栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

第36回ジャパンC回顧~“和の逃げ”日本盃を制す

2016-11-28 12:07:31 | 血統予想

東京11R ジャパンC
◎4.ルージュバック
○12.サウンズオブアース
▲9.ディーマジェスティ
△1.キタサンブラック
×3.ゴールドアクター
×17.シュヴァルグラン
注5.イキートス
注7.ワンアンドオンリー
どうやら日曜も天気はギリギリもちそうで(夕方から降り出す予報)、前日予想では良馬場想定で結論を出してみた。昨年は「スローのJCは牝馬の斬れがモノを言うレース」と書いてショウナンパンドラを◎にしたが、今年も良馬場でキタサンの逃げならスローだろう。ならば◎ルージュバックでいってみたい。実績や能力は当時のパンドラと比較しても見劣るところはないし、秋天はミルコにマークされて外に持ち出せなかったのが敗因で力負けではない。多頭数の内枠で乗り難しさはあるが、この馬の性格を知り尽くしている戸崎はどこかで外に出してくるはずで、直線で一番外に出せれば昨年のパンドラぐらいは斬れると思う。サウンズオブアースは昨年はイン伸び馬場で外々を回らされて僅差だから、勝ち味に遅い馬だがラストインパクトやイラプトよりはこれを拾うことにする。

--------

「自らペースメイクしてもいいぐらいのつもりで、勝ちにいく競馬をする」とゴールドアクターに乗る吉田隼人はコメントしていましたが、好発からキタサンブラックが悠然とハナに立つと、そこに並びかけていったのがワンアンドオンリー
「おおおやっぱり田辺や!また田辺がユタカにちょっかい出しにきたんかあああっ!」

しかしそこからはキタサンが後続を少し離して逃げ、モニターで見ていても息が入ってて気分よく走っているのがわかるのですが、でも途中で田辺や隼人が捕まえにいけそうなポイントも、後続が一気にポジションを押し上げられるようなポイントも一切なかったというのは春天の逃げ切りと酷似していて、あと400mでもう「これは見事や…」と呻くしかなかった

Princely Gift的な前駆の駆動の良さで走る馬なので、京都や阪神では3角からの下りで後続を引き離しにかかるのが一つの必勝パターンなのですが、今日は東京ですからむしろ坂を上がってからの最後の1Fのストライドが圧巻で、ゴール前で後続に全く差を詰められていないので見た目に圧勝でした

以下「競馬道Online」の有力馬解説より再掲

キタサンブラック
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102013/
母父スプリンターの先行型
ショウナンバッハの3/4弟で、アドマイヤフライトやオトメノイノリやシーズティジーなどが出るテイズリーの牝系。父ブラックタイドはディープインパクトの全兄だが弟のような鋭い斬れ味は伝えず、本馬をはじめマイネルフロスト、テイエムイナズマ、タガノエスプレッソ、コメートなど前々で粘着力を発揮する産駒が多い。本馬は母父がサクラバクシンオーで、この「父中距離馬×母父スプリンター」という配合形もフワッと先行する脚質になりがちだ。長距離G1を二つ勝ってはいるが、本質は先行流れ込み脚質の中距離馬とみるべきだろう。東京だと4角~直線で突き放しにかかる勝ちパターンに持ち込めるかが微妙だが、京都大賞典ではいつもよりスパートを遅らせ気味で、次のJCをにらんだかのような逃げ切りだった。

昨年は母系にPrincely Giftを引くディープインパクト産駒ショウナンパンドラがしなやかに斬れて差し切り、今年は父がディープインパクトの全兄ブラックタイドで母父がPrincely Gift系サクラバクシンオーのキタサンブラックの逃げ切りでした

2年つづけて最も日本的な配合馬が、最も日本的なしなやかさで走る中距離馬が日本盃(ジャパンC)を制したわけですが、世界の名手たちが集っても手も足も出ない、こんな凄い逃げ切りを演出できるのはユタカ・タケだけでしょう

サウンズオブアースは予想コメントにも書いたように、昨年5着はラストインパクトやイラプトより中身はあったし、同じぐらい走ったら馬券圏内は十分という読みはできました

しかしいつも書くようにこの馬は、ネオユニヴァース×Dixieland Bandという粘りと機動力に長けた血統なのにSecretariatのナスキロ柔さも受け継いでいてストライドでも走れてしまうという、だから東京でも中山内回りでも自由自在で相手ナリに好走するけれど、G1を勝ちきるだけの一芸を持ち合わせていないのでどこで走っても2着になってしまうという、ほんとにデビュー当時からずっと二兎を追いつづけて2着の山を築きつづけている愛すべきキャラです

