栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2018-2019」

「3歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新&雑感

2015-04-30 14:45:35 | POG

先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新しました~

キャンベルジュニアはFairy King産駒とRedoute's Choice産駒の豪短距離G1馬同士の配合ですが、字面の血統のイメージとはかけ離れた伸びのある体型とナスキロ柔いストライドは明らかにSir Ivor5×5・6の影響
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012110077/

だからフルーキーをディープインパクト的体質にしたようなイメージかな、なるほど東京の中距離でおろしたくなる馬です

サトノクラウンも短距離G1馬Lightening Pearlの全弟ですが、母がHopespringseternal≒Sir Ivor3・4×4でこの影響が強い斬れ方をする馬で、キャンベルジュニアとサトノクラウンは体質とか斬れ方は似ていると思います

京都芝は土日で12鞍行われて逃げた馬は[0.5.2.5]、複回値184ですから逃げ馬を見つけられればプラスにはなったでしょうが、重賞回顧でも書いたようにどれが逃げるのかが意外に難しい(^ ^;)

逃げた馬が1-1-1で2着に残り、その直後のインにいた馬が3-3-3から抜け出し、その直後のインにいた馬が5-5-5から差して3着、というような競輪決着のオンパレードでしたが、勝ち馬の顔ぶれはムーンクレスト、マテンロウハピネス、カバーストーリー、マッチボックスと中京か阪神の稍重みたいなイメージで、実際ちょっと流れるとゴール前は12秒台というケースが目立ち(だからダイワメジャー×Montjeuのマテンロウがあそこから差せる)、昨年の開幕週ほど超速馬場ではなかったと私も思います

つまり高速馬場適性はあまり問われない強烈なインベタ馬場で、つまり時計や上がりがない馬でも逃げたりラチ沿いを走れば好走可能な馬場であった、と

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Princely Giftの「春天を下る力」

2015-04-29 10:56:55 | 血統予想

昨年の春天の1~4着の熱い叩き合いを見ていただきたいですが、ゴール前で前駆をよりきれいに伸ばして走っているのはフェノーメノとホッコーブレーヴで、京都外回りの4角からスムーズに惰性をつけて下ってきて、直線で末脚を伸ばしていることが実感できます

フェノーメノの父ステイゴールドの母はサッカーボーイの全妹で、牝祖ロイヤルサッシュの父Princely GiftはNasrullah直仔でThe Tetrarch4×5を持ち、細身で柔らかな体質と長い脚と寝た肩を伝え、前駆の可動が大きくてきれいにストライドを伸ばせるのが長所のひとつ

後駆は非力に出ることも多いのですが、Habitatなんかもそうですが後ろが非力な弱点を前の駆動の良さでカバーしてきたからこそ、現代まで血を遺すことができたのだという言い方もできます

風呂上りにストレッチをしながらGCの「過去の天皇賞」を観ていると、アイポッパー(父サッカーボーイ)、メイショウサムソン(母母父サンプリンス)、マイネルキッツ(母父サッカーボーイ)と、Princely Giftの血を引き、柔らかく大きくきれいな前捌きで下ってくる馬たちがリピート好走していて、「京都の下りは、Princely Gift的前捌きで、スムーズに下らなければなりません」と杉本さんふうに実況したくなる
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2003102205/

サムソンもキッツも2着だった年でも、これは今年も勝ちそうだという勢いで4角から下っていて、やっぱり春天というレースを予想する際には、この“下る力”は無視できないと思わされます

フェノーメノも前駆の駆動が柔らかくきれいで下りは上手ですが、あれはPrincely GiftというよりTom Foolというべきかな、アイポッパーもPrincely GiftとTom Foolの合わせ技で下ってたイメージ

ホッコーブレーヴは母父がダンシングブレーヴで、母母がフォルティノとPrincely Giftを通じるNasrullah5×4・5ですから、母の血脈構成はメイショウサムソンと酷似
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2008102064/

昨年のゴール前で最も前肢がきれいに伸びていたのはこの馬で、だからあれは決してフロックではなく、こういうタイプは春天ではリピート好走があるから、今年も要チェックだろうと「サラブレ」の春G1展望で穴馬として取り上げたのですが、手の内に入れまくっている田辺ではなく幸との久々のコンビということで、テンションは70%ぐらい下がってます…(^ ^;)

ゴールドシップもPrincely Gift5×5ですから全身を使ってストライドを伸ばして走るし、“下る力”にも秀でた馬やとは思うのですが、この馬は「柔らかく大きく強く」動けるけど「速く」動けないのが高速馬場だと弱点になるわけで、それは乗り方やレース運びでカバーすることが可能なのかどうか、そこをもう一度考えてみたい

あと関係ないですが、ジャガーメイルのフォームや体型ってジャンポケ産駒でもちょっと独特で、今見るとサンデーとトニービンとNureyevの発現の仕方がドゥラメンテに似たものがあるよなあ…とも思ったり(あ、どちらも堀厩舎で石橋脩のお手馬で…)

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『ディープインパクト好配合馬リスト(2015)』本日発売!

