栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

萩Sの先行ボツ予想

2014-10-31 21:44:06 | 血統予想

萩Sはガッチリ人気どおりでしょうが、◎ポルトドートウィユ○スティーグリッツ△マサハヤドリーム

ポルトは外々を回して、ようやくスピードに乗りきってフォームが最大限になったところがもうゴールという前走圧勝で、まあ超スローだと踏み遅れがちょっと怖いのは怖いんですが、ふつうに考えて京都外1800mならばもっともっとパフォーマンスは上がるはず

スティーグリッツは「母が非Northern Dancerクロスで、自身はTom Foolいじり」というハービンジャー教科書配合で機動力があるタイプ、デビュー戦も超スローを抜け出すときの反応が一頭だけ違っていて、ヨーイドンの反応ならポルトを凌ぐものがあります

マサハヤドリームも母父アグネスタキオンで、タキオンはNorthern Dancerを引かないので母父に置いておくと、ハービンやサムソンやキンカメやクロフネやヨハネスの“Northern Dancer薄め”に使い勝手がいいのです
この馬は母ランペイアが強くて、京都の高速馬場で軽く斬れるタイプですね

他のボツ予想は明朝に、「No.1予想」ではアルテミスSを、「馬券総合倶楽部」ではアルテミスSとスワンSを予想していますので、そちらもよろしくお願いします

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「一口好配合」ロードから栗山が3頭、望田が2頭ピック

2014-10-31 21:22:15 | 共有クラブ

「一口馬主好配合馬ピックアップ(2014)」本日ロードレーシングクラブから栗山求が3頭、望田潤が2頭ピックしました
他に1頭気になる馬がいてるんですが、これはしばらく様子見できそうなので様子見させてもらいます(・∀・)

これで現在、キャロット(9)、シルク(7)、ラフィアン(7)、東サラ(6)、ウイン(5)、ロード(5)、ユニオン(4)、グリーン(2)、ターファイト(1)、ノルマンディー(1)、友駿(1)の計48頭をピックしています

栗山求・望田潤の「一口馬主好配合馬ピックアップ(2014-2015)」が今年もスタート!
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/91ee59d9a34fc4535de14253cf34837f

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

競馬道OnLine G1スペシャル予想~天皇賞

2014-10-31 16:01:33 | お知らせ

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典2014-2015』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この秋もスプリンターズS~有馬記念まで栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想します
今週の天皇賞は栗山求の担当で、有力馬3頭の血統分析と直前予想を行います
有力馬血統分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できますので、よろしければご覧ください
http://www.keibado.ne.jp/sp2014/

話は変わって、第5回さっさん会(秋)[ローカルG1、北新地駅から240m、牡30歳以上]が来週開催されますが、今回は過去の参加者がほぼフル参加で8枠まで埋まってしまいましたので、残念ながら新規参加はなしということで…また次回は新しい方をお呼びしたいと思ってるんですが

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「血統クリニック」天皇賞をアップ&今週の新馬戦

2014-10-30 16:53:34 | 血統クリニック

土曜京都5Rレッドベルダ(デ)
日曜東京5Rアフェットゥオーソ(パ)
デ…「ディープインパクト好配合リスト」 パ…「パーフェクト種牡馬辞典 POG推奨」

先ほど「血統クリニック」天皇賞をアップしました、今週もよろしくお願いします
予報だと東京は土曜から日曜にかけて雨ですね~
雨予報と逃げ馬不在、予想のとっかかりとしてはこれがまずポイントじゃないかと

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「2歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新&雑感

2014-10-28 20:51:11 | POG

先ほど「望田潤の2歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新しました~

CMで流れてる08年秋天は、ストライドで斬れるウオッカとディープスカイ、ピッチで斬れるカンパニー、そしてピッチで粘るダイワスカーレットの叩き合い
あれをみると、負けて強しすぎるダスカをみると、やっぱり秋天はHyperionやなあ~と思います
ただしHyperionが光り輝くのは、ウオッカの年もトーセンジョーダンの年もジャスタウェイの年も、いずれも緩みないペースの持続戦なんですね

サトノクラウンはセレクトセールの取材のときから注目していた馬ですが、改めて配合と実馬をすり合わせてみた印象は「胴伸びがあって緩やか加速のキングヘイロー」というイメージですかね~
チェヴァリーパークS(英G1・芝6F)のLightening Pearlの全弟で、母はクロスがうるさすぎるぐらいで自己主張が強く相手種牡馬を選ぶタイプですが、Marju(自身はPrincequillo5×4ぐらいの薄いクロス)との配合だと緊張→緩和のリズムがなかなか最高

京都芝は毎週レコードが出る超速馬場で、菊花賞を見てのとおり多頭数で外を回らされるとほぼアウトで、自ずと先行押し切りか好位イン差しが勝ちパターンに
特に内回りコースは土曜4Rダイワプロパー(Halo3×4、1枠2番、通過順7-7)、日曜2Rニューエディション(Halo4×5、5枠7番、5-5)、壬生アットウィル(Halo4×4、1枠2番、4-4)と、軽く無駄のない脚捌きで走るHaloクロス馬が、内枠を引いて好位インで立ち回ればまず勝ち負け…という状況でした
だから日曜3Rの内マイルをインベタ3番手から抜け出したヴェルステルキング(母がHalo3×4、3枠6番)も、120%勝ちパターンやったのです
それを大外捲りでバキューンと差し切ってしまったのは、まだまだ緩く未完成なオルフェーヴルの全弟でした

あとこれはもう蛇足でしょうが、今開催の京都芝で1~3枠を引いたときの岩田は[3.4.1.3]で複勝率73%、でも複回値86円で100には満たないのですから、内枠の岩田はみなさん喜んで買っておられるようでやっぱり蛇足でしたね

