栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

12/28の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2023-12-30 09:01:43 | POG

■『POG種牡馬別好配合馬リスト(2023)』で栗山求が推奨したレガレイラ(牝2歳)が木曜中山11RホープフルS(G1・芝2000m)を勝ちました。

レガレイラ(牝・父スワーヴリチャード、母ロカ)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2021105898/
菊花賞4着、毎日杯3着のドゥラドーレスを半兄に持つ。母ロカはクイーンC3着馬。母の父がハービンジャーなのでサンデーサイレンスのクロスは好ましく、ウインドインハーヘアの直牝系とハーツクライの組み合わせも、サンプルは少ないながらアドマイヤミヤビ、アロハリリーと高確率で活躍馬が出ている。距離はもつタイプで底力を感じさせる。(栗山)

■木曜阪神7R1勝クラス サトノクローク(POG・望田)





23年のJRAリーディングはドゥラメンテ、ロードカナロア、ディープインパクト、キズナ、ハーツクライ、キタサンブラック、モーリス、ハービンジャー、エピファネイア、ルーラーシップの順となりましたが、ベスト10のうち7頭がサンデーサイレンスの血を、4頭がノーザンテーストの血を、3頭がトニービンの血を引いています

直系の父系が伸びないと「貴重な○○系の後継が…」みたいな言い方をよくするんですが、何年もリーディングサイアーになるような種牡馬の血は、何らかの形で、どこかのラインを通じて残っていくもんです

2023年も相も変わらず、忙しい忙しい、貧乏暇なしやと言ってるうちに一年が経ってしまいましたが、配合診断と種牡馬辞典をボチボチやりながら年末年始を迎えます
一年間ありがとうございました、良いお年を

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第40回ホープフルS回顧~スワイヴァーの斬れ、直線だけでナデ斬り

2023-12-29 11:27:36 | 血統予想

中山11RホープフルS
◎15.ウインマクシマム
○4.アドミラルシップ
▲6.シンエンペラー
△1.ゴンバデカーブース
△18.ミスタージーティー
×9.タリフライン
×13.レガレイラ
22年は18頭フルゲートで馬連64580円、21年は15頭で3連複7680円、17年は17頭で3連複10920円。多頭数だと荒れ模様なのが最近のホープフルSだ。人気薄で好走した馬を振り返ってみると、ドゥラエレーデ、トップナイフ、ラーグルフ、ステイフーリッシュと、ノーザンテーストとロベルトとダンジグの血を引くことが多い。
シンエンペラーは凱旋門賞馬ソットサスの全弟で、母スターレットシスターはミスワキ3×3をもつ名繁殖。見た目はデインヒルが強いが走るとナスキロ+トムフール的にしなやかなのは全兄と似ている。しなりやバネは一流馬の雰囲気。ただ見た目に大箱ベターなストライドで、京都2歳も直線半ばからエンジンがかかった。あれで差し切るのだからすごいが、ダノンザキッドのように能力差で勝ちきるか。
ゴンバデカーブースはモルタル産駒だから馬群に不安があり、サウジアラビアのように直線で外に出せれば伸びるのだろうが、中山内回り17頭立ての1番枠で同じケイバができるか、同じケイバで突き抜けられるか。ミスタージーティーは良血のドゥラメンテ産駒で、デビュー戦は京都内回りを直線だけで豪快に差し切った。これも大器の雰囲気漂うが、中山内2000の多頭数だと甥のキングズレインと同じようなレースになってしまう心配が…。レガレイラもスワーヴリチャード産駒らしいストライドで東京向きだろう。
アドミラルシップはブラックホールの全弟で、ライラック(父オルフェーヴル)と7/8同血の弟。デビュー戦はスローの上がりだけのレースを好位から差し切ったが、タイプとしてはライラックに近く、機動力と持続力に秀でた馬だろう。レース条件は合うし、こんなに人気がないならここからの馬券も拾ってみたい。
ウインマクシマムの母コスモアクセスは全4勝が芝1200、母母コスモスカイラインも全3勝が芝1200。キタサンブラックにこういう短距離~マイルのスピードを入れるのはセオリーと言っていいし、「父スタミナ×母スピード」だから順当に先行脚質の中距離馬に出た。ノーザンテーストとロベルトとダンジグをもち中山向きの血統・脚質だし、ここは先行力や機動力に富む馬が案外少ないので前が楽をできる可能性もありそうだ。好配合で地力も秘めるので、ここでも相手ナリに走れそうで妙味十分とみた。

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例によってNETKEIBAの全頭解説から1~3着を

レガレイラ
ドゥラドーレスの半妹で、ヴァルコスの姪で、母ロカはクイーンC3着。牝祖ウインドインハーヘアはディープインパクトの母で子孫に活躍馬多数の名繁殖。2戦2勝のアーバンシックとは父が同じで母が全姉妹=同血の間柄になる。父スワーヴリチャードはコラソンビートなど初年度産駒が好調でファーストシーズンサイアー首位を快走中。細身で脚長でストライドで斬れる牝馬で、アイビーSも直線脚を伸ばしていた。中山内回りを器用に差すタイプではなさそうだが…。(距離◎スピード○底力◎コース○)