2015-04-29 08:59:07 | POG

「血統屋」のPOG電子書籍『ディープインパクト好配合馬リスト(2015)』が本日4/29より発売開始、以下のURLからお求めいただけます(『望田潤のPOG好配合馬リスト(2015)』はもう2~3日お待ちください)
http://miesque.com/c00029.html

今年で刊行5年目を迎える看板コンテンツで、2歳のディープインパクトのなかから好配合馬をピックアップし、格付けするという内容の電子書籍です
正式なブックタイトルは『2015~16年POG企画 種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』

選者は望田潤と栗山求で、それぞれ◎=10頭、○=10頭、★=3頭を選び出し、配合評価のコメントをつけております
昨年のリストではリアルスティールは栗山◎推奨、ショウナンアデラは望田◎栗山○のダブル推奨でした

◎リアルスティール(牡、母ラヴズオンリーミー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104889/
「ディープ×ストームキャット」はキズナ、アユサン、ヒラボクディープ、ラキシスなどを出しているニックス。2代母MonevassiaはKingmamboの全妹なので、母は短距離王ロードカナロアの配合をひっくり返したような構成。母系の奥は底力あふれる血で構成され、とくにFlower Bowlが入るのがいい。全兄ラングレーは3歳春時点で心身ともに成長途上。思ったよりも完成が遅い印象なので、弟はこのあたりがクリアできれば。(栗山)

◎ショウナンアデラ(牝、母オールウェイズウィリング)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012101324/
母母Always Loralは仏1000ギニー馬でAnabaaやKey of Luckの妹。母父がGone West系だけに大物感はないが、母はNorthern Dancer4×4、自身はSir Ivor~Sir Gaylord≒SecretariatのクロスにBurghclere≒Aureoleのニアリークロスもあって、斬れ味のある外回り向きマイラーとして注目できる配合。(望田)

1~5世代から得た教訓をもとに、最新の知見を盛り込んでじっくり配合を吟味して完成させた自信作です
印の付かなかった馬も含めて全頭の5代血統表を収録、クリックでどんどんページがめくれるので、配合をチェックする際には非常に便利だと思います

私の選び方は昨年と大きくは変わってませんが、本文で紹介した4つのファクターを重視すれば、ビッグネームではないところからでもショウナンアデラやミッキーアイルなんかはピックできると自負しておりますので、POGのお供によろしくお願いしますm(_ _)m

※「Yahoo!メール」などのフリーメールをご使用の場合、購入確認メールが自動的に迷惑メールフォルダに仕分けされてしまう場合がございますのでご注意ください
携帯またはスマホをご利用の方は、PC発信メールの受信可否をご確認いただければ幸いです
IDとパスワードの入力は、コピー&ペーストではうまく行かない場合がございますので、手入力をお勧めいたします

※クレジットカードをお持ちでない方でも、ネット専用のVisaプリペイドカード「Vプリカ」を利用してお求めいただけます
審査不要でどなたでも作ることができ、クレジットカードと同様にネット上の決済ができるという優れものでで、ネットでもコンビニでも手続きをすればすぐに買うことができます
1.Vプリカのアカウントを作る
2.Vプリカを購入し、発行コードを入力する
3.PayPal のアカウントを作る
4.PayPal のアカウントにVプリカのカード情報を登録する
5.血統屋ウェブサイトにおいてPayPalで決済する
このような流れで購買することが可能です
YouTubeなどにもわかりやすいご利用ガイドがありますので、ぜひお試しください

