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莫高窟の文化財保護に、日本人の貢献

2009-02-04 03:07:15 | Weblog
平山郁夫画伯は、他国の文化・芸術であっても、
その価値を認めて、文化財の保護のために、
資金援助をし、世界遺産登録の支援をしている。
と、書いた。

シルクロードの旅、
敦煌(とんこう)の莫高窟(ばっこうくつ)で、
平山郁夫画伯の“石碑”と“看板”を見た。
莫高窟の文化財の保護、および、
研究者を育成するための奨学金に、
大きな貢献があったことを、
称えるものである。

シルクロードの旅で、敦煌の莫高窟は、
メインの観光スポット。莫高窟は、世界遺産である。

敦煌の郊外にある莫高窟には、
4世紀から14世紀まで、1千年間の、
壁画や塑像の仏教美術があって、
砂漠の大画廊”といわれている。

平山郁夫画伯の、
看板”は、その莫高窟の入口の近くに、
石碑”は、莫高窟、第96窟の前の広場にあった。

中央が平山画伯の“石碑”。
後方の朱色の楼閣が、第96窟で、
中には、莫高窟で最大の大仏がある。

平山画伯の石碑は、“中国語”で刻まれていた。
「日中友好協会会長で、
敦煌研究院の名誉研究員の、
平山郁夫先生は、
敦煌文物の保護のために設立する、
文化財保護振興財団、および、
研究者育成の奨学金制度に、
1989年、2億円を寄付されました。
これを称えて、記念します」
という趣旨に、読めた。

――いいものは、保存しよう、としている。
たとえ、それが外国の文化財であっても。
それに、2億円は、物価水準を考えれば、
10倍以上の価値はあるから、文化財保護に、
大きな貢献になったに違いない。

この平山画伯の石碑は、見落としがちである。
どうしても、莫高窟の石窟の見学に夢中で、
外にある平山画伯の石碑まで、気が回らない。

団体旅行は、石窟の見学が終わると、
みやげものやに直行する。それから、
バスに乗るから、石碑は、その間に見る。


もう一つ、平山画伯の“看板”は、
莫高窟の入口の近くにある。
バスから降りて、莫高窟に向かうと、
沖縄の首里城の“守礼の門”のような、
この門(石室寶藏)が、目に入ってくる。

――ついに、莫高窟にきた!
と、わくわくして、門をバックに写真を撮り、
「早く、莫高窟を見たい!」
と、心はせいて、吸い込まれるように、
門をくぐって、莫高窟の入口に向かう。

この門の手前の右に、“看板”はあるのだが、
看板は、どうしても、見落としがちである。
それに、看板には、顔写真はあるが、
日本語の説明はない。

幅85センチ、高さ1.2メートルほどの、
3枚の看板があるから、近寄ると、
平山郁夫画伯
日本大学の学生の越智佳織さん
池田大作創価学会名誉会長であった。

池田大作創価学会名誉会長の看板には、顔写真と、
“中国語”と“英語”の説明がある。英語を読むと、
「撮影・録画機材一式、フィールド調査用の車両6台、
それに、1千万円を寄贈された」とある。

越智佳織さんの看板には、
「“重要な古代遺跡が、日々荒れていくのは残念で、
人類の宝を保存することができたら、
どんなに、嬉しいでしょう”と、
中国へ留学することを決めていた。
しかし、不幸にも敦煌で、交通事故で亡くなった。
遺志を継いだ両親が、留学のために準備していた、
200万円を寄贈された」とある。

そして、平山郁夫画伯の看板には、
「2千万円を寄贈された」とある。
ほかに、敦煌郊外の小学校の校舎建設のために、
400万円を寄付した。これを記念して、
平山郁夫校舎”と名づけられている。

これは、2008年に発売の、
日中平和友好条約30周年記念切手”である。
上段の4枚は、平山郁夫画伯の絵を原画とした切手。
中段の2枚は、森田基冶さん(切手デザイナー)、
下段の4枚は、王 伝峰さん(中国画家)、によるデザイン。

莫高窟の保護には、日本政府からも援助があった。
荒れるがままの莫高窟の、大規模な整備・補強に、
4億円を援助している。

整備され、観光客が訪れる莫高窟、敦煌。

敦煌石窟文物保護研究陳列センター」を、
日中両国の協力により10億円で設立している(1994年)。
敦煌の文化財の保護に、日本は多くの援助をしている。

敦煌空港は、日本の政府開発援助ODAによって、
建設された(外務省のホームページに記載がある)。

敦煌空港。夕方、西安から到着した。

西安や北京から、砂漠のオアシス都市、敦煌まで、
2~3時間で直行するから、便利である。
シルクロードの旅では、利用することになる。

日本人は、他国の芸術・文化であっても、
「いいものは、いい。保存しよう」
と、価値を評価して、
文化財の保護に、大いに貢献している。

敦煌へ行ったなら、
世界遺産、莫高窟のすばらしい、文化財と、
その文化財の保護に貢献した、日本人に会える。
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