栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

有馬記念&ホープフル回顧~夢いっぱいの3年間をありがとう

2013-12-22 17:02:46 | 血統予想

中山10R 有馬記念
◎5.デスペラード
○16.トーセンジョーダン
▲6.オルフェーヴル
△14.ゴールドシップ
×1.ダノンバラード
オルフェーヴルの今週の追い切りをみたが、この馬にしては少し動きに硬さがあるように感じられた。本調子にないと陣営が泣いていた宝塚もフタを開ければアッサリだったように、能力が抜けているだけに有終の美を飾るシーンも十分だろうが、シンザン記念からほとんどのレースで◎を打ってほめちぎってきた馬だし、最後ぐらいは後を託される馬から入るのもいいだろうということで、勝っても負けてもお疲れさまと拍手で送り出したい。中山でもタフな馬場のロンスパ持続戦ならトーセンジョーダンの二枚腰から入る手があるが、今年の◎はデスペラード。サンデーサイレンスとトニービンとブライアンズタイムを引き、母母はグロースターク=ヒスマジェスティ3×3、スタミナや底力のバックボーンは十分すぎるほどだ。ブライアンズタイムやロベルトの影響が強い掻き込み走法は明らかに中山内回り向きだし、ノリならギリギリのところで馬群を捌いて一発を狙ってくるはずで、前走が本格化を感じさせる完勝、その余勢で一気にチャンピオンの座に上り詰めても不思議ない血統だ。

中山7R ホープフルS
◎7.ベルキャニオン
○15.ジョウノムサシ
▲13.トレクァルティスタ
△2.エアアンセム
×11.ウインマーレライ
牡馬は不作だとも言われる世代だが、ここはラジオNIKKEI杯に見劣らない好メンバーが揃った。マウントシャスタ・カミノタサハラの全弟でディープの教科書的好配合の◎の素質に期待したが、○▲△も中山内回りの機動力では互角以上で、際どい叩き合いになるだろう。

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エアアンセムは先週のエアソミュールと同じで、およそボリクリ産駒とは思えない母譲りのBold Ruler的機動力で、中山はこう運ぶのが一番楽なんだよという勝ち方
この牝系はエアシャカールの皐月といい、エアメサイアの秋華といい、そしてエアシェイディが毎年有馬で好走したように、Bold Ruler的な内回り向きの機動力がセールスポイント

対照的にベルキャニオンは中山向きではなかったぶん届かなかったけれど、あそこからクラリティシチーを差したのはさすがで、少なくとも東スポ組とは2000mで五分かそれ以上の評価はできる内容ではなかったかと思います

デスペラードのノリはこの枠なら当然のイン差し狙いで、前走で感触もつかんでいるだけに出していって絶好の中団イン
祐一が緩みのないペースで逃げ、しかもオルフェがひと捲りで馬群を飲みこんでしまったので、先行勢には厳しく外差し勢には有利な展開となりましたが、2000mベストのダノンバラードは4角でもう一杯で、その直後にいたデスペは下がってくるダノンから逃げるすべがなかった
あそこでポジションが下がったし仕掛けも遅れ、ちゃんと追えたのはあと200mぐらいからでゴール前は目立つ伸び、まともなら3着近辺にはきてたのではないかと…
「直線で前が開いていればと思うところもありましたが、それも競馬です。馬はがんばってくれました」(横山典)
血統どおりのRoberto走法&Graustark体質で、「急坂・小回り・長丁場」と活躍の場は限定されるタイプではありますが、母方はHyperionの塊だけに来年が楽しみな本格化、厩舎の先輩エスポワールシチーのような息の長い活躍が見込めるでしょう
「後を託される馬」ということでこの馬に◎を打ってよかったと、最後の脚をみると負け惜しみでなくそう思いました…いや負け惜しみではありますが、内容は良かったのでね(^ ^;)
来年はそうですね~、まず阪神大賞典でゴールドシップとの対決が見たいです(・∀・)

