栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

前半1000mと上がり600mで安田記念を考察する

2011-05-31 21:18:38 | 血統予想

過去10年の安田記念において、前半1000m通過が58秒以上かかったのはブリッシュラックが勝った06年(58.1)だけで、あと9年のうち8年は全て57秒台で、昨年の56.3は異例ともいえるHペース

ところが2010年以降の芝マイル重賞(G2,G3)13Rにおいて、1000m通過が58秒を切ったのはたった1R、シルポートが逃げた今年の東京新聞杯(57.5)だけなのです

普段は58~59秒のぬるま湯ラップのマイル路線なのですが、G1安田はそういうラップにはなかなかならない…というところがまず一つの切り口

マイルCSでは56.7で逃げてレコード決着を誘発したジョーカプチーノは、京王杯SCでは57.4で逃げるシルポートの番手で何とか我慢させていましたが、ここも2頭は57秒台では通過するでしょう

また過去10年ではレースの上がりが34秒台だったのが5年、35秒台が4年、36秒台が1年という内訳になりますが、34秒台で上がった5年をみると、下のようにミスプロ持ちがやけに絡んでいるのです
03年(34.4)アグネスデジタル1着
05年(34.9)アサクサデンエン1着、スイープトウショウ2着、サイレントウィットネス3着
06年(34.5)アサクサデンエン2着、ジョイフルウィナー3着
07年(34.8)コンゴウリキシオー2着
08年(34.8)エイシンドーバー3着

しかも03年は10人気イーグルカフェがハナ差4着、07年は15人気アドマイヤキッスがクビ差4着と、ミスプロ持ちの人気薄がアワヤ大穴をあけそうになってるんですよね~

ちなみに上がり35秒以上の決着になった5年では、ミスプロ持ちはメイショウオウドウとファリダットが3着したのみ

今年の出走予定馬でミスプロ持ちはというと、アパパネ、コスモセンサー、サンカルロ、シルポート、ストロングリターン、ダノンヨーヨー、ドリームゼニス、ライブコンサート、リーチザクラウンの9頭です

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梅雨入り前に…

2011-05-31 09:53:52 | 血統予想

先週の道悪競馬で目についた血統を二つほど

☆ゼンノロブロイ…ハートビートソング、トレイルブレイザー、カネトシパサージュ、ノーステア
芝良[46.51.57.385]18.0%
重不[9.5.2.35]27.5%
ちなみにカネトシ以外の3頭は母系にMr.Prospectorを持つ点が共通しますが、このようにミスプロのクロスを持つロブロイ産駒は
芝良[9.9.19.106]12.6%
重不[5.2.0.5]41.7%
ゲームマエストロ(Mr.Prospector4×4)も重馬場でダイワファルコンに競り勝ってましたね~

☆アグネスデジタル…ドリームクラフト、ミスベルツリー、トップキングダム
芝良[63.68.66.671]15.1%
重不[6.6.5.45]26.7%
「外ラチに向かって追え!(by白井最強)」でしたっけ、あれから早10年とは…

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新種牡馬スタチューオブリバティ

2011-05-30 22:38:26 | POG

Black Cavierが無敗の連勝記録を12に伸ばした4/9のT.J.スミスSで2着に入ったHay Listは、今年日本で初年度産駒がデビューするスタチューオブリバティの産駒
http://www.pedigreequery.com/hay+list

配合はGay Missile≒Raja Baba4×3にBold Ruler5・6×4ですが、母母PucescaがStar Kingdom3×3、Hyperion5×5・7・7で、ここにNasrullah的なスピードがほとんど入らないのがポイントですね~

スタチューオブリバティはSecretariat≒Sir Gaylord3×4(+Seattle Slew)なので、血脈構成の1/2以上はナスキロ+米血とは縁遠い血で構成されている牝馬と配合するのがセオリーといえます

以下はちょっと前に、キャロット会報でマジックガーデンの09について書いた部分の抜粋
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009106542/

 父のスタチューオブリバティはStorm Cat×Seattle SlewでA.P.Indyの近親という超良血だが、あまりにもスピードに偏りすぎた感のある配合で、2歳時にコヴェントリーS(英G3・芝6F)に勝った早熟なスピード馬だった。種牡馬としても芝ダ兼用で完成の早いスプリンター・マイラーを出すだろう。