室町はダッシャーワン、メイショウノーベルと母父Miswakiのワンツーで、しかも3着タイセイファントムは母母父がMiswakiでした
この3頭、Haloの血を併せ持つことも共通していて、このようにMiswakiとHaloを併せ持つ馬の主要4場ダートの成績を出してみると

東京ダ[14.11.11.188]11.2%
中山ダ[16.13.19.206]11.4%
京都ダ[25.17.16.210]15.7%
阪神ダ[16.17.15.179]14.5%

「Miswaki×Halo」はこれからも京都ダで買い…ということで

コメント (13)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

10/25,26の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2014-10-27 11:22:11 | POG

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で推奨したアッシュゴールド(牡2歳)が日曜京都3Rの未勝利戦(芝1600m)を勝ちました。

◎アッシュゴールド(牡、母オリエンタルアート)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104061/
言わずと知れたドリームジャーニー、オルフェーヴル、リヤンドファミユの全弟。きょうだいの中では最もノーザンテースト4×3の影響が強いというか、ノーザンテースト的な体型体質が強いように見え、タイプとしてはオルフェーヴルというよりドリームジャーニーか。母父メジロマックイーンの黄金配合でかつノーザンテースト4×3、牡馬ならばまず期待を裏切ることはないでしょう。

■土曜京都7R500万下 ゼウスバローズ(ディープ・望田&栗山)
■土曜東京11R富士S3着 レッドアリオン(一口・望田)
■日曜東京8R1000万下 ラングレー(ディープ・栗山)
■日曜福島12R小峰城特別 ヴァンセンヌ(ディープ・望田)

--------

パドックで見た生アッシュゴールドはまだ緩さが残る現状も、超インベタ馬場を後方から外に出してバキューンと差し切り、やっぱりタダモノではないですが、兄たちと比較してもノーザンテースト4×3の影響が強い体型にみえるので、この先パンとしてきてどういうタイプに完成するのか興味津々です

ゼウスバローズは最内にねじ込んだという岩田の神騎乗でしたが、そんな岩田でも菊花賞後は「内に入れられませんでした」と悔しがっていたように、レースは生き物、なかなかみんながみんな思いどおりにはいかんです

コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第75回菊花賞回顧~お手馬で下る坂

2014-10-27 10:53:26 | 血統予想

京都11R 菊花賞
◎15.ワンアンドオンリー
○9.ハギノハイブリッド
▲5.シャンパーニュ
△4.サウンズオブアース
ワンアンドオンリーの神戸新聞杯は次をにらんでダービーのように出しては行かず、しかし追い込むのではなく3角すぎの下りを利してのロングスパート、ゴール前はかなり際どい叩き合いになったものの、叩き合いで二枚腰を見せたという点ではローズSのヌーヴォレコルトと似た勝ち方だった。アタマ差の辛勝だったが、菊花賞の前に鞍上がやっておきたいことをやっておけたという意味では、トライアルとしては満点に近い内容だったといえるのではないか。トップスピードに乗るまでに少し時間がかかる脚質だからここも下りからのロンスパでいいだろうし、そのあたりの仕掛けのタイミングについては、淀の長丁場を熟知している鞍上に任せておけば心配無用だろう。2000~2400mベストでステイヤーではないが、エピファネイアだってゴールドシップだってオルフェーヴルだってステイヤーではない。ハギノハイブリッドは近親のフローテーション(菊花賞2着)や同じタニノギムレット産駒のクレスコグランド(京都新聞杯)とイメージが重なるようなロベルト系ステイヤーで、春から菊で狙いたいと書いてきた馬。シャンパーニュは今回は行ければハナと言っているので、ここでもマークしたい。

--------

9R壬生特別がアリュージョンとエーシンアムディーの行った行ったで決まりそうなところを、その直後のラチ沿いにいた1枠2番アットウィルが差し切り、私の◎キタサンラブコールは外から凄い脚で伸びて届かず4着、ガックリと肩を落としながら「毎年菊花賞はこんな馬場やなあ…」

しかし毎年そんな馬場でも、菊だけは強い馬がロンスパで抜け出して、外差しも決まり持続力も問われるレースになるのだ…という根拠のない過信があって、馬券は予定どおりにワンアンドオンリーから買ってました

ワンアンドオンリーは前にトゥザワールドを見ながら中団、馬群の4頭外をずっと回りつづけ、それをマークして進んだ岩田ヴォルシェーブや福永ハギノハイブリッドやブドーのワールドインパクトらが同じような着順で入線していることからも(9~12着)、ノリの周りにいた馬たち、外を回った馬たちにはノーチャンスのゲームだったといえるでしょう(余談ですが、ブドーってフランス人らしく本命馬をマークして乗るのが好きですね)

対照的に1枠2番トーホウジャッカルは出たなりで好位のラチ沿いを進み、その直後に2枠4番サウンズオブアース、その直後のラチ沿いに潜り込んだのが4着のタガノグランパでした

1000m毎のラップが60.9-61.3-58.8、馬場が速すぎるのでこのペースでも馬群はバラけず隊列が変わらないままで、そのためずっと内を回りつづけた組とずっと外を回りつづけた組との有利不利がより着順に反映されたという面もあったかも

けっきょく7着までは全て内を回ってきた馬、8着トーセンスターダムは前半はインベタで2周目3角から外へ、つまり「ずっと外を回った組」の中ではワンアンドオンリーは最先着ということで、皮肉でも何でもなくダービー馬の貫禄は見せた結果ではあったし、こうなると別のレースが同時に二つ行われていたという印象すらあります

