、メイショウサムソンとかコルモバルクなんかに近いイメージか。「バテないステイヤー」というよりは「長くいい脚を使う中距離馬」というべきだろう。「柔らかく大きく、かつ強く」動けるが、「速く」動けないのが唯一の弱点。
宝塚に滅法強いのは、時期的に時計がかかる馬場になり持続ストライドで外々を捲る競馬がハマりやすいバイアスになっていること、そして動きが緩慢なのでスタート後に二の脚がつかないこの馬にとって、ポケットスタートで2角までが長いコース形態も合っているからだろう。今年の宝塚もホームストレッチの後半でスピードに乗りはじめて好位に押し上げている。中山内2500mはスタートすぐコーナーなので、昨年や一昨年のように、前半は後ろから外々を捲り上げていく競馬になるだろう。先週の中山芝は外を回った馬がストライドで追い込むシーンも目についた。今年もこの馬が好走できる条件は揃っているといえる。ペースや展開を野性で感じとりながら、岩田はどこから動かしてくるか。これも当然見どころの一つ。

エピファネイア
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104155/
母シーザリオは6戦5勝のオークス馬。シンボリクリスエスとスペシャルウィーク譲りの胴長脚長で、Kris S.≒Habitatのニアリークロス2×4をもつので体質は非常にナスキロ柔い。母譲りの俊敏さもあるので内回りのコーナー加速力にも秀でているが、この体型体質から生まれるストライドが最も活きるのは東京と外回りで、ベストコースは京都外回りだろうと書いてきた。
シーザリオの唯一の敗戦は旧コース(内回り)の桜花賞だったが、スペシャルウィークもJCやダービーや秋天は勝ったが有馬と宝塚は2着で皐月賞は3着、ブエナビスタもJCや秋天やオークスやヴィクトリアマイルは勝ったが有馬や宝塚や秋華賞は惜敗つづきだった。JCは開いた口が塞がらないほどの圧倒的なパフォーマンスだったが、これまで急坂内回りでは[1.1.1.1]、東京と外回りでは[4.1.0.1]。デビュー当初よりはかなり後駆に力がついてきたとはいえ、今でも前駆の駆動の良さで走っているところはあり(JCにしても坂を上がってからのストライドが圧巻)、たとえ川田が巧く折り合わせたとしても、気分よく走らせることができたとしても、中山内2500mでは東京2400mと同等のパフォーマンスまでは期待できないのでは...というのが私の考え。よく言うことだが、いつでもどこでも同じぐらい強いスーパーホースなんてなかなかいない。

ジェンティルドンナ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106253/
血統配合は秋天を参照。
JC連覇を見てのとおりスローの上がりの競馬に強いが、それは母譲りのスプリントで一気に加速できる能力に秀でているからで、本質は2000m前後がベストの機動力と加速力に富む中距離馬だと思っている。2000mよりも2400m戦のほうがスローの上がりの競馬になりやすいのでJCやドバイでベストパフォーマンスを叩き出してきた。「父中距離×母マイラー」の配合形で、2400mのスローをビュンと加速して抜け出してしまえる女傑、という点ではTreveとジェンティルは似たキャラだと思う。今年のJCは持続戦になったので最後苦しくなったが、それでも沈まずに差のない4着に踏ん張ったのは立派で、"スローの女王"の看板がダテではないところを見せてくれたレースだったと思う。Burghclereのニアリークロスを持たないのでディープ産駒としても成長力に富む配合とは言えず、衰えが忍び寄ってきているのはたしかだろう。ピッチ走法なので右回りや内回り自体は割り引く必要はないと思うが、牝馬にとっては中山2500mはタフな舞台だし、昨年今年と冬の中山芝でのディープ産駒の不振も大いに気がかり。ただしタマモベストプレイが除外となるとおそらくヴィルシーナの単騎逃げ、もちろんエピファが行きたがって川田が追っぱなす可能性はあるのだが、スミヨン効果でエピファが番手で我慢がきいた場合は、ヴィルシーナはいくらでもペースを落とせる馬なのでかなり中だるみになるだろう。得意の上がりだけの競馬になれば、引退レースで意地を見せてくれるかもしれない。