 本馬はリヴリアの近親で名牝Dahlia(キングジョージ)の曾孫にあたり、母父にはデインヒル系のパワーが強く、母母にはHyperion的なスタミナが濃厚。この父にもうスピードを入れる必要はほとんどないから、こういう配合にもっていったほうが面白い。芝ダート兼用で短いところ向き。

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日本ダービー回顧~JAPANのチャンピオンは柔らかでしなやか

2011-05-30 15:21:02 | 血統予想

東京11R 日本ダービー
◎5.オルフェーヴル
○8.フェイトフルウォー
▲11.デボネア
△2.サダムパテック
△14.ショウナンパルフェ
×6.クレスコグランド
×16.トーセンレーヴ
注10.ナカヤマナイト
注17.ユニバーサルバンク
◎はドリームジャーニーの全弟だが、こちらのほうが父母の柔らかさが出てストライドが伸びるので長い直線で斬れる。全兄は有馬を勝ったようにスタミナ自体はある血統だし、ダービーは2000mで斬れる馬が勝ちやすいレースでもあるから、皐月賞圧勝を信用する手だろう。小柄で柔らかくてバランスの良い走りだから、ディープインパクトのように道悪もこなすとみたい。12秒ラップ持続戦になった京成杯1,2着馬がまずは相手で、ともに馬場が渋るのも距離延長も歓迎。サダムとコティリオンとトーセンラーは道悪が(スタミナ面も含め)どうか。ステイヤーのクレスコと道悪鬼血統のユニバーサルは押さえたい。青葉組ではショウナンとトーセンレーヴのジワジワ斬れをとりたい。

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POG関係原稿や新馬未勝利戦の勝ち馬評価をこなしながら、共にクラシック路線を戦う相棒探しをする…というのが、競馬カレンダーの2歳~3歳春における血統屋としての立ち位置です

今年の場合は年明けから牡はオルフェーヴル、牝はホエールキャプチャで固まりつつあったのですが、皐月賞だけは開幕週のイン有利馬場を意識するあまりトーセンラーに浮気してしまったのがちょっと説得力のないところで(^ ^;)、ま~でもきさらぎ賞馬に浮気してしまったのもオルフェーヴルの強さを心から信用していたことの裏返しでもあり、馬券を買った人を決してガッカリさせることなく、勝っても負けても一番強い競馬をし続けたという点では、オルフェーヴルとホエールキャプチャは頼りがいのある信用できる相棒でした

オルフェーヴルの強さについてちょっと付け足すと、体型的にはノーザンテーストが強くそれほど伸びはないのですが、父や母父の柔らかな体質をかなり受け継いでいて全身を大きく使えてストライドが伸びて走っているときは小ささや伸びのなさをまったく感じさせず、兄と違って長い直線でも斬れる脚を使い続けられることで、骨格はテースト的で俊敏なのに柔らかく大きく動けるという意味でシンザン記念の頃はトウカイポイントのようだとも書きましたが、よく考えてみるとこの追い出されてからますますダイナミックになるフォームはサッカーボーイにかなり近いような気がします

そして種牡馬ステイゴールドの凄いところは、代表産駒の多くがあまり自分自身に似た馬ではないことで、相手牝馬のキャラを立てながら柔らかさと底力をフォローできるというところにあるのだと改めて思わされますね~

自分のキャラを主張する種牡馬はアベレージは上がりますが、それは自分の劣化版の再生産になることが多いのです

出走馬全てがサンデーの孫だったこととモハメド殿下の来日、この二つが話題を呼んだ今年のダービーでしたが、勝ったのは出走馬中血統表に最もカタカナが多く、最も日本馬らしい柔らかさしなやかさで走るオルフェーヴルでした

殿下どうですか、JAPANのチャンピオンは柔らかでしなやかでしょう

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日曜のボツ予想~思わず配合買いしたくなるナイアード

2011-05-29 11:48:08 | 血統予想

天才デットーリが挨拶代わりとばかりに馬券に絡みまくってますが、「スタートはボコっと出て後ろから、しかし決して外を回すことなく馬群を縫いながら、一度も引っ張ることなく無理なくジワジワとポジションを上げて4角ではいつの間にやら射程圏、しかもゴールまで伸び続ける」のはさすがというか相変わらずというか、久しぶりにみるとやっぱり唸らされます

