栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

ラジオNIKKEI賞と「中距離馬×マイラー」

2015-06-29 09:38:47 | 配合論

「中距離馬×マイラー」が福島1800mを捲るのがラジオNIKKEI賞

と望田潤botにありますが、「父スタミナ×母父スピード」とか「父中距離×母マイラー」という組み合わせは、ハイセイコー(チャイナロック×カリム)のように母のスピードで先行し父のスタミナで粘り込むような脚質になりやすいと、『配合史』のどこかにも書いてあります

ハイセイコーといえば、ダートも基本的に先行捲りの競馬ですから、ホッコータルマエ(キンカメ×Cherokee Run)なんて典型ですが母父にスピードが入る配合が成功しやすい

父がダービーや秋天の勝ち馬で、母父がHalo3×4のマイラーとか、母がBold Ruler4×4の平坦向きスプリンターとか、そういう配合で、入れ物は父譲りだがスピードの質は母譲りという馬は、だいたい小回り1800m向きのフワッとした先行捲り脚質になりやすい

ミトラはずっとマイル路線を使われていたように、母母ノーザンプリンセスのマイラーっぽさがたしかに表現されていて、でも父がシンボリクリスエスなので胴や脚は少し長くなり、実は福島2000mの重賞を2-3-4-2で勝つ馬だったわけですな

ラジオNIKKEIの◎は昨年がクラリティシチー、一昨年がミエノワンダー、3年前がオペラダンシング、オペラダンシングは母がキングヘイローと同じダンシングブレーヴ×Halo(Drone≒Halo3×2)で、そこにオペラハウスですから東京で斬れる脚は皆無ですが、福島や中山で捲らせると味がある配合

オペラダンシングもケイアイチョウサンもラチ沿いを追い込んでいて、いわばイン捲り差しというべき競馬、昨年のウインマーレライも好位インからHalo3×5らしい機動力で叩き出されており、開幕週に行われるようになってからのラジオNIKKEIは明らかにイン有利の様相ですな~

クラリティシチーもキングカメハメハ×スペシャルウィークという字面は胴も脚も長く東京中距離を重厚緩慢なストライドで走るイメージですが、母母タイキダイヤがタイキフォーチュンやタイキリオンを兄弟に持つマイラーで(牝馬マイル重賞で2着2回)、その母Patently ClearがTom Fool4×4とRaise a Native3×5で、いかにもTom Foolですという脚捌きで中山内回りをサササッと捲ってしまう

ひと捲りで決めた東風Sはもちろん、3着に負けたスプリングSもホープフルSも、中山の4角で一番速い脚を使っているのはこの馬で、芝1600~1800mの捲りの速さは現役屈指と言っていいでしょう

ダービー卿もいつものように4角を最速の加速で押し上げていって、東風Sと全く同じ勝ちパターンやったんですが、それをうなりながら追いかけたモーリスは残り200mでもう追いついていた

ダイナアクトレスのTom FoolとグラスワンダーのRobertoで、残り200mではもう追いついてしまったのです

NETKEIBAの「重賞の見どころ」は毎週月曜18時更新、今週はラジオNIKKEI賞とCBC賞の上位人気馬の血統解説を書いています

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6/27,28の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-06-28 20:37:26 | POG

■『ディープインパクト好配合馬リスト(2015)』で栗山求と望田潤がダブル推奨したポルトフォイユ(牡2歳)が日曜阪神5R新馬戦(芝1800m)を勝ちました。

◎ポルトフォイユ(牡・母ポルトフィーノ)
きさらぎ賞2着馬ポルトドートウィユの全弟。同馬に続いて2年連続の指名となる。サンデーサラブレッドクラブで1億2000万円という価格は兄とまったく同じ。2代母エアグルーヴは年度代表馬に輝いた女傑で、近親にはアドマイヤグルーヴ、ドゥラメンテ、ルーラーシップなど多くの活躍馬が出ており、4分の3同血にグルヴェイグがいる。「父ディープインパクト、2代母の父トニービン」というパターンはハープスターやキロハナと同じで、デビューした11頭中10頭が勝ち上がり、連対率は43.4%に達する。「ディープ×トニービン」は馬がゆるく完成も遅くなるが、トニービンを1代下げて間に硬い血を挟むと、うまくバランスが取れて晩成傾向も改善される。母の「クロフネ×トニービン」は、クロフネの素軽さをトニービンの底力で補うという相互補完的な関係で、カレンチャン、クロフネサプライズなどの大物が出ている。クラシックの王道を歩む資格は十分。(栗山)

