栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2019-2020」

第83回日本ダービー回顧~ディープ牡駒王道配合、息を呑む鋭さで頂点へ

2016-05-30 08:30:31 | 血統予想

東京10R 日本ダービー
◎14.ヴァンキッシュラン
○8.サトノダイヤモンド
▲1.ディーマジェスティ
△12.リオンディーズ
☆3.マカヒキ
皐月賞につづいてサトノダイヤモンドでいきたい気持ちはあるのだが、ヘイローの塊のようなこの配合に東京2400で◎を打つとなると、オルフェーヴル並みの怪物級の確信が欲しい。ディープ産駒ではマカヒキとヴァンキッシュランがナスキロ的斬れ味とバークレア的スタミナの両方を押さえた配合をしていて、キズナやディープブリランテと同じ路線のダービー向き中距離王道配合と言える。ただしマカヒキもヘイローのニアリークロスを重ねたぶん、ちょっと反応が鋭敏で軽すぎるのが東京2400で気になるところ。リオンディーズはダービー馬とオークス馬の父母相似配合だから東京に舞台が替わるプラスは大きいはずだが、半兄エピファネイアが気分よく走ったときに見せた超抜パフォーマンスほどの爆発力まではまだ感じられない。兄はダービー◎だったが弟には打ちきれなかった。ヴァンキッシュランの母リリーオブザヴァレーはディープブリランテの母ラヴアンドバブルズと血脈構成が似ていて(サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ、ミスワキ、ミルリーフ≒リヴァーマン、リファールなどが共通)、リリーはオペラ賞(仏G1・芝2000m)勝ち、ラヴはクロエ賞(仏G3・芝1800m)勝ちとフランスの芝中距離重賞を勝っているのも同じ。馬のタイプも似たところがあって、ディープ産駒にしては掻き込む走りで鋭さには欠けるが持続戦でしぶとい。全体としてもディープブリランテを少し距離適性長めにしたのがヴァンキッシュラン、というイメージでいいだろう。内田博とも手が合うタイプだし、青葉賞勝ちで持続力には自信を持って挑めるから、ディープブリランテが勝ったときのようなレースができれば最後に二枚腰発揮とみた。

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上位人気馬が1~3着を占めたので、ひとまず「競馬道OnLine」の血統解説をそのまま再掲します

サトノダイヤモンド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
Halo的早熟スピードで抜け出す
母マルペンサはR.V.マンシリャ大賞典(亜G1・芝2000m)などの勝ち馬。母父OrpenはLure(BCマイル連覇の名マイラー)の代表産駒でモルニ賞(仏G2・芝1200m)勝ち。マルペンサはHalo4×3、Northern Dancer4×4、Natalma4×5・5。血統表の3/4でAlmahmoudの子孫の血を何重にもクロスしている。自身はHalo≒Sir Ivorのニアリークロス3・5×4・5。まだ体質的には緩さも残るが、Haloのクロスらしいフワッとした自在性あるスピードが武器で、レースぶりが大人びていて何でもできる馬だ。皐月賞は前傾ラップを早めに動いてきつい競馬になった。叩いた上積みがあれば、今度は好位抜け出しで後続の追撃を凌ぎきるか。

ディーマジェスティ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013104704/
パワーと持続力は名門牝系譲り
ホクラニミサの全弟でセイクレットレーヴやワールドレーヴの半弟。叔母エルノヴァはステイヤーズS2着、クイーンS2着、エリザベス女王杯3着など牝馬らしからぬスタミナとパワーを誇った。3代母Doff the Derbyの産駒に英ダービーやキングジョージに勝った名馬ジェネラスがいる。母はブライアンズタイム×Sadler's Wells×Margarethen牝系だから皐月賞馬ヴィクトリーやダート王フリオーソと似た配合で、だからディープ産駒ながらパワーと持続力に富み、皐月賞でも直線の急坂を駆け上がるときのパワーが圧巻。距離延長は全く問題ないが、東京の良で上がりだけの競馬になってしまうと、鋭さ負け軽さ負けの心配はまだついて回る。