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「3歳勝ち馬評価」先々週ぶんを2頭更新&雑感

2015-04-28 18:47:01 | POG

先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先々週ぶんを2頭更新しました~

香港のQエリザベス二世Sは祐一が実にソツのない好位差しで、ステファノスが横一線の際どい2着争いを制ました

クロフネは母父に回ってもパワーを伝え、母父クロフネは全芝連対率17.7%に対し札幌芝28.6%函館芝26.1%と洋芝成績が抜群で、父父デインヒル×母父サドラーのBlazing Speedが力強く抜け出すような馬場もOK
http://www.pedigreequery.com/blazing+speed3

3着は父父デインヒル×母父AllegedのDesigns on Rome、Military Attackは父父デインヒルだし、Akeed MofeedはDubawi×Tiger Hill、沙田の中距離戦ってアドマイヤタイシなんかが向きそうなイメージで、デインヒル持ちが札幌記念や函館記念で勝ち負けしたら香港を狙ってみてはいかがでしょうか(・∀・)沙田で捲るンジャーということで…あ、掻き込み親父も合っているでしょうね~

これまで芝重賞で馬券に絡んだゴールドアリュール産駒は5頭、うちフーラプライド、トウカイパラダイス、タケミカヅチ、トップカミングの4頭がマルゼンスキー持ち

マルゼンスキーが入る場合に限り芝オープン級が出るのは、ゴールドアリュールの母母Reluctant GuestがビヴァリーヒルズH(米G1・芝9F)に勝った芝馬で、このReluctant Guestとマルゼンスキーの血脈構成が似ているNijinsky、Princequillo、Count Fleet、Bimelech≒Businesslikeが共通)からなのだ…ということは何度か書いてきました

残り1頭、ゴールドストレイン(新潟2歳3着)だけはマルゼンスキーではなくノーアテンション経由のNijinskyクロスですが(つまり芝重賞で馬券になったゴルア産駒はみんなNijinskyクロス持ち)、これはよくみるとHostage≒Green Dancerの4×4になっとります

┌Nijinsky
Hostage
│┌Val de Loir
└△

┌Nijinsky
Green Dancer
│┌Val de Loir
└△

4/18中山の芝マイルで2勝目をあげたストリートキャップもご多分にもれずReluctant Guestいじり配合で、母母母父ニゾンがReluctant Guestと血脈構成が似てますね

 ┌Nijinsky
┌○
Reluctant Guest
│   ┌Hyperion
│  ┌○┌Donatello
│ ┌○└△
│┌○
└△
 └△┌Princequillo
  └△

┌Nijinsky
ニゾン
│  ┌Princequillo
│ ┌○
│┌○
└△
 └△┌○┌Hyperion
  ││└△
  └△┌Donatello
   └△

ゴールドアリュールの競走馬種牡馬としてのダート適性の高さは、Nureyevの血を相似配合で増幅している(Northern DancerとHyperionとNasrullahとFlares=Omahaなどのクロス)母ニキーヤ譲りというべきで、だからNureyevのパワーを増幅するような配合、Mr.ProspectorやRobertoを合わせたり、Nureyev≒Sadler's Wellsをクロスしたりするとダートのオープン馬が出やすいのは必然といえます

一方でReluctant Guestをいじくるとその芝適性がONになりやすいのもまた必然で、しかしReluctant Guestにマルゼンスキーを合わせて芝オープンを張った4頭は、母系にSpecialもMr.ProspectorもRobertoも引かず、Nureyev的パワーをONにする仕掛けは全くと言っていいほど施されていない、という点にも留意したいですね

これはたとえば、キンカメ×ブライアンズタイムの砂黄金配合にナスキロクロスが不要なのと同じ理屈やと思うのですよ

ゴールドアリュールだってキングカメハメハだってNureyevだっていろんな引き出しを持ってるわけで、どの血のどんな資質をONにしたいのかしたくないのか、クロスすることとしないことは同時に考えなければならない、ということですな

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4/25,26の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-04-27 11:42:28 | 共有クラブ

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2011)』で望田潤が推奨したレッドアリオン(牡5歳)が日曜京都11RマイラーズG(G2・芝1600m)を勝ちました。

★東京サラブレッドクラブ
父アグネスタキオン
母エリモピクシー(ダンシングブレーヴ)
募集価格:4800万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010101775/
リディルの全弟で先日新馬勝ちしたクラレントの3/4弟。Halo≒Drone≒デプス3×4・4、Alcide≒Aureole5×6、Bold Ruler5×6などきれいな相似配合になっていて、競走能力を示した父母の相似配合ですから悪い方向に転ぶことが少ない、間違いの少ない配合。本馬は兄たちより距離適性は長めでジワジワ粘る脚質の中距離馬でしょうが、いずれにしても能力はオープン級とみてこの募集価格ですがオススメします。(望田)