○ポルトフォイユ(牡、母ポルトフィーノ)
ディープインパクト×クロフネは出走11頭中9頭が勝ち上がるという抜群の高率で、そこにはシャイニングレイとステファノスと本馬の全兄ポルトドートウィユが含まれる。クロフネのパワー体質を受け継ぐのでディープ産駒にしては肉付きがよくマイラー寄りに出やすい配合というべきだが、エアグルーヴの孫でもありオープン級の期待は当然。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106081/

■火曜金沢10R金沢犀川賞 ピッツネイル(一口・望田)
■日曜東京9R稲城特別 マイネルリード(一口・栗山)
■日曜阪神11R宝塚記念2着 デニムアンドルビー(ディープ・栗山)

土日の競馬が終わったというのに一滴も飲まず、のり弁&ポテサラの寂しい晩飯を済ませ、UMAJINの原稿とセレクトセールの配合診断に取りかかっているのです…がんばれ俺

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第56回宝塚記念回顧~機動力の兎、Roberto使いに導かれ

2015-06-28 17:38:32 | 血統予想

阪神11R 宝塚記念
◎11.ヌーヴォレコルト
○15.ゴールドシップ
ヌーヴォレコルトは父がハーツクライで母父スピニングワールドがヌレイエフ系のマイラーだから、トモがパンとするにつれて先行脚質に完成してきたのは順当だし、ハイペリオン的な体質で斬れ味より粘り強さに長けた脚質に完成したのも順当で、これまで斬れ負け鋭さ負けはあってもバテたことは一度もない。だからマイルのHペースで追走に苦しんだヴィクトリアマイルと、スタートで安目を売った秋華賞はやや不本意なレースで、これまで先行したときは[3-1-0-0]でエリザベス女王杯でラキシスに惜敗しただけ。阪神内回りならばラキシスよりこちらをとりたい気持ちはあるし、ゴールドシップの寄り身を前で受けるのは楽ではないが、それでも横綱相撲をとってナンボの血統だから、正攻法で堂々と立ち向かってもらいたい。ちなみにゴールドシップが持続力で勝つようなレースでは、カレンミロティックにアドマイヤラクティとバテないハーツクライ産駒が2着によくきている。

--------

先入れのゴールドシップは大人しく待っていたように見えたんですが、スタート直前になって暴れて立ち上がり、いったん態勢が整ったところを見計らってゲートを開けたんでしょうが、そのタイミングでまた立ち上がってしまい万事休す…

もともと逃げ先行が少ないメンバーでスローになることは十分考えられたんですが、しかし昨年のようにゴルシが長いホームストレッチを利して2角までに好位に押し上げてしまえば、前半は緩んでもジワジワとペースアップしていくロンスパ戦になるだろうと、今のタフな馬場でロンスパならば、牝馬の斬れよりもHyperion的な持続力粘着力が上位だろうという予想でいってみたんですが…

道中13秒台2回で1000m通過62.5の超スロー、上がり4F11.7-11.0-11.6-12.4というのはこの馬場では究極に近い速さで、終わってみればHyperion的持続力より牝馬の斬れがモノを言う質のレースになったかと(^ ^;)

この3~4角の11.0-11.6のところで3~4頭ぶん外を回らされたトーホウジャッカルとヌーヴォレコルトとディアデラマドレとラキシスは最後辛くなり、一方デニムアンドルビーは4角までインベタで直線で外に出したのが巧かったし、最内枠のショウナンパンドラは池添らしいイン差し決め打ちがハマり(京都だったらもっと斬れたかも)、それだけにずっと外々を回って、長く脚を使いつづけて4着に踏ん張ったトーホウジャッカルの底力は光りました