マカヒキ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105788/
カミノリの斬れ味、鋭敏さでは一番
ウリウリやエンドレスノットの全弟でトパンガの甥。母母リアルナンバーはヒルベルトレレナ大賞(亜G1・ダ1600m)勝ち馬で、その母Numerariaは亜1000ギニー(亜G1・ダ1600m)に勝った。ディープインパクト産駒で母系にサザンヘイローが入ってHaloをクロスするのはサトノダイヤモンドと同じ。手先が軽くて脚捌きに無駄がなくて瞬時に加速できるところも似ているが、こちらのほうが俊敏さ鋭敏さは上で、まさにカミソリの斬れというべき追い込みをみせる。この鋭敏な末脚は、東京だとむしろスローの上がり特化のレースのほうが映えるかもしれない。

木曜にMahmoudさん日夏さんとホルモンに舌鼓を打ちつつダービーを検討していたときにも言ったんですが、最近の東京芝中距離のG1は前半流れても中盤以降でかなり中弛みして上がり3Fが速くなることが多く、今年のダービーとオークス、昨年のJCとダービーがまさにこのパターン

マイネルハニーの逃げは1000m通過が60秒ですからまずまずのペースなのですが、そこから12.9-13.1とかなり中弛みして上がり3Fが11.6-11.0-11.6(全て公式ラップ)、こうなると末脚の持続力よりも鋭さの勝負で、オークスに続いてHaloをクロスするディープインパクト産駒のシャープさがモノを言うこととなりました

そしてマカヒキがサトノダイヤモンドの直後からインをすくうときの、残り400mからの最速ラップのところでの反応がまた際立っていて、サトノもあそこでビュンと交わされたぶんを最後また詰めにかかっているんですが、あの狭いところを割って出るときの川田の挙動とそれに応えるマカヒキの凄い反応、あれが2013年生のサラブレッド6913頭の頂点を決めるハイライト



「マカヒキが東京2400のダービーを勝ちきるとなると、スタミナとか距離適性云々以上に末脚の質という点で、エイシンフラッシュが勝った2010年のようなスローの上がり特化になったほうが可能性はあるんじゃないか」と「思いつくままにダービーウィーク雑感」では書きましたが、レース上がり34.2はその2010年に次ぐ速さでした

同じエントリで「母がNorthern Dancerのクロスで、自身はナスキロクロスとBurghclereのニアリークロスだから、ディープ牡駒の中距離王道配合、キズナ駅やディープブリランテ駅と同じ路線上にマカヒキ駅もあるのだ、という言い方をしたい配合」とも書きました

12年ディープブリランテ(1着)、13年キズナ(1着)、14年ベルキャニオン(8着)、15年サトノラーゼン(2着)、そして16年マカヒキ(1着)、ダービーで最先着したディープ産駒は、いずれもナスキロのクロスとBurghclereのニアリークロスを併せ持つ中距離の王道配合です

マカヒキの母系に入るBold Lad(IRE)の母母Fair AlyciaはAlycidon×Fair Trialの組み合わせで、ディープブリランテの母父Loup Sauvageの母母AlcoaはAlycidon×Court Martial(その父Fair Trial)の組み合わせで、ディープインパクトの母母BurghclereとはDonatello,Aurora-Hyperion,Fair Trialが共通します

 ┌Donatello
┌Alycidon
││┌Hyperion
│└Aurora
Fair Alycia
│┌Fair Trial
└△

<Burghclereの血をニアリークロスすることがスタミナ獲得に有効なのは、ディープ産駒で最も長距離を得意とするファタモルガーナ(ステイヤーズSとダイヤモンドSで2着)や中山大障害に勝ったレッドキングダムが、ともにBurghclereの血を色濃くニアリークロスしていることからも明らかでしょう

ただ不思議なことに牝駒の場合は、ジェンティルドンナもデニムアンドルビーも(追記:ミッキークイーンもシンハライトもマリアライトも)長距離をこなすのにBurghclereのニアリークロスは持っておらず、このニアリークロスは牡のほうがスタミナとして伝わりやすいのかもしれません>(15/6/15「春のG1、ディープとキンカメの復習」)

だからBurghclereのニアリークロスのスタミナは、マカヒキには伝わったけれどウリウリにはあまり伝わっていない、という言い方もできるかと

ディーマジェスティは皐月賞と全く異なる質のレースで僅差3着はさすがというしかなく、リオンディーズはエピファネイアとの超ハイレベルな比較でいうとフォームにしなやかさや優雅さや華麗さがほんの少し足りず、東京の直線でも兄ほどは爆発しなかった、というべきかと