ワンアンドオンリー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105072/
血統配合は菊花賞を参照。
母はタイキシャトル×Danzigらしいマイラーだったが、本馬は父を更にNijinsky的に胴長にしたような体型で細身で脚も長い。ダービーはノリが勝負を賭けて引っかかるのを覚悟で出していって、実際かかり気味ではあったが前で受けたぶんと距離適性のぶん、そして東京で伸び伸びとストライドを伸ばして走れたぶん、イスラボニータについに雪辱したという勝利だった。JCは2400mで持続戦になったのでイスラとの差はダービーよりも開いたが、一方で層の厚い5歳勢にちょっと歯が立たず...という7着。現5歳世代は3歳時に古馬との混合重賞を実に9勝しており(ちなみに3歳世代は4勝、4歳世代は3勝、6歳世代は5勝)、3歳世代が低レベルというよりは、5歳世代が分厚すぎるというべきかもしれない。いずれにしてもベストコースの東京2400mで完敗に近い内容だっただけに、乗り方が難しい中山では、ルーラーシップのように捨て身で追い込んでも掲示板までという見立てが妥当なところか。ただこの枠順だと、ノリは出して行ってヴィルシーナの後ろを取りにくるかもしれない。それぐらいのギャンブルに打って出れる立場ではある。

フェノーメノ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106599/
血統配合は秋天を参照。
秋天はスタートは良かったが二の脚で見劣り、左右から来られて引かざるをえずポジションが下がってしまった。JCも外枠から出して行ったが中団までで、外を回りすぎないようけっきょく下げることに。ただしJCでは直線半ばからジワジワ詰めてきており、秋天よりレース内容は良かったし、追い切りの動きからも出来は上向いていたと考えたい。もともと素早く好位に付けるダッシュ力があるほうではないが、最近は長距離のペースに慣れてしまったせいか若いころほど行けなくなっているし、年のせいか叩き良化型になってもいるようだ。折り合いはつくのでゆったりしたペースならばどこからでも動いていけるし、ビュンと斬れる脚はないが抜け出してからもHyperion的に粘っこく踏ん張れる。主戦の蛯名は当然そこは理解しているし、淀の長丁場の勝負どころを熟知しているベテランでもあるから、戦略と立ち回りと粘り強さによる春天連覇だったといえるだろう。ナカヤマフェスタとは配合パターンがよく似ているが、ナカヤマがステイゴールド的な体型に見えてデインヒル的なパワー体質なのに対し、フェノーメノはデインヒル的な体型だが体質はステイゴールドに近い。どちらもステイゴールドの"柔"とデインヒルの"剛"が巧く噛み合った一流馬だが、ナカヤマがタフな馬場になればなるほど光り輝くのに対し、フェノーメノは意外に軽い馬場速い馬場を好むところはある。ここはエアレーション馬場で鞍上はテン乗りの田辺、さすがにベストパフォーマンスまでは出せないとみるべきか。ベストパフォーマンスを出せないと勝ち負けにはならないと思うので、この順番で。

トゥザワールド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103975/
血統配合は菊花賞を参照。キングカメハメハ×サンデーサイレンスは配合に素直で、本馬はNureyev4×3のクロスにSharpen Up内Tudor Minstrel(HyperionとLady Juror)も絡むので、「HyperionとLady Juror」的な粘着力と機動力に富む脚質だ。
父似の伸びのある体型だが、体質や脚質は母方が強いので体型のわりにストライドは伸びない。だからコーナー加速力に優れるが、長い直線を惰性で伸びつづけなければならないレースにはあまり向いておらず、皐月とセントライトは◎にしたがダービーと菊では評価を落とした。全兄トゥザグローリーは11年有馬で3着(筆者は◎オルフェーヴルの▲だった)、菊の大敗で人気ガタ落ちのここは手を出したいタイミングだが、内回りでの立ち回りの巧さで食い込みたいタイプだから、乗り慣れた川田だったら...というトーンダウンはある。ビュイックはイギリスの騎手(国籍はノルウェー)らしく騎乗に繊細さは感じない。兄ほど重い印は打てないというのが結論。