ヌーヴォレコルトは今日も決してバテてはおらず、直線も前と同じぐらいの脚では上がっているのですが、古馬になってますますHyperion的体質脚質に完成してきた今、そのHyperion的二枚腰を活かすには、一流どころと互すには中山記念みたいに4角で並んでしまうぐらいでないと苦しい

マイルを使った後だし、このメンツなら先行とみていたのですが、岩田も「もうちょっと前でもよかったかなあ…」と言っているようですが、ゴルシが大きく出遅れてしまっただけになおさら後ろのラキシスが気になったのか、前より後ろに比重を置いていたかのような位置取りと仕掛けでした

ラブリーデイは3代母の父がリアルシャダイで、Roberto的な脚捌きで手先だけで走るので、鳴尾記念や中山金杯を見てのとおり内回りの捲りはお手のもので、今日は展開もペースも全てが向いてレース巧者ぶりを存分に発揮

有力どころが不発に終わったなかで、鳴尾や金杯だけ走ったら勝ってしまった…という印象も否めませんが、しかしラブリーデイがG1を勝つとしたらこんなレースしかないだろうし、そのほぼワンチャンスをモノにしたのはお見事だし脱帽と言うしかない

これで重賞で[4.3.1.12]、連対した条件を順にあげると、東京芝1400m、小倉芝2000m、中京芝2000m、中山芝内2000m、京都芝外2200m、阪神内2000m、そして阪神芝内2200m

下記エントリで書いたように、「キンカメ産駒としては機動力と斬れの二兎を追った配合で、いつでもどこでも好走するけれどG1まで突き抜けるだけの武器がない」と望田に言われつづけたレース巧者は、大きな休みもなく勝てる鞍を確実にモノにしながらオープンで走りつづけ、いつの間にか堂々の一流馬の仲間入りを果たし、ついにG1でもチャンスを掴んでしまった

キンカメ産駒としてはNureyev的Fair Trial的機動力に特化した配合で、デビュー当時から川田とのコンビで中山内回りを捲るための英才教育を施され、皐月賞では満を持して直線先頭に立ったトゥザワールド

モーリスの安田にミュゼエイリアンの毎日杯、今春の川田はスクリーンヒーロー産駒を絶妙な先行で勝ちきらせて気を吐いていますが、昔からこういう馬、Roberto的機動力やFair Trial的機動力で走る男馬に乗せると達者な男です

鳴尾の岩田の捲りもそれは見事でしたが、このG1制覇の千載一遇のチャンスに、屈指のRoberto使いとのコンビ復活という幸運も重なった(ちなみに全兄キングジャズも川田で函館ダ1700mを捲って勝ってます)

無事是名馬、長く走りつづけていれば、いつかチャンスがやってくる

兎追いし宝塚
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ba78c1cd1c178a9f4809c105dda0f068

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日曜のボツ予想~加速が凄いから引っかかる

2015-06-28 10:41:34 | 血統予想

城崎は▲ロカが大人気ですがここは先行勢が手薄で、パワーも要求される馬場だけに◎ファシーノの先行で
ソロルと同血で父シンボリクリスエス母母父Nureyevはランフォルセと同じでダート馬に出てもおかしくない配合、京都の高速馬場より阪神の荒れ馬場のほうが合っている馬です
○ローハイドは母が英中距離重賞勝ちのGalileo産駒で、ディープにMiswaki、Darshaanとナスキロを重ねた配合で、だから中距離をストライドで走るタイプだと書いてきたし、ここは待望の外回り、距離はもう1F少し欲しい感はありますが馬券的妙味はこれかと