「他のディープ産駒と比べると前肢が出ないなあ…」と隣でパドックを見ていたオッサンがつぶやいてましたが、ヴァンキッシュランは青葉賞(上がり11.6-11.9-12.3)やディープブリランテが勝った年(11.7-12.0-12.4)ぐらい持続戦にならないと、末脚の鋭さではハッキリ見劣るのはわかっていたし、イン伸び馬場で他馬より一頭ぶん外を回らされたロスもありました

前日予想を入稿した後、一杯やりながらゲンダイのウチパクの独占インタビューを読んでいたら、「何でもできる乗りやすい馬だが、タメればもっと斬れそうなイメージがある」と語っていて、いやいや、他のディープにわざわざ鋭さ勝負を挑んでどうすんねん…とほっきの酢味噌和えを吹き出しそうに(^ ^;)

母父Singspielがオークスを制した直後とはいえ、「3歳春のクラシックにおいては、ディープ産駒は母父マイラーが大正義」と書いてきた私としては、フレンチデピュティやOrpenを差し置いて母父Galileoにダービーで◎を打っていいのか、それで筋は通ってるのかとモヤモヤしたまま南武線に揺られて競馬場入り

和服が似合いすぎて笑点に出てる師匠みたいになってきた加藤栄さんとすれ違ったので軽く挨拶して、昼休みのジョッキー紹介イベントをボーッと観ていたら、ウチパクがいつものようにバク転を決めて客席を湧かし、直後に石川くんがでんぐり返りで登場してまた湧かしてました

もう45歳やのに、きれいに決めるもんやなあ…と思ったら着地時に少しバランスを崩してヨロッとして、ああたぶん俺のダービー予想も着地をミスってる、もっとヨロヨロしてる、やっぱり着地点はヴァンキッシュランではないんやろうなあ…

発走時刻が近づいてゲート付近に馬が集まってきてもモヤモヤを引きずったままで、ダービーで◎を打つべき血統、ダービーを勝つべき血統、ダービーを勝ってほしい血統、そんな命題がぐるぐる駆け巡るばかりで、俺はこの一年間何をやってきたんやろう

ファンファーレが鳴って大歓声が湧き上がる中、ああこの期に及んでやっとわかった、土壇場になってヴァンキッシュランで斜めに構えてみたけど、俺はずっとサトノダイヤモンドに勝ってほしかった

Haloお化けのサトノダイヤモンドに、2016年のダービーを勝ってほしかった

そう思った瞬間から頭の中は真っ白で、もうダービーも30回観てますが、こんなふうにスタートからゴールまで真っ白やったことは今までなかったです

素晴らしいダービーを、今年もありがとう

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日曜のボツ予想(早刷り)~Darshaanストライドを東京で、Tom Rolfe肩を内回りで

2016-05-28 23:26:53 | 血統予想

明日早起きしてボツ予想を書く自信があまりないので、今さっきサラサラと書いてしまいました

むらさきは◎サウンドアプローズ
母父にタイキシャトルのスピードを入れつつ、クロスがDarshaan3×4、Sadler's Wells≒ウェルシュマフィン3×3、コンデュイット産駒としてはなかなかよくできた配合
前走も◎にしましたが、Mill Reef的ナスキロ的ストライドは外1800m向きだし、土曜の東京芝は超高速ではないものの外差しはきかない馬場、前走のように好位インで立ち回れれば有利に事が運びそう

京都6はメイショウタチマチは胴も脚も長いスペシャルウィーク産駒で、東京と外回りの中距離でこそ能力全開の馬だと毎度毎度書いてきました
実際唯一◎にしたセントポーリアでは-14キロでジュンヴァルカンを問題にしておらず、しかし一息入れてまたまた内回りに出てきたのでまたまた◎をひねりたくなるのが辛い
◎エルリストンはTom Rolfe6×5、Ribot7×6・7の影響で肩が立っていて(Ribot肩)ややパワー体質で、ストライドが伸びないので外回りの京都新聞では無印でしたがそんなに差のない6着
内2000mで積極的に運べば前々走ぐらいは走れるだろうし、あれぐらい走れば勝ち負けになるメンバーでしょう
ゲシュタルト(Tom Rolfe6×5)やメイショウコロンボ(Ribot7×6)なんかもRibot肩がONになったマンカフェ産駒ですね