私みたいな素人でも唸らされるのですから、スローなのに引っ張りながらポジションを下げていく日本の騎手には、彼の馬乗りはどのように映っているのですかね…

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青嵐のスズカゲイルは父ロイヤルスズカで母母オオシマスズランという重鬼血統で、不良馬場と神様の手綱で5馬身ぐらいは前進しそうですが(^ ^;)、まあでもこんな馬場ですから大振りしちゃえということで、Dalakhani×UnfwainでMill Reef≒Hopespringseternal4・4×3で唯一の現級好走が阪神外2400mでヒタヒタダラダラ同じフォームで走り続けるニシノラブキングと、サクラローレル×エルコンでマゼランがちぎった不良の中山2500mでひょっこり3着にきて大穴を出したジェイケイラン、この2頭を絡めてみたいです

むらさき賞は◎ソウルフルヴォイス
ベストレースはレディアルバローザを差しきったエーデルワイスSで、このレースの上がりは11.3-11.1-12.2で、まさに「上がり12秒女」2頭のしつこい叩き合いだったわけですが、いつも書くようにキンカメ産駒のHyperion的持続差しはこれぐらいの上がりでこそ冴えを見せるというべきでしょう
福島牝馬Sも◎で狙ったんですが、レース上がりが11.4-10.7-11.9で新潟外回りですからラスト2F目が速くなるのは当然としても、ゴール前が12秒台なら2着はあったような気がするし、まあそれ以前にあまりにも後ろすぎましたが…

鞍馬Sはスウェプトオーヴァーボード産駒らしく平坦芝1200mで時計がかかると台頭する◎キヲウエタオトコで…えらい人気になってますが(^ ^;)WIN5はこれでいっときます

ルミエール賞は◎ナイアード
ワイルドラッシュ産駒で母系にHawaiiといえばトランセンドばりのニアリークロス(Bushel-N-PeckとFlower BowlとHawaii)にまず注目できますが、他にもPlugged NickleとRazyana、Toll BoothとDroneとAphoniaのところでGraustark=His Majesty、Cap and Bells=Dunce、それにBuckpasser~Tom FoolとMy Babu~Perfume≒Turn-toが絡むという凝った配合
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006102204/

体型走法はいかにもデインヒルのパワースプリンターという感じで、新潟直千はLa Troienne的パワーを引く大型牝馬が活躍するレースでもあるのでここは配合買いしちゃいますか~

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ジェヌインダイアモンド→ブリリアントカット

2011-05-29 01:00:33 | 血統予想

タスカータソルテ、ネオヴァンドーム、コティリオン、ジェミードレス、ステラディクオーレ、テイラーバートン、ローズカットダイヤ、レッツリヴラージ、キラリダイヤモンド、ヤマトサクセス、ドレスアフェアー

ジェヌインダイアモンド→ブリリアントカット牝系の分枝に属する馬の収得賞金上位はこんな感じで、距離別成績でいうと
1600m[12.6.6.45]
1800m[5.12.3.50]
2000m[9.9.7.36]
2200m[1.0.1.8]
2400m[1.0.0.8]

同厩で同じ「サンデー×Lyphard×トニービン」の配合形のハーツクライとよく比較して書いてきた馬ですが、2400mへの適性となると、この母系のイメージのぶんだけハーツ先輩ほどは信用しきれんなあ…というところはあります

2000mで前受けできるようになればバブルガムフェローになれるかもしれないという期待は持っているのですが、今回は印としては下げる方向になってしまいましたね~

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リアルタイム回顧~強すぎる4歳、年上のキャプテンに全く遠慮なし