そして長い距離では何でもできるサウンズオブアースに乗ったミルコは、道中はずっとルージュバックの外に張り付いていて、4角で諦めて内に突っ込んだのを確認した上で外に持ち出して追い出すという秋天のリアルスティールと全く同じレース運びで、またもこの才媛の末脚を封じ込めることに成功したのでした

外に馬がいると抜こうとしない弱点をまたもさらけ出してしまったルージュバックですが、でもミルコが毎回嫌がらせをしてくるのは、古馬のチャンピオン決定戦においてもその斬れ味は抜きん出ていると認識しているからでもあるでしょう

ムーアはリアルスティールを1800~2000mぐらいの馬だとみているようですが、それでも紆余曲折の末にJCでコンビを組むとなったら、そこをごまかして3着を拾いにいくようなことはせず、本命馬がスローで逃げるレースなのだから真っ向勝負で好位を取って勝ちにいった

それで最後甘くなったのだから、陣営も距離が長かったと納得の敗戦ではないかと思うし、これはこれでさすがムーアと言うべき騎乗やったと思いますね

イキートスは外国馬の中で唯一斬れる脚を使って好走、ドイツのレース映像や小柄で無駄肉のない体つきをみるとMill Reef的に斬れる中距離馬だとわかったのでブログでも少し触れておきましたが、もう少し馬場が渋れば掲示板までこれたかも(イキートスとリスグラシューは直線での斬れ方がMill Reef的でよく似ています)

最近では14年△アイヴァンホウ(12人気6着)、13年▲ドゥーナデン(13人気5着)と、私が外国馬に印を入れたときはだいたい人気よりは好走するし外国馬では最先着してます…というみみっちい自慢で締めておしまい(・∀・)

第35回ジャパンC回顧~“和の斬れ”日本盃を差し切る
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/c7e532168ef7158a211cfadb048d145f

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11/26,27の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2016-11-28 10:17:16 | POG

日曜はPOG推奨(「ディープ好配合リスト」と「パーフェクト種牡馬辞典」)のスパークルメノウのパドックを楽しみに家を出たんですが、西向日駅につくと改札に人だかりができていて、「西山天王山で人身事故 阪急京都線全て不通」の報が…

「たぶん復旧までに一時間以上かかると思います…」と駅員さんが言うのでタクシー会社に片っぱしから電話したんですが、阪急が全部止まってる状況ではどこも満車か電話つながらず、仕方ないので雨の中を国道171までてくてく歩いて、王将で昼飯食ってから国道沿いにしばらく佇んでたんですが予約済のタクシーが2台通っただけ

そこで阪急バスでJR長岡京駅まで行き京阪バスに乗り換えて淀駅まで辿り着くルートを選択、長岡京に着いたら一台だけタクシーを発見したのでそれで競馬場に駆けつけたんですが、もう新馬戦は終わってて、スパークルはカワキタエンカとのディープ対決にクビ差負けてました…
「う~むやっぱり重では母父クロフネか…」

ルールソヴァールは栗の一口ピック馬でフジキセキ×Deputy Ministerの砂黄金配合、前走は直線で3回ぐらい前が詰まり脚を余しまくってたのでここは頭からいってみたんですが、稍重なのでユタカのオールマンリバーを消しちゃったんですよね…

競馬場でヤンチャ馬券師と落ち合うと、まずは「W5何買った?」と答え合わせ

「ウェルカムは1点突破にしたわ」
「ナスノセイカンか…なるほど単勝ならこれ入れとかなアカンな」

と買い足したのが功を奏してW4、しかし最後に残ってたのがアースソニックとティーハーフで、これはまた最後2着で泣くパターンかなあ…と思ったらやはり3着、しかも同着で払い戻しも半分になって二人とも泣きながら帰りました(^ ^;)

夜は京都滞在最後の飲み(たぶん)ということで松原町界隈で深夜2時まで、久々に飲みつぶれてしまいましたが、布団に転がり込む前に飲んだミラクルエースが効いてます(・∀・)JC回顧は夜までには…