ラストインパクト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104439/
ナリタブライアンやビワハヤヒデの甥で、キズナとは父ディープインパクトと母方のNorthern Dancer+Pacific Princessが共通する。母父ティンバーカントリーはスーパー名繁殖Fall Aspenの息子でプリークネス勝ち馬。パワーが勝ちすぎて力馬ばかりを出したが、母父としてはコパノリッキーやプレイアンドリアルなどの活躍で見直されている。母母パシフィカスがDamascusを1/4異系とする「3/4欧,1/4米」、そこに「1/2米,1/2欧」のティンバーカントリーが配された母スペリオルパールはやはり「3/4欧,1/4米」で、そこに「1/2米,1/2欧」のディープインパクトが配されたラストインパクトもサンデーサイレンスを1/4異系とする「3/4欧,1/4米」の配合形で、クロスの緊張と緩和のリズムでみても、パシフィカスがNearctic≒Mossborough2×4、ティンバーカントリーがSwpas4×3、ディープインパクトがHalo≒Sir Ivor2×4。自身は「サンデー×ミスプロ×War Admiral×La Troienne」の配合形で、キズナと同じBurghclere≒Fijiのニアリークロス。名血良血をオーソドックスに積み上げてきた、間違いのない好配合と言っていい。
Burghclereのニアリークロスをもつディープ牡駒だけに、古馬になって着実な成長曲線を描き、今年は8戦4勝で重賞3勝、G2を2勝し、トップクラスの仲間入りを果たした。小倉大賞典では向正スパートで3角先頭、新潟記念では後方一気、京都大賞典では好位差し、そして金鯱賞では中団でジックリ構えて自信満々の差し切り、川田も着実に手の内に入れてきている。「サンデー×ミスプロ」の組み合わせらしい脚長体型だが、体質はわりとHyperion的でそれほどしなやかさは感じさせず、追って柔らかくしなやかに斬れるというよりはシッカリ実直に伸びるから"Hyperion体質のゼンノロブロイ"というイメージで書いてきた。ストライド走法なので中京や外回りのほうが乗りやすい馬ではあるだろうが、タフな馬場は歓迎のタイプだし、今の中山はこういうパワーストライドの外差しも決まる馬場だ。ただし菱田くんは将来有望な若手だが、この馬に実戦で跨るのも、中山コースで乗るのも初めてとなると越えるべきハードルは決して低くない。川田とのコンビでここまできた馬だけに、なおさらそこは気になる。

サトノノブレス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103602/
血統配合は天皇賞秋を参照。
母母父Always Run Luckyの母Big PuddlesがAlibhai2×3で力馬っぽさを伝えるので、ディープ×トニービン×Riverman×アンティックヴァリューのイメージとはかなり違うパワー体質で、雨の小倉記念を力強く捲りきったり、雨の菊で最内をジワジワ追い上げてきたり、インベタ1京Aでルメールが絶妙なペースで逃がしてギリギリ粘り込んだりと、むしろパワーと粘り強さと機動力を要求されるレースで好走してきた。金鯱賞も上がり11.9-11.6-11.9を早めに動く形で2着に踏ん張っており、一方で上がり11.4-11.3-11.9の秋天は好位伸びず、12.0-11.4-11.6のオールカマーでは16着大敗。何度も書くが、この上がり12秒専用機の力馬を京都外2400mのスローでギリギリ勝たせてしまったルメールが達人なのであって、この馬自身は上がり12秒では好走し11秒5では凡走しを繰り返しているにすぎない。そんな脚質だからJCよりは有馬向きなのは間違いないし、好走の可能性もあると思うが、順番を付けると印が回るところまではいかなかった。

オーシャンブルー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102978/
母プアプーはイエルバブエナBCH(米G3・芝11F)勝ち、3代母Prairie Venusは独G3を2勝。母父Dashing BladeはデューハーストS(英G1・芝7F)勝ち馬で98年の独リーディングサイアー。
母系の奥にスパイス程度にドイツ血脈が入っており、ステイゴールドにMill ReefとSir Gaylordとナスキロ血脈を重ねて柔らかくなりすぎそうな配合だが、母が持つTudor Minstrel(HyperionとSwynfordの組み合わせ)の薄いクロスが効いているのか、ノーザンテーストを胴長にしたような体型体質で坂コースに強いパワー型中距離馬に出た。一昨年の有馬2着で、今年も中山金杯に勝ち冬の中山には実績がある。昨年は金鯱賞大敗から金杯で一変しており、鞍上蛯名込みで侮れないところはあるのだが、機動力で巧く立ち回りたいタイプではあるのでこの大外が...。

