■『2020~22年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で栗山求が推奨したキラーアビリティ(牡2歳)が火曜中山11RのホープフルS(G1・芝2000m)を勝ちました。
○キラーアビリティ(牡・母キラーグレイシス)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2019105155/
キャロットクラブで募集価格1億円。母キラーグレイシスは2歳時にハリウッドスターレットS(米G1・AW8.5f)を制覇。3歳時に芝9ハロンの米G2で3着という成績もある。これまでに産んだ3頭はすべて勝ち上がっており、繁殖牝馬としての能力は上々。母の2代父アラジはNoverreの4分の3兄で、母方にNoverreを持つディープインパクト産駒にはデゼル(阪神牝馬S)とオヌール(3戦2勝)の姉妹がいる。芝向きの中距離タイプだろう。(栗山)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2018)』で望田潤と栗山求がダブル推奨し、『望田潤のPOG好配合馬リスト(2019)』で望田潤が推奨したヴェルテックス(牡4歳)が木曜名古屋11Rの名古屋グランプリ(JpnG2・ダ2500m)を勝ちました。
★シルクホースクラブ
父ジャスタウェイ
母シーイズトウショウ(サクラバクシンオー)
牡 募集価格:4000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2017105356/
トウショウピスト(函館2歳S-3着/父ヨハネスブルグ)の半弟。母シーイズトウショウはセントウルS(G2)などスプリント重賞を5勝したほか、桜花賞(G1)2着、高松宮記念(G1)3着などの成績があります。名前が示すとおり、もともとトウショウ牧場に繋養されていたのですが、同牧場の解散にともないノーザンファームへ移りました。本馬を産んだとき17歳。しかし、メジロ牧場がノーザンファーム傘下となって成績が急上昇したように、新しい管理方法によって産駒成績が向上する可能性は十分考えられます。父ジャスタウェイは新種牡馬で、7月終了時点で4頭が勝ち上がる好調ぶり。その母シビルが異系色の強いアメリカ血統で構成されているので、比較的どんな血統とも和合性が高く、母方の良さを活かせるタイプでしょう。母はサクラバクシンオーの代表産駒の一頭で、2代母ジェーントウショウはダンディルート、ソシアルバターフライ、チャイナロック≒テューダーペリオッドなどの凝縮を抱えた興味深い配合構成。異系色の強いジャスタウェイならばこうしたアクの強い血を活かせるのではないでしょうか。芝向きのマイラー。(栗山)
(7/31追記)
Northern Dancer≒Icecapadeのクロスを重ねつつ、母母ジェーントウショウのところにダンディルート3×2を1/4異系的に取り込んだ好配合です。わりとHyperion的な体質で緩さはないですが、いかにも晩成かつジリ脚のハーツクライ牡駒という印象ではありますね。それだけに母父にサクラバクシンオーが入って先行できそうなのは好感で、5歳アル共でついに覚醒するはず。(望田)
ヴェルテックス(牡・父ジャスタウェイ・母シーイズトウショウ)
トウショウピストの半弟で、母シーイズトウショウは重賞4勝。Northern Dancer≒Icecapadeのクロスを重ねつつ、母母のところにダンディルート3×2を1/4異系的に取り込んだ好配合だ。ジャスタ産駒というよりはハーツ産駒というべき長手の体型で持続力で走りそうな中距離馬。それだけに母父にバクシンオーのスピードが入って先行できそうなのがいい。ちなみにジャスタウェイ×バクシンオーは1頭出走例があり[2-1-0-0]のカリボール。(望田)
-----------
レース回顧を兼ねてキラーアビリティの配合解説をここでやります
母キラーグレイシスはハリウッドスターレットS(米G1・AW8.5F)勝ち馬で、その父CongareeはハリウッドゴールドC(米G1・ダ10F)とシガーマイルH(米G1・ダ8F)とカーターH(米G1・ダ7F)の勝ち馬。母が北米G1勝ちのディープ産駒なので比較的完成の早いタイプではあるんでしょうが、Congareeの父アラジはBCジュヴェナイルなど欧米の2歳G1を勝ちまくった馬で、Wild Risk3×4をもつBlushing Groom産駒
キラーアビリティはこのWild Riskの継続クロスなので少しカッとなりやすい気性なのか、萩Sでは13秒台にスローダウンしたところで行きたがって先に動く形になり、ダノンスコーピオンの格好の目標になってしまいましたが、ゴールすぎて差し返しているように負けて強しの内容ではあったんですよね