■土曜京都9R高雄特別 サラトガスピリット(POG・望田)
■土曜京都11RラジオNIKKEI杯京都2歳S2着 ヴァナヘイム(POG・望田)
■日曜京都4R障害オープン リヴゴーシュ(POG・望田)
■日曜東京8Rシャングリラ賞 ルールソヴァール(一口・栗山)
■日曜東京9Rオリエンタル賞 トーセンマタコイヤ(ディープ・栗山)
■日曜東京10RウェルカムS ナスノセイカン(POG・望田)

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日曜のボツ予想~めざせ香港スプリント

2016-11-27 09:58:52 | 血統予想

京阪杯は◎メラグラーナ
「◎メラグラーナの芝替わりを狙ってみたい。前走は内枠で砂をかぶったせいかサッパリでしたが、距離はもう1F延びたほうがよさそうだし、JC3着Shaftesbury Avenueの近親でオセアニア産の遅生まれ。父がデインヒル産駒でNorthern Dancer3×4、母父がSeeking the Gold産駒でBroadway3×4、母母はオセアニア土着血統でHyperionやTourbillonが強く、豪州の短距離重賞でリアルインパクトやハナズゴールと走ってそうなエエ血統です(・∀・)」(2015/6/14)
緊張→緩和のお手本のような名配合で、このときからほとんど全てのレースで◎を打ちつづけてきましたが、オセアニア産のパワー満点スプリンターとして完成してきただけに来年は香港も視野に入れてほしいし、Fastnet Rock産駒は△ブラヴィッシモともども渋った馬場は鬼
道悪かつ前崩れを想定すると○フミノムーンと▲ディーハーフと☆アースソニックが相手本線、脚質に幅が出た△セカンドテーブルあたりも押さえたい

ベゴニアはレッドローゼスはもっと長いところの馬やと思うので、母父トニービンにHalo≒Moonscapeのニアリークロスというダイワメジャー黄金配合の◎クライムメジャーで
サウジアラビアはちょっと行きたがったのと斬れ味勝負になりすぎたのが敗因ですが、アドマイヤミヤビとビスカデーラとソーグリッタリングに完勝の新馬勝ちは掛け値なし
○パルティトゥーラはフォルテピアノの仔をなんで芝マイルでおろすんやと思ってたら、パドックを見ると父母が3つ持つ「Bold RulerとPrincequillo」の組み合わせ由来のしなやかさを感じさせる体型体質で、トーセンバジルがハービンジャーながらしなやかに斬れるイメージと近いかな、いずれにしても東京でおろしたのが納得のストライドで斬れたのでこれが相手

ウェルカムは◎ナスノセイカン
前走はローテに狂いが生じた影響もあったろうし、もともと休み明けは動かない傾向、それで人気が落ちるのならばオープンまでいく馬やと思ってるので買いの結論で

渡月橋は渋った京都1400でエイシンスパルタンの2着がある○トーキングドラムという手もあるんですが、◎キーナンバーはノーザンテースト≒Vice Regent≒Storm Birdを軸として父母相似配合で、デュランダル産駒としては最も父親似じゃないかと思ってます
デュランダルはスプリンターズとマイルCSを両方ぶっこ抜いた最強の1400馬で、泥んこのスプリンターズでもカルストンライトオの2着に追い込んできて、だからキーナンバーも渋った1400なら更に末脚の威力を増しそうなイメージがあり、桂川は直線で一瞬前がカベにならなければ△コウエイタケルは差していたかも

「No.1予想」ではジャパンCを、「厳選予想 ウマい馬券」ではジャパンCと白菊賞を、「競馬道Online」ではジャパンCを予想していますので、日曜もよろしくお願いします
今日もこれから競馬場へ、JC回顧は月曜ということで

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土曜のボツ予想~Sir Gaylordの“下る力”

2016-11-26 10:12:43 | 血統予想

東京ダは今日も渋化残りでA.P.Indy馬場ではないかということで、銀嶺は高速馬場の追い込み血統Broad Brush(ブロードアピールの父で、テスタマッタやグランドラッチやダノンクリエーターなどの母系に入る)を引き、しかもHalo3×4を持つ◎ワンミリオンスの大箱高速馬場向きの差しと、カジノドライヴ産駒でBest in Show4×5を持つ○プレスティージオの先行で