トーセンラー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102985/
血統配合はマイルCSを参照。
全弟スピルバーグは母系のサドラーやLyphardが表現された体型体質で、"バブルガムフェロー+Sadler's Wells"というイメージの重厚な中距離馬に完成したが、本馬は母父Lycius(2000ギニー2着のマイラー)の影響が強い体型で、体質の柔らかさや手先のバネは弟より上。マイルCSに勝ち春天2着だから距離的な守備範囲は広いが、最も斬れるのは1800mだと思っている。今年のマイルCS後に「ちょっと時計が速すぎる」とユタカが嘆いていたように、あそこまでHペースで流れてしまうとピュアマイラーではないだけに対応しきれなかった部分はあったか。京都に実績が集中しているのはコース適性というよりは高速馬場適性というべきで、タフな馬場の2500mとなるとスローでも京都外ほどは斬れないだろう。

デニムアンドルビー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104
血統配合は天皇賞秋を参照。
Alzao≒ラストタイクーンのニアリークロスのナスキロ的斬れを母系の豊富なハイインロー血脈が支える配合で、牝馬にしては野太い斬れ味を武器とする。ただしJCでは大外に持ち出して追い込んだもののゴール前は手前を替えて伸びあぐみ気味で、持続力のあるナタの斬れが武器だが、2400mで牡馬一線級を相手にするとなるとスローがベターなのかなあ...という11着だったか。ここはスローの可能性も高いメンツだが、宝塚4着はインが残る馬場展開で巧く立ち回ったにもかかわらず、カレンミロティックに伸び負けてヴィルシーナを捕えきれず。秋華賞4着もだが、内回りではG1通用といえるほどのパフォーマンスは出せていない。

ラキシス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104304/
血統配合はエリザベス女王杯を参照。ディープ×Storm CatはSir Gaylord≒Secretariat的な柔さ緩さがONになりすぎるきらいもある配合だが、この姉弟の場合は母がStorm Bird≒Nijinsky2×3で母母父Fappianoがミスプロ系でもパワーに定評がある血なので、ここからパワーの要素を補ってバランスがとれている。
母系に入るNijinskyの影響もあって牝馬ながら胴も脚も長く、その体躯を活かしたストライドを武器に外2200mのエリ女で2年連続好走。実績どおり東京や外回り向きのストレッチランナーで、こういう馬をシッカリ全身運動で走れるように育て上げ完成させる手腕にかけては、今も角居厩舎の右に出るものはいない。ここは中山内回りで男馬が相手となると、先行の利が活かせたとしても掲示板までだろう。

ヴィルシーナ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106264/
血統配合はエリザベス女王杯を参照。
This is Haloという柔らかく無駄のないフォームで走る馬で、センスと機動力が抜群で鞍上の意のままに操れるタイプ。距離適性的には1800mがベストだと思うが、センスの良さでスローのマイル戦でもスローの中距離戦でも最高に立ち回ってチャンスをモノにしてきた。ここは逃げ馬不在でこの馬が押し出される格好になりそうで、スローに落とすだけ落として流れ込みを狙いたいが、あまりスローにしすぎるとエピファが引っかかってしまうかもしれない。いずれにしてもタフな馬場の2500mは少し長いだろう。

メイショウマンボ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010102094/
血統配合はエリザベス女王杯を参照。
エリ女は追い切りやパドックは良く見せたのに、そして快勝した昨年と同じようなスローで同じようなレース運びだったのに、呆気にとられるほど無抵抗のまま沈んでいった。このスランプは多分に精神的なものだろうと言わざるをえないが、Kingmamboとジェイドロバリーのマイラー資質も受けているだけに、距離も長いところよりは1800mぐらいがベストなのかもしれない...という疑惑も。スーパーニアリークロスの復活を待ちたいが、それはここではないだろう。