シンエンペラー
仏ダービーと凱旋門賞を制したSottsassの全弟で、BCフィリー&メアターフのSistercharlieの半弟。母Starlet's SisterはMiswaki3×3をもつ名繁殖。父SiyouniはNureyev直系の名種牡馬で、Siyouni×Galileoは名馬St Mark's Basilicaと同じ。見た目はデインヒルが強く走るとナスキロ+Tom Fool的にしなやかなのは全兄と似る。あのストライドは大箱ベターで、京都2歳も直線半ばからエンジンがかかった。ダノンザキッドのように能力で勝ちきるか。(距離◎スピード◎底力◎コース○)



サンライズジパング
グランシエロの下で、ATCチッピングノートンS(豪G1・芝1600m)のContributerの甥。母母Seraliaはプシケ賞(仏G3・芝2000m)勝ち馬。母父Zoffanyはハービンジャーと同じDansili産駒でリカンカブールの母父。母サイマーは名牝Coup de Folieの4×3をもつ。父キズナはダービー馬でディープ後継として最も成功。ダートで賞金を積んできたが、血統的には芝中距離。時計や上がりがかかるようならヒモ穴の妙味はありそう。(距離◎スピード○底力○コース◎)



「スローでもないのに先行馬がみんなかかり気味で、3角の手応えでもうレガレイラだと思いました」と石塚さんが言ってましたが、前後半は60.0-60.2、ダート中距離を走ってきたサンライズジパングがしぶとく粘ったように末脚の持続力も問われるレースになったといえますが、そこをレガレイラが牝馬の斬れでスパッとナデ斬ってしまったホープフルSでした

シンエンペラーはアウトラインはデインヒルっぽいんですが母のMiswaki3×3由来かディープやハーツなんかとは違う独特の柔らかみがあって、斬れるのかしぶといのかヤル気があるのかないのか、なんとも掴みどころがないけれど、レースが終わるといつも一番強いケイバをしているというね、まだ心身とも若さが残る現状ですがどんな馬に完成するのか非常に興味深いです

ミスタージーティーは良血で大器の雰囲気漂うも、中山内2000の多頭数だと甥で7/8同血ぐらいのキングズレインみたいになってしまうのでは…という心配がありましたが、直線はインを攻めるも行くとこ行くとこカベに

不運な面もありましたが、重厚ストライドで走るドゥラメンテ産駒が中山内回りでインに突っ込んだら、ああなる可能性は低くないだろう…というところで矢作先生はおかんむりやったんでしょうね

昨年そのキングズレインで大外から追い込んで3着だったルメールは、レガレイラでも同じようなケイバで、後方から4角までは仕掛けず番手も上げず、文字どおり300mの直線だけで差し切ってしまいました

Mahmoud校長がXで詳しく解説してましたが、スターズオンアースやジャスティンパレスなんかもそうなんですが、内回りコースで東京>中山のストライド型に乗ったときのルメールは、鋭角なコーナーで加速させて番手を上げるようなことは基本やらないんですよね、行っても差してもね

いっぽうでパンとしたイクイノックスやレイデオロで有馬に出たら型どおりに捲っていて、中山で捲れる馬ならば捲るけれど、ストライド型を無理からピッチでコーナリングさせることによるロスや疲弊を嫌い、それよりは直線でいかにスムーズにスピードに乗れるかを優先するというね

3~4角では仕掛けず、4角~直線で斜めに外に出しながらスムーズに加速させて直線の末脚に賭ける、レガレイラやキングズレインみたいな馬はそれで届かなかったらしょうがない…と達観してるようにも見えます



スワーヴリチャード産駒の配合については下記エントリであれこれまとめたのでそちらを読んでいただきたいですが、スワーヴリチャードの母父Unbridled's Songがディープインパクトとニックスなのは有名で、その根拠はIncantation≒Sir Ivorのニアリークロスにあると考えられるのですが、ならばスワーヴリチャードとSir Ivorもニックスではなかろうか…という仮説がまず一つ
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/1c78c63f0001bb0c16bf2e4a34b0ac2b

2戦2勝のアーバンシックとレガレイラは父が同じで母が全姉妹という同血の間柄ですが、ディープインパクト牝系にハービンジャー、スワーヴリチャードと配してSir Ivor≒Incantationのニアリークロスを重ねるいっぽうで、スワーヴとディープだと緩く柔くなりすぎる心配もあるので、サリオスのようにデインヒルの頑強な後駆を補強する…というのがこの同血馬2頭の成功のポイントだろうと





スワーヴリチャードの斬れを活かすスワイヴァー(スワーヴリチャード×Sir Ivor)はレガレイラやアーバンシックが出て勝ち馬率50%(3着内率83%)、ハーツクライ系の後駆を強化するスワダンジグ(スワーヴリチャード×Danzig)も以下のように勝ち馬率57%(3着内率79%)と成功しています(ちなみにスワーヴリチャード産駒全体は勝ち馬率32%3着内率55%)