高雄は◎コルコバード
ステイゴールド×フォーティナイナー系は京都金杯のウインプリメーラと同じで、ナスペリオンのクロスになるので字面よりもストライドで走るタイプが出る配合、京都向きの斬れ味がある馬がいないここならまたナデ斬れるとみました

京都最終は◎アヴニールマルシェ
ディープとダンシングブレーヴを通じるSir Ivor≒Drone5×5、スマートレイアーやサトノルパンなどストライドで走るタイプが出やすい配合ですが、Sir Gaylordの弱点である後駆の非力さも受け継いで、今も相変わらずトモに肉がついてこないし東京でも坂のところでフワッとしていて、逆にいえば京都で下って差す形ならその弱点はカバーできる
そんなタイプですから馬場渋化は割り引きですがどうやら降り出すのは夜になりそうで、鞍上はナスキロ柔いディープで京都外を差させたら右に出るものはいないフレンチの鉄人、もう言い訳はできない

「No.1予想」では京都2歳Sを、「厳選予想 ウマい馬券」では京都2歳SとキャピタルSを予想していますので、今週もよろしくお願いします

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競馬道OnLine G1スペシャル予想~ジャパンC

2016-11-25 14:59:57 | お知らせ

昨夜は血統オタク鍼灸師さんと第○回「向日市こそばゆい店めぐり」
一軒目は東向日からJRへ向かう途中にある韓国家庭料理屋「よつ葉」、鍼灸師さんの患者さんからの口コミを頼りに行ってみました





結論からいうと、煮豚もチャプチェも美味かったんですが(どの料理もゴマ油の上質さがハッキリわかる)、なんといってもこの「7/8ニラ、1/8粉」のチヂミが最強でした(・∀・)



つづいては近くの海鮮居酒屋「大漁」へハシゴ





店の前を通るといつも賑わってるので気になってたんですが、ここはまあ手応えどおりの伸びというかふつうに当たりでした(・∀・)





鍼灸師さんがドハマリしてたサバとハマチのへしこ 酒のアテには最高



サメのナンコツ



3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2016-2017』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この秋もスプリンターズSから有馬記念まで、栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想します

今週のジャパンCは望田潤の担当で、有力馬3頭(キタサンブラック、ゴールドアクター、リアルスティール)の血統分析と直前予想を行います

有力馬分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できますので、よろしければご覧ください(血統分析で取り上げた3頭がそのまま予想の順位となるわけではありません)
http://www.keibado.ne.jp/sp2016/

小島友実さんの「G1の馬場すべて教えます」、競馬道調教マスターの調教予想などもぜひ参考になさってください

土曜は「No.1予想」で京都2歳Sをやる予定ですが、「厳選予想 ウマい馬券」で何をやるかはこれから考えます

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兵庫ジュニアグランプリかんたん予想

2016-11-23 15:09:32 | 血統予想

月曜は帰省したときはいつもお邪魔する深草の名店「近善」で、美味いもん片っ端から食いたおしてきました(・∀・)



ここはいつ行っても何食っても美味いししかもリーズナブル



刺身も抜群で、札幌人も納得のウニ



うなぎはタレ焼き×2と白焼き



ちけぞうさんにこの写メを送ったら「う、うなぎのフルゲートや~」



カニもちゃんと青タグついてます(・∀・)



昨夜のさっさん会は北新地「くちばし」さんで鶏しゃぶ、brokkenさんとこの「梅どり」を一同堪能しました



これはさっさんの奥さんにあげるやつ(・∀・)

アズールムーンは父系がA.P.Indyで、母はUnbridled×RelaunchでIn Realityのクロス。芝ダ兼用の血統だがダートなら軽い馬場がベター

ネコワールドは父系がアフリートで母系にAureoleが入るので揉まれるとアウト。この大外枠はありがたいが、これも軽い馬場がベターな血統走りではある

ゲキリンはTapitとStorm Catの組み合わせだから湿った東京1400ズンドバの血統。前走で差すケイバができたのは収穫だが大箱がベターか

◎ハングリーベンはベーカバド×スターリングローズでDanzig4×4、母がMr.Prospector3×4・4。Danzigのパワーが表現されているぶん、園田の良なら上記3頭より上にみたい。これもアフリートの血を引くだけに揉まれ弱さはありそうなので外枠もいい

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11/19,20の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2016-11-21 15:24:50 | POG