2011-05-28 15:55:58 | 血統予想

京都11R 金鯱賞
◎2.ブラストダッシュ
○9.アーネストリー
▲8.ネオヴァンドーム
△12.アンライバルド
×7.ナリタクリスタル
×16.アドマイヤメジャー
ルーラーはホーンビーム≒パロクサイドのナタ斬れを受け継いだ大跳びで明らかに外回り向きだし、キャプテンは1800mベストで2000mだとスローの注文がつくだけに道悪で持続戦になるとどうか。◎はオペラハウス産駒でノーザンダンサーとデリングドゥのクロスの相似配合だからミヤビランベリのような父似のパワー中距離馬で、不良馬場で圧勝があるし、鞍上はサージュウェルズで初重賞勝ちしオペラオーで売り出した“サドラー使い”。京都は今夜からずっと降り続く予報だけに道悪での一発に期待した。

東京11R 目黒記念
◎14.トレイルブレイザー
○7.マイネルキッツ
△4.マカニビスティー
△16.トウカイトリック
×8.キングトップガン
×15.モンテクリスエス
注1.ヤングアットハート
注18.ジャミール
難解。ハートビートはスタミナ型ではなく2000mぐらいのスローの決め手勝負のほうに適性がある馬だし、ケイアイも前走は開幕週のインベタでやっとこ押し切りで距離延長で更に強いというほどの内容ではなかった。ジャミールはスタミナ勝負は望むところだが道悪が巧くないし、トップハンデでもキッツのスタミナを信用すべきかもしれないが、これとてあまり馬場が悪くなるとどうかという部分はある。砂をかぶるのを嫌がるマカニビスティーは芝だとイン差しができるが、道悪で泥をかぶるとヤル気をなくすかもしれない(笑)。消去法で残ったのが◎で、ゼンノロブロイ×フォーティナイナーでミスプロ4×3だから長丁場で推せる血統ではないのだが、この馬の妙な重厚さズブさはニジンスキー直仔でラムタラと配合が似ている母母の影響だろう。目黒記念は馬場が渋るとニジンスキー持ちのジリ脚(ミヤビランベリ、チャクラ、トシザブイ)が活躍するから、そのイメージを頼りに◎といきたい。

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トモが非力なラトルスネークは京都の下りで加速がついて一気に差すという思い描いたとおりの勝ちパターンで、ヨッシャ何でもこいや~と左ウチワでみてたのにあれで差し返されるか…(^ ^;)

メーヴェは勝負どころで少しズブさを出していましたが脚はあっただけに、バテた馬が下がってきたのが痛恨…

ルーラーシップは出遅れは誤算だったにしろもともとああ乗るしかない馬で、内回りで道悪でああ乗ってはさすがに苦しいかと思ったんですが、いや恐れ入りました…
今日も折り合い面は少し怪しいところがありましたが、それだけパワーアップしてるということでもあるんでしょうね~
しかしこんなねじ伏せられ方が続いたら、キャプテントゥーレはもう4歳と走るのがイヤになっちゃうんじゃないかと…(^ ^;)

目黒は難しいレースでしたが、Nijinsky持ちでもキングトップガンのほうでしたね~
一言コメントでいうと「硬肉チャクラ」って感じですか(^ ^;)

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土曜のボツ予想~ザカリヤ的マイラーのメーヴェから

2011-05-28 10:21:12 | 血統予想

白百合Sは◎ラトルスネーク
前走が案外でしたが1400mのHペースをまともに追走すると息が入らないですね
ハイレベルなメンツをズバッと差し切った1/29のパフォーマンスはここでも上位で、細身のトモ甘で折り合えば京都外1800mが一番合っていそうな馬ですから、ウィリアムスの手腕に期待ということで
引っかかる馬は下が悪いと折り合うってこともありますからね~

カルミア賞は◎メーヴェ
クイーンCでも◎ホエールキャプチャの相手に取り上げた馬で、父Motivatorはサドラー×Gone West×Sharpen Upですからザカリヤの逆配合的で、この馬もGone Westを長手で硬肉で緩慢にしたようなマイラーで、パワーで押せる今の新潟芝は合っていそう
○アグネスウィッシュは前走◎で狙いましたが、これはバクシンオー黄金配合でやっぱり1200mがベストの感はありますから、これと接戦した△クリノトルネードあたりも拾ってみたいなあと