だからここは武史といえども、後ろのほうでそっと乗ってくるんじゃないかと私は思ってたんですが、涼しい顔で3番手とって折り合いピタリで、悠然と抜け出して完勝には有馬につづいて恐れ入りましたとしか言いようがないです
キャロットで1億で募集された高馬ですが、こういう馬が横山武史と斉藤崇史に回ってくるようになったんやなあ…と、時代の流れを感じた今年のホープフルSでした
ちなみにキラーグレイスの1歳は父ジャスタウェイの牡、セレクトセールで見ましたがこれもなかなかいい馬でしたよ
ジャスタウェイといえば、ヴェルテックスは未勝利戦で2着の山を築くも勝ちきれず、園田で連勝してJRAに出戻ると、そこからは期待どおり着実に成長をとげ、まあ私ももともと5歳アル共説ではあったんですが、ついに重賞を勝ってくれました
母シーイズトウショウは今新冠橋本牧場にいますが、来年の種付相手の有力候補にジャスタウェイも浮上してきたようです(・∀・)
中山11R有馬記念
◎16.タイトルホルダー
○9.ステラヴェローチェ
▲7.クロノジェネシス
△10.エフフォーリア
×5.ディープボンド
×11.アリストテレス
×12.シャドウディーヴァ
×13.アカイイト
中山内回りならクロノジェネシスが強いに決まっているのだが、このパンパンに張り詰めた前後駆にいったい何が詰まっているのだろう?と思わせた有馬や宝塚のすごい馬体充実と比較すると、この中間のフォトパはたしかに物足りなく映る。
追い切りは押しなべて3歳馬がよかった。ステラヴェローチェも泥んこ神戸新聞激走の反動があった菊よりは確実に上向いていると思う。エフフォーリアの秋天は東京の直線で圧巻のアクションだったが、この3歳4頭が揃って好調で阪神内3000の菊に出てきたとしたら、エフフォーリアの印はステラヴェローチェとタイトルホルダーの次になるだろう。そんなことを言って皐月賞をぶっこ抜かれたわけだが、そういう競馬観で何十年も打ってきたし、有馬記念とはそういうレースだと何十年も思っている。
そんなわけで今年の有馬は、ステラとタイトルの二択。どちらも主戦からの乗り替わりで悩むが、今年は横山武史はもちろん和生にとっても飛躍の年だった。弟のような天才肌のスターではないが、それだけに11年のキャリアを地道に重ねて、戦略に長けた乗り役として、ついにリーディングのトップ10に名を連ねるまでになってきたのは素晴らしい。
土曜のグレイトフルSでも中山2500の大外枠から本命馬の直後のインに自然に潜り込み、満点の騎乗でサトノラディウス2着にもってきたのをみて◎は決まった。天才の弟が1人気を背負い、叩き上げの兄がレースをつくる。横山和生とタイトルホルダーとともに2021年有馬記念を観戦したい。
----------
例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を
エフフォーリア
ゴーステディやトールハンマーの甥で、アドマイヤムーンやダガーズアラベスクやダディーズビビッドのイトコ。エピファネイア×ハーツクライだから晩成で長いところ向きの血統といえるが、母母ケイティーズファーストがパワーマイラーなので3歳時にある程度完成し緩さも感じない。中山は皐月賞圧勝があるが、長手の体型を利した豪快なストライドはいかにも東京向き。ここも好位で運べる利はあるだろうが、ベストパフォーマンスを出せる舞台とはいえないか。(距離○スピード◎底力◎コース○)
ディープボンド
ダンケシェーンの半弟で、ローレルゲレイロやリキサンマックスのイトコ。母ゼフィランサスはJRA3勝。Storm Bird≒Nijinsky4×5などStorm Catの血脈構成をニアリークロスで増幅し、いかにもキズナ産駒の走る配合パターンといえる。HaloやTom Foolのクロスで燃費よく走れるし、母母父カコイーシーズのしぶとさも表現されていて、ここも得意のロンスパ流れ込みで食い下がりたい。あとは遠征帰りの疲れが気になるところ。(距離◎スピード○底力◎コース○)
クロノジェネシス
母クロノロジストはフサイチリシャールやビーチサンバと同血の間柄で、本馬の他にもノームコアやハピネスダンサーを産んだ名繁殖。母母インディスユニゾンはフサイチエアデールの全妹にあたる。そこに凱旋門賞馬バゴのスタミナが配された中距離馬。3歳秋から馬体充実し見る見る本格化、特にパワーと持続力が抜群で、中山内回りなら自ら動いて後続を完封できる。グランプリ4連勝に向けての死角は、海外遠征帰りのコンディションぐらいか。(距離○スピード○底力◎コース◎)
