リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ひさびさにCDを・・・

2006年04月26日 12時29分10秒 | 音楽系
ホピーを見送ったあと、久々に名古屋駅前のCDショップに寄ってみることにしました。CDショップとか楽譜屋さんというのはどうも危険な店なんですね。入るとすぐ2,3万は使っちゃいますから。でも今日は心もサイフも引き締めて・・・

ナクソスの日本人作曲家シリーズが着々と出ていますのでその中の1枚でも買おうかなと思って店に入りました。先日亡くなった伊福部昭のアルバムをインターネットで注文してあって、時間がかなりかかる由。でも新星堂にいったら、あっさりとありました。うーむ、最初からここへ来れば良かった・・・目の前にあるのに、買うわけにはいかないです。残念。考えてみたらナクソスのCDの入荷がそんなにかかるわけないですよね。割と最近出たものだし。ちょっとしくじりました。

伊福部は買えないので、同じナクソスのシリーズで早坂文雄の作品集を買いました。早坂文雄は伊福部と同郷、同世代ですが1955年に若くして亡くなった作曲家です。彼の作品のCDは聴いたことがあるんですが、あまり録音がよくないのでいい録音のものを聴いてみたいと思っていました。

ナクソスは1000円なので安い買いものです。今日はこのくらいかな、と思ってついでにあちこち見始めました。こういうことをするといけないんですね。次々と聴いて見たいものが出てきまして、結局選りに選ってあと3枚買ってしまいました。多少は自制心がありましたので、金額的には6000円くらいの出費でとどまりました。3万まで行かなくてよかったです。でも今回はたまたま安いのばかりだったということですが。(笑)

早坂以外に買ったのは、

カール=エルンスト・シュレーダー(リュート)、マルティン・フンメル(バリトン)による「17世紀ドイツのリュート・ソング」

アンドレアス・ショル(カウンター・テナー)、アンドレアス・マルティン(リュート)による「17世紀イギリスの民謡とリュート・ソング」

パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、トマス・ボーセン(テオルボ)による「サント・コロンブ作品集」

今回は自制心を持って選りすぐったので、みんな大当たりでした。5枚も6枚も買ってほとんどはずれということもよくありますので、今日はついてました。でもアーチスト名を見ればそれは当たり前と言えば当たり前ですね。

早坂以外は古楽系ですが、カール=エルンスト・シュレーダー、アンドレアス・ショル、パオロ・パンドルフォの3人はいずれもバーゼルゆかりの人です。アンドレアスとパオロはスコラで教えていますし、チャーリー(シュレーダー)はバーゼルに住んでいました。アンドレアスは結局レッスンは一度も受けるチャンスはなかったですが、パオロはガンバの通奏低音でバンバの人といっしょに何度もレッスンを受けたことがあります。

チャーリーは結局一度も会えなかったんですが、彼は私がバーゼルに行った年(2003年)の11月に急逝しました。そのことを授業を受けていたボブ1(クロゥフォード・ヤング)から聞いたときは、本当に驚きました。まだ若い人でしたから。ヨーロッパ生活もぼちぼち落ち着いて来たので、一度訪ねてみようと思っていた矢先でした。チャーリーはボブと一緒に中世の作品を録音しているし、そうかと思えばバロック・リュート二重奏をボブ2(笑)(ロバート・バルト)と録音したり、失われたヴァイスの二重奏曲を復元したりで、リュート的実践の幅はすごいものがありました。ボブ1によると、チャーリーはドイツタブを素読みできたと言います。(ドイツ・タブラチュアをパッと読める人はほとんどいないです)

チャーリーのこのCDは2000年10月録音ですので、亡くなる3年前のものです。バリトンもすごくうまいのでお薦めです。(Naxox 8.555935)

今回買ったCDは奇しくも、夭折した音楽家とバーゼル系がテーマになっていました。