ショウナンカンプはNijinskyとチャイナロックとBelladonna(Donatello,Hyperion,AloeだからAureoleとニアリー)を入れてNorthern Dancerとネヴァービートをクロスした典型的な「バクシンオー黄金配合」で、頑強この上ない体質の名スプリンターでした
種牡馬としては、HaloやMr.Prospectorやナスキロといった配合のキーとなる血脈や組み合わせを持たないので、思い切ったクロスや強力な相似配合で活躍馬を出しています
収得賞金順にみると、ショウナンカザンはサクラバクシンオー≒ダイナマイトダディ2×2、わかりやすい
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2005101404/
ショウナンカッサイはヤセイコーソ≒メジロフィーシャー3×3、テスコボーイ4×5、ノーザンテースト≒Storm Bird4×4、凝ってます
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006101051/
ショウナンスマイルはメジロハリマ5×4、ネヴァービート5・6×5、母がMr.Prospector3×4
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007101781/
コクトーは母がRaise a Native3×4にMixed Marriage4×4
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006105757/
モトヒメはNorthern Dancer5・5×4、テスコボーイ4×5、母がSir Ivor=ロードリージ3×3
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2007100092/
ショウナンダンクはNijinsky4×3、ノーザンテースト4×4
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2006100853/
朝日杯に出てくるショウナンワダチは母も母母もショウナンの冠で走った馬で、クロスはノーザンテースト≒Vice Regent4×5・5、Nijinsky4×5
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011102041/
ショウナンアチーヴも母ショウナンパントルが阪神JF勝ち馬で、その母バブルウイングスがNorthern DancerやMill Reef≒Hopespringseternalなどをクロスする相似配合で、自身もNorthern Dancer5・5×5・6となりましたが、母父サンデーサイレンスがNorthern Dancerを持たないので、「父と母母がNorthern Dancerをメインクロスとする相似配合で、母父が非Northern Dancerのアウトブリード」という好形
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011103607/
どちらもショウナンさんの愛情だけで走ったわけではなくて、やるべきことはちゃんとやってますよ
朝日杯で人気を集めるアトムは「ディープインパクト好配合リスト」の栗山望田ダブル推奨馬で、当時のコメントを再録すると
「母系にBlushing GroomとGlorious SongとMr.ProspectorとNureyevが入るのはヴィルシーナと同じで、Blushing GroomとGlorious SongとNureyevが入るのはフレールジャックと同じで、母母父Lyciusはトーセンラーの母父でもある。機動力抜群の長目マイラー」
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011101564/
また「2歳勝ち馬評価」では以下のように書きました
「母シャイニングエナジーはゲイムリーBCS(米G1・芝1800m)勝ち馬。ディープ産駒で母系にBlushing GroomとGlorious SongとMr.ProspectorとNureyevが入るのはヴィルシーナと同じで、Blushing GroomとGlorious SongとNureyevが入るのはフレールジャックと同じで、母母父Lyciusはトーセンラーの母父。Halo≒Sir Ivor≒Red God3・5×4・4だけにヴィルシーナやフレールジャックのように機動力抜群で、外回りなら今日のようなスローがベターでしょうが、負かした相手も走る馬でこれはクラシック路線に乗るでしょう」