■『ディープインパクト好配合リスト(2014)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したマイアベーア(牡3歳)が日曜京都4R未勝利戦(芝1600m)を勝ちました。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104182/

○マイアベーア (牡、母オンブルリジェール)
ジェルミナルの3/4弟で、母オンブルリジェールはペネロープ賞(仏G3・芝2100m)に勝った。Be My GuestはHyperion4×4、Welsh SaintはHyperion3×4、母系には「HyperionとLady Juror」が強いので男馬のほうが持続力や粘着力がより活きるのではないか…というところでピック。Halo≒Sir Ivor≒Red God3・5×5の機動力もONになれば、ラジオNIKKEI杯や弥生賞など内回り中距離で期待できるだろう。(望田)

○マイアベーア(牡・母オンブルリジェール)
社台サラブレッドクラブで募集価格6000万円。フェアリーSを勝ち、桜花賞とオークスでも3着に食い込んだジェルミナルの4分の3弟。母オンブルリジェールはペネラピ賞(仏G3・芝2100m)の勝ち馬。母の父 Double Bed はハイアリアターフC(米G1・芝12F)を勝ち、チャンピオンS(英G1・芝10F)で2着となった。Double Bed の母の父 Welsh Saint は Aureole 系で、Aureole はディープインパクトとニックスの関係にあり、このパターンからトーセンラー、カミノタサハラ、レッドオーヴァルなど多くの活躍馬が出ている。Mr.Prospector のような分かりやすいスピード血脈は入っていないものの、その分、奥行きの深さと底力を感じさせる。ジェルミナルの下なので決して鈍重ということはないだろう。姉以上の活躍が見込める。(栗山)

■日曜福島10R桑折特別 キネオダンサー(ディープ・望田)

今や名繁殖の仲間入りを果たしたエリモピクシーですが、レッドアリオンをピックしたときはまだ長兄のリディルが売り出し中でクラレントがデビューしたて、血統表と息子2頭を見て、なるほどこれはDrone≒デプス3×3のスピードを高確率に伝える名繁殖になりそうやと、こういうやり方が一口やPOGにおける私の最もオーソドックスな切り口

実際エリモピクシーの全姉の秋華賞馬エリモシックは繁殖としてはまだオープン級を出しておらず、好配合なのはもちろん、それがちゃんと伝わっているかどうかまで見てジャッジしたい

ブラックエンブレムは繁殖牝馬としても魅力的なニアリークロスを持っているので子供も走るだろうと思っていたけれど、ベストとは思えないディープインパクトとの配合でテスタメントが出て、ふむこれならネオユニヴァースならオープンいけるだろう…とかそういう読みですね

マイアベーアの母系はTudor Minstrel(2本)とForliとCourt MartialとAureoleとAbernantが入って、いわゆるハイインロー、中でも「HyperionとLady Juror」的な粘着力が強く、Blushing Groomは配合に素直なオールラウンダーですから、こういう配合をするとやっぱり粘着力を表現します

3/4姉のジェルミナルはフェアリーを好位差しで勝ちましたが、弟は男馬のぶん更に母系の粘着力がONになった印象で、ディープ産駒でも外回りでズバッと斬れる脚はあまりなくて、今日のように内回りを前受け粘り込む競馬がベターでしょうね~

これで外回りは[0.0.1.1]内回りは[1.3.0.0]、昇級してもこれは頭に置いて付き合いたい馬で、また栗山さんも書いてますがBurghclere≒Aureoleのニアリークロスのディープ牡駒ですから、おそらく古馬になってもう一皮むけるでしょう

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日曜の重賞回顧~ヌーヴォレコルトにあって、ディアマイダーリンになかったものとは

2015-04-27 10:28:51 | 血統予想

東京11R フローラS
◎6.ディアマイダーリン
○4.ロックキャンディ
▲10.エバーシャルマン
△1.マキシマムドパリ
△12.フロレットアレー
×9.リアンドジュエリー
注16.ナガラフラワー
晩成のハーツクライ産駒が3歳春に完成に近づくには、ワンアンドオンリーやヌーヴォレコルトが典型だが、ノーザンダンサークロスを持ち、スペシャルやミスプロやブサンダの血を引く牝馬との配合で、できるだけ近い世代にクロスを多くつくる必要がある。ディアマイダーリンの母オネストリーダーリンはノーザンダンサー4×4で、ヌレイエフとミスプロとネヴァーベンドの血を引くから、ヌーヴォの母オメガスピリットと血脈構成がかなり似ている。ハーツ産駒にしては早期に芝マイルで鋭い脚を使えたし、しかし体質はハイペリオン的で実直に持続的に伸びつづけるところも似ている。ここは東京替わりでノリとのコンビ復活なら勝って権利を得たいところで、少しタフな開幕週の馬場も合っている。