奥尻は◎サンマルティン
Northern Dancerクロスの強い父×Northern Dancerを持たない南米アウトサイダーの母、この図式は半姉ディアデラマドレと同じで、前走はガツンと引っかかって伸びきれませんでしたが(それでも上がり1位)、ノリがガツンと持っていかれてしまうほどの素晴らしい加速の持ち主
祐一が折り合いを重視するあまりポジションを下げてしまってあれこれ言われるのは、だいたいリアルスティールのようなG1で好走するレベルの馬で、それは彼が御しきれないぐらいの素晴らしい加速力の持ち主である、ということの裏返しでもあるのです
平場の下級条件では実にソツない好位差しのお手本のような競馬でキッチリ勝つんですが、走る馬で目立つところであれをやるからついつい叩かれてしまう、という部分はあるんじゃないかと
共同通信のドゥラメンテしかり、チューリップのレッツゴードンキしかりで、走る馬ってのはエンジンが凄いんですから気性が若いと引っかかりますよ
というわけでノリがガツンと持っていかれるような馬や、祐一がソッと乗りたくなるような馬は走る馬なのだ…ということで、代打の杉原にとってはチャンスでもあり試練でもありますが頑張ってもらいたい(・∀・)

他のレースはこれから、競馬中継見ながら考えますが、「No.1予想」では宝塚記念を、「馬券総合倶楽部」では宝塚記念と函館6Rを予想していますので、日曜もよろしくお願いします

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土曜のボツ予想~さらりと雨のダイワメジャー

2015-06-27 10:36:35 | 血統予想

渋った馬場(稍~不)の阪神内1400mでディープ産駒は[0.1.1.16]、出石はスナッチマインドとリーサルウェポンを消すことからはじめたいということで、Droneに醤油かけてガッついてるダイワメジャー産駒で道悪が巧い◎トウシンムサシと、Tom Rolfe肩のネオユニ産駒で内回り②③①②の○ネオスターダムで

グリーンは前走スタミナを示した◎サムソンズプライドが道悪上手なのでここも有力でしょう
Drone≒HaloとSpecialのクロスを併せ持つサムソン黄金配合で、「Special持ち種牡馬×ダイナカール牝系」も信頼度の高いニックス

湯川はCape Cross産駒で洋芝は鬼の▲オールステイが長欠明けでも逃げ切ってしまうかもですが、前走叩いて変わった大型馬◎ヒカルエリントンはマイラーではなく中距離馬、レッドデイヴィスの3/4弟でダイワメジャー×トニービン×Dixieland Bandならこれからが旬と言ってもいい血統で、洋芝も道悪も歓迎でしょう
ちなみにダイワメジャー産駒の芝馬場状態別成績は、良→稍→重→不の順に、勝率9.0→9.7→10.9→12.7、連対率18.8→18.0→23.3→25.5

月刊誌二つと一口ピックとセレクトセールのお仕事の締め切りが日曜~火曜に重なっていて、今週は予想にあんまり時間がとれないのでさらりとこんなもんで…新馬戦はパドックを見てコメント欄で

「No.1予想」では京橋特別を、「馬券総合倶楽部」では京橋特別と函館9Rを予想していますので、そちらもよろしくお願いします

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競馬道OnLine G1スペシャル予想~宝塚記念

2015-06-26 13:52:22 | お知らせ

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典2015-2016』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この春も高松宮記念~宝塚記念まで栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想します

今週の宝塚記念は望田潤の担当で、有力馬3頭(ゴールドシップ、ヌーヴォレコルト、ラキシス)の血統分析と直前予想を行います(この3頭が印の上位3頭とは限りません)

有力馬血統分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できますので、よろしければご覧ください
http://www.keibado.ne.jp/sp2015/

さっき新馬の追い切りをザッと見たほんの第一印象
アッラサルーテとナイトインブラックとポルトフォイユ「全兄姉に似てるなあ~」
テオドール「ラトロ硬いなあ~」
ファド「テーストやなあ~」
ブランボヌール「バクシンオーやなあ~」
レッドヴェルサス「Hyperionやなあ~」

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「一口馬主好配合馬ピックアップ」でラフィアンHCから3頭ピック