そのゴールドシップは例によってノソッと出て、そこからムーアが気合いをつけて馬群に取りついたのはさすがで、さてどこからスパートするのだろうと固唾を飲んで見ていたら、オルフェが来てから慌ててゴーサインを出すというふつうの競馬
そこはいかにムーアといえど、追い切りに2週連続で跨ったといえど、こういうちょっとふつうじゃないキャラの馬を理解するにはテン乗りでは難しいものがあったし、まあふつうに乗るしかなかったんかなあ…と
でもふつうに乗って3着にきましたから、タフな馬場で持続戦になればこれぐらいは走る馬ではあるのだ…という力走でもありました
あとせっかくムーアに頼んだのだから、来年はキングジョージとかチャンピオンSみたいなレース、少頭数のスローだけどタフな馬場で徐々にスタミナを消耗して最後は我慢比べみたいな、そういうレースに遠征してほしいなあ…と
凱旋門は密集した多頭数を捌く技も要求されるだけに、この馬にはちょっと厳しいと思うんですよね~

ウインバリアシオンはオルフェの後を追うように捲って2着、Promised Landのクロスでどちらかというとしなやかにストライドで加速するので、岩田の距離ロスはあってもストライドロスがない乗り方は正解
同期のチャンピオンとの差は最後まで詰まりませんでしたが、この馬もハーツクライ産駒らしくブランクはあっても確実に成長しているところをみせてくれました

ラブイズブーシェはステイヤー的な体質の馬で“前受けヒルノダムール”と命名したほどで、長いところを使うべきだと書いてきましたが、ゴール前の伸びはデスペ同様ステイヤーのそれ(・∀・)

オルフェーヴルは追い切りの映像をみると前捌きが硬く映ったのが気になったんですが、まあこの圧勝ですからそんな心配は杞憂だったわけで、二度の欧州遠征でマッチョで頑強な体質になったために、若いころほどしなやかに見えないというべきなのでしょう
シンザン記念で◎にしたときから、ドリームジャーニーと似ているところもあるけどいやこれはちょっと違う、強く柔らかく、速く大きく動ける別格の名馬なのだと書いてきましたが、こんな凄い馬が2年連続で挑戦しても凱旋門賞を勝てないのだから、ほんとに競馬は奥が深い
そんな競馬の奥深さを、そして競馬のすばらしさを走るたびに我々に教えてくれて、日本の競走馬が世界のトップクラスで紛れもなく通用することも証明してくれて、オルフェが走ったこの3年間は夢いっぱいでした

拍手で送り出したいと思います、ありがとう

コメント (5)
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日曜のボツ予想~母父エルコンのスタミナで

2013-12-22 10:43:21 | 血統予想

ノエル賞

ヒュウマはA.P.Indy3×2、フジマサエンペラーはSeattle Slew4×4、タイプも似ていて、マイラーというには動きが少し緩慢でストライドで走っていて、それはタイキブリザードだってリーチザクラウンだってサダムパテックだって、みんなみんなSeattle Slewなんだ

マイネイディール
はアドマイヤマックス×マルゼンでラトロ肩で掻き込むマッチョなパワーマイラーで、前走は格上挑戦のHペースでよく踏ん張ってますが、軽量だけでなくHペースで上がりがかかったからこそ踏ん張れた…という側面があるだけに大知がどう乗ってくるか

モンストールは相変わらずトモが非力なので中京ではぜんぜん伸びないし、今のタフなエアレーション中山もプラスではないだろうと

オメガキングティーはセレナビアンカと同血でHornbeam≒Sunset的にナタ斬れするので本来は東京>中山、タフな馬場はプラス

アールデュランはハーツクライらしい持続系の伸び方なのですが、にしては超スローを凄い勢いで抜け出した前走がビックリで、本格化を辿るハーツクライ×Kingmamboとなると昇級のカベはないと考えるべき

インプロヴァイズは3月の中山マイルで持ったままできれいに捲ってバロンドゥフォールと叩き合い、ウォーエンブレムにもサンデーにも似てないマイラー体型でFair Trial曲飛で、叔父にエクスペディションやツルマルヨカニセとなると機動力マイラーの見立てでいいのかも
ダンスをつけて小倉1800mの鬼が出るぐらいですから、ビーモル牝系は基本マイラー寄りの資質なんやと思います

