栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」
先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先々週分(11/23,24)を3頭更新しました～
先週分(11/30,12/1)もまとめてやる予定でしたが、木曜まで仕事が重なりすぎててちょっと厳しい…すいません来週にまとめて2週分やりますのでm(_ _)m
11/23に東京で新馬勝ちしたアスコルティの母リッスンはフィリーズマイル(英G1・芝8F)勝ち馬で、その全姉SequoyahはモイグレアスタッドS(愛G1・芝7F)勝ち馬でQueen Cleopatra(仏オークス、愛1000ギニー)やHenrythenavigator(英2000ギニーなどG1を4勝)を産んでおり、その母Brigidがナスキロラトロをクロスしつつ「3/4米,1/4欧」でまとめた好配合
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104104/
Brigidの全姉Or VisionもDolphin StreetやサフロンウォルデンなどG1馬を3頭産んでいるように、好配合に裏打ちされた極めて信頼度の高い名マイラー牝系なのです
アスコルティはデインヒル×サドラーの組み合わせとは思えないほど柔らかくしなやかな体質で、これはBrigidのナスキロ柔さがONになっているからで、いきなりこんな走る仔が出たということはリッスンも姉に劣らない名繁殖の可能性アリでしょうね～
「前半1000mは57.9と速く、それが1.33.2のレコードにつながったわけですが、3角から12.2-12.2と中だるみして上がりが11.4-11.7、このラップを番手できれいに折り合って瞬時に反応して、レースぶりが一頭だけ大人でもうすでにうっすら薄化粧してるような、そんなホウライアキコの3連勝」
「Northern DancerとWoodmanとナスキロとくればウオッカとJFで叩き合ったアストンマーチャンが重なるところもありますが、しかしこの馬はわりと細身で追い出してからナスキロ柔くしなるので、外マイルでも簡単に止まらない」(デイリー杯回顧)
「ベルカントはバクシンオー牝駒らしい軽いスプリンターですが母系のAlydarやFair Alyciaからパワーも補強していて軟弱なところはなく、今日はソコソコ速いペースで行ったので上がり12.0-12.0とかかっているんですが、しかし後続も伸びてくる馬はおらず、けっきょくはアストンマーチャンがスピードで押し切ってしまいましたというか、現状の完成度やキャリアがモノを言った…という結果だったのではないかと」(ファンタジー回顧)
ホウライアキコとベルカントの距離延長を克服しながらの快進撃にアストンマーチャンの姿を重ね合わせた人は多いでしょうが、ここへきてヨハネスブルグ産駒の急失速が話題になっていて、たしかに11月は[0.3.4.30]と未勝利で、特に1600m以上は[0.0.1.11]とほぼ全滅
もともとStorm Cat≒Narrate2×3という強いニアリークロスをもつだけに、父系母系が同じでStorm Cat≒Narrate2×2のTale of the Cat(エーシントップ、エイシンボーダン、シゲルソウサイなどの父)同様、仕上がりや完成の早い産駒を出すことは予想されました
小倉2歳とファンタジーを楽勝して阪神JFに挑んだアストンマーチャンは、そこでもウオッカとゴール前までビッシリ叩き合っての2着、年明けはフィリーズレビューを楽勝し、大一番桜花賞ではウオッカに次ぐ2番人気も7着に完敗
レース後にユタカは「今はもう、体質や走りがスプリンターになってきている…」と呻いていました
しかしこれはアストンマーチャンに限ったことではなく、古馬になって短距離G1を勝つようなスプリンターでも、まだスプリンターとしての筋肉がつききっていない若いころは、能力や完成度でマイルを平気でこなしていた…というのは非常によくあること
キンシャサノキセキもローレルゲレイロもファイングレインもマイネルラヴもNHKマイルまではマイルの王道を堂々と歩んでいて、朝日杯やデイリー杯や東スポ杯やシンザン記念やNZTやチューリップでふつうに勝ち負けしていたし、シーイズトウショウもファンタジー2着→JFとチューリップ4着→桜花賞2着と桜花賞路線に賑わせつづけてたし、ロードカナロアやダイタクヤマトやブラックホークにしても若いころはマイルを主戦場としていた時期がありました
そんなことを思いながら、さてJFの予習にボチボチとりかからないと…