京都11R マイラーズC
◎6.ディアデラマドレ
○7.フィエロ
▲12.エールブリーズ
△15.レッドアリオン
×10.エキストラエンド
注4.サンライズメジャー
注11.ロサギガンティア
「血統屋」の「一口クラブ好配合ピックアップ」で推奨したように、ディアデラノビアの配合はデビュー前から高く評価してきた。その主な根拠は、ノーザンダンサー4×4・6のキングカメハメハと、南米のアウトサイダー血脈が強くノーザンダンサーを全く引かないディアデラノビア、この組み合わせの妙にあるのだが、期待どおりの成長過程でジワジワと力をつけてきて、ついに牝馬のトップクラスにまで上り詰めてきた。このように母系に全くノーザンダンサーの血を引かないキンカメ産駒は、重賞勝ち馬でいうとホッコータルマエ、グランドシチー、トウカイミステリー、ヒラボクキングがおり、タルマエは6歳の今が全盛期かと思わせるほどの充実ぶりだし、グランドとヒラボクは6歳、トウカイは5歳での初重賞制覇で、ノーザンダンサーについてアウトブリードなだけに開花が遅くなる傾向がみられる(いっぽうでキングマンボ≒ジェイドロバリー2×3、ノーザンダンサー5・5・7×5・6・6とクロスを重ねて累進したレッツゴードンキは、2歳夏から完成度の高いレースをみせてきた)。芝マイル路線はもう何年も確たる主役が不在で、ジャスタウェイやトーセンラーやロードカナロアなど別路線組の強豪に油揚げをさらわれつづけているが、晩成型キンカメ産駒が本格化してのマイル参戦、54キロでインを捌ききれば突き抜けて不思議ないだろうと思う。

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シングウィズジョイの牝系については、下記エントリ「リアルシャダイ×ロイヤルレジナと母父1/4欧」で触れていますのでそちらも読んでいただければ…と
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104241/

母シングライクバードがRoberto3×4でこの牝系らしい機動力を伝える一方、自身はマンハッタンカフェ×シンボリクリスエスでBoldnesianやナスキロのクロスですからショウナンラグーンを逆さまにしたような配合形でもあり、ラグーンのようにナスキロ柔く斬れる面もあるのです

だから外回りでもソコソコ斬れる脚を使える弱点の少ない中距離馬という印象で、ただし君子蘭の辛勝や野路菊の惜敗をみると、機動力にも斬れにも特化しきれないナマクラ四つなので、オープン級相手だと善戦マンにとどまるんじゃなかろうか、重賞を勝ちきるまでの決め手には欠けるんじゃなかろうか、というイメージのほうが強かったですね~

クイーンCはダノングラシアスが締まったペースで逃げた中身の濃いレースで、2着ミッキークイーンと3着ロカは忘れな草でワンツー、4着アンドリエッテと5着メイショウメイゲツは桜花賞トライアルで2着、そして6着シングウィズジョイはオークルトライアル勝ち

スローの前残りで後ろの組にはノーチャンスのレースになり、強い相手に好位差しの正攻法で善戦してきたキャリアも活きた勝利でしたが、しかしハーツの1人気を封じるマンカフェ産駒という絵は、今年の牝馬クラシックを象徴するゴール前でもあったかと

ディアマイダーリンは予想コメントにも書いたようにヌーヴォレコルトと似た配合パターンで、ハーツクライ産駒としては3歳春に完成度の高いレースができる配合パターンで、この世代のハーツクライ牝駒の稼ぎ頭となったのは順当というべきでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103979/

ただ両者の細かい比較でいうと、ヌーヴォのほうがBusanda≒Mr.Busherの3/4同血クロスで「War AdmiralとLa Troienne」の組み合わせをハッキリクロスさせている点(ディアマイはNever Bendを通じるLa Troienneのクロス)において完成度は上ということができるし、またヌーヴォの母母父Chief's CrownはNorthern Dancer≒Indian Hemp2×5でもあり、ここに「HyperionとNasrullahとSarita」的組み合わせが強いのも、トニービン的斬れを引き出す上ではさらに有効なのだろう…というような話は土曜に校了したPOG書籍でも書いてます(ちなみにChief's Crownはベルラップの母母父でもある)