イギリス人騎手というとわりとパワーごり押しで大雑把で、日本の競馬ではフランスのシェフほど舌が繊細ではないというイメージで、ムーアも一年前ぐらいは東京ダートでは鬼神のように追って切り裂いてくるけれど中山ではちょっとポジション取りや仕掛けに細かい配慮が足りないというか、塩コショウぶっかけて焼いとけみたいなところはありました(^ ^;)
しかし今開催の騎乗をみるとこのトリッキーなコースを見事に手の内に入れており、アジアエクスプレスのコース取りなんて中山で何十年乗ってる人でもなかなかできないもの

◎インプロヴァイス○アールデュランでいきたいです

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江坂

タイキプレミアムは昨年の覇者で、母のGonfalon≒Mill Reef的重厚斬れもONになっているので、距離延長と外回りとタフな外伸び馬場が明らかにプラス

ラブラドライトはキンカメ×サンデー×RivermanでRibotのクロスもあり、胴長ですが前捌きは硬いのでパワー型のストレッチランナーでこれも阪神外2400mはベスト、ただ今の馬場の外回りだと先行馬はちょっと乗り方が難しいかも

ジャイアントリープは母父エルコン母母ファビラスラフインですからスタミナ豊富で、たとえば京都新聞杯は淀みないラップで持続力で踏ん張ったという3着で、体質や走法もステイヤーに近いものすら感じるので、この距離延長はぜひ買いたいです
「母父エルコンは牝馬にはSpecial的機動力を、牡馬にはサドラー的持続力を主に伝える」というのが持論で、母父エルコンの牡の賞金上位はクリソライト、ブレイズアトレイル、サムソンズプライド、ヒルノドンカルロ、オメガスカイツリー

プランスペスカは母がマヤノトップガン的配合でスタミナなら負けておらず、10/27京都組ではこれではないかと
サカジロオーは京都のスローで2400mをこなしてますがベストは2000mぐらいだと思うので…

アースステップは前はラトロ肩(プレイメイト+Never Bend)、後ろはBull Lea曲飛で(母母がアイアンリージ3×3!)、長丁場が合うというより中山内回りの捲り勝負が合うというべき

ロッカデバルディはデインヒルとSir Tristramが走っているような中距離馬でムーニーヴァレーオークス(豪G2・芝2040m)勝ちの母の影響が強いのでしょうが、ここまで上がってくると父の奥行きのなさも気になってきます

サンタクロースはこれから考えます~

オルフェーヴルの追い切りについては各紙で取り上げられていますが、私はラスト1Fがかかったから嫌なんじゃなくて、いつもより動きに硬さが感じられて、いつもほど沈まずに浮いて走ってるように感じられたのが嫌なのです
まあ陣営が泣いてたのに宝塚をぶっこ抜いた名馬ですから(^ ^;)、ここもアッサリ有終の美を飾るかもしれないですが、そこらをパドックでじっくり見たいです

「No.1予想」では有馬記念を、「馬券総合倶楽部」では有馬記念とホープフルSを予想していますので、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

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追記

サンタクロースは◎アクションスター
母父Loup Solitaire(仏グランクリテリウム)がLear Fan×NureyevでLt.Stevens=Thong3×4、Nashua≒Nantallah4・4×5、神戸新聞で2着はあるかの勢いで捲って止まったように、外24000mより内2000mがベターな機動力型

カネトシマーシャルは3代母がAlydar産駒でBull Lea5・5×4で、この曲飛を受け継いでおりこれも阪神内で捲れる馬

タガノイノセンスはマンカフェ×Woodman×Danzigだけに体質は硬いのですが、Bold Bikini≒Madamoiselle W.4×4でHalo≒Boldnesian≒Chieftain3・5×5なので脚捌きは無駄なくきれいで、これも内回りで上がりがかかるとヨッコラショと捲ってくる馬

ここ本線で買いたいです

コメント (39)
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