リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

まだまだ弦をめぐる状況

2021年04月11日 12時20分03秒 | 音楽系
日本にいてリュート用の弦を入手する場合、国内にはディーラーは事実上ありません。でもインターネットを使ったECが当たり前になった昨今では自分でメーカーやディーラーに直接注文ができます。決済もカードやPayPalが使用可能です。実際問題、国内のディーラーがあったとしてもそこから買うよりずっと便利です。ただし多少の英語力とICTの基礎知識、あと家庭内のWi-Fi環境、そしてそれなりのコンピュータ(スマホでもできなくはないですが)が必要です。でも英語力は置いておくとしても、それらはこれからの社会を生きてうえでの必須アイテムでしょう。

40数年前、まだ古楽復興の黎明期であった頃、弦は主にギタルラ社東京古典楽器センターに注文していました。東京古典楽器センターは現在は目白にありますが、当時はまだ渋谷の宮下公園の道を隔てた向かい側にありました。当時そのお店にはⅠさんとおっしゃるとても熱心な店員さんがいらっしゃって、彼がピラミッド弦の情報をいろいろ集めていました。Ⅰさんは何と数種類の弦長にマッチした各弦の張力一覧表を作ってくださいました。今でも持っていますが「青焼きコピー」です!手書きでびっしり数字が書き込まれた表です。コピーもまだそんなに普及しておらず、パソコンはまだ存在していなかった時代です。




何か時代の熱気を感じますね。