 ┌Nearco
┌○
││┌Hyperion
│└△
│ └△
│  └Sarita
Northern Dancer
└△┌Mahmoud
 └△

┌Nasrullah
Indian Hemp
│ ┌Hyperion
│┌○
└△
 └Sarita

ジャスタウェイの世界一の持続斬れは、父母から受けたHyperionの血、とりわけトニービンとWild Againの母Bushel-N-Peckを通じる「HyperionとNasrullah≒Damaの組み合わせ」のクロス由来ではないかということは以前書きましたが、たとえばノーザンテースト(Lady Angela3×2)×Princely Gift(Nasrullah直仔)のダイナサッシュの牝系とハーツクライの組み合わせも、フェイムゲーム、インダクティ、グランドサッシュと3頭全て2勝以上

ハーツクライを語ることはトニービンを語ることでもあり、トニービンを語ることはSevern Bridgeを語ることでもあり、Severn Bridgeを語ることは「HyperionとNasrullah(とFair Trial)」を語ることであり、ハーツクライとSpecialやChief's Crownやダイナサッシュがニックスなのも、キングカメハメハとエアグルーヴがニックスなのもこれで全部説明できます

だから似たようなアウトラインの配合で似たようなHyperion粘着脚質ではあるけれど、Chief's Crownが入るぶんヌーヴォレコルトのほうがトニービン的な斬れ味は上で、ゴール板を過ぎてからやっとこシングウィズジョイを交わしていたディアマイダーリンのあまりにもHyperion的なジリ脚を見ながら、そんなことを考えてました

ディアマイは母系にVaguely Nobleも入るし、このジリ脚ですからもう一つ前で受けたほうがより味があるタイプかもしれません

以下NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲

シングウィズジョイ
母シングライクバードは5勝をあげたオープン馬でフラワーC3着。母母シングライクトークも7勝をあげマーメイドSと阪神牝馬特別で2着がある。その母フリートークはフラワーCとクイーンSに勝ち桜花賞3着と、代々中山と阪神の内回りの重賞で好走してきたのはRoberto系リアルシャダイを引くからだろう。母はRoberto3×4を持つが、本馬はマンハッタンカフェ×シンボリクリスエスでBold RulerとPrincequilloのクロスだからショウナンラグーン(シンボリクリスエス×マンハッタンカフェ)を逆さまにしたような配合で、脚長で外回りで斬れる脚も使える。機動力と斬れ味の両方を兼備していて弱点が少ないが、悪く言えばどっちつかずの脚質でもあり、ここも大崩れはないだろう。

ディアマイダーリン
半兄にエンシェントタイトルS(米G1・ダ6F)2着のIrrefutableがおり、イトコにゴールドアリュールやゴールスキーがいる。母母Reluctant GuestはビヴァリーヒルズH(米G1・芝9F)勝ち馬。父はハーツクライで母はNorthern Dancerのクロス4×4、母系にNureyevとMr.ProspectorとNever Bendが入るという点でヌーヴォレコルトとよく似た配合パターンで、晩成傾向のハーツクライ産駒にしては3歳春にある程度完成する配合といえる。フラワーCはジワジワ進出してゴールまでしぶとく脚を使っており、鋭い瞬発力こそないがHyperion的な持続力ある末脚は東京向き。乗り慣れた横山典なら赤松賞のような好位差しでいいところだろう。

マイラーズCはディアデラマドレのスタートが拙く最後方、アチャーと顔をしかめながら前に目を転じると、サンライズメジャーが馬ナリで先頭に立っていて、いやいや冗談やろ、まだ前に2~3頭先行馬がおるんやろと思いなおしたほどで、しかし何度見ても、ハナを切っているのはもう2年以上条件戦でも逃げたことのないサンライズメジャー

そんなわけで最終レースよりも1000m通過が2秒遅く、勝ち時計もコンマ4秒遅いというものすごい上がりの競馬になり、ディアデラマドレが勝負と全く関係のないところでエゲツない脚で追い込んでいるのを呆然と見ながら、「それやったらアリオン差してくれえええっ!」と一声叫んだところがゴール(・∀・)