しかし台風接近中で、泥んこダービーの可能性も高くなってきましたね…

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金鯱賞一言コメント

2011-05-27 17:15:04 | 血統予想

世間の話題はダービー一色ですが、金鯱賞も宝塚へ向けてなかなか興味深いメンツが揃いましたね~
では「一言コメント」いってみよっ

エーシンジーライン:ボルキロ柔トモ甘
ブラストダッシュ:オペラハウス相似
マンハッタンスカイ:ミスプロNijinsky胴長
ホワイトピルグリム:エアグル牝系柔緩慢
キャプテントゥーレ:Fair Trialタキオン
フミノイマージン:女アクシオン
ナリタクリスタル:ペンタイア体型渋中
ネオヴァンドーム:トニービン的持続
アーネストリー:最父似
ニホンピロレガーロ:硬肉アドベガ
サンライズベガ:胴長緩慢アドベガ
アンライバルド:Fair Trial俊敏捲
ルーラーシップ:Hornbeam大跳ナタ
マイネルゴルト:逃げればコスモプラチナ
トップカミング:柔緩慢Wチケット
アドマイヤメジャー:Robertoタキオン

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ええやんサンデーばっかりでも(暴論)

2011-05-27 12:12:23 | 配合論

烏龍さんがダービーの出走馬が全てサンデーの孫だということに危惧を抱いてらっしゃいましたが、そのあたりについては栗山さんがブログで丁寧に書いているので、ぜひお読みくださいということで
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/05/northern-dancer-de2c.html

たとえばノーザンテースト系が風前の灯火といっても、オルフェーヴルなんてノーザンテーストが柔らかくなって跳びはねてるような馬で、あれが種牡馬になって成功したあかつきにはノーザンテーストの血は4×3(父5×4)で年100頭レベルで拡散されていくわけです

誤解を恐れずにいうと、この先日本の生産馬がサンデーの血で塗り固められてしまったとしても、それで一時的にレベルが下がったとしても、そこから何らかの形で必ず揺り戻しがくるのだから、それはそれで別にいいんじゃないかと

高速馬場でサンデーの孫ばかりでスローの上がりの競馬を競い合うという、そんな変な国が一つぐらいあっても別にいいんじゃないかと

サンデーのクロスを持つ牝馬に合う種牡馬が天下をとる時代がきたとしても、それはそれで日本のオリジナリティなのだから別にいいんじゃないかと

Black Caviarのようなオセアニア血脈を引くスプリンターが世界のトップに君臨することはもう珍しくなくなりましたが、1200mの2歳チャンピオン戦を最大目標に馬をつくり、勝った馬は早々と種牡馬入り、敗れた馬はタマ取られて走り続けるという一風変わった競走体系によって選抜されてきた血が、今では香港をはじめ世界の短距離界を席巻しているわけです

いろんな国でいろんな競走体系で競馬が行われ、そこで淘汰選抜されてきたいろんな血が出会うことによってサラブレッドは進化してきたという側面があるのですから、「欧州はNorthern Dancerで北米はStorm Catやけど、日本は高速馬場のスローでサンデーでいくとこまでいったるんや~」でもかまわないと私は思います(もちろん見る側の立場・馬券を買う側の立場でいえば、高速馬場のスローは実につまんないですが)

東京の斬れ勝負ならブエナビスタが世界トップクラスなのは間違いないし、中山の捲り勝負ならヴィクトワールピサが世界トップクラスなのも疑いないし、その条件下では世界トップレベルの馬がちゃんと出ているではないですか

仮に全世界規格でイギリスと同じような競走体系で競馬が行われるようになったら、世界中のギニーレースをGalileo×デインヒルがうなりをあげて逃げ切ってしまうわけで、そんなつまんないことはないですから、こっちはこっちでバクシンオー×サンデーのグニャグニャ柔らかマイラーをつくってればいいじゃないですか

サドラーとデインヒルの硬肉が全欧に行きわたってしまったら、グニャグニャ遺伝子が重宝されるようになるかもしれないわけで、ナカヤマフェスタなんてまさにそんな配合ではないですか

何が言いたいかというと、各国のチャンピオンの血が遺されていくことで多様性が保たれているかぎりは、ダービー出走馬が全部サンデーの孫だなんて、極東の島国のちっぽけな話じゃないかということで、では金鯱賞の予想でもやりますか~

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