リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

木星と土星が大接近

2020年12月22日 19時49分28秒 | 日々のこと
今木星と土星が大接近しているそうです。もちろん公転の軌道を外れてお互いに近づいていくということではないでしょうけど。なんでもこの大接近は397年ぶりだそうです。

397年前というと、1623年になります。音楽史でいうと初期バロックの時代です。ウィキによりますとガリレオ・ガリレイが木星の4つ衛星を初観測したのが1610年だそうで、ガリレオは1564年生まれで1642年没ですから、前回の大接近のときは生きていたわけですが、そのときはイタリアでは地理的に観測が難しかったそうです。その60年前の1563年にも同様の現象があったそうで、こちらはヨーロッパでも肉眼で観測できたそうです。多分ガリレオは1歳だったので見ていた可能性は低いでしょう。

ガリレオの父はリュート奏者のヴィンチェンツォです。彼は1520年生まれで没年は1591年ですから見ていた可能性が見ていた可能性があります。リュートの練習を終えたあと、1歳になる息子と一緒に天を仰いで見ていたのかも知れません。ちなみにガリレオの弟ミケランジェロも父と同様リュート奏者でした。父の残した作品はルネサンス様式の音楽でイタリア式タブで書かれていますが、息子はフランスの新しい音楽スタイルの曲をフランス式タブで残しています。

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7 コメント

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Unknown (やまねこ)
2020-12-22 21:06:40
こんばんは。
天空の神秘ですね。感動します。
400年に1度なら一生に一度の機会ですし、とてもワクワクしました。
それに、リュートとの縁もあるようで興味深いです。
 この木星と土星の件の他には、あのハレー彗星が現れた時も非常に観測した時には感動しましたねえ。前回は1986年でしたし、次回は2061年夏に出現する計算らしいので、あと40年後では、恐らくもう見れないですかねえ。

 冬の空を眺めていますと、無数の星々がチラチラと光が瞬きますが、その見える光が今から数百年前に発したものを見てるというのが不思議で仕方ありません。そんなことを思うと、リュートをあとどのくらいの時間を楽しむことができるのであろうかと、厭世的な気分になります。時間は有限であり、人間の一生など実に小さなものだと思い知ります。
 天体ショーを見ながら、ふと日々、無駄にすることなく過ごさねばと思い至り反省をしました。
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Unknown (nakagawa)
2020-12-23 00:56:41
フレンチ・バロックの大家、ガローの作品に彗星という副題がついたシャコンヌがありますよ。17世紀の終わりにハレー彗星が接近したらしいですから、それと関連がある作品だと推測しています。その曲をコンサートでときどき弾くことがあるんですが、タイトルの彗星はハレー彗星だというような話をします。
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Unknown (やまねこ)
2020-12-23 18:11:14
そうでしたか。リュートとの縁は深いですね。そのシャコンヌをさっそく探して聴いてみます。
ご教示ありがとうございました。
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re (nakagawa)
2020-12-23 18:28:17
ホプキンソン・スミスが録音しています。楽譜はライプチヒ市の音楽図書館のII.6.14写本にあります。復刻版がTREE EDITIONから出ています。
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Unknown (やまねこ)
2020-12-23 20:43:17
重ねて詳細をありがとうございました。
楽しみが増えてよかったです。
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17世紀の大彗星 (Unknown)
2020-12-27 23:07:51
ハレー彗星は1682年に回帰し、中国や朝鮮の史書にはそれらしい記述がある一方で、ヨーロッパではニュートンやハレーが関心を持っていた以外、一般の注目は殆ど集めなかったようです。

Gallotが見たと思われる彗星は、1664年の大彗星かキルヒ彗星(1680年の大彗星)ではないかと思います。
1664年の大彗星は世界中の多くの人に見られ、様々な迷信とも結び付けられました。
キルヒ彗星は長い尾を出し、昼間でも見えるほど明るく、こちらも多くの注目を集めました。絵も何点か残されています。
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re (nakagawa)
2020-12-27 23:36:58
Gallotの生没年ははっきりしてませんが、1620年代から1690年代と言われていますので、80年や82年はGallotも晩年ですから、1664年の彗星というのが確率が高そうです。まぁわかりませんけどね。あの印象的な、例外的なハーモニーで始まるシャコンヌは若さゆえに作ったのか、老練さが彼をして作曲せしめたか、何ともわかりませんが・・・貴重な情報ありがとうございました。
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