■『ディープインパクト好配合リスト(203)』で望田潤が推奨したミッキーアイル(牡5歳)が日曜京都11RマイルCS(G1・芝1600m)を勝ちました。

◎ミッキーアイル(牡・母スターアイル)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103916/
キングレオポルドの姪。3代母ステラマドリッドは北米G1を4勝した一流馬でダイヤモンドビコーの母。DanzigやNureyevやAlydarやBusandaのパワーを受けた母は、現役時代は500キロ超の巨体を誇りダ1000mで2勝した。そこにディープのしなやかさが加わって、中山を力強く捲れる皐月賞向きの配合といえる。(望田)

■『ディープインパクト好配合リスト(206)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したハナレイムーン(牝2歳)が日曜東京6R新馬戦(芝1600m)を勝ちました。

○ハナレイムーン(牝、ハウオリ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105608/
キロハナの全妹で、母母ノースフライトは安田記念やマイルCSに勝った女傑。母母はHyperion4・6・6×5、母父はNorthern Dancer4×4・6で、母はトニービンとSpecialとMill ReefとHornbeamを通じるナスペリオンのクロス。ディープインパクト×キングカメハメハはデニムアンドルビーと同じで、ああいう頑強な斬れ味を見せてほしい。(望田)

★ハナレイムーン(牝・母ハウオリ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014105608/
一昨年推奨した全兄キロハナは、2戦2勝としてクラシック戦線に名乗りをあげた矢先、骨折が判明して3歳春を棒に振った。復帰後2戦し、再度骨折。素質は高いものの体質の弱さがある。母ハウオリは芝1600~2000mが守備範囲で準OPまで出世した。2代母ノースフライトは安田記念、マイルチャンピオンシップを制した名牝。「ディープ×キングカメハメハ」「父ディープ、2代母の父トニービン」はいずれも成功パターンで、配合的には文句なし。体質の弱さがなければおもしろい。(栗山)

■土曜東京11R東京スポーツ杯2歳S3着 ムーヴザワールド(ディープ・望田&栗山)
■日曜福島3R500万下 コートシャルマン(POG・望田)
■日曜京都7R500万下 エマノン(POG・望田)

ハナレイムーンは416キロの体重どおりのスリムな牝馬で、坂にさしかかったときにちょっとフワッとして、上がってから俄然斬れはじめて超スローを差し切り、やはりまだ非力なところはあるのですが素質だけで差し切りでした
ディープ産駒はHyperionに傾注した配合をすると、牝馬は小さく出てしまうことが多いのが難しいところで、そこがキロハナと比べると少し不満なのですが、好素材には違いないので今後の成長に期待したいし、もっとナスペリオン的に後駆の押し上げで斬れるようになればいいと思いますね

全姉エマノンをPOGで推奨したのにスワーヴリチャードをスルーしてしまったのは、ピラミマは好配合の名繁殖だけどNorthern Dancerの強いクロスは持たないので、ハーツクライとの配合だとちょっと完成遅めに出てしまうのかなあ…と姉を見て思ったから
スワーヴリチャードもまだまだ後駆に緩さが残る現状で(毎度スタートが悪いのも踏ん張って出れないから)、それだけに古馬になってどんな馬に完成するのかが楽しみですが、こういうタイプは3歳春にいったん停滞するのがハーツ産駒の成長曲線でもあります
だから東スポ杯は勝ち馬の強さは認めた上で、2,3着馬との差は完成度やキャリアの差でもあったかと

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第33回マイルCS回顧~高速巡航で逃げ切り

2016-11-21 11:32:55 | 血統予想

京都11R マイルCS
◎13.ダコール
○9.サトノルパン
▲16.ミッキーアイル
△8.イスラボニータ
☆2.サトノアラジン
☆4.ロードクエスト
注7.フィエロ
注15.ネオリアリズム
土曜の京都芝は稍重といってもかなり良に近く、日曜は晴れるのでふつうに良予想でいいだろう。ミッキーアイルはスプリンターではないと書いてきたが、だからといって高松宮とスプリンターズを連戦した後のここでひょいと◎を打つのも違う気がする。サトノルパンもディープ×エリモピクシーだからスプリンターではないし、ミルコがマイルで一発狙いの乗り方をしてくれば面白いが、良ならばダコールにもチャンスがあるのではないかとずっと考えていて、前売りをみると全く人気がないし、どっちにしても難しいレースだからここから振り回してみたくなった。母アジアンミーティアはアンブライドルズソングの全妹でG1で格負けする血統ではないし、前駆のよさで走るフォームは平坦向き、もっといえば京都の下り向き。実際京都芝では[4-2-2-3]、2000m以下では[3-2-2-0]、ベストコースは京都外1800mと思っているが、京都外1600mでも捌き一つでベストパフォーマンスを出せる可能性はあるだろうし、ベストパフォーマンスを出せば食い込める余地のあるメンバーだとも思うのだ。