2015-06-26 00:11:43 | 共有クラブ

おかげさまで今年も多くの申し込みをいただいております「一口馬主好配合馬ピックアップ」、昨日ラフィアンターフマンクラブから3頭(栗山2,望田1)ピックアップしましたので、よろしくお願いいたします
http://miesque.com/c00032.html
現在、ラフィアン(3)とユニオン(3)から計6頭ピックしています

ピックしなかったなかにももうちょっと様子を見たいなあ…という馬が何頭かいて、しばらくしてから追加でピックする可能性はありますが、今週デビューするレッドヴェルサスなんかは「好配合だけどスウィフトカレントの仔やから、もうちょい様子見しても大丈夫やろう」とタカをくくってたらすぐに埋まってしまい(^ ^;)、最近はどこのクラブでも父より母で売れるんやなあ~という実感がありますね

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「2歳勝ち馬評価」先週ぶんを更新&今週の新馬戦

2015-06-25 18:14:30 | POG

先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価(2015)」先週ぶんを2頭更新しました~

新種牡馬ワークフォースについては「ハービンジャーと同じで、非Northern Dancerクロスの牝馬との配合が成功しやすいはず」「スピードを出すにはMr.Prospectorのクロスが有効では」と書いてきましたが、2戦して2着2回のダイワダッチェスはひとまずこの二つを満たす配合ですね
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105601/
まあまだ気の早い話ですが、ワークフォース産駒の場合は、Mr.Prospectorのクロスは機動力として表現されやすいだろう…というのが私の考え

メジロドーベルのような血は母母ぐらいになると重厚なスタミナと化すので、ショウナンラグーンにメジロクリントンにビップレボルシオンとスタミナに長けた馬が出るのは納得ですが、マッサビエルはAureoleのクロスを持つせいか、メジロライアンやSt.PaddyやLe Fabuleuxのステイヤーとしての凄みや奥深さを感じさせる馬
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103949/
ハービンジャーはサンデーの血を引く牝馬との配合で、ナスキロやTom Foolを使ってShareef Dancerをちょこちょこいじくってやって高速馬場向きにカスタマイズすれば、ロカやトーセンバジルのようにクラシック路線を賑わすぐらいの手役をつくることができます
一方で代表産駒のベルーフがLe Fabuleux≒Wordenにノーザンテーストを絡めていたように、満貫を狙うとなるとPretty Polly意識した手づくりも必要ではないかと
ステイゴールドとメジロマックイーン、ディープインパクトとVaguely Noble、ネオユニヴァースとBusted、ダイワメジャーとトニービンとLe Fabuleux、これらのニックスを遡ると、けっきょくはPretty Pollyに行き着くのです
あとこれはたまたまかもしれませんが、マッサビエルはここまで4戦全て外を回る競馬で、そのあたりにAureole魂疑惑は残りますな

先週函館芝1000~1200mで[2.1.0.2]、単回値824複回値298と火を吹いた「マイネルラヴ×Never Bend」、今週の出走は土8ディアプリンセス(連闘)だけですな…カオスモスも洋芝1200mなら面白いと思うんですけどね~

今週の新馬戦は土函5メジェルダと日阪5ポルトフォイユ(ともにディープ好配合)、メジェルダは昆+四位+村田牧場の黄金コンビ、GCで追い切りをチラッと見ましたがなかなかいい感じでしたよ(・∀・)

ゴールドシップは今年は多頭数なので内枠を引いてしまうとどうかなと思っていましたが、この枠なら昨年同様、必殺のホームストレッチ押し上げ好位取り付きでしょうか

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兎追いし宝塚

2015-06-23 11:40:11 | 配合論

鳴尾記念のラブリーデイはエアソミュールを直後でマークし、4角を回りながらこれに並びかけて抜け出すという阪神内2000mの教科書的勝ち方で、同じ内2000mの中山金杯でロゴタイプのスパートに呼応して捲り差したリプレイを見ているかのようで、一言でいうと内2000mのG3なら格が上だという勝ち方