デビュー当時は小牧さんや祐一が差して惜敗を重ねていたレッドアリオンは、川須とコンビを組むようになると先行前受けに転じて躍進、NHKマイルで3人気に支持されるまでに出世しましたが、その大一番で痛恨の出遅れ、マイネルホウオウよりも速い上がりで追い込みましたが4着でした

〈でもアリオンが本格化してG1に駒を進めて3人気に支持されるまでになったのは、もちろん厩舎サイドの努力によって馬が心身ともに逞しくなってきたのが大きいのですが、川須が乗って前で受けるようになったからというのが一つキッカケにもなってるし、今日の出遅れを責める気にはならないです

大知の涙をみていると、まあ川須がここで勝つのはまだ早いということやろうなあ…と、乗れる男ですからいつかは大きいレースも勝つでしょうが、もっといろいろ背負って泣けるようなところで勝つべきなんやろうなあ…と、そんなふうには思いました〉(NHKマイルC回顧~心に響く早仕掛け)

前で受けるべきだと書きつづけてきたレッドアリオンが川須とのコンビでついに重賞を勝ったのは嬉しいかぎりですが、しかしゴールインした瞬間、隣で見ていた友人は「な、なんじゃこのレースは…」、すぐ前に立ってたオッサンも「なんじゃこれは…」

私は決してスロー全否定ではないし、ディアデラマドレが上がり31秒台で届かなかったから文句言ってるわけでもないし(^ ^;)、いつもいつも出走全馬に公平な競馬なんてつまらんとさえ思っていますが、でもやっぱりね、前夜から専門紙買って予想して、いろんな思いを込めた馬券を握りしめて、固唾を呑んでレースを見守っているファンが、ゴールインした瞬間に「なんじゃこれは…」と呟いてしまうレースは、まず興行として不味いと思うのですよ

楽しみにしていた桜花賞やマイラーズCを見て、「なんじゃこれは…」はアカンやろうと

週末はPOG書籍と月刊誌の締め切りに追われて、けっきょく日曜も朝起きてあずさ賞を予想しただけ(あのカレンラストショーも「なんじゃこれは」でしたが…)、あ、もちろんNETKEIBAに出した前上記の予想は手を抜かずに予想しましたよ、熟考の結果外れました(^ ^;)

体調が良化してきたので現場に出向くかと、ほぼ予習ゼロの白紙の状態で阪急電車に揺られて競馬場へ、オッサン二人で専門紙とパドックを頼りに毎レース予想してましたが、どのレースも検討をはじめて最初に口に出る台詞が「…これしかし、まずどの馬が逃げるんや?」「どれやろなあ…それがまずわからんなあ…」

あんまり書くとまたオッサンの懐古主義かいなと言われそうですが、昔は予想するときに「どれが逃げるんや?」なんて悩むレースはあんまりなかったし、何も行かないならここは俺が逃げなアカンやろと空気を読んで逃げる乗り役がいたし、そしてそういう場合はみんな然るべきペースで逃げたもんです

馬場が高速化していること、タメて斬れるサンデーの血が拡散していること、他にもいろいろ要因があるでしょうが、「なんじゃこれは…」と「どれが逃げるんや?」が蔓延するのは、やっぱり興行として不味いだろうと

ニックス(1)~リアルシャダイ×ロイヤルレジナと「母父1/4欧」
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/202265b81bc0891e8a2c559d355f1752

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あずさ賞ボツ予想~逆さまタニノエポレット

2015-04-26 10:33:57 | 血統予想

あずさはハービンジャーとグラスワンダーとハーツクライのジリ脚が勢ぞろいというところで、こういうメンツの2400m戦にありがちな「みんな同じ上がり」の世界を想定
◎カレンラストショーは前走は馬体減で食い足りない内容も、マイネルテンクウと同じタニノギムレット×ダンスインザダークでタニノエポレットを逆さまにしたような配合でもあり、未勝利戦の勝ち方がいかにもステイヤーっぽくて、ここは馬体が戻って先行ならば、後続と同じ上がりでは流れ込めるはず

「No.1予想」ではマイラーズCを、「馬券総合倶楽部」ではマイラーズCとフローラSを予想していますので、そちらもよろしくお願いします

とりあえずPOG書籍の原稿は昨晩全て書き終えたので、どちらも今月中には出せそうです
今年は繁殖の質的にもキンカメ↑ハーツ↓という予感がしますが、まあハーツの場合は当たるとデカいですから…あ、流行りのKingmambo≒ジェイドロバリーの3/4同血クロスも1頭厳選してます(^ ^;)