でも大跳びで小回りがきかず引っかかるとノリでもなだめるのに苦労するワンアンドオンリーとしては、ダービーのようにかかるのを承知で出していくわけにはいかないし、かといって大本命馬がサトノアラジンやトーセンスターダムのようにわざとゆっくり出してケツまで下げてインに潜り込むというバクチは打てないし、実際アラジンは直線で不利を受けてしまいました

「菊花賞の前に鞍上がやっておきたいことをやっておけた」のではなく、この引き出ししかなかった時点で、超速京都の外枠を克服するのは難しかったというべきで、「負けるとしたらこういう形だと思っていた」というノリのコメントはそのへん全部含んでのものやと思います

他の有力馬がみんな外差しに回ったのを尻目に、一頭だけラチ沿いを絶妙に立ち回った春天のフェノーメノが思い起こされるレースで、京都の芝はあまりにも時計が速くなりすぎて良馬場だと外を回って持続力でねじ伏せるというような競馬はちょっと不可能に近く、1200mだろうが3200mだろうが好位のインで立ち回れる機動力が必須になってきたと言えるのかもしれません

たとえ昨年の京都大賞典のように和田が動いて残り1200mからのロンスパ戦になっても、やっぱり外を回って勝ちにいったゴルシとトーセンラーは最後伸びあぐみ、インでジッとしていたヒットザターゲットとアンコイルドで決まって馬連1-2

各馬の血統については「血統クリニック」再掲を読んでいただきたいですが、トーホウジャッカルは「サンデー×ミスプロ的にしなやかなフサイチパンドラ」というイメージで書いていて、ビュンと速い脚を使うというよりは持続力に富んだ中距離馬というのが私の見立て

Unbridled(米二冠とBCクラシック)は牝祖MagicがBusanda≒Better Self2×2、自身はAspidistra4×4で、しかも母父にフランス血脈Le Fabuleuxが1/4異系で入るという名血名配合で、ミスプロ系最強の中距離の底力を誇る血です

Unbridled's Song(BCジュヴェナイル)はそこにCaroとPrincequilloが入ったのでCozzene的な平坦芝向きの柔らかさ軽さも伝え、ダコール(母がUnbridled's Songの全妹)やLittle Mike(BCターフ,父はUnbridled's Songの全弟)が斬れるというよりは前輪駆動で転がり込むように流れ込んでくる脚は実にUnbridled's Song的

トーホウジャッカルも前捌きがきれいで、今日も下りからの加速が実にスムーズだったのはこの血の恩恵が大きかったというべきで、スペシャルウィークとNureyevだけではあんなふうには下れないだろうと思います

ワンアンドオンリーが外を回され、サウンズオブアースは明らかにトモがパンとして春よりHyperion的な体質脚質になってきたので、となると阪神→京都に替っていちばん上積みがあったのが神戸新聞3着馬だったと

それにしても驚いたのは、たしかに神戸新聞のトーホウジャッカルは直線で少しロスがあったとはいえ、トライアル2着馬が調教師の息子を降ろして蛯名を配してきて、一方の3着馬は菊花賞初騎乗の酒井学、しかし(単勝人気は例の前売りガツンがあったとはいえ)馬連もワイドも2-15のほうが4-15より売れていたというのは、みなさん馬券が上手というか見てる人は見てるんやなあ~と感心せざるをえないです

終わってみればすべて1枠2番が勝った2014年のクラシック三冠でしたが、イスラボニータと蛯名、ワンアンドオンリーとノリ、そしてトーホウジャッカルと酒井学、いずれも「お手馬」と言っていいコンビ

達者な外国人騎手が次々と来日しトップクラスの馬に乗り替わるのが日常茶飯事になり、そりゃルメールやスミヨンは癖馬をテン乗りで涼しい顔で御してみせますが、だからこそトーホウジャッカル酒井学とか、スノードラゴン大野とか、いわゆる中堅クラスとされる乗り役さんは、この馬を一番理解しているのは俺なんだ、というところで勝負していくしかないんじゃないかと思います

トーホウジャッカルの3人気は、ニホンピロアワーズやハクサンムーンとずっとコンビを組んでついにG1級に完成させた、鞍上への信頼も含まれていたのかもしれません

コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「血統クリニック」菊花賞再掲

2014-10-27 09:07:51 | 血統クリニック

昨夜は寝不足なのに飲みすぎてさっき起きました…これから回顧書きますが、まずは血クリ再掲
しかし今年も菊花賞デーにブログのアクセス記録更新で、やっぱり菊は血統というのが未だにあるんやなあ…と