●母系にSir Ivorをもつスワーヴリチャード産駒


●母系にDanzigをもつスワーヴリチャード産駒

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木曜のボツ予想~タルマエの代表産駒に

2023-12-28 10:03:56 | 血統予想

阪神6は人気になってますがPOG推奨エイカイソウル
インカンテーションの甥で、Unbridled≒マイニングのニアリークロス4×4に魅かれて指名しましたが、タルマエの代表産駒になってほしいなと




Unbridledの母母Charediとマイニングの母I Pass

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」ではホープフルSとファイナルSとフォーチュンCを、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」ではホープフルSを予想していますので、JRA本年最後の開催も今週もよろしくお願いします


http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
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12/23,24の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2023-12-26 21:51:06 | 共有クラブ

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2020)』で栗山求が推奨したウインマーベル(牡4歳)が土曜阪神11Rの阪神C(G2・芝1400m)を勝ちました。

★ウインレーシングクラブ
父アイルハヴアナザー
母コスモマーベラス(フジキセキ)
牡 募集価格:1400万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2019100213/
ウインジェルベーラ(函館2歳S-2着)、ウインアイルビータ(現1勝)、ウインオーサム(現未勝利)の全弟です。母コスモマーベラスはターコイズS(OP)を2連覇したほか愛知杯(G3)で2着という成績を残しました。その一方で、母としては気性的な難しさを伝えるところがあり、ウインオーサムは去勢されています。本馬は動画を見るかぎりそうした点は見られません。ただ、現時点では後肢の力が弱いように感じます。そのあたりが値段の安さにつながっているのかもしれません。「アイルハヴアナザー×フジキセキ」は連対率38.0%、1走あたりの賞金額338万円というニックス。Last Cause≒Millicent 4×5が利いている可能性があります。5月8日生まれなので成長の余地があり、後肢の踏み込みの甘さが改善してほしい――という期待込みではありますが、この値段ならそんなギャンブルを許容してもいいのではないかと思います。芝・ダート兼用のスプリンターでしょう。(栗山)

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2022)』で栗山求が推奨したイゾラフェリーチェ(牝2歳)が土曜中山2Rの未勝利戦(ダ1800m)を勝ち上がりました。

★キャロットクラブ
父サトノクラウン
母ケイティーズハート(ハーツクライ)
牝 募集価格:4000万円
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2021105516/
エフフォーリア(有馬記念、皐月賞、天皇賞・秋)の半妹。父はエピファネイアからサトノクラウンに替わりました。父サトノクラウンは産駒がデビューしたばかりの新種牡馬で、8月終了時点でJRAで6頭が勝ち上がり、ファーストシーズンサイアーランキングの首位を走っています。「サトノクラウン×ハーツクライ」は1頭だけ出走し、メイショウコギクが新馬勝ちを果たしました。本馬の母ケイティーズハートは、ヨーロッパ血統で構成されており、大レース向きの底力を感じさせます。父サトノクラウンは意外な素軽さがあり、その母ジョコンダがSir Ivor4×4なので、それと相似な血であるHaloを父に持つサンデーサイレンスは、安定の好相性です。母は繁殖牝馬として優秀なので、このレベルの配合であれば、重賞クラスの仔を出してもおかしくないでしょう。(栗山)

■『POG種牡馬別好配合馬リスト(2023)』で栗山求が推奨したクイーンズウォーク(牝2歳)が土曜阪神4Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。

クイーンズウォーク(牝・父キズナ、母ウェイヴェエルアベニュー)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2021105414/
朝日杯フューチュリティSと阪神Cを勝ったグレナディアガーズの半妹。母ウェイヴェエルアベニューはブリーダーズCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7f)を勝ち、米最優秀スプリンター牝馬に選出された名牝。母方にUnberidledを持つキズナ産駒は、以前はダート向きのイメージが強かったものの、このところリビアングラス(京都新聞杯-3着)、ティムール(青葉賞-3着)など芝向きの活躍馬が出ている。グレナディアガーズの半妹、キズナの牝馬であることからも芝で活躍できるだろう。(栗山)

■『POG種牡馬別好配合馬リスト(2023)』で望田潤が推奨したキングズブレス(牡2歳)が日曜中山3Rの未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がりました。

キングズブレス(牡・父Kingman・母インピード)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2021110001/
サンデーサラブレッドクラブの募集馬で、伯父にカドラン賞(仏G1・芝4000m)に勝ったReefscapeがいる。スタミナ豊富な牝系にマイル王のKingmanという組み合わせがよいが、本馬はBahamian4×3、Danzig4×5・6、Mr.Prospector5×5など強力な父母相似配合。見た目はプリプリのDanzigマイラーだが、日本向きの斬れもあるタイプだろう。NHKマイル狙い。(望田)

■土曜中山9Rノエル賞 ウインレイアー(一口・栗山)
■土曜阪神11R阪神C3着 アグリ(POG・望田)
■日曜阪神5R障害未勝利 ゴールドパラディン(一口・栗山)