「No.1予想」と「競馬道OnLine」では日本ダービーを、「厳選予想 ウマい馬券」では日本ダービーと目黒記念と白菊賞を予想していますので、日曜もよろしくお願いします
明日は府中で競馬観て、夜は競馬通信OB会、ダービー回顧は月曜になると思います

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土曜のボツ予想~外枠のアフリートが気になる

2016-05-28 10:29:25 | 血統予想

東京8は◎ワラッチャオ
父がハーツクライ、母母がリアルシャダイ×ノーザンテースト×パロクサイドですからオツウと3/4同血ぐらいの関係で、もちろんHornbeam≒パロクサイドのニアリークロスも同じ
ナスペリオン的斬れで差す馬で、東京マイルは[1-1-0-0]、新潟外マイルでブラックムーンと叩き合った(クビ差2着)脚はここでは上位、ダートと内回りの凡走でエエ感じに人気が落ちてます

今日は競馬中継観ながらお仕事ですが、ザッと出馬表を見ると、東京7Rステラルーチェ(スターリングローズ×ブライアンズタイム)、京都7Rバーサーカー(サウスヴィグラス×アフリート)、富嶽賞アキノアッパー(サウスヴィグラス×アフリート)、東京12Rアチーヴ(フジキセキ×アフリート)、外枠のアフリートがやけに目につきます(・∀・)
まあなんか閃いたらコメント欄に書きます

「No.1予想」では京都6Rを、「厳選予想 ウマい馬券」では京都6Rと朱雀Sを予想していますので、今週もよろしくお願いします

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最もDeputy Minister的な馬

2016-05-27 21:51:10 | 配合論

カネヒキリは父フジキセキより母父Deputy Ministerに似た力馬でしたが、サウンドトゥルーやホワイトフーガやミラクルレジェンドへと紡がれていく「フジキセキ×Deputy Minister」の砂黄金配合伝説はこの馬からはじまったのです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2002100978/

このニックスはフジキセキの母母Marston's MillがWar Relic≒Eight Thirty4・4×5で、Deputy MinisterがBunty Lawless5×3、Ladder≒Good Example6×4・4で、Eight ThirtyとGood Exampleがニアリーだということで説明できます

 ┌Friar Rock
 │└Fairy Gold
┌Pilate
Eight Thirty
│  ┌Commando
│ ┌○
│┌High Time(Domino3×2・2)
└△ ┌Fair Play
 │ │└Fairy Gold
 │┌Man o'War
 └△

 ┌Friar Rock
┌Pilate
Good Example
│ ┌Fair Play
│┌○┌Commando
└△┌○
 └Panoply(Domino3×4)

Eight ThirtyもGood Exampleも、Friar RockとFair Playを通じてFairy Goldをクロスしつつ、Dominoの血を1/4異系に使っているところまで同じですね

Deputy Ministerが伝えた野武士と表現したくなるような独特の逞しさや力強さはたしかにMan o'Warと重なるものがあり、Deputy Ministerとはなんぞや、ということを最初に教えてくれたのがカネヒキリでした

土曜は「No.1予想」で京都6Rを、「厳選予想 ウマい馬券」では京都6Rと朱雀Sを予想していますので、今週もよろしくお願いします(ボツ予想は明日、中継見ながらリアルタイムでボチボチやろうかなあ…と)

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競馬道OnLine G1スペシャル予想~日本ダービー

2016-05-27 16:39:36 | お知らせ

3月に発売された『パーフェクト種牡馬辞典 2016-2017』(自由国民社)の関連企画として、同書の編集を担当した競馬道OnLineのサイトにて、この春も高松宮記念から宝塚記念まで、栗山求と望田潤がG1レースを交代で予想します

今週の日本ダービーは望田潤の担当で、有力馬3頭(サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、マカヒキ)の血統分析と直前予想を行います

有力馬分析は無料公開、予想は有料会員のみ閲覧できますので、よろしければご覧ください(血統分析で取り上げた3頭がそのまま予想の順位となるわけではありません)
http://www.keibado.ne.jp/sp2016/

小島友実さんの「G1の馬場すべて教えます」、競馬道調教マスターの調教予想、「馬券マネジメント」指数などもぜひ参考になさってください

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思いつくままにダービーウィーク雑感

2016-05-25 11:26:48 | 血統予想

ダービーは2000mベストの馬が勝ちやすいレースだが、皐月賞は中山記念タイプが勝ちやすいレースで、中山内回りでもヘンタイ的な勝ち方をするドゥラメンテは置いといて、イスラボニータもロゴタイプもヴィクトワールピサもアンライバルドもキャプテントゥーレも、ダービーよりも中山記念のほうが勝ちやすい馬だろう