クロノジェネシスは予想コメントに書いたとおりで、当日のパドックを見ても21年宝塚や20年有馬ほどパツンパツンに張り詰めた体つきではなく、それでも勝ち馬の直後から叩き出して同じぐらいの脚色で伸びつづけて、差のない3着はすごい牝馬やったんやなあ~と改めて
斉藤崇史厩舎は翌々日にキラーアビリティでホープフルを制していますが、この厩舎だからクロノジェネシスをこれだけの名牝に育て上げられたのだろうなあ…と思わされるところは多々あります
「近5年の有馬記念において4人気以下が馬券に絡んだケースは4例あるが、ダンジグの血を引く牝(サラキアとクイーンズリング)か、長距離G1で連対のある牡(ワールドプレミアとシュヴァルグラン)の2パターンに大別できる」と血統解説の導入部では書いたんですが、今年はまさに持続力と底力の勝負になって、春天でワールドプレミアの2着だったディープボンドがここでも2着に
凱旋門賞帰りの2頭が2着3着に頑張ったのも賞賛されるべきですが、凱旋門で早々とレースを諦めたというか無理をしなかったディープボンドのほうが、今回に関しては出来でも上回ってましたかね
ステラヴェローチェはミルコで奇数番ですから出遅れ気味のスタートはまあ予想の範ちゅう、エフフォーリアの外を捲って長く脚を使って、結果は菊花賞につづいて4着でしたが内容は更によかったです
パドックで最も上昇を感じたのはタイトルホルダーで、今思えば馬が良すぎるぐらいで少し重かったのかもしれないですが、やりたいケイバはできたし持ち味は出しきったと思うし、全馬が能力と底力と持続力を出し切った結果のこの着順で、見ごたえのある有馬記念でした
トニービン的な東京向き持続ストライドで有馬をねじ伏せるように勝ったという意味では、それこそハーツクライやリスグラシューをほうふつさせたエフフォーリアの快勝でしたが、ハーツやリスグラが古馬になってトモがパンとしてきてついに完成の域に達して発揮したようなベストパフォーマンスを、3歳時にすでに発揮しているのがこの馬の何よりすごいところだろうと
それはとりもなおさず、愛1000ギニー馬Katiesにさかのぼりヒシアマゾンやスリープレスナイトが出たパワーマイラー牝系、Relance=ポリック4×3をもつケイティーズファーストのパワーマイラー資質によるものといえ、2021年最後の大一番も「1/4マイラー」が豪快な後駆の駆動でゴールを先頭で駆け抜けたのです
日曜は有馬の余韻に浸る間もなく東西金杯の血統解説を書き上げて、月曜は午前中は実家の用事があって午後からホープフルの予想やらいろいろこなしていたら夜になってしまい、今日はこれからヤンチャ同級生宅で打ちながら昼飲み忘年会
まあホープフル当日の朝に有馬の回顧を読みたい人もいないやろうと思うので(^ ^;)、ここまできたら有馬とホープフルまとめて回顧は明日やりますm(_ _)m
やっぱり去年みたく有馬は最終日にやるのが、有馬が終わった直後に、今年のJRAはこんな一年やったねえ~と語り合うのがいいと思うんですけどね
冬のダートはSpecial&Robertoということで、ベテルギウスは◎ゲンパチルシファー
父がNureyev4×3、母父がNorthern Dancer≒Icecapade4×3でRobertoあり、母母がNorthern Dancerなしで自身はMr.Prospector4×4
特に変わったことはやってませんが、ダート馬としてやるべきことはちゃんとやってます、毎朝6時半に起きてコーヒー淹れてバターロール焼いて満員電車に揺られて頑張ってますという配合です(望田家は血圧高いのでヨーグルトサラダ中心です…)
ファイナルは◎ショウナンバニラ、オルフェーヴル×キャプテンスティーヴで急坂向きのスプリンター
前走5着は直線スペースが微妙になく満足に追えないままで、現級通用の手ごたえ十分な内容でした
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではホープフルSと立志SとフォーチュンCを予想していますので、JRA開催オーラスもよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
今の3Rを見ても中山Aはまだインが強い感じなんで、グッドラックは菅原ウォルフズハウルが好位インで立ち回れば有力かと…母父がSharpen Up系のマイラーだし、前目で粘り込むレースのほうが合っているイメージなのでね
他のレースはこれから考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では有馬記念とサンタクロースSと猪名川特別を、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では有馬記念を予想していますので、日曜もよろしくお願いします