--------

マイルCSの馬券を買った後、レースを観るためにスタンドに移動しながら

「ミッキーアイルが勝ったらそれはそれで嬉しいけど、1200のG1を連戦した後、ここでアッサリ逃げ切るのは違うやろと」
「アンカツさんはそれがエエ言うてたで」
「でもな…モーリスにねじ伏せられてたやつらが、ここで順番回ってくるという結末もない気がするんよ」
「わかる、そこらはやっぱり2~4着やろな」
「そんなわけでダコールで振り回してみた」
「俺もダコール買うで。ダノンシャークとダコールの8歳馬券や(笑)」

ただ別路線組といっても、連勝中のヤングマンパワーは「競馬道Online」でも書いたように京都の下りでスピードが乗る走法ではないし(まして後方で馬群の中では、マイルドAureole魂だけに嫌気を出してしまう)、ネオリアリズムはトキオリアリティーの仔だけにマイル戦にも対応できそうな体型ではあるんですが、父がネオユニヴァースのぶんリアルスティールと比較すると大箱マイルの高速決着での適性は少し劣るし(だからミッキーを追いかけたムーアは馬の脚質をよく理解しているといえる)、「1/4サンデーサイレンス」だらけのマイルG1の予想はいつもいつも難しい

となると、またミッキーアイルで玉砕するのが望田らしい予想なんでしょうが、でも1200を使うのはどうなのかと言いつづけてきた私としては、GCの取材で担当厩務員さんが「乗ってても1200の馬じゃないと思うんですよ」と話されているのを見るとなおのこと、高松宮→スプリンターズ→マイルCSというローテに諸手を挙げて◎を打ちなくなかった

ミッキーアイルがいつもの好発から緩みないペースで逃げているのはわかったし、これなら位置取りの有利不利はあまりないので面白いマイルCSになりそうな予感があったんですが、ダコールは4角でも後ろから2番目でしかもぜんぜん脚がたまってない(^ ^;)

「さっさんこれはアカンわ…直線で何頭抜くかという手応えやわ」と前に目を移すと、浜中とムーアの火の出るような叩き合いが繰り広げられていました

イスラボニータはペースが流れたしカベもつくれたので好位で折り合いバッチリ、直線でもルメールらしい徐々にスピードに乗せていくアクションとイスラが伸ばすストライドとの呼吸がピッタリ、おそらく鞍上が思い描いたとおりの末脚の伸ばし方で前に襲いかかり、「うおおおイスラが勝つんかあああっ!」「ダノンきてる!ダノン!ダノン!」

今日のイスラボニータは久しぶりに手応え詐欺じゃなかったと思うので、そのあたりはMahmoudさんにぜひ完歩ピッチとってもらいたいですが、『サラブレ』での「ラッ血対談」で私とMahmoudさんが毎回ほめつづけてきたのがミッキーアイルでした

あの対談でMahmoudさんは一貫して「1200のG1では大して速くない」「もっと長い距離で高速巡航で逃げたほうがいい」と言いつづけてきましたが、今日のミッキーアイルが刻んだラップは57.5-35.6、タメすぎることなくケンカすることもなく、ミッキーアイルが気分よく走れるペースで1600mを走破させてみせましたが、見事な逃げだっただけに直線の斜行が残念だし後味が悪すぎる…

ミッキーアイルはこの世代のディープ産駒のPOGイチオシで、ディープインパクト牡駒の配合としてはベストに近いと今でも思っていますが、「中山記念でビュンビュン逃げる姿を見てみたい」とずっと書いてきた私としては、このペースで逃げ切ったのはほめてあげたいのだけど、ミソをつける形になってしまったのが残念でならないです

サトノアラジンがゴール前で受けた不利を考慮すれば、けっきょくイスラとサトノとフィエロとダノンが接戦の叩き合いというのはレベル的にはいつものマイルCS、いつものマイルG1だったというべきで、モーリスがいないとやっぱりこんな叩き合いになるのですね