ウインマーベルは早くから阪神内1400マスターっぽい雰囲気を醸し出してましたが、あの勝ち方なら阪神Cや阪急杯でまだまだリピート好走がありそう

下表のように、アイルハヴアナザー産駒の本賞金トップ10のうち、エヴァーガーデンとアンノートル以外の8頭は母父が非Northern Dancerです





アイルハヴアナザー(Danzig4×4)やリオンディーズ(Nureyev≒Sadler's Wells4×3)のような種牡馬がフジキセキやマンハッタンカフェやアグネスタキオンやブライアンズタイムのような非Northern Dancer肌との配合で成功しているのは順当オブ順当なんですが、ブリックスアンドモルタル(Storm Bird3×3)もここまでJRAで勝ち上がった産駒12頭のうち8頭は母が非Northern Dancerクロス(つまり母父か母母が非Northern Dancer)





こういうことは当ブログにおいては今さらやと思いますが、基本とかセオリーってやっぱり大事なのでね

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第68回有馬記念回顧~令和のダンシングブレーヴ、混戦を断つ捲り一閃

2023-12-25 12:20:11 | 血統予想

中山11R有馬記念
◎16.スターズオンアース
○13.タスティエーラ
▲15.スルーセブンシーズ
△4.タイトルホルダー
×1.ソールオリエンス
×6.ディープボンド
土曜のグレイトフルSはペースが流れたのもあるが過去最速の勝ち時計だった。昨年と比べても馬場はかなり良いしインもまだまだ使える。
タイトルホルダーはJCが良化の余地を残す体つきだっただけに、あの5着は上々で、引退レースのここでピークにもってくることが予想されたが、水曜の調教は少し前捌きが硬く映る。やはり厳寒期はよくないタイプなのか。タイトルが万全でないとするとスローもありうるし、有馬記念はスローになると紛れるレースだが、とはいえ引退レースの大一番で、ベストコンディションではなくともお茶を濁すような逃げは打たないだろう。玉砕覚悟で3角からロンスパでくるとみる。
ロンスパ戦になるとだいたい上位人気の実力馬で決まるのが有馬記念だが、ジャスティンパレスはいつも書くようにヌレイエフ的なナタのストライドは大箱ベター。宝塚もコーナーで加速できてない。その宝塚で不利がありながらジャスティンに先着したスルーセブンシーズは、フランス遠征の疲れどころか当時よりバンプアップした体つきで、ステイゴールド系の大物らしく5歳秋にピークを迎えた感がある。オルフェーヴルの5歳有馬は伝説の大圧勝で、ドリームジャーニーも5歳時は春秋グランプリ制覇。父譲りのピッチ走法はあからさまに中山内回り向き。問題は15番枠だが、ロンスパ縦長ならそこまでロスにはならないのでは。
ソールオリエンスは折り合いとコーナリング両面で決して乗りやすい馬ではない。ずっと主戦をつとめる武史でも毎回ああいうレースになってしまうのがその証左だ。川田といえど、テン乗りでファインプレーまで望めるかどうか。ファインプレーでないと勝ちきれる相手ではないだろう。タスティエーラは「父中距離×母マイラー」でトムフールとボールドルーラーの機動力が表現されて、中山内回りで何でもできる。3歳の後先はタスティとみたい。
ドウデュースとシャフリヤールは内回りのコーナーを速く回る能力ならここでも屈指で、乗り慣れたユタカと全兄で皐月を勝った松山に一票投じたくなるが、タイトルがロンスパで逃げるという前提ならばともに2500は若干長いと思う。
スターズオンアースはJCのパドックが思いのほか素晴らしかった。「見て見て、日本にもこんなモンズンがいるんですよ!」と世界のホースマンたちに自慢したくなったが、中間の調教などを見ていると更に良化しているのではとすら思える。4歳の秋を迎えて、母母スタセリタの重厚さが、モンズンの重厚さが更に発現してきての本格化。大外枠はたしかに痛恨だが、有馬記念に16回も乗ってディープインパクトにもキタサンブラックにも勝っているルメールが無策で回ってくるとは思えない。内回りでは大阪杯も秋華賞も2着だが馬群はこじ開けてるし、モンズンが発現してきたということはハイペリオン的な体質ピッチになってきたということでもある。ドゥラメンテの息子がレースをつくり、ドゥラメンテの娘が混戦に断をくだす。早逝した父に逆転のリーディングサイアーをもたらす。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

ドウデュース
ベイショアS(米G2・ダ7F)2着Much Betterやフラーレンの半弟。母ダストアンドダイヤモンズはギャラントブルームH(米G2・ダ6.5F)勝ち。母父VindicationはSeattle Slew直仔の北米2歳チャンピオン。リバティアイランドなどと同じトニービンとStrawberry Roadのニックス配合で、ダービーや京都記念を見てのとおり末脚の加速力爆発力が秀逸。ダンシングブレーヴの近親だから一気に脚を使うようなレースに向き、となるとここはスロー希望だろう。(距離○スピード◎底力○コース◎)



スターズオンアース
ソウルスターリングやシェーングランツの姪で、母母スタセリタは欧米の芝中距離G1を勝ちまくった名牝。ドゥラメンテ産駒で母系にMixed Marriageの血が入るのはタイトルホルダーやリバティアイランドと同じで黄金配合だ。母父にマイラーのスピードが入るのもバランス的に良い。古馬になって着実に成長し、前走JCは見違えるような体つきで、スタセリタの重厚さ奥深さが完全開花と思わせた。内回りでは大阪杯も秋華賞も差し届かずだが馬群は割っている。(距離◎スピード○底力◎コース○)



