栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

血統クリニック風・東京大賞典展望

2013-12-28 17:58:09 | 血統予想

サトノプリンシパル
父系がA.P.Indyで母父がNureyevだから伸びのある体型のストレッチランナーに出たのは順当。ハイレベルのレパード2着ぐらい走れば食い下がれる余地はないとはいえないが、直後にニホンピロとホッコーがいるというのはどう考えても楽ではないし、インカンテーションよりは一枚格下というのが現状だから、ここでインカンに◎級の印が打てるかとなるとトーンダウン。

ホッコータルマエ
母父がスプリンターのCherokee Run(Red God≒Drone3×3)で、母系に奥にBold Rulerも入るので抜群の機動力を誇る。今年は小回り向きの捲りを武器に交流競走を勝ちまくった。大井外2000mだと、帝王賞のように速い馬場でかつスローの上がりの競馬、というのが望みか。帝王賞は上がり3F12.3-11.9-12.6、この11.9のところで4角を回って加速しながらニホンピロとワンダーを一気に交わして、1800m地点ではもう先頭に出ていた。ああいう決め方ができるかどうかだ。

ニホンピロアワーズ
Nureyevの影響が強い胴長体型で、膝がかぶってて掻き込む走り。回転の速さとか反応の良さは抜群というわけではなく、やっぱり根はHyperion的な体質脚質というべきだろう。どちらかというと大箱向きでもあると思う。帝王賞はホッコーに機動力負けという格好だったが、交わされてからも止まらず同じ脚色で伸びつづけてはいた。JCDを叩いてデキは上向いており、ここは強気に動いてくるかも。

ローマンレジェンド
スペシャルウィーク産駒らしい胴長体型で、Deputy MinisterとNijinsky≒Storm Bird4×3とBuckpasser5×6からダート向きのパワーを受け継いだ。距離適性は2000m>1800m、コース適性は外回り>内回り、ベストレースはトウショウフリークを6馬身ちぎったジュライS、セカンドベストが昨年の東京大賞典。帝王賞は泥をかぶって戦意喪失という沈み方で、トリッキーな阪神はもともと苦手。みやこやかしわの内容からすると、昨年と比較して特にスランプとは思えない。昨年ぐらいは走れる計算でいいのでは。

ワンダーアキュート
父カリズマティックがWeekend Surprise≒Drone2×2にBold Ruler4×4で、そこにRibotやPrince RoseやWild Riskなどアウトサイダーなスタミナ血脈をもってきた見事な「緊張→緩和」。カリズマティックが大物を出すとしたらこれしかないやんというパターンだ。最近は自在性と安定感が出てきてここも好走は間違いなしで、1800mよりは2000mがベターではないかと思う。ユタカマジックでハイテイ・ツモなるか。

人気4頭は大井2000mならほぼ互角だろうというのが筆者の見立て。ゴール前の叩き合いは白熱しそうだ。難しいが、互角とみるならばオッズが高いほうから入りたい。ローマンから馬単3点。

コメント (15)
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競走馬として、母として、説得力十分なエターナルビートの配合

2013-12-28 01:21:14 | 配合論

「母が好配合で、異なる父との配合で兄姉がコンスタントに走っている」ということは、「母が良い配合に裏付けられた良い遺伝形質を確実に伝えている」ということですから、自身の配合におかしなところがない限りは信頼を置いていい、というのが共有クラブやPOGなどにおける血統的な基本スタンス

エターナルビートは父PentelicusがUnbridledと3/4同血(FappianoとCharediが共通)で、こちらは間にLe Fabuleuxが入らないのでAspidistra(父Better Self)4×3とRough'n Tumble4×4の北米パワー&スピードだけがONになったようで、現役時代は中級スプリンターとしてタフに走りました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1996110143/

母母Blue DoubleはBalladier≒Blue Larkspur4×3・4で、その母Blue BurstはBlue Gay≒Revoked1×2という凄い配合、ここからシャロン(CCAオークス)やトーヨーレインボーやジャスタウェイなどが出ます

このようにPentelicusとBlue Doubleからなかなかエゲツない米血クロスを受けていたエターナルビートですが、母父Sir Wiggleのところにはほとんど米血が入らず、Son-in-Law5×5・6など欧血中心の構成で、ここがクッキリと1/4異系になっているのがもう一つのポイント

このあたりは下記の栗山ブログに詳しいですが、1/4異系(1/4欧)としてのLe Fabuleuxを取り込めなかったために競走馬としても種牡馬としてもUnbridledに及ばなかったPentelicusに対し、Sir Wiggleというハッキリした1/4異系をもってきたのがエターナルビートだったと

Dr.Fager と In Reality のニックス(1)
http://blog.keibaoh.com/kuriyama/2011/06/drfager-in-real-08b5.html

クリスタルC2着などスプリンターとして高い資質をみせたのもうなずける「3/4米,1/4欧」の好配合で、そして初仔のマルカジーク(父サンデーサイレンス)が共同通信杯とシンザン記念で3着したのをはじめ、ルドベキア(1勝,父マンハッタンカフェ)、シャンパンファイト(2勝,父シンボリクリスエス)、エターナルロブロイ(3勝,父ゼンノロブロイ)と、出走産駒7頭中5頭が勝ち馬となっているように母としても成功しました

「3/4米,1/4欧」ですから、相手種牡馬はあまり米血が強くないほうがベターで、だから母が欧血中心でHyperionとLady Jurorのクロスを持つ「1/2米,1/2欧」のネオユニヴァースはこれまでの配合種牡馬のなかでもベストの選択と言ってよく、堂々と後付けするとフォーエバーモアがマルカジークを超えても何ら不思議ではなかったのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103499/

まあネオユニ牝馬というだけでちょっと尻込みするのはやむをえないし、いわゆるネオユニ産駒の成功パターンの配合でもないのですが、でもエターナルビートのこの好配合と仔出しの良さに着目していれば、ピックすることは可能だったはず

阪神JFはホウライアキコを言わしにいっての際どい3着で、1,2着馬と遜色のないレース内容だったと思うし、立ち回りの巧さを活かせば一泡吹かせられるぐらいの手応えをエビショウは掴んだのではないかとも

初仔から一本釣りというのはたしかにカッチョイイのですが、兄姉と比べて配合がさらに上なのだという釣り上げ方も血統派の醍醐味じゃないかと私は思うし、いずれにしても母は大事ですよ(・∀・)

コメント (7)
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