ウインバリアシオン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008103206/
米2歳女王Countess Dianaなどが出る牝系で、Battle Joined、Wise Exchange、Dancing Count、Time for a Change、Storm Birdと、比較的地味だがあまり悪い影響は及ぼさない北米血脈が代々重ねられてきて、母母カウントオンアチェンジはDancing Countの欧血を1/4異系とする「3/4米,1/4欧」、母スーパーバレリーナはNorthern Dancerを1/4異系とする「3/4米,1/4欧」で、そこに「1/2米,1/2欧」のハーツクライが配されて、自身は「3/4米,1/4欧」となり、クロスがNorthern Dancer5×3・5(LyphardとDancing Countを通じるNorthern DancerとCourt Martialのクロス)。Promised Land5×6やNothirdchance≒Revokedの薄いクロスなどもあり、母方からNorthern Dancerと米血を重ねて開花を早めようとした配合で、晩成のハーツクライ産駒ながらダービーで2着したのも納得。
若いころはまだ非力なところもあったのでオルフェーヴルの後ろから追い込む競馬で2着を重ねていたが、ハーツクライ産駒らしい成長曲線で古馬になって全体に力がついて、昨年の有馬や今年の日経賞を見てのとおり「母の米血スピードで捲り、父のスタミナで踏ん張る」というレースができるようになり、血統どおりの脚質の中距離馬に完成してきた。完調ならば昨年と同じぐらいのパフォーマンスも期待できるのだが、金鯱賞が見せ場もない大敗だっただけに一変するかどうか。今週のフォトパドックを見ると、前後駆の筋肉量や張りがあまりにも春と違いすぎて...。

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公開枠順抽せんの結果は人気3頭が外枠に集結することとなったが、ヴィルシーナが行くのは見えているだけにこの枠順だとワンアンドオンリーは出していってその直後に付けてくるかもしれない。それぐらいのバクチは打てる立場だ。

一方でヴィルシーナがあまりにスローに落としてしまうと、川田は押さえきれずにエピファネイアを追っぱなしてしまう可能性は多分にある。

秋天の1000m通過は60.7でJCは59.6、たしかにスミヨンだから引っ張らずに我慢させることができたのだろうが、ペースそのものもJCのほうが速かった。ヴィルシーナは宝塚を62.4で逃げているようにもっとペースを落とせる馬だ。

緩んだペースがなかなか上がらず、2011年のような上がり3Fの競馬になれば"スローの女王"が意地を見せるシーンも一考したいが、エピファネイアが外枠を引いただけにペースダウンしたときに我慢しきれるかどうか。

川田はスミヨンのように騙し騙し乗れないことはわかっているから、行きたがったらケンカは避けて追っぱなしてしまうと思うので、そうなると途中からペースアップしてのロンスパ戦になるはず。

ゴールドシップは前半スローでも中団より後ろになると思うが、レースがどこから動くか、そこでこの馬はどこから動くべきか、岩田の野性の勘に賭けてみるのも一興だろう。

昨年のエプソムCで一年ぶりにジャスタウェイの手綱をとった福永祐一は、「トモがパンとして本格化した」というコメントを残しているが、そこからフリーハンデ世界一に駆け上がる快進撃は始まった。

エプソムC、関屋記念、毎日王冠、凱旋門賞、スローペースのときは[0.3.0.1]だが、秋天、中山記念、安田記念、そしてJCと、Hペースのときは[4.1.0.0]、ジェンティルが"スローの女王"ならばこちらは"Hペースの帝王"。

JCもスピルバーグが伸びてきたところから同じ脚色で最後まで抜かさなかったから、2400mが長いとは思えないし、あとは福永祐一が、中山内回りで、おそらく前にいるであろうエピファネイアを見ながら、どこから動いていけるか。

そこで中山記念のノリの騎乗を重ね合わせることができれば、帝王のHyperionは最後の一滴まで絞り出されるだろう。

◎ジャスタウェイ
○ゴールドシップ
▲エピファネイア
☆ジェンティルドンナ
△ワンアンドオンリー

先週の朝日杯もデビュー戦からコンビを組みつづけてきた蛯名ダノンプラチナが完勝し、ほんとにお手馬コンビが強い今期のG1だが、福永祐一とジャスタウェイはここまでの全21戦のうち10戦でコンビを組んできた。

新潟外マイルを4角2番手から5馬身ちぎったデビュー戦、本格化を辿りはじめたエプソムC、初G1勝ちの秋天、世界を制したドバイ、そして不完全燃焼に終わった凱旋門。

節目節目は必ず福永祐一が手綱をとってきた。

自他ともに認めるジャスタウェイの主戦ジョッキーが、この引退レースでどう乗ってくるのか、どんな答えを出してくるのか。

それを最後にもう一度問うてみたい。

2014年の最後は、そして「血統クリニック」の大トリは、そんな予想で締めくくりたいと思います。

一年間ありがとうございました。

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日曜のボツ予想~タフな馬場だから、母系のHyperionが頼りになる