タイトルホルダー
メロディーレーンの半弟で、母メーヴェはJRA5勝。3代母Lora's Guestの全姉に英1000ギニー馬On the Houseがいる。母父Motivatorは英ダービー馬でソールオリエンス、ヴァンドギャルド、ステラリアなどの母父。母も姉も牝馬ながら長いところで活躍したが、本馬もHyperion的な持続力・粘着力・底力は現役ナンバーワンだ。JCはイクイに早々と並ばれて苦しかったが、もとより東京より中山向きだし、良化の余地を残す体つきでもあった。有終の美を。(距離◎スピード○底力◎コース◎)



今年の有馬記念の最大のキーはタイトルホルダーの出来で、この馬のペースメイクがレースの質を左右することになるだけに、まあお仕事なんで前日予想でやりますが当日のパドックを見てから決めたいというのが本音でしたね

JCが次もっと良くなるという体つきで、にしては悪くない5着やったので有馬が楽しみやと思ってたんですが、今週の調教では前捌きが硬く映ったし、パドックの歩きもJCのほうが良かったほどで、やっぱり厳寒期はこうなっちゃうんかなと…

それでも離して逃げて悔いのないレースで持ち味は出し切ったといえますが、絶好調ならばもう少し後続の脚を削ぐレースをつくれたんじゃないかと思うし、あとこの馬にとっては馬場も少し良すぎましたかね

パドックはだいたいみんなよく見えたんですが、コメントでも書いたようにドウデュースとスターズオンアースはJCより良化してこの秋一番の出来、+18キロのタスティエーラはあからさまに太いというほどではないですが、この馬のキャラからするともっと枯れた体のほうがほめやすいなあ~と、レースでは直線寄られて進路がなくなる不利がありました

スルーセブンシーズは中間のフォトパ・調教・馬体重を見れば、凱旋門の疲れなど皆無で、宝塚より更にバンプアップして出てくることが想像できましたが、ほんとに凄い馬体と気配で、オルフェーヴルやドリームジャーニーが5歳有馬でピークを迎えたのと重なるものが

ただ返し馬をみるとやっぱり母父クロフネやなあ~と、ガイアフォースのようにアクションが良すぎるというか、そこはステイヤー質でトボトボ走るライラックとは対照的で、けっきょく出来が良すぎて外枠が仇になってカベをつくれずうなってしまいましたが、アクションがいいのでうなると消耗が大きいタイプでもあるでしょう

スターズオンアースはJCでビックリするほど馬が良くなっていて本格化を感じさせただけに、ここで更に上向いたのは驚きでしたが、けっきょく予想コメントにも書いたようにね、トニービンやMonsunが本格化するということは、Hyperion的な要素がより顕在化するということなんですよね



トニービンは後駆に弱さや緩さがあるGrey Sovereignの父系で、そこを濃厚なHyperionのクロスで補って5歳時に凱旋門賞を勝ったわけですが、ハーツクライやその代表産駒が若駒のときはトモが緩くて後ろから差し届かず惜敗を重ねていたのが、古馬になってトモがパンとして先行できるようになってチャンピオンへのぼりつめていくという過程は、まさにトニービンのHyperionの発現の過程というべきなんですよね(母母父トニービンのイクイノックスが古馬になって前受けで負けようがなくなったのも、ハーツクライ的な成長曲線と言っていいでしょう)

ドゥラメンテの産駒にしてもね、父の豪快なストライドのイメージを重ねがちなんですが、タイトルホルダーやドゥラエレーデは最初から先行してたし、リバティアイランドもだんだん前で受けれるようになってきて、ドゥレッツァは菊でアッと驚く先行、アイコンテーラーやヴァレーデラルナも先行脚質に完成してG1を勝って、実はほとんど前で受けてG1を勝ってるんですよね

スターズオンアースが大外からスタートダッシュを決めて番手をとったときには誰もが息をのんだと思いますが、ハーツクライで突然先行してディープインパクトを完封し、ドゥレッツアではやはり大外からハナに立ってみせたルメールですから、トニービンとスタセリタが本格化したスターズオンアースならばこの手は十分あったんですね(ちなみにスタセリタの仏オークスは鞍上ルメールで番手抜け出し圧勝)

直線のルメールの重心を見ていて、石橋脩がフェアリーSで最内に突っ込みながらやぶさめのようになって左に重心かけて追ってたのを思い出しましたが、右回りだとモタれて右に行きたがる癖はまだあるんやなあ~と

1~3着馬はトニービンとMixed Marriage(Gone WestとSharpen Up経由)を併せもつ点が共通し、このニックスは最近うんざりするほど走りまくっていますが、以下のようにトニービンの母系に入るオンリーフォアライフの母Life SentenceとMixed Marriageがニアリーで、名牝Pretty Polly(1901年生)の威光は122年経っても色褪せないのです