ワンアンドオンリー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105072/
ノーリーズンやグレイトジャーニーの近親で、母母サンタムールはGreen Desertと3/4同血で、その母アンブロジンはトワイニングと3/4同血。Courtly Deeにさかのぼるおなじみの名牝系だ。母がNorthern Dancer3×5で自身はHalo3×4、母系にDanzigとミスタープロスペクターとSpecialと「War AdmiralとLa Troienne」が入るのでヌーヴォレコルトと似た配合パターンになっていて、できるだけ近い世代にニアリークロスや組み合わせのクロス生じさせることで、晩成型の多いハーツクライ産駒を3歳春に完成に近づけようとした配合といえる。(ここまで神戸新聞とほぼ同文)
母はタイキシャトル×Danzigらしいマイラーだったが、この馬は父の若いころに似た細身で長手の体型。ダービーはノリが勝負を賭けて引っかかるのを覚悟で出していって、実際かかり気味ではあったがでも前で受けたぶんと距離適性のぶん、そして東京で伸び伸びとストライドを伸ばして走れたぶん、イスラボニータについに雪辱したというレースだった。神戸新聞は本番を控えてダービーのように出しては行かず、しかし追い込むのではなく3角すぎからのロングスパート。ゴール前はかなり接戦になったが、先頭に立ってからの「抜かせない強さ」を見せたという点ではローズのヌーヴォレコルトと似た勝ち方で、やはりハーツ産駒が成長し完成するというのは、Hyperion的が発現してくるというのとニアリーイコールなのだ、ということを再認識させる勝ち方でもあったと思う。着差的には辛勝だったが、菊花賞の前にノリがやっておきたいことをやっておけたという意味では、トライアルとしては満点に近い勝ち方だったといえるのではないか。トップスピードに乗るまでに少し時間がかかる脚質だからここも下りからのロングスパートでいいだろうし、タイプこそ違えエピファネイアもゴールドシップも下りからのロンスパで菊を制したわけで、そのあたりの仕掛けのタイミングについてはノリに任せておけば心配無用だろう。2000~2400mベストでステイヤーではないが、エピファだってゴルシだってオルフェだってステイヤーではない。

ハギノハイブリッド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104344/
サイレントメロディの甥で、母母サイレントハピネスはローズS勝ち馬で、その全妹に阪神JFのスティンガーがいる。タニノギムレット×トニービンはクリスタルパレスとKalamounを通じる「Grey SovereignとPrince Bio」の組み合わせのクロスになるが、本馬以外に目立った活躍馬は出ていない。牝祖Real DelightはBull Lea×Blue LarkspurだからRobertoの母母Rareleaと3/4同血で、本馬はHail to Reason4×5とRarelea≒Real Delight5×7によりRoberto血脈を増幅していて、飛節のつくりなどはRoberto的Bull Lea的だが、決してパワー型とか力馬というイメージの馬ではない。母母サイレントハピネスがHalo≒Chieftain2×4、母父トニービンがHyperion5×3・5、そこにGraustark3×4のタニノギムレットが配されて、近親の菊2着フローテーション(スペシャルウィーク×リアルシャダイ×レガシーオブストレングス)や同じタニノギムレット産駒の京都新聞杯勝ち馬クレスコグランド(タニノギムレット×サンデーサイレンス)とイメージが重なるようなRoberto的ステイヤーにみえる。京都新聞杯も鋭く斬れたというよりは持続力でジワジワ抜け出してきたという勝ち方で、菊花賞で狙ってみたくなる馬だ(ここまでダービーや神戸新聞とほぼ同文)。
神戸新聞は内にいたのでロンスパ外差し合戦に乗り遅れてしまい、やむなく馬場の荒れたインを突いたが休み明けとしてはまずまずの内容だった。折り合いはいつもスムーズで、無駄のない燃費のいいフォームでトボトボと走る姿がいかにもステイヤー然としていて、ステイヤーだから休み明けは動かないだろうという予感もあった。松国師のオーダーは「下りからのロンスパで」、祐一がそう乗ってくるかはわからないが、折り合いに気を使うことなく動かしていける馬であることは前走で把握しているはず。ここは予定どおり◎級の印。

シャンパーニュ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104477/
名牝ファビラスラフインの孫で、ギュスターヴクライの甥でブレイズアトレイルのイトコ。Fabulous Dancer4×3、Kaldoun3×4という大胆なクロスの父母相似配合でもある。梅花賞の追い比べで惜敗した後にバルジューが「怖がって馬の間に入っていかない」とコメントしていたが、チチカス産駒らしいAureole魂を受け継いだスタミナ寄りステイヤー寄りの中距離馬で、ベストパフォは逃げてサトノアラジンを寄せつけなかったゆきやなぎ賞。阿寒湖ではハナは切れなかったが少頭数で揉まれず外々を捲るというセカンドベストな競馬を岩田が選択し、あの形でもギリギリ勝ちきったのは収穫だった。TVhも同じパターンで外から捲りにかかったが、2000mで淀みのないペースでは追走に余裕がなく捲りきれずに4角一杯。(ここまで神戸新聞と同じ)
神戸新聞は行ききれず外にも出せずイン好位、終始周りに馬がいるという最悪の形で、おまけに外差し決着で見せ場もなかった。神戸新聞で先行した馬たちは出てこないが、セントライトで逃げたサングラスはこの枠ならばある程度主張してくるだろう。となると番手で揉まれず、4角でサングラスがバテて早め先頭に躍り出る、というのが現実的な理想形か。その形になったならば、バンデのような粘り腰を発揮して不思議ない馬なのだが…。

サウンズオブアース
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104377/
ブルーグラスS(米G1・AW9F)のDominican(父El Corredor)の半弟。母ファーストバイオリンはChris Evertにさかのぼる名牝系で、Dixieland Band×Secretariat×Hoist the Flagと母系に入っていい種牡馬が代々配されており、繁殖牝馬としてはなかなか期待大の血脈構成をしている。Gone West系El Corredorとの間に中距離のG1馬を産んだということは、ファーストバイオリンの繁殖牝馬としての地力の証明でもあるだろう。
ネオユニ×Dixieland Bandだからパワーと粘りに富んだ血統。一方でSecretariatからナスキロ柔い体質も受け継いでいてパワー粘着型に特化できず、春はミカエルビスティーのような何とも煮え切らないストライドで差していた。しかしDixieland Bandはデルタブルース、レッドリヴェール、アメリカンボス、フミノイマージン、アクシオン、イジゲン、ブラックバースピン、バーバラ、ダノンゴールド、アポロノサトリなどの母父で、母Mississippi MudがAlibhai3×4で自身はHyperion4×5・5・6だから成長力と持続力とパワーに定評がある血だ。神戸新聞の鋭いというよりはしぶとい伸びにはひと夏越しての成長が顕著で、特に腰回りが春よりも逞しくなってフォームにブレがなくなった印象。とはいえ神戸新聞はいったん少し出たところをグイッと差し返されて、さすがにダービー馬の格が一枚上と認めざるをえない2着ではあった。ネオユニ産駒としてはデスペラードあたりに近いタイプに完成しそうで距離延長もOKだろう。Dixieland BandのHyperionが発現してきた今は京都よりは阪神のほうがしぶとさが活きそうな感はあり、ここはあまり末脚の斬れで差そうとせず、トライアルよりも前で運ぶような意識があれば食い下がれるのでは。