2014-12-28 10:06:02 | 血統予想

ハッピーエンドは△キタサンラブコールは京都1400mベスト説だし▲シンデレラボーイは阪神1400mベスト説なので、ここは◎モンマックス○ルミニズムで打ちたい
モンマックスの母トニーズメモリイはトニービン(Hyperion5×3・5)×ディクタス×ノーザンテースト(Lady Angela3×2)×ガーサント×ライジングフレーム×トリプリケート、Hyperionクロスとアウトサイダー血脈だけで構成されたような配合で、そこにバクシンオーでノーザンテースト4×5、どうみても晩成のスプリンターで、前走は直線寄られて引っ張るロス、4歳秋になって現級通用の地力をつけてきました
ルミニズムはMr.ProspectorとBuckpasserのクロスでマイニングとTom RolfeがONになりましたという硬肉のパワースプリンターで全連対が芝重とダート、前走は小汚いピッチ走法で一瞬抜け出しかかってパッタリ、距離短縮・コース替わり・パワー馬場と着順が上がる要素はいっぱい

カウントダウンは◎ダノンフェニックス
ウインドインハーヘアと同牝系で父がネオユニヴァースというとトーセンソレイユ=モンドシャルナ姉弟と近い配合ですが、こちらは母系にAlzaoが入らない、つまりHalo≒Sir Ivorのニアリークロスにならないので、より「HyperionとLady Juror」的な粘着力がONになっていて、現級好走は逆瀬川もマレーシアも関門橋もいずれも上がり12秒戦、1000万勝ちの春日も上がり12秒、佐渡に下鴨に湾岸と上がり11秒ではいずれも凡走、ようはジリ脚粘着型で、今の阪神の内2000mならば上がり12秒決着濃厚、ネオユニ産駒らしい曲飛で脚捌きはわりとDanzig的なのでむしろ内回り向き、四位もこの枠ならば大外をブン回すことはないでしょう(^ ^;)
▲コウエイワンマンは直線先頭からドしぶとかった嵯峨野と伊達、4角でもう突っ張って走っていた近江をみるとAureole魂疑惑、いやもう疑惑ではなく確信で、アジュディケーティングが強い体型とHyperion硬い体質で阪神内2000mはピッタリ、ここも4角先頭か外に馬がいない形なら頭まで
▲が逆噴射で沈んだ場合は、弥生をイン差しで2着した○ミヤジタイガとBusted4×3らし成長曲線を描く△スミデロキャニオン、サクラボールドは例年冬の中山では動けない夏馬なのでここまでかな
他の特別はこれから考えます

「No.1予想」では有馬記念を、「馬券総合倶楽部」では有馬記念とホープフルSを予想していますので、そちらもよろしくお願いします
今夜は忘年会、もちろん有馬の回顧を書き上げてから出かける予定

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千両賞ボツ予想

2014-12-27 21:54:07 | 血統予想

千両賞は◎アンビシャス
全兄インターンシップは「ディープ好配合」で取り上げた馬ですが、兄とはかなりタイプが違って、こちらは細身でナスキロ柔いストライドで走る中距離馬、といっても母父エルコンで母系の奥にも「HyperionとLady Juror」が豊富で決して非力なタイプではなく、ここでも素質と斬れ味で差せるとみました
小脚型のサトノフラムは阪神外回りだとかなりスローにならないと苦しく、長く脚を使える○ヤマニンマンドール、▲ジェルブドール、☆フミノムーンを相手本線に

「No.1予想」では有馬記念を、「馬券総合倶楽部」では有馬記念とホープフルSを予想していますので、そちらもよろしくお願いします

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土曜のボツ予想~キンカメ×ブライアンズタイム、キンカメ×スプリンター

2014-12-27 10:12:20 | 血統予想

クリスマスローズはこのメンツなら◎モルジアナの単ですかね~
Seeking the Gold≒Woodman3×3、Northern Dancer5・6×5・5、Shirley Heights4×5、Sunbittern5×5など父母相似配合になっていて、Woodmanが強いスプリンター体型ですが、動きには柔らかみもあるので芝もOKのタイプでしょう