一方で外2200mの京都記念では、超スローの番手でスズカデヴィアスを可愛がってチョイ差しという実にソツのないレース運びで、キズナの追い込みを封じ込めてみせました
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010104298/

キングカメハメハ×ダンスインザダークというのはNijinskyとGraustarkとTom FoolとRaise a Nativeのクロスになり、胴伸びのある体型と持続力がONになりやすいので東京外回り向きのジワジワ差しになりやすい→獲得賞金ベスト3はショウリュウムーン、アルディエス、キングカラカウア

母系にトニービンを引くキングカメハメハ産駒はHornbeamのクロスになるので、「HyperionとNasrullah」的なナタの斬れがONになりやすく、長い直線を持続力ある斬れでズドーンズドーンと差してくるような脚質になりやすい→ドゥラメンテ、ルーラーシップ、ミッキードリーム

一方母系にRobertoが入るキングカメハメハ産駒はGold Digger≒Bramaleaのニアリークロスになるので、Kingmambo(Nashua≒Nantallah3×5)とRoberto(Royal Charger≒NasrullahとSir Gallahad=Bull DogとBlue Larkspurを使った強力な父母相似)のパワーや機動力をONにする仕掛けとなり、どちらかというと小回りコース向きの小脚で走るタイプが出やすい→ハタノヴァンクール、グランドシチー、ケイアイエレガント(レッツゴードンキやフィフスペトルなどもこのカテゴリ)

ラブリーデイの場合は、母がサンデー父系×ペルースポート牝系でHalo≒Red God3×6なのもポイントで、これはアロマティコと似た配合形といえ、つまり母からはアロマティコ的な軽い機動力を、小回り1800mをビュンと捲り差すような脚をも受け継いでいると考えられるのです

ラブリーデイは脚が短くて飛節のつくりなどは明らかにRobertoの影響が強く、しかし体質は意外なほどしなやかで、これは「ミスプロ×サンデー」の組み合わせやHornbeamのクロスや母方のHaloのニアリークロスの影響もあるでしょう

脚捌きはRoberto的なので内回りコースの4角でのスピードの乗りがよく鳴尾記念のような捲りはお手のもの、一方で東京や外回りでもスローの上がりの競馬になるとしなやかさとピッチで絶妙のタイミングで抜け出せる

戦績を見てのとおり、2500mを超える距離で本質的なスタミナを要求されるレースにならなければ、つまり2000m級のレースではほとんど崩れたことがない、非常に弱点の少ない中距離馬です

キンカメ産駒で二兎も三兎も追う配合をやると、ソルレヴァンテのようにコース馬場不問で2着を重ねる準オープン馬になってしまうのだろう…ということは下記エントリで書きましたが、ラブリーデイの場合は機動力と斬れの二兎を追った配合で、その両方を重賞レベルで兼備したなかなか稀有な例と言っていいでしょう

しかし「特化していない」ということは、レースレベルが上がるにつれ「どっちつかず」という弱点にもなりうる

レッツゴードンキの配合のいいところは、ナスキロとかHornbeamとか、柔らかくストライドを伸ばすような血をあまり増幅していない点で、Kingmambo≒ジェイドロバリーの必殺ニアリークロスにRobertoとSticky Case(HyperionとFair Trial)を絡め、またTom Foolを薄くクロスすることで、全体として機動力特化でまとめているところだろうと考えていて、スーパースローの桜花賞の逃げ切りは、Mahmoudさんに言わせると「先頭に立って差しの競馬をした」、私に言わせると「逃げて捲った」、機動力特化の勝利なのだと思うのです

ドゥラメンテのいいところは、Hornbeam≒パロクサイドにNureyevを絡めることで「HyperionとNasrullah(とNorthern Dancer)」的斬れでまとめている点で、全体としてしなやかにストライドを伸ばす方向に特化している点で、だからこの場合はRobertoやFair Trialを入れてピッチを上げたり掻き込んだりする必要は一切なかった