タガノグランパ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105005/
タガノテイオーの近親で、キングカメハメハ×スペシャルウィークはクラリティシチーと同じ。母父がサンデー系でクロスがNorthern DancerとMill Reefだからローズキングダム的なアウトラインでもあり体質はナスキロ柔い。母タガノグラマラス同様この馬も外回りベターで1800mベストだろうと書いてきたが、ダービーやセントライトの好走をみるとどうやら“Blushing Groom風味のローズキングダム”という見立てでよさそうだ。
父がキンカメで母もNorthern Dancerクロスという配合はあまり感心しないし成功率も高くないが、フィフスペトルやショウリュウムーンやラブリーデイなどNijinskyクロスに累進すると時々上手くいくことがあるのは事実。ローキンは追いこんでビッグウィークを捕まえきれなかったが、この馬は前で受けられるのが強みでここも菱田くんは前で受けてくるだろう。ステイヤーではないが、京都外回りならばまたトゥザワールドに先着の可能性は高いとみる。

ヴォルシェーブ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103789/
リルダヴァルの3/4弟で、母母はディープインパクトなどを産んだ名繁殖ウインドインハーヘア。「ネオユニヴァース×ウインドインハーヘア牝系」の組み合わせは、Halo≒Sir Ivorのニアリークロスと同時に、ポインテッドパスとBurghclereのところでCrepelloやHyperionやFair TrialやWild Riskなど重厚な欧血をクロスする。この組み合わせには他にトーセンソレイユ=モンドシャルナ姉弟などがいるが、どちらも馬格のなさに泣いている現状(ネオユニらしく捲るにはある程度の馬格が必要)と比較すると、本馬は母父にサンダーガルチのパワーが入ることと母がNorthern Dancerのクロスを持つことで、上記2頭より馬格に恵まれたのは大きい。(ここまで神戸新聞と同じ)
あまり父には似ておらず、リルダヴァルが胴も脚も長くなったようなイメージで、この伸びのある体躯を活かして東京で追い込んで勝ってきたが、神戸新聞は直線追い出してからの加速で上位陣に置いていかれた。さすがにオープンまでくると、後方からまとめて差し切るには鋭さが足りない。Hyperion的な粘着力はある馬だから、岩田なら今度は前々で運んできそうな薄気味悪さは少なからずあるが、でもソコソコ穴人気になりそうなので…。

トーホウジャッカル
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011100482/
トーホウアマポーラの3/4弟で、Quiet AmericanやFappianoやオジジアンなどが出るファミリー。母父Unbridled's SongはFappianoの父系なので、母トーホウガイアはCequillo6×4の牝馬クロスを持つ。姉はフジキセキのIn Reality的な側面が強く出たスプリンターだが、こちらはわりとNureyevが強くフサイチパンドラをサンデー×ミスプロ的に柔緩慢にしたような中距離馬。緩慢なストライドは外回り向きだが、良馬場でオープン馬を相手にするとちょっと鋭さが足りない印象…と神戸新聞では書いた。
その神戸新聞は上がりのかかる持続戦になったのもよかったのだろうが、直線で立て直しながら1,2着馬に迫ったしぶとい末脚は光った。とはいえ「しぶとい」と「距離延びていい」は必ずしもイコールではない。母父Unbridled's Songは芝2200m以上で[0.1.2.18]、賞金上位はトーホウアマポーラ、エーシントップ、サイレントソニック、クリーンエコロジー、アカンサス、バンドワゴン。そしてあのしぶとさは京都より阪神向きのイメージでもあるだろう。菊は高速馬場でもロンスパ戦でわりと上がりのかかる決着になりがちだから、ここもしぶとさで食い下がれる余地はあると思うが、神戸新聞よりは多少パフォーマンスは落ちるのではないか、という読みでいってみたい。

ワールドインパクト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104051/
ダノンジェラート、ロジプリンセスの全弟で、母ペンカナプリンセスはフレッドダーリンS(英G3・芝7F)に勝ち愛1000ギニー2着。そこへディープインパクトで、AlzaoとShareef Dancerを通じるNorthern DancerとSir IvorのクロスにCozzeneからもSir Gaylordが重ねられて体質はナスキロ柔く、一方でLyphard4×5にBusted~CrepelloやBurghclere≒AureoleやCourt Martialのクロスでウインドインハーヘアのスタミナもシッカリ押さえて粘着力にも富む配合といえる。ナスキロ柔く斬れて差レースもできるし、ハイインロー的粘りで先行踏ん張るレースもできるし、どちらもできるのだがどちらにも特化しきれないのがディープ×ペンカナプリンセスの難しいところと言えるのかもしれない。
現状は東京や外回りがベターで、青葉のように直線先頭か大寒桜のように大外一気か、いずれにしてもあまり馬群の中に長くいるのはよくないと思う。テン乗りのブドーがそのあたりを理解して乗ってくるかどうかもポイントといえそうだ。