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
クリスマスCはソウルラッシュはマイルに短縮した前走が強かったしKingmambo×マンカフェですから馬場が渋るのもOK、ビューティフルアイは全兄トラインほどトモが甘くないので前走を見てのとおり中山マイル重でもOK
アオイシンゴはダノンシャンティ×クロフネですからフジキセキ×Deputy Minister、母がフレンチデピュティとノーザンテーストで、母母がトニービン×ノーザンテーストで、北米パワーとHyperion粘着力で走るので渋った中山マイルならいきなり動けそう
オルフェーヴル×アイムユアーズのモーベットも渋った中山マイルでベストパフォを叩き出せそうな血統背景&フォームで、パドック見てからですがこの2頭は馬券に組んでみたいなあ…と
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では阪神CとグレイトフルSと万両賞を、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では阪神Cを予想していますので、今週もよろしくお願いします
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
京都サラブレッドクラブの20年産募集馬のプロフィールが更新されました
今年も血統解説を担当させていただきましたので、出資の参考にしていただければ幸いです
https://kyoto-tc.jp/ch
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2020)』で望田潤が推奨したドライスタウト(牡2歳)が水曜川崎11Rの全日本2歳優駿(Jpn1・ダ1600m)を勝ちました。
★YGGオーナーズクラブ
父シニスターミニスター
母マストバイアイテム(アフリート)
牡 募集価格:1980万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2019101667/
現役3勝ヨハンの半弟で、母マストバイアイテムはJRA3勝(ダ1000~1200m)。叔父には現役3勝サンライズセナがおり、ダートでの活躍が目立つファミリーです。シニスターミニスターとの配合はMr.Prospector5×3に、Deputy Ministerとフジキセキのニックスなど、両親のダート適性を引き出せる父母相似配合になります。A.P.Indy系らしく馬格と伸びがあってストライドで走れる体質で、成長力にも富む配合なので、ダ中距離上級で長く楽しめる馬でしょう。(望田)
■日曜阪神7R1勝クラス サトノペルセウス(ディープ・栗山)
■日曜阪神11R朝日杯FS2着 セリフォス(一口・望田&栗山、POG・望田)
ドライスタウトは戸崎も祐一もテン乗りの返し馬で能力が高いと思ったとコメントしていて、走らせるとたしかにフォームがいいし、決して小回り向きのタイプではないんですが外2で気分よく走れた時点で元値が違うという勝ち方でした
シニスターミニスターは来年は種付料アップでブーたれてた生産者もけっこういたんですが、発表後にチャンピオンズと全日本2歳をぶっこ抜かれては黙るしかないですな(^ ^;)
フレンチデピュティはサウンドトゥルー、クロフネはホワイトフーガ、そしてシニスターミニスターはドライスタウトと、Deputy Ministerの血を引く有力ダート種牡馬はフジキセキとの配合で代表産駒級を出しています
新種牡馬ドレフォンも母父がDeputy Minister系Ghostzapperで、だからフジキセキもち牝馬との配合は3頭ともダートで勝ち上がり、ドレキセキはダートに振れるだろうと種牡馬辞典で予測しておきました
ちなみにドライスタウトの兄ノーリス(JRA現役2勝)は父アジアエクスプレスなので、これもDeputy Minister×フジキセキなんですよね
そんなわけで代を経てもフジキセキ×Deputy Ministerの黄金ニックスおそるべしですが、となるとゴールドドリーム、マインドユアビスケッツ、ミスターメロディなんかもフジキセキとのニックスでダート大物を出す可能性十分ではないかということで、某牧場のキンシャサ肌にマインドつけてみたらお尻プリプリのが出ましたよ(・∀・)
阪神11R朝日杯FS
◎4.セリフォス
○13.ジオグリフ