いっぽうでワンアンドオンリーやキズナやディープブリランテやディープスカイやウオッカが豪華メンバーの中山記念を勝てるかと考えてみると、やっぱり皐月賞は中山内回りで勝つべき馬が勝っているのだ

ただディーマジェスティが中山記念タイプかというとそこは疑問で、今年の皐月賞はペースが流れてしかも外伸び決着になり、例年以上にパワーと持続力で差せるレースになった感はあった

母がヴィクトリーやフリオーソと似た配合で、この凄いパワーをも受け継いでいるのが他のディープ産駒と趣を異にするところで、皐月賞の直線の追い比べをみると、急坂でグイグイ加速していたのがディーマジェスティで坂を上がってから斬れていたのがマカヒキだった

マカヒキは母がNorthern Dancerのクロスで、自身はナスキロクロスとBurghclereのニアリークロスだからディープ牡駒の中距離王道配合、キズナ駅やディープブリランテ駅と同じ路線上にマカヒキ駅もあるのだ、という言い方をしたい配合

ただHalo≒Sir Ivor≒Red God3・5×5・5とHaloのニアリークロスを重ねたぶん、上記ダービー馬2頭よりは脚捌きが軽く俊敏で、ナタではなくカミソリと形容したくなる斬れ方をする

ダービーは2000mベストの中距離馬が勝ちやすいレースには違いないのだが、こういうカミソリが鋭くまとめて差し切ったシーンを案外思い起こせないので過去の結果をながめていたら、一頭カミソリがいましたエイシンフラッシュが

やっぱりマカヒキが東京2400のダービーを勝ちきるとなると、スタミナとか距離適性云々以上に末脚の質という点で、2010年のようなスローの上がり特化になったほうが可能性はあるんじゃないかと

皐月賞の予想でも書いたように、「歴史的なチャンピオンとまではいかないかもしれないが、種としてサンデーサイレンス系の新たな幹となるような可能性を秘めた面白い配合」というのが筆者のサトノダイヤモンド評で、ディーマジェスティも一風変わったディープ産駒だが、サトノダイヤモンドという馬もキズナ~ディープブリランテ-~マカヒキの王道路線とはちょっと違うところで考えるべき馬だろうと思っている

「な~んやけっきょくHaloだらけの配合で、Halo的スピードを中距離で早期に開花させただけの馬やったんか」
ダービー後にこんなふうに言われている可能性は否定しないが、配合的に意図的に強く固定されたスピードを、配合どおりに早期に発現させるというのは種として重要なことだ

サトノダイヤモンドが優秀な種として血を遺していくべき馬だとすれば、早期に然るべきレースを勝つはずだから、それがダービーであっても全く驚けない

リオンディーズは父母相似配合によってダービー馬キングカメハメハとオークス馬シーザリオの長所を受け継いだ馬だから、中山より東京向きなのは間違いない

Special血脈のクロス特有の前向きすぎる気性が難だが、あのストライドだからもともと小器用に立ち回って味があるタイプでもなく、ミルコは大一番でも大胆に大雑把に乗ってくるだろうし、それが彼の最大の魅力でもある

ただ偉大な半兄との比較でいうと、エピファネイアのあのため息が出るほどのしなやかで美しいフォーム、スピードに乗るときの躍動、もう細かいことはいいんだよ絶対名馬だよと断言したくなるあの衝撃と比較してしまうと、3歳春の時点でも、出し切ったときの打点の高さはエピファのほうが上だろうと思う

いっぽうで皐月賞4着入線がかなり強い内容だったのは否定しないし、たとえばロゴタイプが今年の皐月賞に出てて馬券に絡んだどうかは怪しいだろうし、エピファの皐月2着と遜色ない4着入線だったとも思うのだ

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多忙なのに飲みすぎやん…

2016-05-24 22:31:04 | その他

オークス当日に東京入りしてから毎晩飲みが入ってて、昨日はナスキロ会で「うな鐵」でうなぎ三昧(みなさんお疲れさまでした、いつもながら楽しい酒でした)、今日は大森のオイスターバーで牡蠣三昧(燻製とオイル漬だけで果てしなく飲めます)、明日は平出さんオススメのホルモン、明後日はMahmoudさんオススメの焼肉と休肝日はどこへやらの怒涛のローテで、当然のごとくミラクルエースが毎晩大活躍しております