グレイトフルは▲トーセンマタコイヤはパワー兼備のタイプではありますが、今の中山芝でディープはとりあえず斜めに構えたい…ということで◎シャドウダンサー
ここ2走はスローの上がりの競馬を好位で巧く立ち回って…という内容ですが、トゥザワールドの2着に追い込んできた黄菊やショウナンラグーンを抑えた2勝目を見てのとおり、Hyperion的な持続脚質で上がりがかかったほうが渋い馬、タフな中山でパフォーマンスは更に上がるとみました
○ダイワリベラルと☆マイベルディーンも母系のHyperionがジワジワ発現中で、東京の上がり11.5より中山の上がり12.0で浮上するタイプ
△ルファルシオンはこの牝系らしいパワー体質で東京より中山向きですがチチカスらしい揉まれ弱さはありそうでノリがどう乗ってくるか、メイクアップも3勝の内容をみると軽いAureole魂疑惑があるのでこの内枠が問題

師走は◎ノースショアビーチ、母父BoundaryはDanzig系のスプリンター、自身はMr.ProspectorとBuckpasserとRibotのクロスで、“ちょっと軟弱なタルマエ”という配合
他にキンカメ×Boundaryにはサダムグランジュテやホノカアボーイ、母父スプリンターのキンカメ産駒といえばロードカナロア(Storm Cat)、ホッコータルマエ(Cherokee Run)、アパパネとスイートジュエリー(Salt Lake)、だいたい機動力十分です
中山ダ1800mは[1.0.0.1]ですが5着時はインで捲り合戦に乗り遅れたもので力負けではなく、本来はコーナー4つの1800mで先行力機動力を活かすタイプのはずで、この舞台でフィールザスマートに雪辱したい

妙見山はワンダーコロアールは前々走○にしたので言わせてもらえば、ナスキロ柔さのある配合で阪神良より東京稍で狙い、ミスプロ3本のアメージングタクトも同様で、キングズガードもA.P.Indy×キングヘイローですから中京1400mで全力買いしたい馬(実際夏に◎で狙いましたが)、となるとグレイフルリープですがパワー体質の大型馬で冬場はどうも…と赤木助手、となるとキンカメ×ブライアンズタイムの砂黄金配合でBuckpasserやRibotのクロスも重ね阪神向きのパワーで追い込む◎アルボナンザ、しかしここはあんまり前が速くならない予感もあって難しい…◎から美味しいワイドでも探しますか

「No.1予想」ではエリカ賞を、「馬券総合倶楽部」ではエリカ賞と阪神Cを予想していますので、そちらもよろしくお願いします

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競馬道OnLine G1スペシャル予想~有馬記念

2014-12-26 15:55:03 | お知らせ

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典2014-2015』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この秋もスプリンターズS~有馬記念まで栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想します
今週の有馬記念は望田潤の担当で、有力馬3頭の血統分析と直前予想を行います
有力馬血統分析(エピファネイア、ゴールドシップ、ジャスタウェイ)は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できますので、よろしければご覧ください
http://www.keibado.ne.jp/sp2014/

土曜は「No.1予想」でエリカ賞を、「馬券総合倶楽部」でエリカ賞と阪神Cを予想する予定ですので、そちらもよろしくお願いします(◎は決まったんですがまだ未入稿)

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「血統クリニック」有馬記念をアップ&今週の新馬戦

2014-12-25 17:07:54 | 血統クリニック

先ほど「血統クリニック」有馬記念をアップしましたので、オーラスもよろしくお願いします
天気はもちそうで良でやれそうですね(・∀・)

今週の新馬戦は
日曜中山2Rハタノソルプレーザ(パ)
日曜中山4Rジーニアル(キ)、スティンライクビー(ク)、ダイワガーランド(パ)
キ…「望田潤のPOG好配合リスト キングカメハメハ編」ク…「一口クラブ好配合ピック」パ…「パーフェクト種牡馬辞典」POG推奨

ハタノソルプレーザはブライアンズタイムにKingmamboの男馬ですからダ1800mデビューは順当、スティンライクビーはクロスのうるさい牝馬に5代アウトのキンシャサをもってきた私の好きなパターン、ダイワガーランドはあれ?クロフネは栗山さんの担当だったんじゃ…と思ったら、フジキセキ産駒がいないので母父フジキセキで選んだやつでした(^ ^;)いちおうクロペリオンかつDeputy Minister×フジキセキの黄金配合

しかし12/29に有馬が終わって、明けて1/4日曜に金杯ですから、我々にとっちゃ通常営業そのままの勤務態勢、年末年始の実感なんて大してないまま新年を迎えるんやろうなあ…

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