ちなみにヴィルシーナ(Halo≒Sir Ivor≒Red God3・5×4・5・5)は内回り[1.1.0.1]で着外は休み明けの大阪杯、2着はジェンティルに冷や汗をかかせた秋華賞
フレールジャック(Halo≒Sir Ivor≒Red God3・5×4・4)も内回り向きだとずっと書いてきましたが、通算14戦のうち12戦が東京と中京と京都阪神の外回りで、残りの中山の2戦は完勝のラジオNIKKEI賞とミトラに惜敗2着のニューイヤーS
他にGlorious Song=Angelic Song姉妹を通じてHaloをクロスするディープ産駒には、ダノンバラード(Halo≒Sir Ivor3・5×3)とアダムスピーク(Halo≒Sir Ivor3・5×4)のラジオNIKKEI杯コンビがいます
Glorious Song(Halo)
├Rahy(Blushing Groom)アトムの母父
├Morn of Song(Blushing Groom)
│└ハルーワソング(Nureyev)
│ ├ハルーワスウィート(Machiavellian)
│ │└ヴィルシーナ
│ └フレールジャック
├Singspiel(Sadler's Wells)アダムスピークの母父
Angelic Song(Halo)
└レディバラード(Unbridled)
└ダノンバラード
アトムはデビュー戦で超スローの上がり10,9-11.3を抜群の反応で差し切り、負かしたのがミッキーアイルとライザンで当時からこれはハイレベル戦だと書いてきましたが、あのときのミッキーアイルは引っかかるわモタれるわ手前は何度も替えるわで実に荒削りなレースで、レース後にアトムも走る馬だがモノはミッキーアイルが上じゃないかとも書いておきました
というわけで鶏めしを仕込みながら、ボチボチ朝日杯の原稿に取りかかろうかと
問い合わせいただいた「一口好配合ピック」ノルマンディーの二次募集ですが、とりあえず私のピックはなしということで
現在栗山さんと私でウイン(4頭)、キャロット(10頭)、グリーン(2頭)、シルク(7頭)、ターファイト(1頭)、ノルマンディー(2頭)、ラフィアン(11頭)、ロード(5頭)、ローレル(2頭)、ユニオン(5頭)、東サラ(6頭)、友駿(1頭)をピックしています
http://www.miesque.com/c00016.html
血統屋の「一口馬主好配合馬ピックアップ」が今年もスタート!
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/fffa0ae9482e9eee8dcb00182b5e6a1f
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本人も認めているように川田という乗り役は馬への当たりは強いほうで、だからキャプテントゥーレの皐月とかビッグウィークの菊とか、ゴルトブリッツの帝王賞とかダノンバラードの宝塚とか、パワーや粘りに長ける牡馬とのコンビでは持ち味を最大限に発揮するファインプレーを何度もみせてきましたが、一方でハープスターに出会うまでは名コンビと言えるような牝馬のお手馬はおらず、G1勝ちは代打騎乗だったジェンティルドンナのオークスだけ
TARGETで彼の芝重賞成績をコース別に分類すると(並びは連対率準)
中山[4.3.5.17]24.1%
京都内[1.2.0.12]20.0%
阪神内[6.2.6.43]14.0%
東京[3.1.2.36]9.5%
京都外[3.4.3.67]9.1%
阪神外[1.2.8.33]6.8%
このデータからも図太い牡馬で内回りを捲るのは上手で、繊細な牝馬で外回りを追い込むのはあまり上手ではないという、極端な言い方をするとそういう騎手像は見えてきます
ちなみに似たタイプのウィリアムスや内田博なんかも、芝重賞の成績で見ると明らかに牝馬の成績が悪いです
アンカツさんも「一番合ってたのはダイワメジャー」とおっしゃるようにそっち側の人で、繊細な牝馬は決して得意ではなかったと思いますが、外回りの直線で抜きんでた斬れ味を誇る牝馬を最大限に爆発させるにはどうしたらいいか、自分の技術や経験では何ができて何ができないのかがわかってて、なおかつ届かなかったら俺が怒られればいいんだと腹をくくって乗れる人だったからこそ、桜花賞マスターと称賛される実績を残すことができたのではないかと
だから川田がハープスターのような牝馬で天下を獲るには、ソフトに乗りきれない部分を戦略や胆力でどう補うかというのが着地点ではないかと思うし、アンカツさんやマツパク先生の辛口なコメントも、そのあたりを含んでのものじゃないかとも思うのです
ついでに調べてみたら、戸崎なんかはJRA芝重賞通算[6.5.5.62]でうち牝馬では[3.3.1.14]、ルメールは通算[11.16.11.91]でうち牝馬では[5.4.3.29]、やっぱりソフトタッチな人は牝馬の成績が良いのだなあ…と(ここで下ネタにはいきませんよ)