“機動力の兎”で走るレッツゴードンキが外回りの桜花賞を逃げ切り、“斬れの兎”で走るドゥラメンテが内回りの皐月賞をぶち抜いたというのは驚きの結果でしたが、それはつまり、究極に近いところまで特化した能力だからこそ、規格外の大仕事を成し遂げることができたのだという言い方もできるわけで、そこは特化することの大事さを噛みしめるべきではないかと思うのです

ケイアイエレガントは母がA.P.Indy産駒でSecretariat≒Sir Gaylord3×6、そして自身はNijinskyのクロスなので東京をストライドで走るタイプに出たのは順当なのですが、一方で母母父にRobertoが入るので小回りコースを上手いこと先行できる兎も追っかけていて、ここにRobertoがなかったら福島牝馬Sは勝てなかったでしょうがヴィクトリアマイルはギリギリ逃げ切れたかもしれません

宝塚の予習はこんなもんで、今日は昼飯食ったらビッグレッド系クラブの一口ピックに取りかかり、夜はMahmoudさんとのラッ血対談をという一日

ソルレヴァンテの欲深い配合から学ぶべきこと
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/ce6d87c64420ea2b684a30e0a44f1e33

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6/20,21の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-06-22 10:03:05 | 共有クラブ

■『ディープインパクト好配合馬リスト(2015)』で栗山求と望田潤がダブル推奨したプロディガルサン(牡2歳)が土曜東京5R新馬戦(芝1600m)を勝ちました。

◎プロディガルサン(牡・母ラヴズオンリーミー)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106128/
セレクトセール1歳で落札価格1億8000万円。全兄ラングレー(毎日杯-4着)、リアルスティール(共同通信杯、皐月賞-2着)に続き3年連続の指名。デビュー時の馬体重はラングレーが480kg、リアルスティールは498kg。後者のほうが器は上なので、ドナブリーニやクロウキャニオン産駒にも見られる「同性の全きょうだいは大きく出たほうが大物」という法則に当てはまる。本馬がどの程度の馬体重なのかは分からないが、大きく出ているようなら期待大。「ディープインパクト×Storm Cat」はキズナ、アユサン、ラキシスなどを出しているニックス。2代母MonevassiaはKingmamboの全妹で、3代母Miesqueは80年代の世界最強マイラーという世界レベルの良血は魅力的だ。母方の奥は底力あふれる血で構成され、とくにFlower Bowlが入るのがいい。こうした血は「ディープインパクト×Storm Cat」を活かすのに必要だ。(栗山)

○プロディガルサン(牡、母ラヴズオンリーミー)
リアルスティールやラングレーの全弟で、母母MonevassiaはKingmamboの全妹。Monevassiaの産駒に欧2歳牝馬チャンピオンのRumplestiltskinがいる。ディープ×Storm Catだが母母にWar RelicやEight Thirtyが入らないので柔らかく緩くなりすぎる心配があるが、Monevassiaが持つNashua≒Nantallah3×5のパワーでそこを補った配合といえる。名牝系に名血が重ねられて、血統表のどこにもキズがない。(望田)

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2014)』で望田潤が取り上げたマイネルボールド(牡2歳)が土曜阪神1Rの2歳未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がりました。

★ラフィアンターフマンクラブ
父ディープスカイ
母ウエスタンアイル(Gone West)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013102152/
牡 募集価格:1600万円
ディープスカイ産駒はここまで中央に63頭が出走し12頭が勝ち馬。この結果はやや期待外れというべきでしょうが、Gone West牝馬との配合では出走3頭中2頭が勝ち馬となっており、この組み合わせはSecretariat4×4になるのがポイントでしょう。Secretariat≒Sir Gaylordのクロスをもつディープスカイ産駒は22頭出走し7頭が勝ち馬と確率は上がります(最も賞金を稼いでいるフジインザスカイも母父ジョリーズヘイローでHalo4×3、Secretariat≒Sir Gaylord5×5)。本馬はSecretariat5×4の他にもHalo4×4、Northern Dancer5×5、Cornish Prince5×6、Raja Baba≒スチューペンダス5×7、Twosy=Two Lea7・8×6、Lea Lane≒Shama7×6、Tudor Minstrel7×6、Alycidon7×7という凝った父母相似配合になっていて、母母Miss Lindaは亜オークス馬という裏付けもあり、またGone Westの影響も強いマイラー寄りの体型とSecretariatのクロスの影響が感じられる柔らかな体質で、芝1600~2000mで楽しめそうな馬ではないかとみます。(望田)