ゴールドアクター
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105266/
牝祖トサクインの産駒に神戸新聞杯のホウシュウリッチがいるが、近親には目立った活躍馬はいない。父スクリーンヒーローはNorthern Dancer4×4とHail to Reason4×4を持つので思った以上に早期から動く産駒を出している。本馬は母父キョウワアリシバがNative Dancer4×4、母母父マナードがPharos=Fairway5・5・5×5・6で、しかし母ヘイロンシンは強いクロスを持たないので、緊張と緩和のリズムに優れた配合ということができる。父スクリーンヒーローと似た歩みというか、着実な成長を遂げてここに駒を進めてきた。
母父キョウワアリシバのベストパフォは朝日CC(阪神内2000m,通過順位3-3-2-2)3着で、準オープン勝ちが旧中京芝1700mを5-4-3-1、Alydar系らしい捲り脚質の中距離馬だった。その父Alysheba(ケンタッキーダービー,BCクラシック)はAlydarよりもスタミナに寄っていて、Alyshebaを母父とする馬の賞金獲得ベスト3の顔ぶれ(エアエミネム、アラバンサ、ウイングランツ)を見てもそれは実感できる。キョウワアリシバは長い距離を走ったのは生涯一度だけで、それが94年松前特別(900万下)、札幌2600mで2着を10馬身ちぎる爆勝だった。だからゴールドアクターが札幌2600mで水を得た魚のように走っている姿には、スクリーンヒーローよりもキョウワアリシバの面影のほうを重ねやすい。長丁場でバテたことはない馬だが、青葉賞はショウナンラグーンやワールドインパクトに斬れ負けという4着だった。Alyshebaを母系に持つ馬の芝連対率は阪神内18%、東京14%、中山13%、阪神外13%。京都内12%、京都外8%。京都外が最も悪く阪神内が最も良いが、これはパワーとスタミナに富むが斬れ味一息という特徴を浮き出させているといえよう。エアエミネムはマンハッタンカフェの勝った菊で好位から抜け出しかかったが3着だった。ここもバテることはないはずで先行して見せ場はつくるだろう。でもやっぱり京都の高速馬場では、上がりがかかっても掲示板の端っこぐらいかなあ…。

ショウナンラグーン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102893/
母母メジロドーベルはオークスと秋華賞とエリザベス女王杯勝ちで、その父メジロライアンはHyperion5・6×5・5、母メジロビューティーはPerfume≒Nasrullah4×4・5。そこにHalo≒Boldnesian2×4のマンハッタンカフェが配され、Nasrullah≒Royal Charger5・5×5であまり強いクロスをもたないシンボリクリスエスが配されて、ショウナンラグーン自身はHail to Reason4×5、Boldnesian6×6など緩い父母相似配合になっている。(ここまでダービーと同文)
シンボリクリスエス×マンハッタンカフェでSeattle SlewとLaw Societyを通じるBoldnesianとPrincequilloとWar Admiralのクロス。父と母父を足して割ったような体型で、ショウナンマイティを少し硬質にしたような斬れで東京の直線を追い込んでくる。体型的にもストライドを伸ばして走りたいタイプなのだろうが、マンカフェ譲りの体質の硬さも少し出ているのでG1級をズバッと差し切るほどの斬れ味はない、というのは辛すぎる評価か。長丁場の持続戦で末脚が映えるタイプなのかどうかだが、後ろから追い込むだけでは幸運が転がり込んでくることはなさそうだ。

トゥザワールド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103975/
トゥザグローリーの全弟で、母トゥザヴィクトリーはエリザベス女王杯に勝ちドバイワールドC2着。キングカメハメハ×サンデーサイレンスは様々なタイプが出るオールラウンドな配合だけに、母母のところに何があって、何がクロスされて何がONになっているかが仕分けのポイントだ。母母のところでMill Reefをクロスすればローズキングダムになるし、Alibhai×Mahmoudをクロスすればソリタリーキングになるし、Hornbeamをクロスすればミッキードリームになる。本馬はNureyev4×3のクロスにSharpen UpからTudor Minstrel(HyperionとLady Juror)が絡み、コディーノ(Special≒ポッセのニアリークロス)にHyperionを追加でトッピングしたような粘着力+機動力の脚質になったのは順当だろう。皐月も弥生もセントライトも持ち味を発揮したレースだったといえる。
ダービーの直前にブログ「配合に素直な前チャンピオンサイアー(4)~東京G1で好走したキンカメ産駒は、みなナスキロのクロスだった(2)」で、配合に素直なキンカメ産駒が東京や外回りのG1で好走するにはラストタイクーンのナスキロ柔さをONにする必要があり、しかしトゥザワールドは母母にナスキロ血脈もトニービンも入らないことがダービーでは不安点だと書いた。そしてダービーでは皐月のように出していかず、何となく差しに回ってしまったというレース運びで、直線は外から脚を伸ばしたがゴール前では左手前に替えて失速気味。しかも先着したのがMill Reef5×5のキンカメ産駒タガノグランパだったというのは、書いた本人から見てもあからさまな結果だった。