ジャスティンパレスはもともとスタートはそんなに速いほうではないですが、Nureyev的なナタのストライドでズドーンズドーンと走る馬で、東京なら秋天のような追い込みでもいいんですが、内回りの3~4角で前を抜いていけないので、多頭数の有馬や宝塚だと前で受けないと勝ち負けまではなかなか難しい

トニービン的にHyperion的に頑張るドゥラメンテ産駒2頭をまとめて差し切ったのは、昨年のダービー馬でハーツクライ産駒のドウデュースでした

あの衝撃の京都記念(阪神内2200)、あの衝撃のひと捲りを見れば、中山内回りの3~4角を最速で回れるのは明らかで、今年の有馬はルメールがスタートダッシュを決めて番手をとったときと、ユタカが3~4角でいつものようにスタイリッシュに捲りきったとき、観戦中に2回声が出ました

有馬デーとしてはかなり時計や上がりが出る馬場で、レース上がりが12.0-11.7-12.2、この11.7のところでコーナーを回りながらゴボウ抜きできるのはドウデュースしかいません

ドウデュースはあまりハーツクライ臭やトニービン臭はしない馬で、北米短距離重賞に勝った母方のマイラー質も強くて、「父中距離×母短距離」だから機動力に富む捲り脚質になったのだという書き方をしていますが、あの走りはGone WestやSeattle Slewという感じでもないんですよね





このように母母Majesticallyは名馬ダンシングブレーヴとニアリーで(Lyphard、Olmec、Drone≒Secrettameが共通)、コロンとした体型と他馬が止まって見えるようなピッチ加速でマイラー質に見えてしまうようなところも似てて、やっぱりこの馬は令和のダンシングブレーヴやと思うんですよね

ダンシングブレーヴってのは凱旋門もギニーも末脚の爆発力だけでぶっこ抜いてしまった名馬なんですが、ドウデュースも相手や展開に合わせて小出しに脚を使うようなレースは向いてなくて、内回りの3~4角で一気に10頭ぐらいゴボウ抜きしてしまったり、ダービーでイクイノックスを数完歩の加速の違いで一瞬突き放してしまったり、メリハリつけて300m間ぐらいの大爆発で決めてしまうというね、あれがとてもダンシングブレーヴやなあ~と思わされます(ダンシングブレーヴの動画をぜひ見てみてください)

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日曜のボツ予想~Robertoで捲ろう

2023-12-24 10:21:48 | 血統予想

サンタクロースは◎クライミングリリーと○ラリュエル、ともにディープ牝駒ですが母方のRobertoや北米スピードも強くて、実績どおり内回りを捲れる子です





NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では有馬記念とクリスマスCとグッドラックHを、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では有馬記念を予想していますので、日曜もよろしくお願いします


http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
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土曜のボツ予想~デピュティ日和か

2023-12-23 09:45:51 | 血統予想

Deputy Ministerをもつ馬の2023年のJRAダート成績は
[455-439-432-4109]勝率8.4%連対率16.4%単回値81複回値78

5回中山に限ると
[15-11-8-101]勝率11.1%連対率19.3%単回値195複回値118

これを良と稍重で分けてみると(重不は施行なし)
良[15-9-8-80]勝率13.4%連対率21.4%単回値235複回値138
稍[0-2-0-21]勝率0.0%複回値8.7%単回値0複回値19

5回中山のダートにおいてDeputy Ministerもちが活躍しているのはたしかなのですが、稍重だった12/16だけは不発に終わっており、金曜から良発表の今日は狙っていっていいんじゃないかと

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では阪神CとグレイトフルSと万両賞を、競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では阪神Cを予想していますので、今週もよろしくお願いします


http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
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12/16,17の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2023-12-20 17:16:43 | 共有クラブ

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2022)』で望田潤が推奨したターコイズフリンジ(牡2歳)が土曜中山5Rの新馬戦(芝2000m)を勝ち上がりました。

★シルクホースクラブ
父ブラックタイド
母アズールムーン(Malibu Moon)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2021105356/
牡 募集価格:3000万円
エスメラルディーナやコンシリエーレの甥でアリーヴォのイトコ。母母父Spanish StepsはUnbridled's Songの全弟。ディープインパクト×Unbridled's Songといえばコントレイルやラウダシオンなどが出た有力ニックスですが、ブラックタイド×Unbridled's SongもJRAに4頭が出走して3頭が勝ち上がりとコンスタントに走っています。有力な牝系&有力なニックスが推奨の根拠で、母は芝1400で2勝をあげたスピード型なのもブラックタイドの相手としては好ましいといえます。先行型の中距離馬。(望田)

■『POG種牡馬別好配合馬リスト(2023)』で栗山求が推奨したミラビリスマジック(牝2歳)が日曜中山5Rの新馬戦(芝1600m)を勝ち上がりました。

ミラビリスマジック(牝・父キズナ、母ソーマジック)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2021105105/
母ソーマジックは桜花賞3着馬。母としてもソーヴァリアント(チャレンジC2回/父オルフェーヴル)、マジックキャッスル(愛知杯/父ディープインパクト)、ソーグリッタリング(エプソムC-2回/父ステイゴールド)を産んでいる。「キズナ×シンボリクリスエス」の牝馬は、ソングライン(安田記念)、アカイイト(エリザベス女王杯)と2頭がG1を勝っている。5月9日生まれだが魅力的な血統だ。(栗山)