▲1.カジュフェイス
△6.オタルエバー
×5.ヴィアドロローサ
×7.ダノンスコーピオン
×11.ドーブネ
今年の朝日杯のポイントとしては、例年より使い込まれているので阪神芝の特にインが荒れていること。先行馬や行きたがりそうな馬が何頭かいるからペースは緩まないとしたら、やはり外マイルだと外からバキューンの脚力勝負になる可能性が高いだろう。
セリフォスはPOGで推奨したように配合はずっとほめてきたし、ダイワメジャー産駒としてはアドマイヤマーズと似た配合で馬のタイプも似ていると書いてきた。ただし母同士の比較、シーフロントとヴィアメディチの比較となるとマーズのほうに軍配をあげたいし、マーズのほうが奥があると思う。その点でここで◎が打てるかどうか考えてしまうが、今年のメンバーは粒は揃っているとはいえマーズ級のマイラーはいない。ジオグリフとの差し比べならば五分以上という結論で。まさに中内田厩舎が三つ目の朝日杯を獲りにきたという仕上げで、馬体は更にバンプアップかつシェイプアップされている。
カジュフェイスは母がタイキシャトルと7/8同血で南関の王者サミットストーンを出しており、そこにエイシンヒカリだからレッドスパーダを更にしなやかにしたようなイメージだ。前の組は厳しいとみるべきだろうが、大箱マイルなら実に優雅な逃げになるはず。追い切りが良かったオタルエバーまでを上位にみた。ダノンスコーピオンはサートゥルナーリアやパンサラッサやキングオブコージと同じく母父がサドラー系の中距離型だから、カナロア産駒でも中距離だろう…というところで押さえまでに。
----------
例によってNETKEIBAの全頭解説より1~3着を
ドウデュース
ベイショアS(米G2・ダ7F)2着Much Betterの半弟で、母ダストアンドダイヤモンズはギャラントブルームH(米G2・ダ6.5F)勝ち馬。母父VindicationはSeattle Slew直仔の北米2歳チャンピオンで、無敗でBCジュヴェナイルに勝った。ハーツクライ×Seattle Slewらしい長手の体型で、Lyphardのクロスだから粘着力もあり、アイビーSは好位から抜け出して危なげない勝利。マイラーではないので、1600であんなレースができるかどうかだ。(距離○スピード○底力◎コース○)
セリフォス
母シーフロントはベルトランデュブルイユ賞(仏G3・芝1600m)3着。近親にパシフィッククラシックS(米G1・ダ10F)のGo Betweenなどがいる。母父Le Havreは仏ダービー馬でデゼルの母父。母方の血脈構成がアドマイヤマーズと似ていて、馬のタイプも似ていてダイワメジャー産駒にしては重厚な走りを見せる。決して上がりのケイバが得意なタイプではないのに、スローのデイリー杯を勝ちきったのも似ている。タフなレースならもっと強いかも。(距離◎スピード○底力◎コース◎)
ダノンスコーピオン
ダノンバジリアの半弟。母レキシールーはカナダ年度代表馬でダンススマートリーS(米G2・芝9F)に、牝祖Favored OneはプリンセスS(米G2・ダ8.5F)に勝った。母父Sligo BayはハリウッドターフC(米G1・芝12F)勝ち馬でスワーヴアラミスの母父。母がサドラーの血を引く中距離型というのはサートゥルナーリア、パンサラッサ、キングオブコージと同じ。カナロア産駒でも長めに出るパターンで、本馬も大箱1800が最も斬れそうだ。2連勝の中身は濃く高性能。(距離○スピード◎底力◎コース○)
今年の朝日杯は、私としては一口とPOGで推奨したセリフォスに勝って欲しかったけれど、最初からアドマイヤマーズに近いイメージをもっていただけに、ヴィアメディチとシーフロントの比較においてはヴィアメディチに軍配をあげざるをえず、だからアドマイヤマーズ級のマイラーがいたらやられてしまうのかもなあ…というところが予想の入り口でした
けっきょく今年のメンバーにマーズ級はいないとみて、一周回って◎セリフォスに着地したんですが、セリフォスを差し切るのがドウデュースというのも、アイビーの勝ち方は友道のハーツクライの中距離馬に見えたし、サリオスのようにマイルのHペースをうなって追走できるようなイメージは描けなかったですね
母ダストアンドダイヤモンズはギャラントブルームH(米G2・ダ6.5F)とシュガースワールS(米G3・ダ6F)に勝ちBCフィリーメア&スプリント2着と短距離で活躍、その父Vindicationは4戦4勝でBCジュヴェナイルに勝った北米2歳チャンピオン