サトノアラジン
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104063/
ラキシスの全弟で、母マジックストームはモンマスBCオークス(米G2・ダ9F)勝ち馬。ディープ×Storm Catはキズナやアユサンやヒラボクディープやエイシンヒカリなどと同じ。この配合は母母のところでパワーを補わないと(Eight Thirtyのニアリークロスがベスト)Sir Gaylord≒Secretariatのクロスの柔さが勝ちすぎて、いわゆる“緩い”馬、動きが緩慢で力強さに欠けるタイプに出やすいのだが、本馬も春先は多分にそんなところはあった。
とはいえ母母父Fappianoはミスプロ系でもパワーに定評がある血だし、母はStorm Bird≒Nijinsky2×3の北米ダ重賞勝ち馬だから母方そのものはパワー型と言ってよく、全姉がそうだったように本馬も肉付きがよくなって着実にパワーアップをはかってきた。ただこの肉付きのよさは長距離向きの体質とは言いがたいものがあり、神戸新聞はワンアンドオンリーに目標にされて捲られて展開的にババを引いたところはあったものの、淀みないペースだと2400mは少し長いのかもしれない…という4着でもあったか。しなやかなディープ産駒というよりもStorm CatがNijinsky的に胴長になったイメージで、つまり父よりも母似の馬だと思うのだ。神戸新聞の内容自体は着順着差ほど悪くないし2着3着馬とは差がない馬だと思うが、京都3000mに舞台が替って上積みがあるかとなると、超スローの前残りならばなんとか…という評価が妥当か。

トーセンスターダム
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103748/
トーセンジョーダンの甥で、ディープインパクト×ノーザンテースト×クラフティワイフはトーセンホマレボシやヒストリカルと同じ。こちらは母父にエンドスウィープが入ったので母はMr.Prospector3×4となり、自身はエンドスウィープからTom Rolfeが入ってその母Pocahontasのクロス5×6になり、前駆のつくりがTom Rolfe的で掻き込んで走るところはベールドインパクト(Pocahontas5×7)やゲシュタルト(Tom Rolfe6×5)などと似ている。
前駆が勝った肉付きで前の掻き込みの強さで走っていて、スタートが悪くゲートを飛び上るように出るのも頭が高いのも腰が甘いからだろう。その意味では3角からの下りで惰性をつけていける京都は合っているし、きさらぎ賞は渋った馬場もプラスだった。「腰が甘く前駆に頼っているベールドインパクト」というイメージで書いてきたが、京都替わりはプラスだし、叩き一変でベールドのような力走も期待できるかもしれない。とはいえ、ディープ×エンドスウィープ×ノーザンテースト×クラフテイワイフというのは、菊花賞で大事な一票を投じたくなるほど奥のある配合なのかどうか。少なくともトーセンジョーダンとは配合のコンセプトは全く異なる。

マイネルフロスト
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011106350/
ブラックタイドはディープインパクトの全兄だが、しなやかさや俊敏さはあまり伝えず鋭い脚に欠けるので、相手牝馬からマイラーっぽいスピードを取り込んだ配合が成功している。シャイニーガール(母父アフリート)とフィールザスマート(Distant View)は母父がミスプロ系のマイラーだ。本馬は母父こそパワー中距離馬のグラスワンダーだが、母母父はDanzig×Mr.ProspectorのスプリンターDayjurで母はDanzig3×3。母の半兄にはダートの快速馬スリージェムがいる。ちなみにDanzigはテイエムイナズマの母父でもある。ダービーはビックリの3着好走で、上がり2位の脚で追い込んだテイエムイナズマの6着と重なるものがあったが、インをロスなく捌いた騎乗も大きかった。基本的にはテイエムイナズマと似たタイプで1800mぐらいで手堅い馬だろう。(セントライトと同文)

ミヤビジャスパー
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102103/
京都牝特に勝ったシスティーナの孫で、母ミヤビキララは芝1800mで3勝。そこにアドマイヤムーンで、サンデーサイレンス3×3、Northern Dancer5×5・6、Hail to Reason5×5・6。緩い相似配合というべきだが、両親の持ち味は受け継いでいて、アドマイヤムーンをサクラユタカオー的に少し緩慢にした中距離馬、というイメージの馬だ。
瞬時にビュンと加速する脚はないので、外回りでジワジワダラダラと脚を伸ばして差してくるような脚質で、全勝ち鞍が阪神外1800m。京都新聞や白百合のように、京都の高速馬場で相手が揃って上がりが速くなると鋭さ負けしてしまう。この父母では長距離でプラスアルファがあるとは考えにくい。

アドマイヤランディ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103858/
ジョイフルスマイルの半弟で、3代母Canoodlingの産駒にトーヨーデヘアがいるファミリー。母父ジョリーズヘイローはドンH(米G1・ダ9F)、ガルフストリームパークH(米G1・ダ10F)、フィリップHアイズリンH(米G1・ダ9F)の勝ち馬で、Halo≒Sir Ivor1×2だから自己主張が強く、本馬はHalo3×3にTurn-to5×5・5だから主にこの母父の軽いスピードでダートを走っているとみるべきだろう。京都のような軽いダートが合っているタイプだが、芝長距離で新味が出るかとなると疑問。

サングラス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105914/
母ノッティングギャルはダンスインザダーク×ブライアンズタイムだからスリーロールスと同じ配合で、両者のスタミナ源であるGraustarkを5×4でクロスする。父スタチューオブリバティはSecretariat≒Sir Gaylord3×4などStorm Catのスピードを強力に増幅した配合で、アクティブミノルやキクノストームやカシノピカチュウなど開花の早いスピードを伝える種牡馬。本馬は母父の影響も強い体型でGraustarkクロスの影響で肩が立っていて、スタチュー産駒にしては距離がもつがアクティブミノルのような快速ではなく、重心が高い走りなので小回りの1800mを先行流れ込む競馬が一番合っていそうだ。つまりHTB賞は全て条件が揃ったわけで、それであの辛勝となるとここではまだ通用しないだろう。(セントライトと同文)

メイショウスミトモ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102556/
ロングプライドの半弟で、ウイングアローの甥で、父がゴールドアリュールで母父がアジュディケーティングという筋金入りのダート血統。やや硬肉で掻き込みの強い走りはDanzig的で母父の影響が強い馬だと思う。力の要るダートや急坂小回りに向いた1800m型で、ダートなら京都の重より阪神の良で買いたいタイプ。 