ミッキーアイルの血統については、「競馬道Online」のスプリンターズSの有力馬解説より再掲します

ミッキーアイル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103916/
ハーツクライなどと同じMy Bupersにさかのぼる名牝系で、母母アイルドフランスはミネルヴ賞(仏G3・芝2500m)の勝ち馬。3代母ステラマドリッドは北米G1を4勝した一流馬でダイヤモンドビコーの母。欧州マイル王としてならした母父ロックオブジブラルタルが強い体型だが、体質や脚捌きは父譲りでしなやかで無駄がない。運動神経が良く動きが俊敏なので短距離でも楽に先行できるが、1800mぐらいで平均的に速いペースを刻むようなレースを見てみたい、と思うのは筆者だけだろうか。ピュアスプリンターではないのに1200mのG1で2,3,4着だから、性能の高さは疑いようがないのだが。

先日キャロット会報のコラムを入稿したところですが(例年どおり12月号は「拡大版」です)、そこからも抜粋させてもらうと

<トキオリアリティーはMeadowlakeの娘らしい大型スプリンターだったが、そこにディープインパクトやキングカメハメハやネオユニヴァースといった中距離型種牡馬を配すると、「父中距離×母スプリンター」の配合形になり、先行力機動力に富む脚質になりやすい。
リアルインパクト然り、アイルラヴァゲイン然り、そしてネオリアリズム然りで、トキオリアリティーの仔は前々で立ち回ってこそ味があるというのが筆者の考えで、父ステイゴールドのレアリスタも後方から差しているうちはまだまだ完成途上の段階なのだろうと思う>

ミッキーアイルの母スターアイルもダ1000mで2勝をあげたパワースプリンターで、「父中距離×母スプリンター」の2頭が先行して叩き合うところを、「父マイラー×母マイラー」のイスラボニータの好位差しが切り裂いたという今年のマイルCSでした

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日曜のボツ予想~3/4ロジユニヴァース、3/4サダムパテック、4/4ステラウインド

2016-11-20 10:10:57 | 血統予想

ブレスジャーニーが走れば走るほど、バトルプランの手柄ではなくエアグルーヴ牝系最強という風潮が強くなっているような印象を受けますが、私の見立てではあの斬れはむしろウオッカに近い質のもので、タニノギムレットとナスキロが上手く噛み合えばああいうストライドで斬れる馬が出ても不思議はないと思うし、バトルプランは母母がStorm Catとニアリーなのでエンパイアメーカーより芝向きのしなやかさを伝えるだろうとも書いてきました

そして今年のBCを見てのとおり、エンパイアメーカーは「父の父」としても極めて優秀で、Unbridledはミスプロ系屈指の活力と底力を誇るラインでそれだけの名配合なのです

ブレスジャーニーの斬れは主に母方のダイナカールとタニノクリスタル由来で説明できると思いますが、American Pharoah(15年年度代表馬)やArrogate(16年BCクラシック)や、Classic Empire(16年BCジュヴェナイル)やChampagne Room(16年BCジュヴェナイルF)やLady Eli(16年BCFMターフ2着)の血統表を見たら、バトルプランをバカになんかできませんよ
http://www.pedigreequery.com/classic+empire

赤松は◎オンリートゥモロー
ロジユニヴァースの3/4妹でタイムレスメロディの全妹、姉よりも馬格と伸びがあって、Haloクロス馬らしい脚捌きでセンス抜群で東京のスロー向き
△アピールバイオは本質的には中山向きのピッチ走法なので、○シンボリバーグと☆エバープリンセスが相手本線、あとマイルもいけそうな△ドゥモワゼルまで

東京ダは今日も稍重でA.P.Indy馬場ということで、錦秋は◎シャドウチェイサー○クインズサターン
シャドウチェイサーはトーセンラムセスを3馬身ちぎればここでも通用、母母父がSeattle Slewで自身はMr.Prospectorのクロスで、ややラトロ肩ですが脚長で柔らかみもある走り、大箱向きで軽い馬場向きというジャッジはできるしここは楽にハナ切れそうなメンツ
クインズサターンもA.P.IndyとフレンチデピュティとCaerleonのナスキロ柔さで走るので大箱マイルがピッタリで、ここ3走連続で◎にしています