ハーツの若駒らしい緩さはなく、2歳のマイルG1を勝ちきったのはこの母方の影響も強いということでしょうが、Vindicationは父Seattle SlewがNasrullah≒Royal Charger4・5×4、母Strawberry ReasonがNasrullah≒Royal Charger5×4・4、自身はNasrullah≒Royal Charger5・5・6×5・5・6
またVindicationの母父Strawberry Roadの母父Rich GiftはGrey Sovereignの近親でナスペリオン血脈ですからトニービンと脈絡、Nasrullahが多い早熟なSeattle Slew産駒でトニービンと合うナスペリオンをもつというのはCapote(3連勝でBCジュヴェナイル勝ち)と似ていて、ハーツクライ×Capoteといえばカポーティスター、マジェスティハーツ、そしてキーファーズ+ユタカ+友道のマイラプソディが出た有力なニックス
阪神芝は例年よりインが荒れているので、内枠を引いたセリフォスとダノンスコーピオンは出していって外に持ち出せるポジションを取りにいくことを選択し、そのためHペースなのに前半噛んでしまい、外をスムーズに追走していたドウデュースとは対照的でしたが、どちらも勝つためにはあれしかないわけで、クリスチャンも松山もナイスチャレンジやったと思います
アルナシームは後方ポツンで入ったので何とか折り合いはつき、これも内枠で直線は荒れたインに突っ込むしかなかったですが、なだめられれば脚を使うことを改めて証明
いっぽうジオクリフは調教をつけたルメールが折り合いを心配していて、当日の雰囲気からしても後方でそっと乗るしかなかったようで、来春のクラシックロードをにらむならばここでマイルのHペースを追走させたくない…という頭もあったんでしょうかね
前傾ラップになったのに1800型のドウデュースとダノンスコーピオンが上位に差してきて、やっぱりマーズ級のマイラーは不在だったというべきでしょうが、アルナシームもドーブネもいるのに朝日杯に行こうと進言したユタカには脱帽するしかないです
すいません昨日も他にやることが多くて、ボツ予想まで手が回りませんでしたm(_ _)m これから中継見ながら、何かコメント欄に書きます
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では朝日杯FSと寒椿賞と中山12Rを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
重賞制覇レポート『ソリストサンダー』村田牧場 編(武蔵野S)
https://pacalla.com/article/article-3564/
また私が取材を担当しておりますm(_ _)m 村田さんとこは有馬は2頭出しですか
中京2歳は1人気になってるのでボツ予想に回しましたが◎ジャングロ
More Than Readyの産駒はJRAでは全35勝中29勝が1400m以下、25勝が1200m以下、見た目に父似のスプリンターなので、1200のここはスピードに任せて
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではターコイズSとひいらぎ賞と中山12Rを予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
■『2018~19年種牡馬別好配合馬リスト ディープインパクト編』で望田潤と栗山求がダブル推奨したラヴズオンリーユー(牝5歳)が日曜香港8Rの香港カップ(G1・芝2000m)を勝ちました。
○ラヴズオンリーユー(牝・母ラヴズオンリーミー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2016104648/
リアルスティール、ラングレー、プロディガルサンの全妹で、欧2歳女王Rumplestiltskinの姪。母母MonevassiaはKingmamboの全妹というピカピカの良血だ。ディープ×Storm Catはキズナ、エイシンヒカリ、ラキシス=サトノアラジン、アユサンなどと同じ。2歳デビューなら期間内2勝は堅い。(望田)
○ラヴズオンリーユー(牝・母ラヴズオンリーミー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2016104648/