ではこれから支度して競馬場へ…重賞回顧は夜になる模様

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福島牝馬Sと京都7Rを予想しています

2015-04-24 18:32:54 | 血統予想

土曜は「No.1予想」で福島牝馬Sを、「馬券総合倶楽部」で福島牝馬Sと京都7Rを予想していますので、今週もよろしくお願いします(先ほど入稿しましたが、馬券総合は反映されるのに小一時間かかると思います)

POG書籍と月刊誌の締め切りが目前で、土曜はボツ予想をやる時間がどうもなさそうです…

実は火曜から京都入りしてるんですが、POG虎の巻と文春を買いに地元のコンビニに行ったのと、血統オタク鍼灸師さんとこで一時間ほぐしてもらった以外は外に出ておらず、実家に籠もりきりで膨大の数の2歳馬の血統表と画像をチェックしつづけて原稿を書きつづけてました

持ってきたサブノートが12インチで画面が小さいこともあってか眼精疲労と偏頭痛が酷く、山積みの仕事がなかなか進まない…

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「3歳勝ち馬評価」は一週お休みします

2015-04-22 17:54:41 | お知らせ

すいません…POG書籍と月刊誌の原稿の締め切りがもう間近で、「3歳勝ち馬評価」はたぶん明日もやる時間が割けなさそうで、来週に持ち越して2週ぶんまとめてやりますm(_ _)m

ディープインパクトとキングカメハメハとステイゴールドとハーツクライと重賞勝ち馬の弟妹、それぞれ選ぶ作業はほぼ終わったんですが、これから配合解説を23+48=71頭ぶん書かなければならないので…

選んでみて思ったことは、やっぱり今年はキンカメに好配合が多いと思うなあ…12頭に絞るのがなかなか大変でした

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4/18,19の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-04-20 11:32:39 | POG

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したドゥラメンテ(牡3歳)が日曜中山11R皐月賞(芝2000m)を勝ちました。

◎ドゥラメンテ(牡、母アドマイヤグルーヴ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104511/
アドマイヤセプターとボージェストの全弟で、母アドマイヤグルーヴはエリザベス女王杯勝ち。母母エアグルーヴは名馬名繁殖。キンカメ×エアグルーヴのルーラーシップとは3/4同血で、この組み合わせはHornbeam≒パロクサイドのニアリークロス6×5・5になるのがポイントだ。ボージェストも走る脚はみせていたし、本馬は牡だからルーラーのようなナタ斬れ爆発だろう。

■『ディープインパクト好配合リスト(2014)』で栗山求が推奨したダノンブライト(牡3歳)が土曜阪神3R未勝利戦(ダ1400m)を勝ちました。

○ダノンブライト(牡、母ペニーズフォーチュン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012101386/
2代母 Lovlier Linda はサンタマルガリータ招待H(米G1・ダ9F)など重賞5勝。母ペニーズフォーチュンの半兄 Old Trieste は、わずか3年間の供用で早世したものの、本邦輸入種牡馬シニスターミニスターなどを送り出した有能な種牡馬だった。「ディープインパクト×Storm Cat」なのでキズナ、アユサン、ヒラボクディープ、ラキシスなどと同じ。この配合で重要なのは、残り4分の1の部分に Hyperion-Alibhai のようなブリティッシュトラッドの王道を添えることで、要するに重厚なヨーロッパ血統で底力をサポートしていくことが大事。本馬の2代母は Herbager 系の Vigors が父、Djebel 系の Crozier が母の父。アメリカ血統でありながら豊富なヨーロッパ血統を受けているので底力があり、先述のとおり現役時代にG1を制覇した。ブリティッシュトラッドではないものの配合の方向性としては正しく、期待が持てる配合馬といえる。ただ、晩成型の Vigors が入るだけに完成が遅くなる懸念はある。

■土曜阪神9Rはなみずき賞 サトノラーゼン(ディープ・栗山)
■日曜中山9R鹿野山特別 ライズトゥフェイム(一口・栗山)
■日曜中山11R皐月賞2着 リアルスティール(ディープ・栗山)

今年のPOG書籍も馬選びは大方終わって、あとは本文を今週中に書き上げないと…
キンカメの場合、私のやり方ではレッツゴードンキは拾えないですが(^ ^;)、母アドマイヤグルーヴは毎年1位ですね、それは間違いないです

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