■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2013)』で栗山求が取り上げたマイネルライヒ(牡3歳)が日曜函館1R3歳未勝利戦(ダ1700m)を勝ち上がりました。

★ラフィアンターフマンクラブ
父エンパイアメーカー
母パピオンライン(タイキシャトル)
牡 募集価格:1600万円
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012102698/
父エンパイアメーカーはA.P.Indyと相性がよく、Royal Delta(米3歳&古牝馬チャンピオン)、Bodemeister(米G1アーカンソーダービー)、Emollient(米G1アメリカンオークス、米G1アシュランドS)、オールドパサデナ(準OP)などの活躍馬が出ています。もともと Seattle Slew、Secretariat と相性がいいので、両者が結びついた A.P.Indy とも好相性を示しています。本馬はこのパターン。2代母ヒットザボードは Secretariat≒Sir Gaylord 3・5×4で、母の父タイキシャトルにはそれらとよく似た構成のForeseerが入るので、芝がまったくダメということはないと思います。芝・ダート兼用のマイラーでしょう。(栗山)

■『ディープインパクト好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したミッキージョイ(牡3歳)が日曜東京3R3歳未勝利戦(ダ1600m)を勝ちました。

○ミッキージョイ(牡、母ルドラ)
Saddex(独G1ラインラントポカル)の甥で、スピニングワールドやアルデバランなども近親。母ルドラはNorthern DancerとSir IvorとNever BendとKlaironを4~5代でクロスする父母相似配合で、Cape Crossのパワーマイラー的な資質を強く伝える繁殖だ。兄ミッキールドラ(父ダイワメジャー)は少しパワーが勝ちすぎてダートで勝ち上がったが、父ディープのほうがバランスが良い配合だ。
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012103711/

■土曜阪神12R500万下 ドラゴンストリート(ディープ・栗山)
■日曜函館7R500万下 カンデラ(POG・望田)
■日曜函館8R500万下 マイネルエスパス(一口・望田&栗山)
■日曜阪神9R小豆島特別 ダノンムーン(ディープ・栗山)
■日曜阪神11R米子S スマートレイアー(ディープ・望田)
■日曜東京12R500万下 ロジチャリス(POG・望田)

プロディガルサン(これまたオッサンがスペルミス連発しそうな馬名なのでさっそく「ps」で単語登録)は直線半ばでまた左手前に替えて、ちょっとモタれながら走ってましたがまずは着差以上の楽勝

体型は全兄2頭とわりと似ていて、そのあたりはラヴズオンリーミーは自己主張が強いのでしょうが、デビュー時の比較でいうとリアルスティールよりラングレーに近い体質かなあ…と

そしてこの体型骨格ならば、もっとパワーでグイグイッと加速できるような体質になってほしいかなあ…という第一印象でした

2歳~3歳時は緩かったので長いところをこなしましたが、古馬になって体質が頑強になってビュンと加速できるようになると距離がもたなくなってきた…というのがラングレーの最近のスランプではないかと思っているのです(サトノアラジンもマイル路線を歩むようですが、ますますパワー加速になってきた今は長距離を走るのはシンドイでしょう)

プロディガルサンも現時点で緩いのはたしかで、それがいつ頑強になってくるのか、3歳春でも緩いままならば、ラングレーやサトノアラジンのような軌跡を描く可能性も高いのではないかと

Sir Gaylord(≒Secretariat)クロスのディープ産駒は柔らかいのは間違いないんですが、柔らかすぎて3歳春でも緩いままだと「ようこそエプソムCへ」

この血統ですから、POGの本命人気ですから、それぐらいハイレベルな目線での注文になるのは当然ですな

コメント (18)
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