霜月は◎ラストダンサー
キングカメハメハ×サンデーサイレンスはオールラウンドで配合に正直、本馬は母母がMr.Prospector産駒でNative Dancer~Polynesianの継続クロス
素直にMr.Prospectorらしさで走っている馬で、脚長で柔軽い捌きは渋った東京1400がズンドバ

衣笠は◎ジュールポレール
サダムパテックの3/4妹で、母サマーナイトシティはMr.ProspectorとSeattle Slewを併せ持つので、ここにサンデー系種牡馬を配すればリーチザクラウンみたいなストライドで走る馬が出やすい
この馬も大箱向きなので、夏の小倉では人気になりすぎやろとディスってきましたが、これで外回りは2戦2勝、京都外なら現級でも勝ち負けの器で、しかも▲アドマイヤリードも☆パーシーズベストも後ろからなので展開面も有利

土湯温泉は◎スマートルビー
ステラウインドの全妹で、ややパワー体質でHalo≒Sir Ivor≒Red God≒Drone譲りの無駄のない脚捌きも似ていて、本来東京の良より福島の重のほうが狙いやすい馬
紫苑Sはヴィブロスの後ろにいたのでヴィブロスと同じぐらいの不利は受けており、やはり不利を受けたパールコードとクビ差ですから不利を受けなかったパーシーズベストよりも評価できる6着

「No.1予想」と「競馬道Online」ではマイルCSを、「厳選予想 ウマい馬券」ではマイルCSと秋明菊賞を予想していますので、日曜もよろしくお願いします
今日もこれから競馬場へ、マイルCSの回顧は月曜になると思います

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土曜のボツ予想~今日もA.P.Indy馬場

2016-11-19 10:28:55 | 血統予想

東京1バンケットスクエアはいかにもA.P.Indyが強い胴長体型で、「ウマい馬券」でやろうか少し迷ったんですが、いきなり父カジノドライヴと母父A.P.Indyで決着=今日もA.P.Indy馬場っぽい

ユートピアは道悪が上手な○テルメディカラカラからの狙いが無難でしょうが、▲アカネイロは全姉マデイラよりも半兄ゴットフリートや叔母ファーゴに似たマイラーっぽい体型で、この牝系譲りの堂々のラトロ肩
あの掻き込み走法は道悪のマイル戦で食指が伸びるんですが、この牝系だけに夏馬疑惑もあるのでパドックで歩様を確認したい

東京最終は難解ですが、▲ナンヨーアミーコはオリービンの甥でAureoleクロスを持つハービンジャー産駒で、前走のように馬群に入らず外から差す形なら道悪はOKなので昇級でも有力、いい枠を引けたと思います

もちの木は京都重の高速馬場だと◎ジェニシス○シロニイという人気どおりの印に…
ゴールドアリュール2騎も好配合で素質はヒケをとらないんですが、タイプ的には阪神良>京都重やと思うのでね

アンドロメダは◎オリオンザジャパン
母母がトニービン×ノーザンテースト(Hyperion4・6・6×5・6)という堂々のクロペリオン配合で、6歳になってもうひと皮むけてきたのはこのHyperionの力
そしてクロフネ×サンデー×ダイナクラシックのインパルスヒーローと7/8同血の間柄でもあり、この牝系はBull Leaが強いので走法的にはわりとRoberto的で、七夕賞は前崩れに乗じたとはいえ4角の加速がなかなかよかった
つまりインパルスヒーローにトニービンが入って更に中距離に寄ったというイメージの馬ですから、東京の良よりも京都内の重のほうが差しやすいイメージなのです
○ドレッドノータスはサンマルティンよりもハービンジャーの重厚さが出た馬なので、こちらは渋った馬場もOKではないかと

京都最終はAureole魂疑惑のマイアベーアが外枠を引いてしめしめと思っていたんですが、道悪に実績がないので…
となると、母方をフレンチな斬れで固めて大箱1400ベストっぽいレッドリーガルか、母のトニービン×ノーザンテーストのHyperionがジワジワ覚醒中のスマートカルロスか、重の阪神1400でハクサンルドルフとオーヴィレールとファインニードルを差し切っているキアロスクーロか、まあレース直前に印は決めます

「No.1予想」では東スポ杯2歳Sを、「厳選予想 ウマい馬券」では東スポ杯2歳Sと京都8Rを予想していますので、今週もよろしくお願いします

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