セレクトセール1歳で落札価格1億6000万円。ラングレー(毎日杯-4着)、リアルスティール(ドバイターフ、毎日王冠、共同通信杯)、プロディガルサン(東京新聞杯-2着)の全妹。「ディープインパクト×Storm Cat」はキズナ、ラキシス、エイシンヒカリ、サトノアラジン、アユサン、ヒラボクディープなど多くの活躍馬が出ているニックス。2代母MonevassiaはKingmamboの全妹で、3代母Miesqueは80年代の世界最強マイラーという世界レベルの良血は魅力的だ。450kgを超えているので馬格も充分。(栗山)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2020)』で栗山求が推奨したロードラプソディ(牡2歳)が土曜阪神6Rの新馬戦(芝2000m)を勝ち上がりました。
★ロードサラブレッドオーナーズ
父モーリス
母ティアーモ(キングカメハメハ)
牡 募集価格:3000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2019103020/
母ティアーモはオークス(G1)6着馬。「モーリス×キングカメハメハ×サンデーサイレンス」は現時点で4頭中2頭が勝ち上がっています。サンデーサイレンス4×3、Lyphard 5×4、Riverman5×5が施された5代多重クロス馬ですが、重要なのは最後の Riverman クロス。これを持つモーリス産駒は現時点で連対率53.3%(15戦8連対)で、インフィナイト(サウジアラビアRC-2着)、テンバガー(2戦1勝)、インナリオ(3戦1勝)と素質馬がそろっています。芝向きの中距離タイプとして期待できます。(栗山)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2020)』と『望田潤のPOG好配合馬リスト(2021)』でダブル推奨したルピナスリード(牝2歳)が土曜中京4Rの未勝利戦(芝1600m)を勝ち上がりました。
★ターファイトクラブ
父ダイワメジャー
母ルパンⅡ(Medaglia d'Oro)
牝 募集価格:1400万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2019103782/
母母Promisind LeadはG1愛プリティポリーS勝ち馬で、DansiliやBanks HillやIntercontinentalなどが出て大成功したデインヒル×Hasiliと同血配合になります(ArriveはHasiliの全姉)。この名牝系のバックボーンに加え、ダイワメジャー産駒としても期待できる配合パターンになっていて、母系にDanzigとSadler's Wellsを引くダイワメジャー産駒はJRAに22頭が出走しメジャーエンブレム、レシステンシア、シゲルピンクダイヤなど13頭が勝ち馬。勝ち馬率59%/平均賞金4019万円はダイワメジャー産駒の平均(勝ち馬率41%/平均賞金1689万円)を大きく上回ります。母にSir IvorとBlushing GroomとハイハットとCrepelloも入るので、まぎれもないダイワメジャー黄金配合ですね。動きにしなやかさと重厚さを感じるのも好感で、桜花賞路線で楽しみな長めマイラー。(望田)
ルピナスリード(牝・父ダイワメジャー・母ルパンⅡ)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2019103782/
母母Promisind Leadは愛プリティポリーS(愛G1・芝10F)勝ち馬で、DansiliやBanks HillやIntercontinentalなど大成功したデインヒル×Hasiliと同血配合になる(ArriveはHasiliの全姉)。この優れたボトムラインに加えて、配合もまさにダイワメジャー黄金配合で、しなやかさと重厚さを感じる動きにも好感。桜花賞路線で楽しめそうなマイラー。(望田)
■日曜中山8R1勝クラス クライミングリリー(ディープ・望田&栗山)
■日曜中京11R知立S スティクス(一口・望田)
推奨コメントに書いたようにルピナスリードは母母Promising LeadがDansiliと同血(父が同じで母が全姉妹)で、このDansiliっぽい重厚さ緩さにダイワメジャーを配してバランスが絶妙に見えたので一口とPOG両方で推奨しました
「ダイワメジャー肌って緩い中距離型種牡馬を締めるのに適しているけれど、優れた緩中距離種牡馬の多くはサンデーサイレンスの孫、という今の状況下ではハマりにくい面があるのでは」
という話をよくするんですが、「サンデーの血がないor薄い緩中距離種牡馬」との配合、たとえばハービンジャー×ダイワメジャー、エピファネイア×ダイワメジャー、モーリス×ダイワメジャーなんかは打率は悪くないんですよね
ハービンジャー×ダイワメジャーのナミュールも緩×締のバランスが絶妙に見え、JF勝ったら「ハービンジャージャーはいいぞ!」ともっと大きな声で言えたのですが(^ ^;)