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜のボツ予想~ダンシングブレーヴ系の「下る力」

2014-10-26 09:18:45 | 血統予想

甲斐路は○ファントムライトも▲マイネルディーンも△トーセンアルニカもジリ脚だし、△ミエノワンダーは東京ならスロー希望で、一方セキショウは東京でスローで逃げると斬れ負けするタイプだけに大野がどう運ぶか
中距離の先行でしぶとさを増してきた◎ヒュウマはハナでも番手でもOKだし、A.P.Indy3×2らしい長手の体型と柔らかな体質でもともと外回り向きと評してきた馬、東京ならば更に前進…という読みで狙ってみたいです

ブラジルは同じアフリート魂なら外枠有利だろうということで、ゴールドアリュール砂黄金配合の◎ランウェイワルツ、○ヴォーグトルネードも直線外に出せれば伸びてくるでしょう
▲マスクトヒーローはハーツクライ×ホワイトマズルでLyphardのクロスなら距離延びて前で受ければ更にしぶとそう、あとは東京なので母父A.P.Indyの△ツクバコガネオーと母父スペシャルウィークの△クリノヒマラヤオー

なでしこはブルドッグボスは1200mベストのスプリンターに見えるし、○フォンタネットポーはベストウォーリアの妹で父にA.P.Indyが入るのも同じでMr.ProspectorとSecretariatをクロスするのも同じで馬のタイプもよく似ていますが、ちょっとこちらのほうが配合パターンは落ちるかなというところで、ここはヤマボウシに続いて◎ワンダフルラスター、前走も荒削りながらも強い内容の2着でした
他では前走競馬になってない△グラブザフラッグと岩田でもうひと押し期待の△ラブミークン

壬生は◎キタサンラブコール、京都で先行ならば更に前進でしょう
ローレルゲレイロの全弟で「キングヘイロー×モガミヒメ牝系」の黄金配合、この配合は非常に高確率なのですが少しトモが非力に出るのが弱点で、全芝[12.17.6.46]のうち函館芝[3.3.1.3]と京都芝[3.5.3.8]と札幌芝[1.3.0.4]が良績、京都ではローレルゲレイロのスワン2着やリキサンマックスのきさらぎ2着もあり、「下る力」に優れた配合と言っていいでしょう
本馬は阪神で勝ってますがベストパフォは京都芝1200mの秋明菊賞3着で、1着ニホンピロアンバー2着ラインスピリット4着タガノブルグ、これらはみんな現オープン馬

ディープインパクトCは今の馬場ならば◎リメインサイレントの先行から入りやすい
胴も脚も長く体質も柔めで、なぜか内回り小回りに偏った使われ方、そして小回りでも先行して巧く立ち回るのですが、根は外回り向きじゃないかという思いはまだ拭い去れない
外回りの中距離戦は鳴滝2着にパール3着に重のローズ7着、良で先着を許したのはラキシスとトーセンソレイユとディアデラマドレだけ
○ジャイアントリープは母父エルコン母母ファビラスラフインのステイヤーだと書いてきて2400mではいつも◎ですが、松前の岩田の捲りをみても、ネオユニ産駒らしい小脚使いなので内回りのほうがベターではあるかと
その松前でクビ・クビ差ならば、京都外をストライドで下る力はリメインのほうが上やと思うので、ここは着順がひっくり返るとみました

小峰城はヴァンセンヌはBurghclere≒Aureoleのディープ牡駒らしい成長力を前走で見せつけましたが、一方でSir Gaylordクロスですから戦績どおり外回り向きでもあり、ここは◎シングンジョーカーから抜け目を狙う手かと
シングンリターンズ、シングンカイロス、シングンレジェンドの全弟で、Fair Trialのラインを8本ぐらい引いているので体質はFair Trial的で、東京や新潟外で好走しているのは馬場が渋ったとき限定、本来は小回りを粘着力で走るほうが合っている馬です

「No.1予想」では菊花賞を、「馬券総合倶楽部」では菊花賞とくるみ賞を予想していますので、そちらもよろしくお願いします

さて今日は競馬場へ、せっかくなのでアッシュゴールドが出る3Rに間に合うように支度しますか
菊の回顧は明日になると思います~

コメント (34)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

土曜のボツ予想~内回りならRoberto>Mill Reef

2014-10-25 09:33:40 | 血統予想

北野はレコンダイトとアドマイヤスピカが人気ですが、前者は母がMill Reef3×3、後者は自身がMill Reef5×4で、戦績どおり外回りベターの差し
となると、母がGold Digger≒Bramalea4×4とPunctilious5×5で、このRoberto的ラトロ的なパワー&機動力で走る◎ストロベリーキングは内2000mのはなみずきでサウンズオブアースとハナ差の叩き合いの実績、○アグリッパーバイオは前走内2000mを捲りで勝っていてチチカス産駒だけに少頭数歓迎

東京最終は前走の感じだと1400mのほうが競馬しやすそうな◎ハニーバニーと、A.P.Indy系でミスプロとSecretariat≒Sir Gaylordのクロスという東京1400mズンドバ配合で準OP立夏Sでキョウワダッフィーやカネトシナターシャと大接戦の○サトノジョリー、ここから☆ネロディアマンテや△ダンシングミッシーや△マレーナあたりを拾ってみたいです

「No.1予想」ではアイビーSを、「馬券総合倶楽部」ではアイビーSと富士Sを予想していますので、そちらもよろしくお願いします

コメント (64)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする