リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ドレスデン写本苦労話(3)

2007年07月16日 13時22分45秒 | 音楽系
この当時、そのドレスデン写本をカラー撮影をして復刻した本が既に売られていましたが、一冊5万円近くしていました。一度それをどっかで見る機会がありましたが、カラー撮影してあってもやはり、購入したマイクロフィルムと同じようによく見えないところは見えませんでした。

加筆修正には1ページにつき1~2時間くらいかかり、こんなことばかりやってたらリュートの練習時間がなくなるな、と思いつつもせっせと時間を見つけて作業を続けました。当時教員をしていましたので、完成したページをその都度50枚ずつ(50部作る予定でした)学校の謄写印刷機で印刷していきました。もちろん紙とインクは自前のものを使い勤務時間外に印刷しましたが、今ならそうやっていても学校の機器の目的外使用をするななどと苦情のひとつやふたつはあるでしょうねぇ。あの頃はまだのどかな時代でした。

もっともこの作業、実は毎日かかさずやっていたわけではないので、結局完成までに8年近くかかってしまいました。途中で面倒くさくなってしばらく休んでいた時期もあったし・・・(笑)やっと全てのページが印刷完了したのはいいのですが、今度はこれをどう製本にもっていくかという難題がありました。ページ数として、B4紙の大きさで170数種類あります。一冊ずつまとまっていれば、製本屋に送れば製本してもらえるのですが、問題はそれをどう一冊分ずつ拾うかです。