そんなこんなで、ただでさえお仕事が重なって多忙なのに日々飲んだくれているので(じゃあ飲むなって話なんですが、東京にいないと飲めない人たちがいっぱいいるのでね)、ダービー関連のエントリも何か立ち上げたいのですがそれもままならず、「3歳勝ち馬評価」も一週お休みで来週にまとめてやりますのでご了承ください…ということで

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5/21,22の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2016-05-23 15:39:02 | POG

■『ディープインパクト好配合リスト(2015)』で栗山求が推奨したケイブルグラム(牡3歳)が日曜東京3R未勝利戦(ダ2100m)を勝ち上がりました。

◎ケイブルグラム(牡・母ジンジャーパンチ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105933/
キャロットクラブで募集価格7000万円。牝馬ながらきさらぎ賞を制したルージュバックの4分の3弟。母ジンジャーパンチはブリーダーズCディスタフ(米G1・ダ9F)をはじめG1を6勝、通算22戦12勝という成績を残し、米古牝馬チャンピオンに輝いた。父はフレンチデピュティ-クロフネを父に持つ繁殖牝馬と好結果を残しているようにDeputy Minister系と相性良好。母はフィジカルな能力に秀でたアメリカ血統でありながら、パワー一辺倒ではなく芝向きの血も豊富に抱えている。マンハッタンカフェとの交配でダート馬が出ず、父の切れ味にフィジカル面の強さを補強した産駒が出たのはそれが理由だろう。父ディープインパクトはマンハッタンカフェよりもさらに芝寄りの血なので、芝向きの強靱な末脚を武器とする中距離タイプとなるはずだ。Promised Landのクロスを持つディープインパクト産駒は連対率32.6%と走っており、芝では37.9%とさらにいい。(栗山)

■土曜東京11RメイS ロジチャリス(POG・望田)
■日曜京都11R伊勢志摩サミット2016開催記念 グランアルマダ(POG・望田)
■日曜東京11Rオークス2着 チェッキーノ(POG・望田)
■日曜東京12R丹沢S エルマンボ(一口・望田)

というわけで、POGや一口の推奨馬を全く馬券にできなかった悲しい週末でした(^ ^;)

チェッキーノはコディーノの全妹ですから、今年のオークスは全兄に重賞勝ち馬を持つ妹のワンツーやったわけですが、性別やタイプの異なる全きょうだいがオープンレベルで成功する配合というのは信頼度が高く好配合というべきでしょう

ロジチャリスとグランアルマダは母系に「HyperionとDonatello」があって自身はHaloのニアリークロスという「ダイワメジャー黄金配合」で、次シーズンのPOGもだいたいこのパターンでいけるんじゃないかと思ってます

エルマンボもついにオープン入りですか、母がRaise a Native3×4とNorthern Dancer≒Icecapade4×3で、そこにアウトサイダー血脈が強いウォーエンブレムを配した緊張→緩和、POGではちょっとシンドイですが、一口ならば長く楽しめる力馬ですよと推奨できる配合といえます

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第77回優駿牝馬回顧~「1/4異系」で輝きを増すHalo3×4

2016-05-23 11:03:35 | 配合論

東京11R オークス
◎11.エンジェルフェイス
○3.シンハライト
▲13.チェッキーノ
△5.ペプチドサプル
注7.ゲッカコウ
シンハライトはアダムスピークやリラヴァティやアダムスブリッジの下で、母シンハリーズがデルマーオークス(米G1・芝9F)勝ち馬で、母父シングスピールはサドラー系のJC勝ち馬。430キロの小柄で細身でお尻の小さな牝馬で、血統も馬体もスピードの乗りもどうみてもマイラーではなく中距離馬。それだけに中距離馬が楽に追走できるペースになったとはいえ、桜花賞とチューリップ賞の力走は能力の高さと認めるべきだろう。とはいえ、新馬戦だけは◎だったが以降は◎を嫌ってきた馬でもあるだけに、ついに中距離に出てきたからといってここで今さら◎というのも失礼な話で、ならばデビュー前から配合をほめてきて、POGでも推奨してきたキンカメ娘3頭から◎は選びたい。チェッキーノはコディーノより体型に伸びがあるしハイペリオン的に実直に伸びるし気性も穏やかなので中距離馬とみていいだろうが、キンカメ産駒を東京の大レースで買うならナスキロクロスがあったほうが買いやすいので、母系にサーゲイロードを引くエンジェルフェイスを◎とした。母父がパワー型テハノランなので鋭い斬れ味に欠けるところがあるが、全姉レディアルバローザはヴィクトリアマイルでHペースで先行しアパパネ、ブエナビスタと接戦の3着。上がりだけの競馬にさえならなければ、先行して二枚腰を使えるはずだ。アットザシーサイドは母方のマイラーっぽさが出ているのもたしかだが、キングマンボ≒タックスヘイブンのニアリークロスで小脚を使うのが東京の中距離でどうか。いつも持続力を感じさせる末脚で伸びてくるペプチドサプルと、オークス2着チューニーの孫ゲッカコウの先行流れ込みをヒモ穴で拾う。