■土曜阪神11RタンザナイトS カルネアサーダ(POG・望田)
■日曜阪神10R六甲アイランドS ダノンティンパニー(ディープ・栗山)





ディープインパクト×Unbridled's Songはコントレイルやダノンプラチナが出た黄金配合で、根拠はSir Ivor≒Incantationのニアリークロスということはたぶん120回ぐらい書いてますが、リアルインパクト(ラウダシオン)やディスクリートキャット(オオバンブルマイ)の代表産駒も出ているし、ブラックタイド×Unbridled's Song(Spanish Steps)もブラックボイス(JRA現役3勝)、カサデガ(JRA3勝)、グラシアス(JRA現役2勝)、タケルジャック(JRA現役2勝)、レディーシス(JRA現役2勝)、そして新馬勝ちターコイズフリンジと、出走6頭全て勝ち馬になっています

この逆パターンもなかなか成功していて、たとえば昨年から日本で供用中のUnbridled's Song直仔ウィルテイクチャージ、この日本の代表産駒2頭(ヘルシャフトとフランスゴデイナ)はともに母系にSir Ivorをもっているのです



ヘルシャフトは伏竜Sでテーオーケインズとミヤジコクオウとアメリカンフェイスとレーヌブランシュとダノンファラオという、レース史上最強メンバーに勝ってるんですがその後順調にいかなかったのが実に残念…

母父Unbridled's SongのスワーヴリチャードもSir Ivorもち繁殖との配合で高確率で成功していることは以前書きましたが、カリフォルニアクローム×ディープインパクトやカリフォルニアクローム×Unbridled's Songを私が推しているのも同じ理屈で、カリフォルニアクロームはIncantation≒Sir Ivor4×4をもつのです

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第75回朝日杯FS回顧~北米芝血統、絶妙のイン捲りで2歳王者に

2023-12-19 10:54:50 | 血統予想

阪神11R朝日杯FS
◎8.ダノンマッキンリー
○3.ジャンタルマンタル
▲5.タガノエルピーダ
△15.エンヤラヴフェイス
×6.セットアップ
グレナディアガーズ(20年1着)、サリオス(19年1着)、ダノンタッチダウン(21年2着)、レイベリング(22年3着)と、デインヒルをもつ馬の活躍が目立つ最近の朝日杯。◎はダノンマッキンリー。母ホームカミングクイーンはデインヒルの孫で英1000ギニー馬。モーリス×デインヒル系はオセアニアで大成功している配合で、2歳では本馬とダノンエアズロックが母父デインヒル系だ。2連勝がエンジンが違うという勝ち方で、爆発力ではここでも抜けている。アクションが良すぎてガツンと引っかかる心配があるしマイルは今でもギリギリで、行く行くは短距離にシフトしてきそうだが、そこはルメールがなだめてごまかして乗ってくるだろう。グレナディアガーズ、タイセイビジョン、タワーオブロンドンみたいな馬でも好走するのが朝日杯だ。
タガノエルピーダは名繁殖タガノレヴェントンの娘で、父はフィリーサイアーのキズナ。脚長で母のヌレイエフ4×3を感じる力強いストライドで、スローの上がり11.0-11.0のマイル戦を先行抜け出したが、もっとタフなレースになったほうが味がありそうな馬だ。紅一点・キャリア1戦だが一発の魅力はある。シュトラウスは外枠だとカベをつくれずまたうなってしまうのでは。

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例によってNETKEIBAの全頭血統解説より1~3着を

ジャンタルマンタル
母インディアマントゥアナはレッドカーペットH(米G3・芝11F)勝ち馬。父パレスマリスはジャスティンパレスやアイアンバローズの半兄のCurlin産駒でベルモントS(米G1・ダ12F)に勝った。母父Wilburnはインディアナダービー(米G2・ダ8.5F)に勝ったA.P.Indy系。ダートもいけそうな北米血統で、前走芝マイルのデイリー杯を勝ったが、父も母も中距離馬だしマイラーというよりは1800型に見える。ここも好位差しで手堅くまとめるだろうが。(距離○スピード○底力○コース◎)



エコロヴァルツ
ウォータースペースの全弟で、ヴェントヴォーチェのイトコで、母プティプランセスはJRA3勝(芝1800~2000)。牝祖MasakeはハニームーンH(米G3・芝9F)勝ち。父ブラックタイドはディープインパクトの全兄でキタサンブラックの父。ブラックタイド×キングカメハメハはタガノエスプレッソやライジングリーズンと同じ。ブラックタイド産駒らしい先行脚質の中距離馬で、コスモス賞は3角先頭で大楽勝。マイル戦で身上のしぶとさを活かせる形に持ち込めるかどうかだ。(距離○スピード○底力◎コース◎)



タガノエルピーダ
母タガノレヴェントンは優秀な繁殖で、出走産駒9頭のうち8頭がJRA勝ち馬に(タガノトネール、タガノエスプレッソ、タガノディアマンテとオープン馬3頭を含む)。ネオザウイナーやヘッドライナーも近親。キズナ×キングカメハメハはハピと同じ。脚長で母のNureyev4×3を感じる力強いストライドで、スローの上がり11.0-11.0のマイル戦を先行抜け出した。もっとタフなレースになったほうが味がありそうな馬だし、紅一点だが一発の魅力はある。(距離○スピード○底力◎コース◎)