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チェッキーノは予想コメントにも書いたように、全兄コディーノと比較してみても、この牝系特有の前向きすぎる性格を受け継いでないし、体型に伸びがあって脚が長くお尻は小さくて、やはり細身で脚長でお尻が小さいシンハライトともども、パドックで実馬を見てもマイラーではなく中距離馬と言うしかなかった

そんな中距離馬2頭がマイルの桜花賞路線でもほぼ不敗のままでオークスに駒を進めてきたのだから、終わってみれば中距離馬としての性能が2頭だけ図抜けていて、何回やっても東京芝中距離で脚をタメて上がり33秒前半を叩き出せるのはこの2頭だけなのだ、という事実が浮き彫りになったレースでした

そしてデンコウアンジュを弾き飛ばしながら追い込んできたシンハライトの脚はまた別格で、シンハライトとチェッキーノが図抜けていたオークスだったけれど、2頭の間にも着差以上の力量差があることを皆さん実感されたことでしょう

ペースや展開が云々とか、距離やコースが云々とか、そんな細かい話をする意味があまりないぐらいに、能力差が浮き彫りになったオークスやったと思います



エンジェルフェイスはパドックで気合いが乗りすぎていて、返し馬でも一頭だけ逆方向に行って集合直前まで馬を落ち着かせてて、あれをみるとまだこの大舞台で、持てる資質を全て発揮できる段階には達してないのだろうなあ…とテンションだだ下がりでしたが(^ ^;)、でも先行馬には厳しい展開のなか、直線で一瞬反応したあたりに姉に比肩するぐらいの素質はかいま見せたのではないかと

シンハライトの今日の馬体重422キロは、ディープ産駒のG1勝ちとしてはジョワドヴィーヴルの418キロに続く軽さで、こういう母も母父も中距離馬の小さなディープ産駒が3歳春のクラシックを勝ったのは初のケース

振り返ってみても、ブランボヌール、キャンディバローズ、レッドアヴァンセ、メジェルダ、ラベンダーヴァレイ、この世代のディープ牝駒は、「母or母父マイラー」に大物がいなかった、という言い方もできるかも

母父SingspielはジャパンCで女傑ファビラスラフインと叩き合った名中距離馬で、Sadler's Wellsの直系ながら母父がHaloなので軽いスピードにも優れ、このJCのラップが59.4-24.1-60.3で2.23.8、世界トップレベルのスピードの持続力を見せつけた勝利でした

シンハライトもジェンティルドンナやハープスターのような際立った爆発力でビュンと差すわけではないのですが、速い脚を600mぐらい同じように持続的に使えるところは半分Singspiel的で、だからいつも着差的には辛勝で圧勝することがないんですが、僅差の叩き合いを勝ちきってしまう勝負強さもまた特筆もの

母母BaizeはNorthern DancerもTurn-toもNasrullahも持たないまさにアウトサイダー血脈の塊で、そこにHaloとNorthern Dancerの組み合わせのSingspielとディープインパクトを連続配してHalo3×4、Northern Dancer5×5としたメリハリが良い配合で、Baizeの部分が見た目に「1/4異系」になっています
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013105906/

やはりアウトサイダー血脈の塊Much Too RiskyにMachiavellianとネオユニヴァースが配されてヴィクトワールピサ(Halo3×4)が出たり、アウトサイダー血脈の塊NegligentにSingspielとストリートセンスが配されてフリートストリート(Halo5×4、Northern Dancer4×5)が出たり、アウトサイダー血脈の塊RiviereにサザンヘイローとOrpenが配されてマルペンサ(Halo4×3)が出たり、このように3/4でHaloやNorthern Dancerのクロスを重ねることと、1/4にそれとは縁遠い異系を注入することを同時に考えなければならない、というのが『日本サラブレッド配合史』の考え方の幹で、私がサトノダイヤモンドをいろいろと評価しているのは、突き詰めればマルペンサの配合を評価しているからなのです(GalileoがSadler's Wells系で突出した大成功をおさめているのも、極言すればドイツの名血Allegrettaを1/4異系としているからに他ならない)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/000a011cdc/

シンハライトとアダムスピークが出るのですからディープインパクト×シンハリーズは好配合というべきだし、他にリラヴァティやアダムスブリッジも産んでいるシンハリーズは紛れもない名繁殖牝馬ですが、ディープインパクト×シンハリーズの血統表をもう一度眺めながら、「1/4異系があるからこそ、HaloやNorthern Dancerのクロスが更に輝きを増すのだ」ということをもう一度噛みしめて、オークス回顧を終わりにしたいと思います

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日曜のボツ予想~「3/4Northern Dancerクロス」のキンカメ

2016-05-22 08:58:48 | 血統予想

これから府中競馬場入り、のぞみの中でボツ予想を書いております
オークス回顧は月曜になると思います

フリーウェイは◎トーキングドラム
母母がNorthern Dancer≒Indian Hemp2×3で、サンデーサイレンスを1/4異系に残りの3/4でNorthern Dancer+ナスペリオンをクロスする、という図式はドゥラメンテと同じ
一瞬の鋭い脚に欠けるのだけが弱点で、晩春は上がりが速すぎて鋭さ負け、ここは先行馬がけっこう揃ったので、もう少しペースが流れれば1400での手堅さを見直せます

御室は◎アドマイヤシーマ
ディープ産駒としてはFair Trial的な捌きで走る馬で、ウインリバティを子供扱いした矢車賞に、サウンズオブアースと叩き合った未勝利戦、実は京都内2000でこそベストパフォを叩き出しており、和田がコーナーでガシガシ動かしてもOKな馬でしょう

鳳雛は◎ポッドクヒオ
4代母がSir Gaylord=Swansea2×3、3代母がNorthern Dancer≒Icecapade3×3、母母がRaise a Native3×4、母がRaja Baba4×4
そして自身はMr.Prospector3×4、Northern Dancer≒Icecapade5・5・7×6・6で、トーキングドラム同様「3/4Northern Dancerクロス」の配合形
Bold Ruler的忍者走法で音も立てずに捲る脚はなかなか京都1800向きで、2戦2勝の内容が着差以上に素晴らしい

伊勢志摩サミットはマイティースコールが大逃げ宣言、ある程度持続戦と読むならば、母系にリアルシャダイやメジロマックイーンやシーホークやマルゼンスキーを引き、古き良き時代のステイヤーの残り香漂う◎ヤマイチパートナーと○エーティタラントで
ハーツクライ勢もスタミナには自信、ただ京都ではやっぱり頭までは厳しいとみたい

ヨハネスブルグ産駒は芝1200m以下[35-23-28-233]で単回値66複回値91連対率18.2%、直千は[5-5-2-15]で単回値127複回値121連対率37.0%と最得意条件
このうちオープン~1000万下の直千で勝ち負けしたネロ(Secretariat=The Bride5×4)、フクノドリーム(Secretariat≒Sir Gaylord5×5・5)、レッドキャンティー(Secretariat≒Sir Gaylord5×6)の3頭はSecretariat≒Sir Gaylordのクロスを持つという共通点があります
Secretariat≒Sir Gaylordのクロスを持つヨハネスブルグ産駒が直千競馬に出てきたら、[4-3-1-7]で単回値216複回値138連対率46.7%ですな
というわけで韋駄天Sですが、ネロとレッドキャンティーはもちろん、ホウライアキコもSecretariat5×5を持つので、さすがは韋駄天Sに出てくるヨハネスブルグ産駒やという以外に何の結論も出ず、どれを買うか買わないかはみなさん決めてください(^ ^;)

「No.1予想」ではオークスを、「厳選予想 ウマい馬券」ではオークスと丹沢Sを予想していますので、日曜もよろしくお願いします

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