印をつけた馬はパドックでだいたい良く見えましたが、ダノンマッキンリーのいかにも弾けそうな体質とタガノエルビータのいかにもNureyevな重厚さが特に印象的

シュトラウスは大外枠を引いてしまったので、カベをつくれずうなってしまう心配が少なからずあったのですが、「かかってはいない」とマーカンドがコメントしているように、うなり出したところでおっぱなしたので馬とケンカはしていないし、ハナに立ってからは抜いて12秒台に落として走れてはいました

とはいえレースラップが12.5-10.9-10.7-12.0-12.3-11.9-11.2-12.3、10.9-10.7のところでハナに立ってしまうぐらい吹かしてしまったし、そこで競られたセットアップともども最後苦しくなってしまったのは仕方ない

ダノンマッキンリーは後ろから折り合い重視でいくと思っていたんですが、スタート後にオーサムストロークにぶつけられていきなりスイッチが入ってしまい、10.9-10.7のところで口を割ってかかってしまってはこれもノーチャンス

前後半46.1-47.7の前崩れなんですが、途中で12秒台二つ入って中だるみしてるので、10秒台のところでうなってしまった馬たちは特に苦しくなった、というレースだったかと

でもいつも言うことですが、G1レベルのペースでかかる馬は基本強い、並の馬では10秒7のところでうなれないですからね

エコロヴァルツは母系に入るMaster Willieがハイハット≒Aureole2×3の気難しいスタミナ血脈で、新馬-特別を連勝してここに出てきましたが、いずれも少頭数でまだ馬群に入った経験がない

フルゲートのマイル戦の最内枠では揉まれ込んでしまうのではとみてノーマークでしたが、ケツまで下げて、60秒で追走し34秒で上がる中距離馬のペース配分で、大外から追い込んだユタカはとても病み上がりとは思えなかった

周りに馬がいると気にして行きたがるようなエピファネイア的Aureole魂にも見えますが、母プティプランセスは全3勝を新潟外1800~2000であげていて、そっちのイメージが強くて大箱向きの中距離馬やと思いますね

タガノエルピーダは前の組では最先着、直線ジューンテイクと並んで追い比べになってからの絶対抜かせない頑張りがさすがタガノレヴェントン娘という感じで、相手種牡馬の長所をNureyev的ストライドとHyperion的粘着力で支えるスーパー肝っ玉母さんなのです

ジャンタルマンダル川田は目の前でダノンがガツンとかかってるので、この直後で運んでいいものかどうか、ダノンが直線伸びあぐむシーンも当然頭によぎったはずで、早々と3角すぎから内に潜ってパスする決断、勝利インタビューではそのことを言っていたと思うんですが、終わってみればインをスルスル抜け出して完勝でした

この3~4角の進出がいかにも北米の芝馬という趣で、それとこの馬Promised Landの薄いクロスなんでサンデーサイレンス的な斬れ方もするんで、そのあたりも含めてレースが巧くて斬れ味も兼備した弱点の少ない芝9F馬というイメージです

Curlinは北米で枝葉を伸ばしているミスプロ系の名種牡馬ですが、母父Deputy Ministerが見るからに強くて主として北米のダートで成功していて、ただジャンタルマンタルの場合は母インディアマントゥアナが芝馬だったし(4歳時に北米芝G3勝ち)、パレスルーマーはジャスティンパレスやアイアンバローズの母、Smart Strikeはスターズオンアースやストロングリターンの母父で、CurlinのDeputy Minister臭さはあまり感じさせない馬です

来年からダーレージャパンで供用される父パレスマリスにとっては最高のタイミングでのG1勝ちとなりましたが、パレスマリスはCurlinほどDeputy Ministerを強く主張する種牡馬ではなさそうで、芝ダート両方出すだろうなあ~というのが産駒の成績も見ての印象

これでジャンタルマンタルは3戦3勝の2歳チャンピオンとなり、レース巧者で完成度が高いように見えますが、パレスマリスもインディアマントゥアナも比較的遅咲きだったし代々強いクロスもないので、まだまだ成長の余地はある馬でしょうね

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日曜のボツ予想~Hyperion的二枚腰

2023-12-17 10:49:56 | 血統予想

六甲アイランドは◎レベレンシア
トランセンドの甥で母母シネマスコープはHyperion4・6・6×5・7・7・8、この粘着力で走るマイラーで、全3勝のゴール前ラップは11.8、12.1、12.1と、先行型ながら上がりがかかるレースでしぶといタイプ



近走は上がりが速すぎたり後ろからになってしまったりでいいところがないですが、1200を使ってきた後でここは好位に付けられそうだし、フルゲートの阪神内1400で今の馬場なら上がりかかって粘り腰発揮、もともと遅咲きの血統だし中間の調教も良いですね

NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では朝日杯FSとひいらぎ賞と寒椿賞を予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)


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